北朝鮮 食糧難は一般人、兵士だけでなく軍中枢にも 戦闘遂行能力があるとは思えない状況

北朝鮮 食糧難は一般人、兵士だけでなく軍中枢にも 戦闘遂行能力があるとは思えない状況 – 孤帆の遠影碧空に尽き
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『【「核実験しか残っていない」】

米韓軍事演習に対する北朝鮮による連日のミサイル発射は報道のとおり。
一方の米韓も「強硬に対しては強硬」ということで、対応をエスカレート。「北朝鮮に残された挑発カードは、事実上、核実験しか残っていない」という状況にもなっています。
****米韓両軍が軍事演習を延長 北朝鮮はさらに反発か 挑発「核実験しか残ってない」****

北朝鮮による弾道ミサイルの発射が続いている。(中略)
韓国空軍は3日午後、アメリカ軍と現在行っている大規模な軍事演習について、当初、4日までの予定だったが、北朝鮮の武力挑発を受けて、当面延長すると発表した。北朝鮮のさらなる反発が予想される。

北朝鮮が発射した1発目のミサイルについて、韓国メディアは、韓国軍が新型のICBM(大陸間弾道ミサイル)、「火星17」型と分析していると伝えた。ミサイル自体は正常に飛行できず、日本海に墜落したとみられる。

また、韓国空軍は「北朝鮮の挑発で安保危機が高まっている」として、当初、4日までの予定だった、米韓両軍による大規模軍事演習を当面、延長すると発表した。

北朝鮮は、2日も20発以上のミサイルを発射し、韓国側も対抗措置をとるなど、ミサイル発射の応酬となっていて、朝鮮半島の緊張感が一段と高まっている。

韓国メディアは、「北朝鮮に残された挑発カードは、事実上、核実験しか残っていない」と報じている。【11月3日 FNNプライムオンライン】
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【ミサイル・核開発に注ぎ込む資金があるのなら・・・という“常識人”の考え】

米朝対立といった国際情勢、あるいは新たな核実験の可能性という話はともかく、連日の北朝鮮国内の窮状に関する報道を目にしていると、「ミサイル連射、核実験なんて、そんなことやってる状況じゃないだろうに・・・」というのが率直な印象。

****北朝鮮ミサイル1本最低4億 核開発には食糧4年分を投入できるワケ****

9月末から2日に1回のハイペースに

北朝鮮が発射する弾道ミサイルが、異常なペースで続いている。1回の発射でなんと最低でも4億円、核開発には2300億円が使われているとの推計も出されている。(中略)

今年1月だけで94億円使う

米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、北朝鮮がミサイル発射に要した費用は今年1月分だけで、最大6500万ドル(約94億円)に上るとすると報道した。(中略)

6500万ドルは、米農務省が基準とするタイ米15万トン購入できる額に相当する。北朝鮮の住民が1日に消費する穀物量は約1万トンとされており、およそ半月分にあたるとされる。

国民が消費する2か月分が消える

10月10日現在で北朝鮮のミサイル発射は25回、約40発となっている。ベネット氏の計算をおおざっぱに当てはめると、ミサイルの数が1月ひと月分の4倍になっているので、約400億円を使ったことになる。

これは国民が2か月に消費するコメの量に相当する。いやはや、ずいぶん気前良く使うものだ。

小型核開発には2300億円つぎ込む

(中略)韓国国防省傘下の韓国国防研究院がまとめ、韓国国会で明らかにした資料によれば、北朝鮮が進めている戦術核兵器(出力を抑えた小型の核兵器)の開発には、最大で16億ドル(約2300億円)に達しているという。

これは、トウモロコシに換算すると410万トンとなる。これは何と、北朝鮮の食糧不足量の4年分に相当するという。ミサイルと核の開発をやめれば、数年間、住民は食べるものに困らないはずだ。

住民は、壮大な無駄使いに怒っているかというとそうでもないらしい。現地からの情報では、日常的に発射しているため、慣れっこになって関心も持っていないという。

兵器開発は第2経済委員会が担当

北朝鮮は1970年代に「第2経済委員会」を組織し、内閣から分離させた。韓国政府が運営するサイト「北韓情報ポータル」によれば、この委員会は独自に軍需品の計画、生産、分配、対外貿易を行っており、傘下に数百に及ぶ軍需工場および企業所を持つ。

収入源は闇の中だが、暗号資産市場へのハッキングを行って資金を稼いでいるとも言われる。

金正恩総書記は、一連のミサイル発射に関連して、「敵と対話する内容もなく、必要性も感じない」と述べ、「核戦闘武力を百方に強化していく」と表明したが、これは本心ではあるまい。むしろ米国と核軍縮協議を開始し、北朝鮮や自分への脅威を減らそうとしているはずだ。

最後は間違いなく核実験と専門家

北朝鮮分析の第1人者である韓国の丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一相は、公共放送であるKBSのラジオ番組に出演し、ミサイルや核開発に必要な資金について聞かれ、「北朝鮮は我々のような資本主義の国とは違い、軍事経済が別途存在している。資金は豊かにある」と説明した。

その上で、「米国が北朝鮮と協議せざるを得ないよう、今後も極限までミサイルの発射を繰り返し、最後は核実験をするだろう」と予測した。【10月12日 五味 洋治氏 コリアワールドタイムズ】

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国家・・・と言うより「政権」維持のためにはアメリカを交渉に引っ張りこむしかない・・・ということでしょう。
しかし「資金は豊かにある」と言いつつも、その資金を国民生活のために使えば・・・というのは私など常識人の考え。
北朝鮮国内の食糧事情は限界に近づいています。(餓死者も報じられていますので、限界を超えているとも)

【国民みんなが飢えている 金持ちも、兵士も】

その類の報道は連日山ほどなされていますが、そのうちいくつかをスペースの許す範囲で。

もちろん、報道が極端に規制されている北朝鮮のことですので、情報の真偽はよくわかりません。また、かりに事実であったとしても、それは特殊なケースの話で、一般的な状況とは異なる可能性もあります。

ただ、そうであるにしても、これだけ連日出てくるというのは、国内に相当に深刻な状況があるのではないかとも推測されます。

****「食べるものが何もない」北朝鮮の食糧難が末期症状****

北朝鮮では現在、大々的に秋の収穫が行われている。同時に行われているのは、麦の種まきだ。北朝鮮の人々は、前年の収穫が底をつく春先のポリッコゲ(春窮期)に、飢えに苦しめられるが、その救世主的役割をするのが、初夏に収穫が始まる麦だ。

しかし、その麦栽培に異変が起きている。

デイリーNK内部情報筋によると、昨年の小麦、大麦の種の価格は1キロ4400北朝鮮ウォン(約75円)、4200北朝鮮ウォン(約71円)だったが、今年は1万6000北朝鮮ウォン(約272円)、1万5500北朝鮮ウォン(約264円)と3倍以上になっている。

価格高騰の原因は、食糧難だ。

「深刻な食糧難に瀕し、食べるもののない人々は、農場から託された種を食べてしまい、種不足に繋がり、価格に影響を及ぼしている」(情報筋)

また、麦そのものの不作も影響しているものと思われる。

穀倉地帯である黄海北道(ファンヘブクト)では去年、今年と深刻な食糧難に襲われ、2月からは野草を入れた粥を食べて生き延びる農民が急増。「来年もどうなるかわからない」と不安がっている。

道内の鳳山(ポンサン)郡の協同農場では、麦の種を里管理委員会(村役場)と農場の作業班が管理してきたが、一部では、盗難を恐れて、責任あるポストについている農民に預けるなどの措置を取っている。ところが、それを食べられてしまい、種が不足する事態となっているのだ。

鳳山、黄州(ファンジュ)などの農場では、仕方なく高騰した種を購入して、ようやく種まきを行う有様だ。そんな苦労をして麦を栽培、収穫したところで、平壌ビール工場やパン工場に安値で買い取られ、農民が手にするのはほんの僅か。収穫の盗難も相次ぎ、「これならば麦栽培などやらないほうがマシだ」との声も聞こえるという。【10月8日 デイリーNKジャパン】

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****金正恩、ミサイル乱射の裏で「冬を越す食糧がない」*****

北朝鮮の金正恩総書記は今月10、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸州(ハムジュ)郡に作られた連浦(リョンポ)温室農場の竣工式に出席した。前例のない「ミサイル乱射」と同時に「民生重視」もアピールし、国民の不安を和らげようとする意図があるのかもしれない。(中略)

しかし、派手な竣工式が行われる一方で、各地の農場は著しい不作となっている。
両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、恵山(ヘサン)市内の工場、企業所の従業員が、割り当てられた6カ月分の配給用のジャガイモを掘るために、先月末から農場に出向いているが、作況が昨年より悪く、皆が頭を抱えていると伝えた。

デイリーNKは去年10月、道内の三水(サムス)のジャガイモ畑を例に挙げ、1ヘクタール当たり8トンの収穫があるところが、その半分にも満たないと報じたが、今年はもっとひどいのだという。

春の日照り、その後の梅雨、台風など年々深刻化する自然災害に加え、コロナ対策で貿易がストップし、肥料やビニール膜などの営農資材が入荷しなくなったことも影響している。

情報筋は、毎年のように不足する肥料不足を克服できずにいるとし、国の支援がない限りは、数百ヘクタールに及ぶ畑に肥料をまくのは困難で、それに加え異常気象の影響もあって、毎年収穫量が減っていると嘆いた。

当局は、毎年年初に国民を大々的に動員して、人糞を集めさせ、堆肥を作らせているが、それだけでは、役不足のようだ。

気候的に稲作の難しい両江道では、ジャガイモが重要な炭水化物の供給源だ。しかし、年々ひどくなる凶作で、秋を迎えても食糧事情が好転していない。食糧価格も下がっておらず、住民の不満は高まりつつある。(中略)

また、ジャガイモ配給が行われる現場にも、凶作の影響が現れている。昨年まで、従業員にジャガイモを配給する工場と企業所は、自前の畑で育てたジャガイモを質や大きさ、価格などを見極めて収穫していたが、今年はどうにか冬を越すために、ともかく量を確保さえできればいいと手当り次第に掘り出している。

それで得られるジャガイモは、世帯主1人あたり100キロから150キロ。家族全員分もらえるのなら、冬を越すには充分な量だが、配給されるのは世帯主の分だけだ。

本格的な冬が到来すると、山菜採りも野菜の栽培もできなくなるため、現地の人々は、冬を生き抜くために、例年以上に必死になっていることだろう。【10月17日 デイリーNKジャパン】

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****「金持ちまで餓死」北朝鮮国民がさまよう阿鼻叫喚の巷****

秋の収穫期を迎えた北朝鮮。本来なら穀物価格が下がる時期のはずだが、今年に限ってはそうなっていないようだ。弾道ミサイル発射など軍事挑発を続ける金正恩総書記だが、国民は阿鼻叫喚の巷をさまよっている。(中略)

一方、商売や密輸で儲けて豊かな生活をしていたトンジュ(金主、ニューリッチ)の間でも、絶糧世帯(食糧を欠く世帯)が出るほどの有様となっている。(中略)

トンジュすら生活苦に追い込まれる現状について、上述の平安北道の情報筋は驚きを隠しきれないようだ。
「数年前まで、密輸や手広く商売をしているトンジュが餓死したり、自死したりするほど生活が苦しくなるなんて考えもしなかったが、金持ちだった人ですら耐えられないほど困窮生活に追い込まれている人が非常に多い」

また、こんな状況に何の対策を打たない国に対して「政治が間違っているから人民が死につつある」と批判する人も増えたと伝えた。【10月21日 デイリーNKジャパン】

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飢えた兵士が農家を襲撃するといった話は北朝鮮ではよく聞かれる話です。

****「飢えた兵士が農家を襲撃」窃盗も倍増、混乱が深まる北朝鮮****

(中略)秋の収穫が最盛期を迎えた各地の農場では、窃盗が相次いでいるという。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の幹部が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して明らかにしたところでは、秋の収穫期を迎え、農作物の侵害が増加しており、中央からは「農作物を守れ」との指示が下されたという。ここで言う侵害とは、窃盗や横流しのことを指す。

協同農場の収穫物は、すぐに農民のものになるのではなく、一度国に買い上げられた上で、農民に分配されるという形が取られている。しかし、農民への分配がまともに行われないことから、収穫や脱穀の過程で農作物を盗み、市場に売り払って現金化する行為が当たり前のように行われてきた。

また、「輸送過程で横流しされ、規定量の食糧が得られず、腹をすかせた兵士が農場や農家を襲撃することもしばしば起きている」(情報筋)という。

それが今年は例年の倍以上の被害となり、咸鏡北道だけでも9月1ヶ月で100件を超えているとことなだ。農場では警備を行っているが、その警備に動員された農民が収穫物を盗むこともある。当局は、軍糧米(軍向けの食糧)に指定された田畑には兵士を派遣して警備に当たらせているが、そこでも窃盗が起きている。(後略)【10月12日 デイリーNKジャパン】

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【軍中枢のエリートも食糧難 前線兵士は栄養失調で訓練に耐えきれず 戦闘遂行能力なし】
飢えは一般兵士だけでなく、軍中枢にも及んでいるとも。

****北朝鮮の軍中枢でも「飢え」広がる…ミサイル発射は「強がり」*****

(中略)軍の中枢機能を担う総参謀部の指揮部。超の付くエリートが集められた集団だけあり、待遇も非常に良かった。ところが最近、その指揮部内で不安が広がっている。いかなる場合にも止まることのなかった食糧配給が、2カ月に渡って止まってしまっているのだという。詳細を、デイリーNKの軍内部情報筋が伝えた。

総参謀部指揮部の食糧供給所は、9.9節(共和国創建日、建国記念日)に合わせて、遅配となっていた8月、9月の2カ月分の食糧配給を実施した。ただし、勤務する軍官(将校)本人の分だけで、家族の分は配給されなかった。(中略)

食糧供給所は「11月になれば、家族分の配給もまとめて行えるようだ」と曖昧な答えを繰り返すばかりで、軍官の家族の間では「もらえないのではないか」と、不安が高まっている。

去年の場合、家族分の配給が1カ月だけ遅配したことはあったが、今年は2カ月分。こんなことは近年なかったことだという。

そんな状況にもかかわらず、上部は愛国米と称してコメの献納をさせており、「このままでは粥を食べかねればならない」と嘆きの声が上がっている。(中略)

軍官たちは「一つでも口減らしをしなければならない」と、両親や民間人のきょうだいの住む家に家族を疎開させている。また、直属区分隊の下戦士(二等兵)のうち、実家の経済状況の良好な者を密かに選び、10月から2カ月間の冬季訓練準備期間の間に、彼らを連れて実家に帰宅させ穀物を調達してくるという、苦肉の策を取っている。

かつては社会的地位が高く、誰もが羨む職業だった軍官だが、今では苦境に追いやられ、通常勤務や訓練にも支障をきたす始末。(後略)【9月29日 デイリーNKジャパン】

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軍中枢ですらこの状況ですから、末端の兵士の状況はさらにひどく、食べ物欲しさに農場や民家を襲撃したりするなどは上述したところですが、栄養失調で訓練に耐えきれない者も多く出ているとも。

*****北朝鮮軍、最前線で死者続出「兵士は限界を超えている」*****

(中略)デイリーNKの現地情報筋によると、開城(ケソン)市の開豊(ケプン)郡に駐屯する第2軍団・第8軽歩兵師団(132軍部隊)の第4大隊では今月13日、訓練中に死亡事故が発生した。

死亡したのは入隊から4年目の20代の男性兵士で、ロープを使って垂直の壁を登る訓練中に15メートルの高さから墜落した。直接の死因は墜落死だが、本質的には餓死であるとも言える。

北朝鮮軍で、末端部隊への食糧供給が満足に行われていないのはつとに知られた事実だ。韓国軍と対峙する最前線の同部隊も状況は同じで、栄養失調のためキツイ訓練に耐えられず事故死する例が相次いでいるという。

今回死亡した兵士も、飢えのため体力がもたず、自分の体力を支えきれずにロープを離してしまったのだという。

部隊への食糧供給が足りないのは、横流しや横領が原因のひとつであり、北朝鮮当局はそうした行為に厳罰で臨んでいる。しかし、給料も配給もろくにもらえないとあっては、指揮官たちもそうした行為で生き延びるしかないのだ。

情報筋は「苦しいのは兵士も指揮官も同じだが、シワ寄せの大部分は末端の弱者に向かう。兵士たちはすでに限界を超えている」と語っている。【10月1日 デイリーNKジャパン】
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“食糧難の北朝鮮で「灰」を盗んでトウモロコシに替える人が続出”【10月18日 デイリーNKジャパン】

“ワイロが途絶え生活苦に追い込まれた北朝鮮の幹部たち”【10月9日 デイリーNKジャパン】

“北朝鮮の一部都市で1カ月以上も停電続く”【10月26日 デイリーNKジャパン】
“「キムチシーズン」を迎えた北朝鮮で多発する野菜泥棒”【11月3日 デイリーNKジャパン】

この種の情報にはきりがありませんので、これぐらいで。

北朝鮮のミサイル攻撃に関しては、私個人はあまり心配していません。
日本の迎撃能力(イージス艦からのSM3、地上のPAC-3)は非常に疑わしいので、最初の一撃は防ぎきれないかも。ただ、(申し訳ないですが)私は標的となるような都市には住んでいないので・・・

しかし上記のような状況からすれば、その後の日米の反撃に対し、北朝鮮に戦闘遂行能力があるとは思えません。現政権は短期間のうちに消滅することになるでしょう。

そのあたりは北朝鮮自身がよくわかっているところでしょうから、まともな判断ができるうちは攻撃もないでしょう。まともな判断ができない場合は・・・「何でもあり」のそういう事態を議論しても仕方がありません。』