『フォーブズ』の調べによると、「Kh-101」の単価は1300万米ドル相当。

『フォーブズ』の調べによると、「Kh-101」の単価は1300万米ドル相当。
https://st2019.site/?p=20564

『Defense Express の2022-11-1記事「What is the Real Price of russian Missiles: About the Cost of ‘Kalibr’, Kh-101 and ‘Iskander’ Missiles」。
   『フォーブズ』の調べによると、「Kh-101」の単価は1300万米ドル相当。カリブルは650万ドル相当。イスカンデル(タイプは無視)は300万ドル相当。オニクスは125万ドル相当。「Kh-22」は100万ドル相当。「トチカ-U」は30万ドル相当――だそうである。

 じつにいいかげんな数値だ。

 『フォーブズ』は算出の根拠を示していない。ひとつだけ想像がつくのは、2006年にインドが28基の「Klub-S 3M-14E」(カリブルの輸出型)を1億8400万ドルで買っている。すなわち1基は650万ドル。

 しかしこのインドの輸入契約は、他のサービスもコミになっているものだから、その総額を28で除してもミサイルの単価にはならないはずだ。

 「Kh-101」の単価推定は、たんにカリブルの推定値を2倍にしただけだろう。これで原稿料が稼げるとは、いい商売だ。

 イスカンデルの弾道弾タイプ(9M723)と巡航ミサイルタイプ(R-500)を同額としているのもいただけない。弾道弾のほうがはるかに高額になるというのが相場の常識である。

 オニクスの値付けは低すぎる。インドでそれをライセンス生産している「ブラモス」の単価は485万ドルである。これはインドの『ビジネス・スタンダード』紙が報じている。今年9月の契約書の写真があるので正確だ。

 やはりインドの調達価額から、射程が300kmしかない旧型の「ブラモス」は1発のコストが320万ドルから350万ドルの範囲であることがわかっている。

 バックファイアから発射されている空対地ミサイル「Kh-22」は60年代から生産が開始され、80年代に製造は終っている。その単価について過去、ただの一度も報道されたことはない。

 参考の数値。2022年度予算で計上されている「トマホーク ブロックV」(最新バージョン)の単価は200万ドルである。

 そこから考えてカリブルが650万ドルという推定値は、高すぎないか。
 トマホークよりも単価は低いと考えるのが、むしろ穏当だ。

 われらの推定を示そう。カリブルはせいぜい高く見積もったとしても1発100万ドル以下で製造されている。ロシア国内のメディアは、その1発が30万ドルから35万ドルだと報じているのだ。

 イスカンデルの巡航ミサイルバージョンである「R-500」、ならびに空中発射型巡航ミサイル「Kh-555」も、カリブルと近似の単価だと考える。
 ツポレフ-92MSから空中発射される「Kh-101」は、外見をステルス形にしようという努力がされているので、それらより少しは高いであろう。

 イスカンデルの弾道ミサイルバージョンである「9M723」は、米軍のATACMSの同格品である。2012年にフィンランドは、70発のATACMS(M39 ブロック1A)を1億3200万ドルで輸入している。すなわち1発あたり188万ドルだ。その額には本体ハードウェア以外の雑サービスも按分されて上乗せされていることに留意が必要だ。

 イスカンデルの弾道弾は過去にアルメニアとアルジェリアに売られているけれども、どちらの商談も、価額は報じられていない。

 そこでわれらの試算値としては、イスカンデルの弾道弾型は1発が160万ドルから200万ドルの間だとしておく。

 まとめておこう。われらの推定では、「Kh-101」は1発120万ドル以下だ。「カリブル」の巡航ミサイルは、1発100万ドル以下。「イスカンデル」の巡航ミサイル型は、100万ドル以下。「イスカンデル」の弾道ミサイル型は200万ドル弱。「オニクス」超音速巡航ミサイルは、300万ドルというところだろう。

 プー之介は、戦時統制経済を発動させたらしいから、今後は、「値段」は発注者のロシア政府が一方的に決めることになる。メーカーの重役がその契約価額に文句を言えば、懲役10年が待っている。』