「バイデン」「トランプ」「文化戦争」 米中間選挙の3大争点に 国際政治学者イアン・ブレマー氏

「バイデン」「トランプ」「文化戦争」 米中間選挙の3大争点に 国際政治学者イアン・ブレマー氏
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c50114692a4745b55dc973793e9a930bc604ec8

『米中間選挙(8日投開票)はバイデン大統領(79)への審判になるとともに、政権奪還を狙うトランプ前大統領(76)に対する「国民投票」と言われる。

 歴史的インフレや人工妊娠中絶の是非をめぐる争いなども有権者の動向に影響を与えている。米政治の現状をどう読み解くか。国際政治学者イアン・ブレマー氏に聞いた。

 ―今回の中間選挙で信が問われるのは。

 実際には三つの争点に対する「国民投票」となる。一つはバイデン氏のインフレ対策が焦点で、民主党の弱点。もう一つはトランプ氏が支持しているポピュリスト(大衆迎合主義者)の候補者が接戦州で勝てるかどうか。最後は「文化戦争」で、人工妊娠中絶への反対が多い共和党に逆風が吹いている。

 ―バイデン氏はトランプ氏と支持者を「民主主義への脅威」と言った。

 バイデン氏は約2年前の就任演説で、彼らに手を差し伸べるべきだと訴えた。トランプ氏や支持者はその時から変わってないのに、今は彼らを「脅威」と呼ぶ。バイデン氏の好みとは思えないが、これが(選挙に勝つ)正しい戦略だと確信しているようだ。

 ―社会の「分断」が拡大生産されている。

 2016年大統領選でトランプ氏が勝つと、民主党の多くは「彼はロシアと組み、選挙を盗んだ」と主張した。トランプ氏はバイデン氏に負けて、暴力で結果を覆そうとした。民主、共和の双方が民主主義にとって危険なことをしてきたが、トランプ氏のやったことは民主とは比較にならないことを明確にしたい。

 ―中間選挙は共和党が下院を奪取する勢いだ。

 共和党が下院で十分な多数派となれば、バイデン政権へのあらゆる調査が行われるのは間違いない。ことによると大統領の弾劾訴追までするだろう。米国の政治的機能不全と分裂の方向性が変わることはない。

 ―中間選挙の結果は24年の大統領選にどんな影響を与えるのか。

 (トランプ氏が敗北した)20年大統領選を受け入れない「否定論者」がどれだけ知事や州務長官になるかを慎重に注視すべきだ。大統領は州単位で選挙人の数が決まり、それぞれルールも異なる。24年大統領選で州の責任者らが正当な結果を拒否すれば、憲政上の危機が訪れる可能性がある。それが今、最も危険なことだ。

 ―バイデン、トランプ両氏は24年に再出馬するか。

 トランプ氏は出馬すると思う。バイデン氏が81歳で2期目の挑戦をするのは非常に難しいのではないか。ただ、まだ決断はしていないだろう。』