習近平氏、3期目の外交始動 北京で相次ぎ会談へ

習近平氏、3期目の外交始動 北京で相次ぎ会談へ
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『【北京=羽田野主、ハノイ=大西智也】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が3期目の外交に乗り出している。中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相がブリンケン米国務長官と協議し、11月の首脳会談をにらんだ調整を始めた。共産党大会を経て国内体制を固めた習氏が周辺外交を加速している。

米中外相は31日(米国時間30日)、電話で協議した。米国務省の声明によると、ブリンケン氏は両国が意思疎通を維持し、対立する米中関係について責任をもって管理する必要性を強調した。

中国外務省の発表によると、王氏は「米国は中国を抑圧するやり方をやめるべきだ」と述べた。バイデン米政権の対中輸出規制を「中国の正当な権益を損なっている。是正しなければならない」と批判した。

最大の焦点となるのは11月にインドネシアで開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせた米中首脳会談の実施だ。両首脳はこれまでオンラインなどで協議をしてきたが、バイデン氏が2021年1月に大統領に就任して以降一度も直接の顔合わせをしていない。10月の共産党大会で「1強体制」を完成させた習氏がバイデン氏とどういう形で向き合うのか関心を集めている。

習氏は10月26日、キッシンジャー元米国務長官らがメンバーとして名前を連ねる米中関係全国委員会に「中国は米国と共に努力し、正しい付き合いの道を見つける用意がある」と祝電を送った。バイデン氏も同委員会にお祝いのメッセージを寄せており、両国で首脳会談に向けた機運は醸成されつつある。

習指導部は周辺国外交も強化している。習氏は31日、北京を訪れたベトナムの最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長と会談した。中国はベトナムと南シナ海の領有権問題を抱え、米国の介入を招きやすいと警戒を強めている。

チョン氏は国内で実質的に「1強体制」を築き、中国とベトナムの経済的な結びつきも強まっている。習指導部にはトップダウンで関係改善を進める思惑がありそうだ。

中国新疆ウイグル自治区の人権問題などで関係が冷え込んだ欧州との関係立て直しにも動いている。11月4日にはドイツのショルツ首相が中国の招きに応じて訪中する。習氏と李克強(リー・クォーチャン)首相がそれぞれ会談する。習氏が主要7カ国(G7)の首脳と会談するのは19年12月の安倍晋三首相(当時)以来とみられる。

ドイツは欧州で最大の経済大国だ。ロイター通信によると、ドイツのIW経済研究所はドイツ経済の対中依存度が22年上半期に急激に高まったとの報告書をまとめた。

上半期の対中投資は約100億ユーロ(1兆4700億円)と、00年以降の最高記録を上回った。ドイツの輸入品に占める中国製品の比率も12.4%まで上昇した。

10月には中国企業が独最大の港湾・ハンブルク港にあるターミナルへの出資を決めた。習指導部はドイツを対中包囲網の突破口と位置づけているとみられる。』