習派、中国の新指導部を席巻 派閥内でポスト争い激化も

習派、中国の新指導部を席巻 派閥内でポスト争い激化も
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『【北京=桃井裕理】中国共産党の新指導部は中央政治局24人のうち大半を習近平(シー・ジンピン)党総書記に忠誠を尽くす「習派」が占めた。習派は主要メンバーが個別に習氏とつながり、派閥としての結束が弱いのが特徴だ。限られたポストを巡る習派内の争いが激化する可能性もある。

24人の中央政治局員のうち習氏と関係がある人物や習氏の政策で引き上げられた企業トップらを「習派」と分類すると24人中19人が習派だった。

残りの5人は衛生省や外務省など専門省庁出身のテクノクラート(技術官僚)と、過去3代の政権で理論の支柱を務めた王滬寧(ワン・フーニン)中央政治局常務委員が含まれる。5人とも習氏への忠誠を表明しており、実質的には24人全員が習氏の傘下といえる。

習派の中でも代表的な派閥は習氏がかつて赴任していた福建省、浙江省、上海市で知り合った側近グループだ。「浙江閥」には最高指導部といわれる中央政治局常務委員会入りし次期首相と見込まれる李強(リー・チャン)氏や陳敏爾・重慶市党委書記が含まれる。「福建閥」には何立峰・国家発展改革委員会主任がいる。

蔡奇(ツァイ・チー)中央政治局常務委員や前中央宣伝部長の黄坤明氏は福建・浙江両省で習氏と重なる。最高指導部入りした丁薛祥(ディン・シュエシャン)氏はかつて上海市党委秘書長として習氏を支えた。

習氏の清華大学時代の寮のルームメートで習氏の信頼が厚い陳希・前中央政治局員の人脈も政権内で増えている。今回は、陳希氏のかつての部下で上海市党委書記となった陳吉寧氏が指導部入りした。習氏がかつて校長を務めた中央党校からは、習氏の校長時代の副校長2人が中央政治局に入った。そのうち中央宣伝部長に就いた李書磊氏は習氏の新たなスピーチライターともいわれている。

人民解放軍の制服組トップである2人の中央軍事委員会副主席は、父親同士が戦友で習氏自身の旧友である張又俠氏が続投した。もう一人は福建閥で台湾海峡に面した旧第31集団軍出身の何衛東氏が抜てきされた。

習氏と直接の関係はないものの、習派で主要な地位を占める2人に中央政治局常務委員の趙楽際(ジャオ・ルォージー)氏と李希(リー・シー)氏がいる。習氏の父親の故郷で、習氏が「下放」された村がある陝西省で習氏にアピールした。

趙氏は習氏の父親の墓を再建し、李氏は習氏が過ごした村を整備した。「その他」の李鴻忠氏も習氏の個人崇拝を推進して評価を得たという。

軍民融合政策を背景に軍事産業や宇宙関係企業の元幹部である張国清氏や馬興瑞氏、袁家軍氏らも指導部入りした。「軍工系」「航天(宇宙)系」と呼ばれている。

各グループから中央政治局に入った人数はそれぞれ1~3人にとどまった。習氏は特定の集団に力を持たせず、側近らが互いに競いながら自らへの忠誠を競う体制を構築したといえる。

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