米下院議長の夫に暴行 容疑者、不在の議長狙った疑い

米下院議長の夫に暴行 容疑者、不在の議長狙った疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28DKO0Y2A021C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米民主党のナンシー・ペロシ下院議長(82)の自宅に42歳の男が侵入し、28日午前に議長の夫であるポール氏(82)が暴行を受けた。ポール氏は負傷し、42歳の男は警察当局に逮捕された。米メディアは容疑者が当時「ナンシーはどこだ」と叫んでいたと伝えており、不在だった議長の襲撃を狙った可能性がある。

事件が起きたのは西部カリフォルニア州サンフランシスコにあるペロシ夫妻の自宅。議長の広報担当者は28日の声明で容疑者について「拘束され、動機は調査中だ」と説明。ポール氏の容体について「病院に搬送され、治療を受けており、完全回復する見込みだ」と記した。頭部負傷のため手術を受けた。

逮捕されたのはデービッド・デパピ容疑者(42)。動機はわかっていないものの、米CNNによると、容疑者はSNS(交流サイト)にトランプ前大統領が敗北した2020年大統領選で不正があったとする動画を投稿していた。ナンシー・ペロシ議長はトランプ氏と激しく対立してきた経緯がある。

米主要メディアは関係者の話として、容疑者が事件当時「ナンシーはどこだ」と叫んでいたと報じた。議長が帰宅するまでポール氏を縛って拘束しようとしていたとの情報もある。大統領継承順位が副大統領に次ぐ2位の要職である下院議長を標的にしていた疑いがある。事件当時、議長は首都ワシントンに滞在していた。

警察官が28日午前2時半ごろにペロシ氏の自宅に駆けつけ、逮捕した。容疑者はポール氏からハンマーを奪い、殴打。容疑者も負傷しているという。

米ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は28日、襲撃を受けて声明を発表し「バイデン大統領は今朝、ペロシ氏に電話し、支援を表明した」と強調。「引き続きすべての暴力を非難し、家族のプライバシーを尊重するよう求める」と明記した。

ペロシ氏は1987年に47歳で連邦下院選(カリフォルニア州)で初当選。2007年に女性では初めて下院議長になり、19年に2度目の議長に就いた。11月の中間選挙にも出馬し、19回目の当選をめざしている。

対中国政策では強硬派で知られる。今年8月には現職の下院議長として25年ぶりに台湾を訪れた。中国は反発し、台湾周辺での軍事威嚇を強めている。』