空軍長官:ヒスパニックの将軍増加に取り組む

空軍長官:ヒスパニックの将軍増加に取り組む:東京の郊外より・・・:SSブログ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-10-16

『現在は将官の僅か1%以下で、中将と大将はゼロ
ヒスパニック社会への広報や採用強化、英語口頭試験の再考等を

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10月14日、Kendall空軍長官が米空軍による調査結果を基に講演し、ヒスパニックの将官や士官が米空軍内で少ない問題について、募集の強化、必要な資源配分強化、包括的な能力開発支援の3つの重視項目を挙げて取り組むと明らかにしました

米空軍は、ヒスパニックの士官登用や将官への昇進に関する課題を、募集事務所やROTC大学関係者、空軍のヒスパニック課題特別チーム(HEAT:Hispanic Empowerment and Advancement Team)、学界、米軍部隊を巻き込んで調査し、全将軍職におけるヒスパニック比率が1%以下で、中将や大将がゼロとの実態を問題視して、募集段階からの改善に取り組もうとしているようです

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バイデン政権では海軍長官に初のヒスパニック出身者(キューバ移民の元イージス艦艦長)を抜擢するなど、民主党政権としてのヒスパニック層へのアプローチとも考えられます
今件に関する、米空軍人に占めるヒスパニック系の人数比率や米国におけるヒスパニック系人口比率について、本件を取り上げた14日付米空軍協会web記事は触れておらず、記事の内容からしかご紹介できませんが、米陸軍や米海軍も同様の傾向にあり、米軍や米国社会全体の問題であろうとも推定できますので、ヒスパニック系の将軍を増やすための地道な活動の「手始め」をご紹介いたします

Kendall長官の問題認識

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●私の経験から、仮にそのグループや集団を代表する人物が主要ポストにいなければ、そのグループや集団問題や課題に、そのグループ外の人が頭を突っ込んで考えることはないだろう。

●この問題への対処には包括的なアプローチと、例えば大佐育成するために20年間を要する様に時間が必要である

●例えば最近、HEATの提言により、アルファベットで表記された各兵士の名札に、発音アクセントの位置を示すシールやマークを付けることが承認されたが、米空軍はこの課題への対処アイディアを広く求めている

調査レポートの提言概要

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●募集においては、ヒスパニック社会の特性を考慮し、募集対象の大学生へのアプローチと共に、両親やヒスパニック社会全体への米軍勤務への情報提供が極めて重要で、ヒスパニック言語での募集資料の提供や、家族と社会全体へのアプローチをより重視すべき

●募集対象者と年齢が近い少尉クラスを、GBR(Gold Bar Recruiter program)を使ってROTC制度のある大学に40名派遣し、募集活動を強化すべきである。また派遣者数をさらに増やすべきである

●ヒスパニック募集対象者にアプローチするには柔軟な対応が必要で、ROTC制度導入大学が近傍に無い対象者がROTC制度を体験できるように、インターン研修参加費を空軍が負担したり、体験場所への交通費を提供したりするきめ細やかなサポートも検討する必要がある

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●米陸軍や米海軍入隊を目指す士官候補生には存在しない、米空軍が1950年代から実施している独自の英語口頭テスト(AFOQT:Air Force Officer Qualifying Test)が大きな障害の一つとなっている

●このテストは英語を第2言語として育ったヒスパニック募集者にとって厚い壁で、採用最前線のROTC受け入れ部隊長はしばしば、有能でリーダーシップにあふれた有能な人材が、この試験に跳ね返されている現実にフラストレーションを感じている

●この制度への対処として、AFOQT再受験までの期間短縮や、同テストの部門ごとの最高点を次回試験でも持ち越し可能とすることなどをこれまで行ってきたが、この試験の必要性にさかのぼって議論すべきとの意見も出されている

●またヒスパニック募集対象者に関する人口動態データをより詳細に分析し、効率的な対象者への募集広報を行うべきである

●現役のヒスパニック系空軍士官への聞き取りから、彼らが米空軍所属後に直面してきた困難や課題を把握し、彼らの能力発揮に必要な改善を行う

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USAF Hispanic4.JPG米空軍は、女性のGina Ortiz Jones氏(40歳・フィリピン系・スペイン語圏)を「Latino」初の空軍副長官に登用しており、バイデン政権としての「多様性」追求に応えていますが、その一環でしょうか。又は空軍志願者や対象人口の急減少から、募集強化の一環でしょうか

考えてみれば、ヒスパニック系の人物を「東京の郊外より」で取り上げた記憶がありません・・・。人口動態上の米国社会でのヒスパニック系の位置づけを把握していませんが、米軍の今を考える一つの材料としてご紹介しておきます

海軍長官は初のキューバ移民
「新海軍長官が4つの「C」重視」→https://holylandtokyo.com/2021/08/24/2145/
「Carlos Del Toro新海軍長官のご経歴」→https://holylandtokyo.com/2021/06/16/1922/

空軍トップによる募集広報メッセージ映像
「四の五の言うな。空軍へ来たれ!」→https://holylandtokyo.com/2021/08/10/2087/

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