バングラ、IMFと支援協議 南アジアで財政危機連鎖も

 ※ 昨日貼らなかったものを、貼っておく…。

バングラ、IMFと支援協議 南アジアで財政危機連鎖も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM265T70W2A021C2000000/

『【ムンバイ=花田亮輔】バングラデシュ経済の先行きに対する懸念が強まっている。国際商品市況の高騰による輸入負担が増え、足元で外貨準備高が急減する。国土の大部分が低地で洪水などの気候変動リスクに対する脆弱性も指摘されており、26日から国際通貨基金(IMF)との支援協議を始める。今年に入り、南アジアではパキスタンやスリランカも相次いで財政危機に見舞われていて、危機が連鎖する恐れがある。

11月9日までの日程で、IMFの代表団と経済支援に向けた協議を実施する。IMFはバングラデシュとの協議に先立って、気候変動への対応力を高めるための金融支援プログラムについて今後数カ月かけて「実務者合意をめざす」と発表した。地元メディアは7月に、バングラデシュ政府がIMFに45億㌦(約6600億円)の支援を要請したと報じていた。

バングラデシュは1.7億人が暮らす人口大国だ。近年では堅調な経済成長が続いているが、途上国のなかでも特に開発が遅れた後発発展途上国(LDC)と位置づけられている。

新型コロナウイルス禍で主要な外貨獲得源である出稼ぎ労働者の送金や観光業が打撃を受けたことに加え、ロシアによるウクライナ侵攻で燃料の輸入コスト増加や、欧米市場の需要低迷による輸出停滞で、足元では外貨不足や物価上昇などが目立っている。欧米市場の需要低迷による輸出停滞も懸念される。

バングラデシュ銀行(中央銀行)によると、9月時点の外貨準備高は364億㌦で、前月から約7%減った。直近のピークである2021年8月と比べると24%減少した。

外貨準備高は輸入の5カ月分程度で、経済の安定に最小限必要とされる月間輸入額の3カ月分を超えるが、政府は輸入を減らすために燃料の輸入停止に踏み切り、停電も頻発している。

通貨安の圧力も働いている。バングラデシュ中銀はタカ安の抑制を図り9月半ばまで公定レートは1ドル=95タカ程度だったが、足元は下落が進み、100タカを超えるようになっている。

同国は主要都市が低地にあり、地球温暖化による海面上昇やサイクロンなどの自然災害も受けやすい。今回のIMFとの交渉も気候変動リスクに備えるための安定的な資金供給を目的としている。

南アジアではパキスタンが6月以降、深刻な洪水に襲われた。かねて経済の低迷に直面する同国は財政再建を進めてIMFなどからの支援で合意してきたが、国土の3分の1が水没するという深刻な被害に見舞われ、今後の先行きに不透明感が増している。

外貨獲得手段として観光業への依存が強かったスリランカでは、輸入品を中心とした価格上昇が顕著な状態が続いている。経済運営への不満から政権への抗議活動が激化し、7月にはラジャパクサ前大統領が退陣に追い込まれた。新たに就任したウィクラマシンハ大統領のもとIMFと29億㌦の金融支援で実務者合意にこぎ着けたが、前年同月比で70%近い記録的なインフレが続くなど、危機からの出口は見通せない。

世界銀行は直近の報告で、南アジア各国の経済成長予測を引き下げた。バングラデシュについては6.7%としていた22年7月~23年6月の成長率を6.1%に下方修正した。ハシナ政権による長期政権が続く同国だが、経済危機が深刻化すれば政情不安にも発展しかねない。』