習近平氏の権力掌握術 集団指導と決別 後継明かさず忠臣競わせる

習近平氏の権力掌握術 集団指導と決別 後継明かさず忠臣競わせる
大中国の時代 習氏の兵法②
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00002660U2A021C2000000/

 ※ 「太子密建法」なるものがあったことは、知らんかった…。

『中国共産党の幹部人事が公表された23日午後。北京市の人民大会堂では、3期目入りを決めた習近平(シー・ジンピン)総書記と党代表が面会した。最前列に立ち、ぎこちない笑顔で習氏に拍手を送ったのは、直前に「降格」を言い渡された胡春華副首相だった。

「あいつは苦労が足りない」。党関係者によると、習氏は党大会前、胡氏をこう評したという。胡氏は李克強首相らエリートを輩出した共産主義青年団の出身。習氏の共青団嫌いは、党内では周知の事実だ。』

『「太子密建」忠誠求める

習氏は今回、忠臣で周囲を固めるとともに、もう一つ、自身に権力がより集中する策を講じた。後継候補を分かりづらくしたことだ。

「現代の『太子密建法』を考えているのではないか」。党内では習氏の狙いについて、こんな観測が流れる。』

『約300年前の清朝の時代。当時の皇帝である雍正帝は後継の名前を紙に記し、玉座の背後にかかる「正大光明」と書かれた額の裏に隠した。後継者は臨終の間際まで明かさなかった。

激しい跡目争いを見てきた雍正帝は、後継者である太子をひそかに決めておく「太子密建法」を編みだし、清朝の安定につなげた。習氏も、後継者を明示しないことで忠誠を競わせようとしている、との見立てだ。

習氏は党大会で後継者の育成に取り組む姿勢を示し、幹部への登用基準として「党に忠誠を尽くす」ことを挙げた。習氏が党の核心となったいま、それはすなわち、習氏への忠誠につながる。

かつての中国は毛沢東に権力が集中した結果、文化大革命による大混乱に陥った。その反省から鄧小平が進めた集団指導体制は、習氏の「イエスマン」で固めた人事で事実上終わった。

新たに幕を上げた習氏への忠誠心競争。その先には、幹部が過度に忖度(そんたく)し、抑止が利かない政治の暴走を招く近未来図が浮かぶ。』