NATO事務総長、ロシアの主張を否定 「汚い爆弾」で

NATO事務総長、ロシアの主張を否定 「汚い爆弾」で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR24CY90U2A021C2000000/

『【ロンドン=大西康平】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は24日、ウクライナが放射性物質をまき散らすことを目的とした「汚い爆弾」を使おうとしているというロシアの見解を「誤った主張だ」として否定した。ロシアが侵攻を激化させる口実とすることへの警戒感を強めている。

ストルテンベルグ事務総長は、米国のオースティン国防長官と英国のウォレス国防相と話したとしてツイッターに投稿した。「同盟国はこの疑惑を否定する。ロシアは(紛争)激化への口実にしてはならない」と主張。「我々のウクライナへの支援に揺るぎはない」と訴えた。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は24日、記者団に対して「ロシア側が現時点で核兵器や汚い爆弾を使う用意をしているとの兆候はつかんでいない」と説明した。ロシアが虚偽の主張をしていると重ねて強調し「この問題を深刻に捉えている」と語った。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は24日、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長と電話した。米統合参謀本部は声明で「安全保障に関連して懸念するいくつかの課題を議論し、対話ルートを維持することで一致した」と言及した。汚い爆弾などを含めたウクライナ情勢について協議したとみられる。

ロイター通信によると、ロシア国防省は汚い爆弾の使用に備えて、放射能汚染の状況下でも活動できるような軍備を整えていると発表した。

ロシアのショイグ国防相が23日、英国防相などとの電話協議で、ウクライナが汚い爆弾を爆発させる恐れがあると主張した。ウクライナのゼレンスキー大統領は否定した。西側各国はロシアが苦しい選局の打開へ、大量破壊兵器の使用の口実とするのではないかとの懸念を高めている。

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察

放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」は英語ではその名のとおり、英語ではダーティー・ボムといわれ、主にテロリストが使用する可能性が懸念されてきました。主権国家同士の戦闘で使うとなれば、核兵器のように放射線の汚染が使用地域に広がるために、使用した地域での自軍の軍事活動に支障をきたすので使用目的は限定されます。もしロシアが主張するように、ウクライナが自国の防衛のために「汚い爆弾」を使うとすれば、自国民の健康を危険に晒すので、使用のハードルが高いはずです。そう考えるとロシアの常套手段である、相手が使うという偽りの主張をして、自らが対抗手段を使う口実にすることが十分に懸念されます。
2022年10月25日 7:26』