納骨堂“閉鎖” 遺骨引き取り要請に契約者 戸惑いや憤り 札幌

納骨堂“閉鎖” 遺骨引き取り要請に契約者 戸惑いや憤り 札幌
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221025/k10013869001000.html

 ※ 「人口減少」の一断面だ…。

 ※ それと、人々の「墓」や「供養」に対する意識の変化も、あるだろうな…。

 ※ もはや、「先祖代々の墓」なるものが、成立し得る「基盤」が無くなってしまっている…。

 ※ 若いヤツは、どんどん「都会」「都市部」へと「移住」して行く…。

 ※ そこに職が集中し、そこでしか職を見つけられない…、となれば如何ともし難い…。

 ※ いくら、じいさん・ばあさん、とうちゃん・かあちゃんが「盆・暮れには、帰って来るのかい?」なんて言ったところで、空しい(むなしい)だけの話しだ…。

 ※ そういう状況で、「墓」や「お寺」だけが存立し続けるハズが無い…。

『札幌市東区にある納骨堂が、運営する宗教法人の資金不足で差し押さえられたあと競売にかけられ、建物を明け渡すよう裁判所から求められています。

宗教法人は、納骨堂が閉鎖されるとして、契約者に対し、遺骨を引き取るよう呼びかけていて、契約者からは戸惑いや憤りの声や費用の一部の返還を求める声が上がっています。
建物の明け渡しを求められているのは、札幌市東区にある屋内型の納骨堂「御霊堂元町」です。

運営する宗教法人「白鳳寺」などによりますと、納骨堂は10年前の2012年に開業し、市内の葬儀会社などから合わせて2億円以上を借り入れて設置・運営してきました。

しかし、資金不足で借入金の返済が滞ったことから建物と土地を差し押さえられ、競売にかけられた結果、ことし8月、市内の不動産会社が1億円余りで落札しました。

宗教法人は、納骨堂が閉鎖されるとして、770基余りの納骨壇の契約者に対し、遺骨を引き取るよう呼びかけていますが、連絡できていない人もいることなどから、今も多くの遺骨が納められているということです。

宗教法人は現在、事業の継承を目指して建物と土地を落札した不動産会社との間で協議を続けているとしていますが、今後のめどは立っていません。

宗教法人「白鳳寺」の太田司代表は、NHKの取材に対し「このような事態になったことをおわびしたい。雨風や雪をしのげて一年中お参りができる納骨堂なら利用しやすいと考えていたが、契約者の募集が十分にできず、借入金を返済するだけの収入が得られなかった」と話しています。

また、建物と土地を落札した不動産会社の担当者は、建物にある遺骨について、今後、契約者が引き取ることができるよう対応するとしていますが、「宗教法人の負債解消の道筋が立たないと事業の継承は難しい」としています。

不動産会社からの申し立てを受けて、当初、建物の明け渡しに向けた裁判所による強制執行が24日に行われる予定でしたが、宗教法人などからの要望を受け来月21日に延期されました。

納骨堂の契約者は

札幌市内の61歳の女性は去年5月、この納骨堂に亡くなった夫の遺骨を納めました。

生前、夫が明るい雰囲気を気に入っていたことが理由でした。

しかし、今月に入って運営する宗教法人が契約者を対象に開いた説明会で「納骨堂は閉鎖になるので遺骨を引き取ってほしい」と突然、告げられました。

女性は今月20日、遺骨を引き取るため、息子と納骨堂を訪れました。

女性は、納められていた夫の遺骨を「一緒に家に帰ろう」と声をかけながら取り出し、遺骨を自宅に持ち帰りました。

女性は「納骨したときにはこんなことになると全然思いませんでした。魂入れもしてもらっているので夫の魂がどこに落ち着くのだろうと不安もあります」と話していました。

また、女性の息子は「空っぽになった納骨壇を見て、心も空っぽになったという気がしています。コロナも少し落ち着いて、何かしようとしていたときにこんなことになって悲しみと怒りでいっぱいです」と話していました。

女性は自宅に戻ると、夫の写真が飾られている棚に遺骨を置き、息子と2人で手を合わせていました。

女性は契約の際、納骨壇を使用する料金として70万円、永代供養費として80万円、年間の管理費を20年分前払いする形で11万8500円と、合わせて160万円余りを支払っていました。

しかし、説明会では、宗教法人側から「財源がないのでお金を返すことはできない」と説明を受けたということです。

今後、引き取った遺骨をどうするかは決まっておらず、納骨堂を継続して利用できるようになるか、永代供養費や前払いした管理費が返金されることを望んでいます。

女性は「返せるものは骨だけだと言われたので、みんなあぜんとしました。今はすごい悲しいです」と話していました。

また、女性の息子は「ちゃんと調べて親に伝えていれば、こんな風にならなかったのかと後悔もあります。父も、私たちに申し訳ないという気持ちが強いのではないかと思います」と悔しさをにじませていました。

弁護士に相談相次ぐ

札幌弁護士会の弁護士には、今月に入ってからこの納骨堂の契約者から「支払った永代供養料はどうなるのか」といった相談が複数寄せられているということです。

消費者問題に詳しい札幌弁護士会の猪野亨弁護士は「永代供養という契約で永代供養料を徴収しているのでその責任が果たせないことになると、その分は債務不履行になるので返還しなければならない」としています。

また、建物や土地が競売にかけられて市内の不動産会社が落札したあとも宗教法人が契約をしていたケースがあったと報告されているとして、「経営破綻し、納骨堂が第三者の手にわたっているという状況を隠して契約するということは相手をだましていることになる」と指摘しています。

これについて宗教法人の代表は、「競売で落札した不動産会社が事業を継続してくれることを前提にそのまま募集を継続していた」と話しています。

納骨堂選びの注意点は

葬儀や墓の準備などいわゆる「終活」の事情に詳しい一般社団法人「終活協議会」の竹内義彦理事によりますと、納骨堂が経営不振のため閉鎖されるケースは、数は多くないものの各地で確認されていて、選ぶ際には注意が必要だとしています。

竹内さんは、「複数の納骨堂に資料請求をして運営年数のほか、契約数が事業計画に沿ってしっかりと伸びているか、過剰な広告になっていないかどうかなどを確認することが必要だ。また、管理費を分割ではなく一括で支払うよう求められるなど、ちょっとおかしいと思ったら終活が専門の団体や自治体などに確認してほしい」と話しています。』