政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に

政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA273UO0X20C22A9000000/

『【この記事のポイント】

・政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った
・日米の金利差拡大で151円90銭台まで円安が進んでいた
・円相場は短時間で一時144円台まで7円ほど急騰した

政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切ったと関係者が22日未明、明らかにした。21日に一時1ドル=151円90銭台となり、32年ぶりの安値を更新していた。通貨当局として過度な動きを阻止する姿勢を改めて示した。政府・日銀は9月22日にも約24年ぶりに円買い介入を実施していた。

21日のニューヨーク外国為替市場で円相場は一時1ドル=144円台までわずか1時間ほどで7円程度戻したが、介入後の急変動の一巡後は円売りも出て、147円台後半で取引を終えた。

神田真人財務官は記者団に対して「介入の有無についてはコメントしかねる」と話した。

【関連記事】

・NY円終値、147円台後半 介入「前回より積極的」の見方
・岸田首相、過度な為替変動認めず 介入「コメントせず」

欧州中央銀行(ECB)の広報担当者は21日、日本経済新聞の取材に「ECBは外国為替市場で介入していない」と明らかにした。為替介入は日本が夜間や休日の場合は海外市場でも実施できる。各国の中央銀行に委託する形で、欧州ではECBなどが対応する。政府・日銀が9月22日に実施した為替介入でもECBは為替介入の実施を否定していた。

日本時間21日夜に円安・ドル高が進んだのは、27~28日に日銀の金融政策決定会合を控えていたためだ。日米の金融政策の方向性の違いを意識した円売り・ドル買いが膨らんでいた。

9月22日に実施した円買い介入では、円相場が1ドル=146円近くから一時140円台まで上昇した。今回の追加介入について、市場では「値動きの速さと大きさは前回の介入よりも積極的だったことを示唆している」(米資産運用会社ニューバーガー・バーマンで通貨戦略を統括するウーゴ・ランチオーニ氏)との声が上がった。

9月22日は日銀の金融政策決定会合で金融緩和の維持が決まり、1ドル=146円目前まで円安が進んだ。政府・日銀は同日夕に24年ぶりの円買い・ドル売り介入に踏み切り、一時1ドル=140円台まで円高に動いた。

その後は日米の金利差が拡大するとの見方から円を売ってドルを買う動きが強まり、足元では9月22日の前回介入前よりも円安・ドル高になっていた。

【関連記事】

・円150円、円安招いた「日本病」 賃金低迷・低成長のツケ
・32年ぶり円安「円、さらに下げ余地」 市場関係者に聞く
・物価上昇31年ぶり3% 9月、円安が押し上げ

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Currencies/Japan-stages-new-forex-intervention-to-stop-falling-yen?n_cid=DSBNNAR 

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

小黒一正のアバター
小黒一正
法政大学経済学部 教授
コメントメニュー

分析・考察

財務省の公式見解通り「為替介入は急激な変動を均すもの」で、中長期的なトレンドを変えることではないことも注意する必要があると思います。一時的に円安の流れを逆転しても、①アメリカと日本の金利差や、②構造的な貿易赤字(輸出入取引でのドルに対する超過需要)など、ファンダメンタルな要因は一切変わっておらず、為替レートに関する今後の動きを注視する必要があると思います。
2022年10月22日 9:35 (2022年10月22日 9:49更新)

滝田洋一のアバター
滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
コメントメニュー

ひとこと解説

①為替介入はタイミングが勝負。市場参加者のドルの買い持ちが溜まった。そんな局面をとらえての円買い介入だったと思います。円売り勢の損切りを誘い、円相場を一気に上昇させる――いわば「押し上げ介入」です。
②バイデン大統領やイエレン財務長官の「ドル高容認」発言で、日本が介入しづらくなった。そんな思惑を打ち消すことも、今回の介入は狙っているようにみえます。
③折しも米WSJ紙が21日朝、「FRBは11月のFOMCで、その次の12月会合での利上げ幅縮小について協議する」と報道。この日は米長期金利が4.3%台から4.2%スレスレへ低下したことも、円買い介入の効果を高めたはずです。
2022年10月22日 1:28 (2022年10月22日 6:33更新)』