中国の強硬外交継続へ 仕切り役に王毅氏、台湾で緊張も

中国の強硬外交継続へ 仕切り役に王毅氏、台湾で緊張も
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『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は3期目も強硬的な外交を継続しそうだ。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相を共産党政治局員に昇格させ、外交トップに据えた。同氏は米国や日本の台湾問題への関与に反発する発言を繰り返しており、台湾情勢を巡り緊張が高まる場面もありそうだ。

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王氏は中国外交を仕切る党中央外事工作委員会の事務局トップに就くとみられる。退任した楊潔篪党政治局員の後任だ。

王氏は党序列200位以内の中央委員から24位以内の政治局員に昇格した。今月69歳になり、党大会時に68歳以上の党幹部は引退する年齢制限の慣例を破った。

中国の主張に従わない国に高圧的な言動を繰り返す「戦狼(せんろう)外交」を現場で進めており、習氏の信頼が厚いとみられる。

外務省の日本語研修組で2004年から07年まで駐日大使を務めた。13年の外相就任後は日本に厳しい発言を繰り返してきた。党内では「日本通だけに『日本に甘い』と誤解されないよう日本に強い態度で臨まざるを得ない」との指摘がある。

最高指導部には習氏の政治・外交ブレーンの王滬寧(ワン・フーニン)氏が残った。「戦狼外交」の理論的支柱ともされる。王滬寧氏が描いた理論を王毅氏が実践する。3期目も「2人の王」が留任し、強硬外交が続く公算が大きい。

すでにその片りんがある。英マンチェスターにある中国の総領事館で今月、共産党大会への抗議活動をしていた男性1人が館内の敷地に連れ込まれ、暴行を受けた。暴行には領事館員らが関わったとみられている。

党大会での習氏の活動報告は「敵対勢力による活動を厳しく取り締まる」と記し、領事館員らが忖度(そんたく)して強硬措置に出た可能性がある。事件を受け、米欧では3期目も中国の戦狼外交が大きく変わることはないとの見方が広がる。

焦点となるのは台湾問題だ。王毅氏は9月の国連総会での演説で「中国統一の偉大な事業を阻むいかなるたくらみも必ず歴史の車輪に砕かれるだろう」と強い口調で米国や日本をけん制した。

活動報告で習氏は台湾統一に「必ず実現しなければならないし、実現できる」と語って強い意欲を示した。王氏の台湾を巡る発言が軟化することは考えにくく、強硬な発言が台湾情勢の緊張を高める展開も懸念される。
王毅国務委員兼外相(㊧)と秦剛駐米大使(新華社=共同)

一方、王氏の後任の外相候補には秦剛駐米大使や党中央国家安全委員会弁公室の劉海星副主任の名前が挙がる。秦氏は儀典担当時代に習氏に気に入られたという。劉氏も習氏の近くで仕事をしている。両氏とも党大会で中央委員入りした。

当面の外交の山場は11月にインドネシアで開く20カ国・地域(G20)首脳会議になる。習氏がG20に出席してバイデン米大統領と対面で会談するかどうか注目される。会談が実現しなければ米中関係も緊張緩和の糸口をつかめないままとなる。

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