プーチン大統領、ウクライナ「併合」4州に戒厳令

プーチン大統領、ウクライナ「併合」4州に戒厳令
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『ロシアのプーチン大統領は19日、一方的に併合したウクライナ東・南部4州に戒厳令を導入する大統領令に署名した。同日の安全保障会議でプーチン氏が表明した。居住者の移動の自由などを制限し、ロシア軍による統治体制を強化する。ウクライナの攻撃激化に伴い、戦時体制への備えを進める狙いとみられる。

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戒厳令は20日からウクライナのドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの4州で導入する。タス通信によると、1991年のソ連崩壊後、ロシアが支配を主張する地域で戒厳令が導入されるのは初めて。

侵略などの外敵脅威を理由に戒厳令が発令された地域では、市民の移動や政治活動を制限できるようになる。破壊された施設やインフラの復旧に市民を動員することも可能になる。

プーチン氏は戒厳令を導入する理由について「ウクライナ側が交渉に応じず、ロシア領土への攻撃を続けている」と述べた。

ロシアが併合を宣言した南部ヘルソン州ではロシア軍の劣勢が続いている。同州の親ロ派の行政府トップは19日、ウクライナ軍の攻撃の激化に伴い、州都ヘルソンの行政機能をドニエプル川対岸の東岸地域に移す方針を明らかにした。

プーチン氏は同日、ウクライナと国境を接するロシアの各州に社会・軍事インフラの防衛強化などの「中レベル」の対応を導入する大統領令にも署名した。南部連邦管区とモスクワなどを含む中央連邦管区には警備や交通の制限などを含む「高度準備体制」を導入する。ウクライナ侵攻の継続に向けて、各自治体の行政権限を強化する。

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菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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ひとこと解説

プーチン大統領の倒錯した論理を象徴する動きです。ロシアが強引に実施した住民投票を盾に、4州への「侵略などの外敵脅威を理由に戒厳令を発令」というのですが、侵略はそもそも、どちらの仕業でしょうか。
劣勢を隠すためにキーウにミサイルを打ち込んで無辜のウクライナ市民の命を奪い、ウクライナの「侵略」というこじつけで被害者の顔をする。極めて卑劣ですが、蓋然性が高まる核使用を含め、これからどんなことが起こるかますます見えなくなってきました。
人類の歴史でも例のない蛮行が繰り返され、起きようとしている厳しい現実に日本も向き合う必要があります。国会審議では目先の問題より、こうした深刻な事態を議論すべきです。
2022年10月19日 23:24 』