孫の収入増による生活保護の打ち切り違法判決 熊本県が控訴

孫の収入増による生活保護の打ち切り違法判決 熊本県が控訴
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221017/k10013861381000.html

『看護専門学校で学びながら働いて学費を賄っている孫の収入の増加を理由に、熊本県が同居している祖父母の生活保護を打ち切ったのは違法だと判断した熊本地方裁判所の判決について、県は17日、内容を不服として控訴しました。

熊本県内で生活保護を受給する70代の祖父母と同居しながら看護専門学校に進学している孫は「世帯分離」の手続きをとって祖父母と家計を切り離し、奨学金や学びながら准看護師として働いて得た収入で学費を賄っていました。

ところが、孫の収入が増えると熊本県が同じ世帯の収入と認定して祖父母の生活保護を打ち切ったため、裁判になり、今月3日、熊本地方裁判所が打ち切りは違法だとして県の処分を取り消す判決を言い渡しました。

これに対し熊本県は17日、判決を不服として福岡高等裁判所に控訴しました。

県は理由について「厚生労働省と協議した結果、判決には生活保護におけるこれまでの世帯認定の考え方にそぐわない部分が含まれていると国が判断したためだ」としています。

一方、祖父の代理人の高木百合香弁護士は「控訴の判断は自立の促進を阻害するもので大変残念だ。高裁でも主張が認められるよう取り組んでいきたい」と話しています。
熊本県 蒲島知事「断腸の思いで控訴した」
控訴について、熊本県の蒲島知事はオンラインで取材に応じ「努力して貧困から脱却しようとする県民を支援する立場から控訴を回避する道を探ったが、国の判断には応じざるを得ず、断腸の思いで控訴した」と述べました。

そのうえで蒲島知事は「生活に困窮する世帯の子どもに対する学習支援の推進と、困窮からの脱却の支援は行政にとって重要な使命で、貧困からの脱却には教育の役割が大きいと心から思っている。一方で、現在の制度では担当者が保護を打ち切る判断をせざるを得なかった」などと説明しました。

また17日、本田厚生労働政務官に対し生活保護の運用に当たり社会の実態に沿った見直しを行うよう申し入れたことを明らかにしました。』