ハイチ 武装ギャング「G9&Family」が政府に要求突きつける

ハイチ 武装ギャング「G9&Family」が政府に要求突きつける
https://kagonma-info.com/c0024/haiti_gang_war_g9_and_family_20221015/

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 『G9&Familyはポルトープランスにある同国最大の燃料ターミナルを9月中旬に占領。国内のガソリンスタンドは燃料を確保できなくなり、各地で政府に抗議するデモが多発、混乱に拍車をかけている。』…、と言うことだ…。

『◎G9&Familyを率いるリーダー、通称「バーベキュー」が政府に独自の計画を提案した。

ハイチの強力な武装ギャングは14日、政府に新たな要求を突きつけ、応じなければ首都ポルトープランスを含む主要都市に攻撃を仕掛けると示唆した。

ハイチの治安は昨年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3カ月ほど前から「G9&Family」と「G-Pep」と呼ばれる2つのギャングが地域の支配権をめぐって激しい戦闘を繰り広げており、国連によると、7月中旬以降の死者、負傷者、行方不明者は確認できているだけで500人を超え、数千人が国内避難民になった。

地元メディアによると、G9&Familyを率いるリーダー、通称「バーベキュー」が政府に独自の計画を提案したという。

バーベキューはアンリ(Ariel Henry)首相に逮捕状の取り下げを要求しているが、政府はこの要求に関する声明を出していない。

G9&Familyはポルトープランスにある同国最大の燃料ターミナルを9月中旬に占領。国内のガソリンスタンドは燃料を確保できなくなり、各地で政府に抗議するデモが多発、混乱に拍車をかけている。国連は先週、ハイチでコレラが再拡大する恐れがあると深刻な懸念を表明した。

報道によると、市内の多くの食料品店が略奪被害に遭い、自家発電に頼っている医療機関は燃料不足で閉鎖を余儀なくされた。

バーベキューはフェイスブックに今週投稿した声明で、「ポルトープランスに賢人会議を創設する予定であり、各自治体は代表を1人選出しなければならない」と要求した。

さらに、地元ラジオ局は連邦警察の報道官の話を引用し、「バーベキューは連邦議会の議席とアンリ内閣への入閣を要求している」と報じている。

一部の専門家はこれらの要求について、「ギャングは国連安保理の介入を恐れている可能性がある」と指摘している。

アンリ氏は先週、治安の悪化に歯止めがかからないとして、国際社会に支援を呼びかけ、国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長がこれに応え、ハイチに平和維持軍を派遣する必要があると提案した。

安保理は17日に会合を予定している。

米バージニア大学のハイチ政治の専門家であるファットン(Robert Fatton)氏はAP通信の取材に対し、「ギャングはPKO部隊が派遣されることを想定し、ある程度自分たちが優位に立っている間に、最良の取引を結ぼうとしている」と語った。

ハイチでギャングの暴力は珍しくなく、モイーズ氏の暗殺以来、その攻撃は激しさを増している。

しかし、過去に発生した同様の脅威は国際社会の支援であっという間に鎮圧されている。

アリスティド(Jean-Bertrand Aristide)元大統領が追放された反乱もギャングが主導していた。同氏の後を継いだプレバル(Rene Preval)元大統領はギャングに武器を置くよう命じたものの、多くのギャングが従わなかったため、強硬策に出た。

プレバル氏は、「武装解除するか死ぬか、選択しろ」とギャングを脅し、解決策を受け入れなかったギャングは解体された。軍の特殊部隊は無人偵察機を使い、ギャングが長い間支配してきたスラム街に侵攻したと伝えられている。犠牲者の数は明らかにされていない。

ギャングが政治に介入することも初めてではない。

あるギャングのリーダーは2006年、任期満了前に辞任することを拒んだアリスティド氏を排除する反乱軍の立ち上げを支援した。

反乱軍のリーダーはアリスティド氏の支持者だったが、ギャングのリーダーである兄が2003年に治安部隊に殺害され、反旗を翻したと伝えられている。

ファットン氏はG9&Familyに議席を与えるという提案を「狂気」と呼ぶ一方、「武器を放棄すれば恩赦を与えるという提案が解決策になるかもしれない」という考えを示した。「政府は面目を保ち、ギャングは刑を免れます。被害者は納得できないかもしれませんが、戦争と飢餓の終結を最優先すべきだと思います…」

しかし、バーベキューの逮捕状を無効にするという要求は、おそらく拒否されるとみられる。政府は子供を含む数十人を殺害または処刑したとされるバーベキューの追跡に何年も費やしてきた。

ハイチ当局は国際社会に対し、水と食料を含む基本的な物資が圧倒的に不足しており、コレラの感染拡大も懸念されると警告している。

ハイチでは2010年~2019年初頭まで続いたコレラの流行で1万人近くが死亡したと推定されている。

2022年8月22日/ハイチ、首都ポルトープランスで行われた抗議デモ(Odelyn Joseph/AP通信)』

国連事務総長、危機が拡大するハイチで「武力行使」を呼びかけ

国連事務総長、危機が拡大するハイチで「武力行使」を呼びかけ
https://www-aljazeera-com.translate.goog/news/2022/10/17/un-chief-calls-for-armed-action-in-haiti-as-crisis-persists?_x_tr_sl=auto&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja

 ※ ハイチは、大変なことになっているようだ…。

 ※ 『バルルーターミナルの数週間に及ぶ集団封鎖』というものが、継続しているらしい…。

『(※ 翻訳は、Google翻訳。)

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ギャングによる港の封鎖を終わらせ、燃料と援助を許可するために行動が必要であると述べています。

シテ・ソレイユでのギャングの暴力により家を追われ、ハイチのポルトープランスにある公園に避難する人々
2022 年 10 月 16 日、ポルトープランスの公共広場に避難するギャングの暴力により家を追われた人々 [Ricardo Arduengo/Reuters]
アルジャジーラ スタッフより
2022 年 10 月 17 日公開2022 年 10 月 17 日

国連事務総長は、ハイチでの「武力行使」を呼びかけ、特に首都ポルトープランスでは、住民が「悪夢のような」状況に直面していると警告した。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は月曜日、このような行動は、同国への燃料供給を可能にするために重要な港へのギャングの支配を緩和するために必要であると信じていると述べた.

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3 項目のリスト
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国連は、ギャングのリーダー「バーベキュー」を標的としたハイチの制裁を検討しています
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ハイチの燃料源に対するギャングによる封鎖が飢饉を引き起こしている:国連
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カナダと米国、危機に瀕したハイチに軍事装備を送る
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ポルトープランスのバルルーターミナルの数週間に及ぶ集団封鎖は、燃料と水の重大な不足につながり、コレラの危険な発生に対応するための複雑な取り組みをもたらしました。

「ハイチ、特にポルトープランスの人々にとって、これはまったく悪夢のような状況です」とグテーレスは言いました。

「(ハイチの)警察を強化する必要があるだけでなく、訓練、装備、その他の多くの手段で警察を強化するだけでなく、現在の状況では、港を解放し、人道回廊が確立されることを望んでいます」と彼は言いました。

アリエル・ヘンリー首相は今月、国際社会に対し、2021年のジョヴネル・モイーズ大統領暗殺によって生じた権力の空白の中で悪化した暴力を鎮めるために、「特殊な軍隊」の設立を支援するよう要請した。

しかし、ハイチの抗議者や市民社会の指導者の多くは、外国勢力が「解決策よりも多くの問題」をもたらすことを歴史が証明していると述べ、国際介入の可能性を否定している。

国連の平和維持部隊は、約 10,000 人が死亡した 2010 年のコレラの発生に関連していた。ハイチの民主的制度と法執行能力を強化するための長年にわたる国際的な取り組みは、ほとんど失敗に終わっている。

現在の危機はま​​た、モイーズの殺害からわずか数週間後に首相のポストに就いたヘンリーの正当性に関する疑問にもスポットライトを当てている.

ここ数週間、ハイチ人は抗議活動を続けており、多くの人がヘンリー氏に辞任を求めている。
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土曜日、カナダと米国は、ハイチ国家警察(HNP)が使用する「戦術および装甲車両」を含む、ハイチ政府が購入したセキュリティ機器の納入を発表しました。

「この装備は、暴力を助長し、緊急に必要な人道支援の流れを妨害し、コレラの蔓延を食い止める努力を妨げている犯罪者との戦いにおいて、HNPを支援します」とカナダ連邦省のグローバル・アフェアーズ・カナダは声明で述べた。 .

ヘンリーは、ハイチは「警察の能力を強化する目的で」両国とのパートナーシップを引き続き期待しているとツイッターで述べ、この移管を歓迎した.

カナダとアメリカの軍用機は、ハイチ政府が購入した機器と物資をハイチ国家警察に届けています。この装備は、犯罪集団との戦いで警察を支援し、セキュリティの向上に役立ちます。

— ジャスティン・トルドー (@JustinTrudeau) 2022 年 10 月 15 日

10 月 9 日、グテーレスは国際社会に対し、ハイチの特殊部隊の要請を「緊急の問題として検討する」よう促した。先週、ジョー・バイデン米大統領の政権は、要求を検討していると述べた.

国連によると、アントニー・ブリンケン米国務長官は水曜日、ワシントンはハイチの人々への人道支援の提供を加速すると述べた。

ブリンケンは、ハイチの役人や「ストリートギャングやその他のハイチの犯罪組織の活動に関与している」人々に対して新たなビザ制限が課されたと付け加えた. 彼は、標的にされた役人を特定しなかった。

月曜日に、米国の議員は、「ハイチの犯罪集団と政治的および経済的エリートとの関係」を特定し、それらの個人に制裁を課すために、下院と上院に超党派の法律を導入する計画も発表しました。

「この法律は、ハイチの人々に対する言いようのない暴力を永続させるこれらの個人、および自分の利益のためにこれらのギャングを展開する強力な著名人を対象としています」と、上院決議の共同提案者の1人である民主党上院議員のティム・ケインは声明で述べた.

一方、米国の国連大使は、月曜日の午後にハイチに関する特別安全保障理事会 (UNSC) 会議で、米国とメキシコは危機に対応して 2 つの UNSC 決議の起草に取り組んでいると述べた。

1つ目は、強力なG9ギャングのリーダーであるジミー「バーベキュー」シェリジエを含むハイチの「犯罪者」に金融制裁を課し、標的とされた個人の資産を凍結し、武器へのアクセスを防ぐことである、とリンダ・トーマス・グリーンフィールドは述べた。

「[シェリジエ]は、国を壊滅させている壊滅的な燃料不足の直接の責任を負っています」と国連特使は述べた。

2番目の決議案は、「治安状況を改善し、切実に必要とされている人道援助の流れを可能にするために、国連以外の国際治安支援任務を承認する」ものであると彼女は付け加えた。

「この決議は、パートナー国が率いる限定的で慎重に検討された国連以外の任務を提案するものです」とトーマス・グリーンフィールドは述べ、そのような任務は、人員の提供を求められる国連加盟国からの支援に依存すると付け加えた。機器およびその他のリソース。

決議案が最終決定され、提出される時期は不明です。
出典:アルジャジーラ
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【寄稿】 プーチン氏、70歳に その人生を形作った7つの主な出来事

【寄稿】 プーチン氏、70歳に その人生を形作った7つの主な出来事
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-63155184

『2022年10月7日

マーク・ガレオッティ、イギリス王立防衛安全保障研究所(RUSI)研究員(ロシア・防衛研究)、ユニヴァーシティ・コレッジ・ロンドン名誉教授(東欧研究)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は10月7日、70歳になった。

レニングラード(現サンクトペテルブルク)で生まれた少年が、どのようにしてウクライナに侵攻し、ロシアに惨憺(さんたん)たる結果をもたらし、西側諸国に背を向け、独裁者として孤立するに至ったのか。

70年間の人生で、その世界観や考え方を形作った7つの大きな出来事を振り返る。

1964年 柔道を始める

第2次世界大戦で872日間続いた包囲戦の傷跡がまだ残るレニングラードに、ウラジーミル少年は生まれた。学校では不愛想で、競争心が強かった。一番仲良かった友達によると、「怖いもの知らず」だったので「誰とでもけんかできた」のだという。

それでも、小柄ながら向こうっ気の強い子供が、ギャングだらけの町で生き延びるには、何か武器になるものが必要だった。そのため12歳になると、まずはロシアの格闘技サンボを始め、続いて柔道を習い始めた。熱心でまじめな少年だったため、18歳になるころにはすでに黒帯を取得して、国内のジュニア大会で3位になったこともあった。

もちろんプーチン氏はこれまでじっくり丁寧に、自分がいかにマッチョな人間かというイメージを作り上げてきたし、子供のころから柔道で自分を鍛えてきたのだという経歴は、そのイメージづくりに使われてきた。

それでも、柔道を子供のころから続けたのはイメージづくりだけの話ではない。危険な世界では自信のよりどころが必要だ。それに、いざ戦わなくてはならない時には、本人の言葉を借りるなら「まず一発目はこちらから攻撃を仕かけなくてはならない。しかも敵が二度と立ち上がれないよう、強力な一発を浴びせる必要がある」のだという若いころの考えの、裏付けにもなった。

1968年 KGBに志願する

ほとんどの人は、リチェイニ通り4番地にあるソ連国家保安委員会(KGB)のレニングラード本部には近寄ろうとしなかった。スターリン時代にその取調室からどこかの強制収容所に送られた人はあまりに大勢で、「ボリショイ・ドム(大きな家)」と呼ばれるこの建物はレニングラードで一番背が高いのだと言われていた。その地下室からはシベリアが見えるほどだという、ブラックジョークがその「ココロ」だ。

それでもプーチン氏は16歳の時、赤いじゅうたんの敷かれたKGBの受付に入り、苦笑気味の士官に、どうやったら自分も入れるのか質問した。兵役を終えるか学位をとるのが条件だと言われると、ではどの学位が最適かと、重ねて尋ねた。

法律の学位だと教えられたプーチン氏は、もちろん法学部を卒業し、順当にKGBに採用された。世渡り上手でけんかに強いプーチン氏にとって、KGBは街で最強のギャングだった。共産党に特に縁故のない人間に、身の安全と出世の機会を与えてくれる場所だった。

そればかりか、KGBにいれば世の中を動かす側でいられる。10代のころに見ていたスパイ映画について、プーチン氏はかつてこう言った。「1人のスパイが、何千人もの運命を決められる」と。KGBにいれば、自分もそうなれるかもしれなかった。

Vladimir Putin (bottom) wrestles with a classmate in St Petersburg in 1971

画像提供, Getty Images
画像説明,

柔道のけいこで(1971年、レニングラード)

1989年 群衆に取り囲まれる

しかし、本人の期待とは裏腹に、プーチン氏のKGB人生は特にぱっとしなかった。まじめに働いたが、特に目立って出世するタイプではなかった。それでもドイツ語を熱心に勉強したため、1985年には当時の東独・ドレスデンにあるKGBの連絡事務所に赴任することになった。

そこで彼は海外駐在員として楽な暮らしをしばらく送ったものの、1989年11月には、東ドイツ政権がとてつもない勢いで崩壊し始めた。

12月5日には、群衆がドレスデンのKGBビルを取り囲んだ。プーチン氏は必死に、一番近いソ連軍の駐屯地に保護を要請したが、返ってきたのは、なすすべがないという答えだった。「モスクワからの命令なしで何もできないし、モスクワは何も言ってこない」と言われたのだ。

プーチン氏は、中央に集められた権力が一気に崩壊するのを恐れるようになった。そして、ソ連の指導者だったミハイル・ゴルバチョフ氏の間違い(だと彼は思っていた)を、自分は決して繰り返さないと決心した。つまり、敵が立ちはだかっているのに素早く決然と反応しないなど、自分はそんなまねは決してしないと。

1992年 石油食料交換プログラムのブローカーに

やがてソヴィエト連邦の崩壊に伴い、プーチン氏はKGBをやめることになる。しかしそれから間もなくして、サンクトペテルブルクと改称した街の改革派市長のもとで、フィクサーとして働くようになる。

ロシア経済は急降下中で、プーチン氏は市民がその日その日を生き延びられるよう、何とかしろと言われていた。1億ドル相当の石油と金属類を、食料と交換する事業を取りまとめるのが、与えられた役目だった。

実際には誰も食料など何ひとつ目にしなかったのだが、後の調査によると(その調査はすぐさま封印された)、プーチン氏とその仲間と、サンクトペテルブルクのギャングが、大金を手に入れた。

「激動の90年代」と呼ばれるこの時代に、政治的な影響力は金銭化できる商品なのだと、プーチン氏は速やかに学んだ。さらに、ギャングを味方につけるのは役に立つことだと。自分の周りにいる誰もが、そうやって地位を利用して私腹を肥やしているのだ。自分もそうして何が悪い?

2008年 ジョージア侵攻

2000年にロシア大統領になったプーチン氏は、西側と前向きな関係を築きたいと期待していた。自分の望む形で。旧ソ連の領土全域を、ロシアの勢力圏としながら。

おかげでプーチン氏はやがて落胆し、続いて立腹した。西側が積極的にロシアを孤立させ、屈辱を与えようとしていると思ったのだ。

ジョージアのミヘイル・サーカシヴィリ大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟を決意した時点で、プーチン氏は激怒した。そして、ロシアが支援する南オセチアでジョージアが実効支配を再確立しようとしたのを機に、プーチン氏はこれを理由に懲罰的な軍事行動に乗り出す。

Woman grieving in Georgia

画像提供, Getty Images
画像説明,

息子の戦死を嘆く南オセチアの女性

わずか5日間でロシア軍はジョージア軍を瓦解させ、サーカシヴィリ大統領に屈辱的な和平を強いることになった。

西側諸国はこの事態に激怒するものの、アメリカのバラク・オバマ大統領は1年もしないうちに、ロシアとの関係「リセット」を持ちかけた。2018年サッカー・ワールドカップの開催権さえ、ロシアに与えられることになった。

プーチン氏にとって、力こそが正義だというのは明白だった。そして、弱くてぐらぐらしがちな西側は、ああだこうだと息巻いては見せるものの、最終的にはこちらが鉄の意志を見せれば、後ずさりするに決まっているのだと。

2011~13年 モスクワでデモが続く

2011年の議会選挙は仕組まれていた不正選挙だという批判が、幅広く信じられたが(そしておそらく本当だった)、これに対する不満がついに抗議デモにつながったのは、大統領からいったん首相になっていたプーチン氏が、2012年大統領選に再出馬すると表明したからだった。

モスクワのボロトナヤ広場が中心地となったことから、「ボロトナヤ抗議」と呼ばれるようになったこのデモは、プーチン政権下で起きた最大規模の反政府行動だった。これを上回る規模の反政府行動はその後、起きていない。

Protests in Moscow in 2013 in support of opposition

画像提供, Getty Images

一連の抗議集会はアメリカ政府が計画し、扇動し、画策したものだと、プーチン氏は信じていた。そして、ヒラリー・クリントン国務長官のせいだと決めつけ、批判した。

プーチン氏にしてみれば、これは西側との全面対決が始まった証拠だった。西側はもはや直接、自分を滅ぼそうとしている。つまり自分は事実上、西側と戦争状態にあるのだと。
2020~21年 新型コロナウイルス回避のため隔離

新型コロナウイルスが世界中に蔓延(まんえん)すると、プーチン氏は個人独裁体制の独裁者としても珍しいほどの、徹底した隔離状態に入った。

プーチン氏に会おうとする人間は誰だろうと、まずは警備付きの2週間隔離が強いられた。その後いざ会いに行くとなると、滅菌用の紫外線で照らされ、殺菌剤の充満した廊下を通らなくてはならなかった。

この時期、プーチン氏と面と向かって会うことが許される支持者や顧問の数は激減。会えるのはほんの一握りのイエスマンや、本人と同じようなタカ派に限られた。

多様な意見に触れる機会が減り、それどころか自分の国を目にすることもほとんどなくなったプーチン氏は、自分の思い込みはすべて正しく、自分の偏見はすべて正当だと、「学習」したようだ。

かくして、ウクライナ侵攻の「種」はまかれたのだった。

(マーク・ガレオッティ教授は、研究者で著述家。著作に、「We Need To Talk About Putin(プーチンの話をする必要がある)」のほか、近く出版の「Putin’s Wars(プーチンの戦争)」など)

(英語記事 Vladimir Putin at 70: Seven pivotal moments that made him)』

コラム:「国際金融のトリレンマ」からみた円安、150円目指す動き濃厚

コラム:「国際金融のトリレンマ」からみた円安、150円目指す動き濃厚=内田稔氏
https://jp.reuters.com/article/column-minori-uchida-idJPKBN2R907P

 ※ なるほど、この局面で、「トリレンマ理論」の有用性を検証してみるのか…。

 ※ 興味深い話し、ではある…。

 ※ しかし、まあ、理論はあくまで理論でしかない…。

 ※ 学者先生の理論の「有用性」が「実証」されたところで、世界各国の、腹をすかせて憤っている民衆の「怒り」が解消されるものでもない…。

 ※ 「学説よりも、今日のパンを!今日の飯(メシ)を!」というのが、正直なところだろう…。

『[14日 ロイター] – 予想を上回った9月の米消費者物価指数(CPI)を受けてドルが全面高となる中、13日のNY市場でドル/円相場も1990年8月以来の高値となる147.66円を付けた。以下では、ドルと円の状況をそれぞれ整理し、改めてドル/円相場を展望する。

<破壊的なドル高リスクの顕在化>

国際決済銀行(BIS)が算出する実質実効為替レート(Narrow)でみると、ドルはプラザ合意のあった1985年以来、37年ぶりの高値圏に位置している。ドルは高金利通貨であるだけでなく、原油・石油関連製品の純輸出国であり、資源国通貨の側面も併せ持つ。

世界的なインフレを前に、取引需要や予備的需要といった基軸通貨固有の増価圧力も加わっている可能性が高く、この点は6月22日付のコラム、「破壊的なドル高の予兆、円売り加速のシナリオ」で指摘した。

また、10月12日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によれば、引き締めが足りない場合の方が、引き締め過ぎた場合よりもコストがかさむとの考えで、多くの参加者が一致していたことも示された。

予想を上回った9月の米雇用統計やCPIに照らせば、政策金利のピークが現在の市場の織り込みを超えて5%台に達する可能性も高まりつつある。もちろん、米経済は徐々に減速に向かうとみられ、いずれインフレの収束とともに利上げ打ち止め観測が台頭しよう。それがリスク選好地合いへと通じれば、ドルの反落も見込まれる。

ただ、その場合も、相対的にみて米国の金利が高い限り、ドルが調達通貨になり下がって、下落トレンド入りするわけではないだろう。

そのほか、ドル高が新興国の通貨安などを通じて、金融市場の無秩序な不安定化を強める場面にも警戒を要する。米国が各国と協調してドル売り介入に踏み出す可能性がゼロではないからだ。

とは言え、イエレン米財務長官は今のところ、市場の動きを容認する構えを崩していない。ドル高のクライマックスは先のこととなりそうで、ドル高基調がまだ続くとみるのが自然だ。

<見込みにくい円の反発>

これに対し、円は依然として主要通貨の中で最大の対ドル下落率を記録している。改めて言うまでもなく、日銀による異次元緩和の長期化見通しと拡大傾向にある貿易赤字が円安の主因だ。

このうち、金融政策について言えば、来年4月に黒田東彦日銀総裁の任期を迎える。ただ、デフレ脱却に向けて政府と交わした2013年1月の共同声明、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について」が残る限り、緩和路線が大きく変わるとは考えにくい。

貿易赤字に関しても、原油価格が一時に比べて値下がりしたが、今年の赤字額は20兆円に迫る勢いだ。

その点、訪日外国人の受け入れ拡大に伴い、旅行収支の黒字拡大による円安抑止力が期待されている。しかし、訪日外国人の数が過去最高を記録した2019年でさえ、旅行収支の黒字は通年で約2.7兆円と、今年8月の貿易赤字を埋め合わせるのがやっとだ。

未曽有の円安とあって、日本全体がバーゲンセールにさらされており、インバウンド消費は大いに期待される。ただ、旅行収支改善が円安に歯止めをかける救世主になるかと言えば「役者の器が違う」といったところだろう。円の反転を期待できる環境にもほど遠いようだ。

<円買い介入、常に臨戦態勢へ>

こうした状況下、財務省・日銀による円買い介入がいつ行われても不思議ではない。しかし、鈴木俊一財務相は13日、特定の水準ではなく、ボラティリティに注目していると改めて発言した。これは9月22日、米財務省が日本の単独介入に対し、ボラティリティーを下げるための行動として早々と理解を示したことと合致する。アメリカのスタンスは明白だ。

例えば、2011年3月の東日本大震災の後、ドル/円が84円台から76円台まで急落した場面では協調介入に参加した。一方で、80円割れで日本が実施した単独での円売り介入については、その年の為替報告書で、支持しないと明記。米国が容認するのは、無秩序な場面での実施に限られる。

今後についても、投機的かつ急激な円安に対する介入は容認される一方、ドル高主導によるドル/円上昇に対する介入がいつまでも理解を得られるわけではないだろう。こうした見方が市場で強まるに連れて、介入による円安抑止効果も逓減していくおそれが強い。

<円安が止まる条件>

今後のドル/円相場を展望する上で、国際金融の「トリレンマ理論」が参考になる。

トリレンマとは、3つのことが同時には成立しないことを意味する言葉だ。そこから派生した国際金融のトリレンマとは、1)為替相場の安定、2)金融政策の独立性、3)自由な資本移動──の3つを同時に満たすマクロ経済的な枠組みや制度は存在せず、どれか1つを放棄しなければならないことを指す。

例えば、先進国の多くは、金融政策の独立性と自由な資本移動を確保しているが、為替相場は時に大きく変動する。

次に、ドルペッグ制を採用する多くの中東諸国やカレンシーボード制を採用する香港などは、対米ドルでの為替相場の安定と自由な資本移動を得る代わりに、金融政策では米国に追従せざるを得ない。金利差が生じては為替相場が変動するからだ。域内の為替相場を固定する一方、金融政策を欧州中央銀行(ECB)に委ねるユーロ圏もこれにあたる。

最後は中国をはじめ、為替相場の値動きに一定の歯止めをかけながら、金融政策の独立性も確保している多くの新興国だ。彼らは、その代わりに資本移動に今なお多くの規制を残しており、これが人民元の真の国際化を阻んでいる。

<日本の選択肢は相場安定の放棄>

この枠組みで考えると、ドル/円上昇に歯止めをかける選択肢の1つは、金融政策の独立性を放棄することだ。このケースでは、米国に倣って利上げに踏み出さなければならない。

もう1つは新興国と同じく資本移動に制限を加えることだ。例えば、円安圧力つながる輸入や対外的な投資への制限がこれにあたる。もっとも、日本にとって、どちらの選択肢も非現実的であることは明らかだ。

そうであれば、消去法で考えて為替相場の安定を放棄する以外、日本には選択肢がない。これは、過去最大規模の円買い介入の効果が、わずか14営業日で消えたことで証明された格好とも言えよう。

もちろん、このほかにも世界のインフレが収束し、多くの中央銀行が金融緩和へかじを切ること、原油価格が急落し、日本の貿易赤字が解消することなども円の反転を促すが、どちらも日本に打てる手はない。

こうして考えると、外部環境に変化がみられない限り、ドル/円はまだ、高値を目指す危険性が高い。率直に言えば、150円で止まるのかどうか、極めて疑わしくなってきた。
編集:田巻一彦

(本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*内田稔氏は、高千穂大学商学部准教授、ALCOLAB外国為替アナリスト。慶應義塾大学卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2012年から2022年まで外国為替のチーフアナリスト。22年4月から現職。J-money誌の東京外国為替市場調査では2013年より9年連続個人ランキング1位。国際公認投資アナリスト、証券アナリストジャーナル編集委員、公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、経済学修士(京都産業大学)。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。』

現代自、ロシア工場売却を検討=韓国紙

現代自、ロシア工場売却を検討=韓国紙
https://jp.reuters.com/article/hyundai-motor-russia-idJPKBN2RD03A

『[ソウル 18日 ロイター] – 韓国の現代自動車 はロシア事業について、工場売却を含む選択肢を検討している。韓国紙・東亜日報が18日に伝えた。

報道によると、同社では最近、ロシア事業の状況や将来の見通しを分析した報告書が経営陣に提出された。通常の財務活動を行うには難しい環境であることを挙げ、工場売却のシナリオと影響に関する分析が盛り込まれた。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、同社のサンクトペテルブルク工場は3月から操業を停止している。

停止前のロシアでの年間生産台数は約20万台と、世界の生産能力の約4%を占めた。

サムスン証券のアナリスト、エスター・イム氏は「ロシアの事業環境の影響で現代と起亜の両社合わせて今年少なくとも4500億ウォン(3億1500万ドル)の損失を出す可能性がある」と述べた。

韓国投資証券のアナリスト、キム・ジヌ氏は「現代自動車がロシア工場をどうするかはまだ不明だが、同社がロシアから撤退するには財務状況やロシアや米国との関係など、考慮すべきことが多くある」と述べた。』

豪、西エルサレムをイスラエル首都と認定した前政権の決定撤回

豪、西エルサレムをイスラエル首都と認定した前政権の決定撤回
https://jp.reuters.com/article/australia-israel-idJPKBN2RD05H

『[シドニー 18日 ロイター] – オーストラリア政府は18日、西エルサレムをイスラエルの首都と認定した前政権の決定を撤回し、エルサレムを巡る問題はイスラエルとパレスチナの和平交渉を通じて解決されるべきとの見解を示した。

ウォン外相は声明で、オーストラリアは「常にイスラエルの揺るぎない友人」で、イスラエルと将来のパレスチナ国家が国際的に認められた境界内で平和的に共存するという2国家案を支持していると表明。

「オーストラリアは公正で永続的な2国家共存案に向けた進展を責任を持って追求する国際的な取り組みに再びコミットする」と述べた。

モリソン前首相は2018年12月、長年にわたる中東政策を転換し、西エルサレムをイスラエルの首都と正式に認定した。

トランプ前米大統領はその1年前にエルサレムをイスラエルの首都と認定していた。

ウォン氏は記者団に対し、モリソン氏の18年の決定は国際社会の大多数との足並みを乱すものだったと指摘。「モリソン氏の政治的駆け引きによる決定がオーストラリアの立場を変える結果となり、この問題に深い関心を持つオーストラリア社会の多くの人々に苦痛を与えたことを遺憾に思う」と述べた。』

【コラム】プーチン氏が核を使用する日、バイデン氏の選択は

【コラム】プーチン氏が核を使用する日、バイデン氏の選択は-クルス
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-22/RIK7M0T0AFB801?srnd=cojp-v2
『ロシアのプーチン大統領はウクライナに対する「特別軍事作戦」を続け「たくない」と言ったのと同様、核兵器も使い「たくない」と述べた。だが、戦争はまだ続いている。プーチン氏が勝てないからだ。これは同氏が核兵器を使う可能性があることも意味する。その場合どのような対応をとるのか、米国とその同盟国、プーチン氏に友好的とされる中国やその他の国も、決断を今下すことが必要だ。

  プーチン氏にとって、核戦争へのエスカレートは窮地から勝利をつかむ手段ではない。政治的な生き残りをつかみ取り、生存そのものを図る手段だろう。民主的なリーダーとは異なり、これだけの被害を引き起こしたプーチン氏が体裁良く引退する道は残されていない。同氏の終わりは混乱に満ちたものになり得ることを、自身が承知している。

それもあって、プーチン氏は西側アナリストの言う「エスカレーション抑止」というロシアの古いドクトリンを持ち出してきたのかもしれない。これは意図的に事態をエスカレートさせることで相手に妥協を迫る戦術で、つまり核兵器を使用しない通常戦力での戦争に負けることを防ぐため核に訴えるということだ。そうなれば、プーチン氏は一発かそれ以上の戦術核(戦略核ではない)を使うだろう。戦術核は一つの都市全体を消し去るには「小さ過ぎる」が、ある陣地にいるウクライナ軍を全滅させたり兵たん拠点を破壊したりするには十分だ。

  戦術核を一発落とせば、プーチン氏はさらに使う意思があるというシグナルを送ることになるだろう。狙いは、ウクライナの降伏と西側の関与排除だ。だが、米国の自動的な報復を招かずには済まない。プーチン氏の望みは敵を退かせ、勝利を宣言し、権力の座にとどまることだろう。

  こうした展開は、人類にとって広島と長崎以来の惨劇だ。核爆弾が落ちれば死者が出るばかりではなく膨大な数の罪のない人々が傷つき、生涯にわたる障害を負う。さらに全世界に永続的な脅威を引き起こす。

  核を使用してもプーチン氏に対し特段の対応がとられないようなら、核を保有する他のならず者国家はこれが前例になると思うだろう。またウクライナが1990年代にそうしたように、核不拡散の名の下に核兵器を手放した国々は、軍備増強を強いられる。軍縮は死語になる。意図的であれ偶発的であれ、東アジアを含めた世界各地で核戦争は頻繁に起こるようになる公算が大きい。

  では、バイデン米大統領はどのような対応をとるべきなのか。プーチン氏を抑止しなければならないのは明らかだが、同氏が事態をエスカレートさせる場合にも同時に備える必要がある。

  シンクタンク、大西洋評議会のマシュー・クレーニヒ氏は選択肢のいくつかを要約している。対応の一つは、ロシアの限定的な核攻撃に対して西側が既にロシアに科している全ての措置を2倍、3倍、4倍に強化し、ロシアを西側世界から完全に切り離すことだ。西側はウクライナへの兵器支援を加速するとともに、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の東部国境に核兵器を含め軍備を増強する。

  このような意図的に抑えられた対応は、エスカレーションのスパイラルを止める狙いがある。問題は、プーチン氏に抑制を促すほど強力な対応ではないかもしれないということだ。プーチン氏は既に国際的に孤立し、ロシア国民は制裁の痛みを味わっている。自らの体制の終わり、または死を恐れているのであれば、プーチン氏は引き続き全てを賭けるだろう。

  もう一つの問題は、抑制した対応ではウクライナを含む世界の大半の国々にとっては情けないほど不十分に映るということだ。北朝鮮の金正恩氏ら独裁者は、核兵器を使用して生き残りを図ることは可能だと結論づけるだろう。

  従って、バイデン氏の対応はより強力でなくてはならない。軍事的な選択肢は2つだ。一つは北極海やシベリアの辺境などで、見せしめのため小型の戦術核をロシアに対して同様に使用する。そこで発生するきのこ雲は、プーチン氏に対する「止まれ」のシグナルになることが期待される。ウクライナと世界に対し、米国はエスカレートには相応の報復をすると安心させることにもなる。

  だが、これは世界滅亡に至るような核の応酬へと発展しかねない。ロシアは戦略核で米国とほぼ互角、戦術核では米国の約10倍多い弾頭を保有する。こうしたシナリオでは、特に人的ミスが発生する可能性を考慮すると、不測の事態が起こり得る。人類が滅亡するリスクもあるだろう。

  このため通常戦力によるロシア軍への攻撃という選択肢の方が賢明かもしれない。核ミサイルを発射した基地、あるいはウクライナのロシア軍が標的になる可能性がある。

  これでウクライナと世界に対して、核不使用の原則を破れば報復があると示すことができる。西側は介入する、「エスカレーション抑止」は効果がないとのメッセージをプーチン氏に送ることにもなる。

  この選択肢の欠点は明らかに、ロシアとNATOの直接対決へと至り、第3次世界大戦勃発のリスクを冒すことだ。行き着く先は人類滅亡という可能性も依然ある。プーチン氏は米国が核で報復する用意はないと判断し、さらに核を使用する恐れもある。

  別の可能性もある。プーチン氏は核を使用したいとは考えていないが、自身の生き残りが脅かされていると感じる場合には使う。米国は核戦争へとエスカレートすればプーチン氏とその側近らを排除する体制転換を計画する。その場合、最善なのは曖昧にではなく具体的に、公にではなく秘密裏にプーチン氏に伝えることだろう。

  この暗い時代に一筋の光明があるとすれば、それはウズベキスタンで先週見られた。非同盟のインド、そして通常はプーチン氏の側に立つ中国がいずれもプーチン氏に対し、戦争への「懸念」を表明したのだ。両国は核保有国でもある。

  米中間にどのような憎しみがあっても、他にどのような対立があるとしても、核戦争の脅威に対して世界は団結しなければならず、それは可能だろう。バイデン、習両氏と他の世界の指導者は互いの相違を慎重に脇に置き、プーチン氏に核兵器を使用すれば確実に締め出すとのメッセージを伝えることができるはずだ。

(アンドレアス・クルス氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。ハンデルスブラット・グローバルの元編集長で著書に「Hannibal and Me(原題)」があります。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:

A Decision Tree for Biden If Putin Goes Nuclear: Andreas Kluth(抜粋)

This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners. 』

中国は「かなり急ピッチなタイムライン」で台湾統一狙う

中国は「かなり急ピッチなタイムライン」で台湾統一狙う-米国務長官
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-18/RJXBD5T1UM0W01?srnd=cojp-v2
『 ブリンケン長官:中国は台湾巡る現状の維持をもはや受け入れず
中国共産党大会開幕、習総書記は武力行使の放棄約束せず

ブリンケン米国務長官は17日、中国が従来の想定よりも「かなり急ピッチなタイムライン」で台湾統一を目指す決意だと指摘した。中国共産党の習近平総書記(国家主席)はこの少し前に、必要なら武力行使も辞さない意向をあらためて示していた。

Secretary Of State Blinken Testifies Before Senate Foreign Relations Committee
ブリンケン米国務長官
Photographer: Bonnie Cash/UPI/Bloomberg

  カリフォルニア州のスタンフォード大学で開かれたイベントでブリンケン国務長官は「中国の台湾に対するアプローチは近年変化があった」と発言。中国は「現状維持はもはや受け入れられないという基本的な決定を下しており、中国政府はかなり急ピッチなタイムラインで統一を目指す決意を固めている」との認識を示した。時期やその他の詳細については言及しなかった。』

『5年に1度開かれる中国共産党大会で習近平総書記は16日、広く注目される活動報告を行い、台湾問題に関して国家統一に向けて「歴史の車輪は前に進んでいる」と主張。「必要なあらゆる措置を講じる選択肢をわれわれは留保する」と付け加えた。

  バイデン政権当局者は台湾海峡のパワーバランスを浸食していると中国を再三批判してきたが、侵攻に関する中国政府の意向について発言することはあまりない。

ブリンケン長官の発言は中国が台湾統一の課題を前倒ししたという公式な評価を反映したものかと国務省に問い合わせたが、すぐには返答はなかった。

原題:Blinken Says China Wants Taiwan on ‘Much Faster Timeline’(抜粋)』

習氏、米依存脱却へ 技術・供給網の自給促す

習氏、米依存脱却へ 技術・供給網の自給促す
https://jp.wsj.com/articles/chinas-xi-jinping-urges-self-reliance-in-tech-amid-rivalry-with-u-s-11666021460

『【香港】米中が経済・技術分野で対立姿勢を強める中、中国の習近平国家主席は技術やサプライチェーン(供給網)の自給を促進していく方針を掲げた。

 習氏は16日に第20回中国共産党大会で行った活動報告で、自国が直面している主な課題として、科学技術のイノベーション不足やサプライチェーンのぜい弱性を挙げた。

 同氏は「科学技術の自立自強」という表現を5回使い、基礎研究や独自のイノベーション、戦略的分野における前進がいっそう必要になると訴えた。また、経済の持続的けん引や国家の安全保障にとって、サプライチェーンの耐性と安定が重要との考えを3回強調した。

 こうした文言は5年前の党大会の報告にはなかったものの、前回大会以降、習氏をはじめ党指導部が同様の発言をする機会は増えていた。…
[The Wall Street Journal] 』

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習近平氏の総仕上げ 米との対立に備えた10年

習近平氏の総仕上げ 米との対立に備えた10年
軍事・経済・政治面でさまざまなキャンペーンを実施
https://jp.wsj.com/articles/xi-jinpings-endgame-a-china-prepared-for-conflict-with-the-u-s-11665982671

『習近平氏は10年前に権力の座に就いて以来、中国が西側諸国との対立に勝利するか、少なくともその中で確実に持ちこたえるための一助になるよう、さまざまなキャンペーンを展開してきた。同氏は軍を強化し、経済を再編し、イデオロギーをより重視するようになった中国共産党を中心に社会を再構築してきた。

 習氏は、中国は世界的なプレーヤーであり、米国と対等な存在だとして、同氏が正当と考えるその地位を回復することが自身の包括的な目標だということを明確にしている。その結果、同氏は、西側諸国との対立の可能性がますます大きくなっていると見るようになったと、同氏の考えに詳しい関係者は話す。習氏は現在、16日に開幕した共産党大会で、党総書記(国家主席)として3期目(1期5年)入りを目前にしており、2期で退くという近年の慣例とは一線を画すことになる。これにより、中国が今後何年にもわたり、強硬な主張をすると同時に守りも固めるという同氏のビジョンによって導かれることが確実となるだろう。

 事情に詳しい関係者によると、習氏のアプローチは、習氏が好んで引用する毛沢東の格言に要約される可能性があるという。その格言とは「不確実な戦争や準備のできていない戦いはするな」と、警戒を怠らないよう諭すものだ。
… 』

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ロシア戦略の重大欠陥 ウクライナ制空権握れず

ロシア戦略の重大欠陥 ウクライナ制空権握れず
ドローンとミサイルではウクライナの攻撃は止められない
https://jp.wsj.com/articles/failure-to-control-ukraines-skies-betrays-key-flaw-in-russias-war-strategy-11665974236

『ウクライナ侵攻で苦戦しているロシア軍は、調整不足から兵士の士気低下に至るまでさまざまな問題に直面している。だが、西側の軍事関係者によると、戦争の初期にウクライナの制空権を掌握できなかったことが致命的な要因となり、これがあらゆる面に影を落としロシアの劣勢要因となっている。

 制空権を掌握できないため、ロシアは、米国からウクライナに供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などの武器によるウクライナ側の攻撃を止めることができずにいる。ウクライナ軍は、ロシア軍の限られた対応能力に乗じ、先月初めから数百平方マイルの領土を奪還してきた。

 ロシアは最近、優勢なウクライナ軍に対抗するため、ミサイルやドローンを使って民間人を標的に死傷者を出す攻撃を行っている。しかし、こうした攻撃でさえも、ロシア側の航空戦略の弱点を示すものと西側の軍事アナリストは指摘する。撃墜されるのを恐れて操縦する航空機ではなく、遠隔操作の無人機などに頼らざるを得ないことを示すものだという。』

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習氏の権力固め着々、側近が最高指導部入りへ

習氏の権力固め着々、側近が最高指導部入りへ
上海トップは次期首相の有力候補に
https://jp.wsj.com/articles/chinas-xi-jinping-likely-to-pack-party-leadership-with-allies-in-show-of-strength-11666033158

『中国共産党の習近平総書記(国家主席)は、自身の側近を最高指導部入りさせる方向で調整を進めている。党上層部に近い関係者が明らかにした。習氏は国内経済の低迷や対外的野心を阻もうとする欧米諸国など、国内外で課題が山積しており、周辺を腹心で固めることで権力強化を図る狙いがあるとみられている。

 習氏が起用を目指している1人は、上海の党トップの李強氏(63)だと関係者は話す。李氏は今年、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)を数週間にわたって実施し、市民への食料・医療サービスの提供が滞るといった問題を招いて責任を問われた。

 李氏は党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員に昇格する可能性が高く、次期首相の有力候補に挙がっているという。

 このほか、中央弁公庁主任の丁薛祥氏や、広東省の党トップの李希氏も最高指導部入りが取り沙汰されている。李氏は習氏一族と親交のある共産主義革命関係者の秘書を務めた経歴を持つ。』

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習氏の飽くなき権力掌握、古い盟友も粛清の対象

習氏の飽くなき権力掌握、古い盟友も粛清の対象
拡大の一途たどる汚職撲滅キャンペーン、より巧妙に
https://jp.wsj.com/articles/xi-jinpings-quest-for-control-over-china-targets-even-old-friends-11666051831

『中国の習近平国家主席は、この数十年で最も恐るべき指導者となった。腐敗撲滅運動によって政敵を排除し、自身の権力に疑義が生じる可能性(現実であれ推測であれ)を抑え込んできた。

 政治ウォッチャーの中には、同氏の役割が安定すれば、こうした粛清は和らぐと考える向きもあった。だがトップ就任から10年が経ち、一段と高度な手法が広範囲に行われている。

 規律に沿った弾圧の対象には、共産党最高指導部を引退した人物や現職の政治局員も含まれている。党のデータによると、執行当局は昨年、収賄などの規律違反で約62万7000人を処分した。これは習氏がトップに就任した2012年のざっと4倍になる。

 同時に、最近はいっそう巧妙な手法を使うことが多いと党の内部関係者らは指摘。例えば、幹部に近い仲間を規律調査の末に解任し、習氏の息がかかる者を後任につけるやり方だ。さらに政敵をより重要性の低い役職に異動させたり、担当職務を変更して権力基盤から切り離したりする場合もある。』

(※ 無料は、ここまで。)

中国半導体企業の米国人幹部、迫られる選択

中国半導体企業の米国人幹部、迫られる選択
https://jp.wsj.com/articles/american-executives-in-limbo-at-chinese-chip-companies-after-u-s-ban-11666064496

『【シンガポール】米国人は中国の半導体産業で重要な役職に就いており、メーカーが外国のライバルに追いつくための半導体開発に貢献している。ところが、中国の最先端の半導体開発を米国人が支援することを禁じる新たな輸出規制を米国が打ち出したため、こうした米国人幹部の立場が中ぶらりんになっている。

 上場している中国半導体企業の上級幹部のうち、少なくとも43人が米国人だ。各社の当局への提出書類や公式ウェブサイトでウォール・ストリート・ジャーナルが確認した。その多くは最高経営責任者(CEO)や副社長、会長といった経営幹部に就いている。

 米国人幹部のほぼ全員が、シリコンバレーで米国の半導体メーカーや半導体製造装置メーカーに勤めた後、中国の同業界に移っていることが、各社の提出書類で分かった。こうした経歴は、かつて人材が国境を越えて企業間で自由に行き来していた事実を反映している。中国政府が2008年に始めた人材招致プロジェクト「千人計画」などを通じて、中国に渡った米国人もいる。』

(※ 無料は、ここまで。)

政府 北朝鮮に追加制裁 5団体を資産凍結の対象に

政府 北朝鮮に追加制裁 5団体を資産凍結の対象に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221018/k10013862451000.html

 ※ 『これにより資産凍結の対象は、北朝鮮などの120人と134の団体に拡大』って、そんなに「資産凍結」の対象となるような、「資産」を、この日本国内に保有していることの方が、驚きだよ…。

『北朝鮮が、日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射したことなどを受け、政府は、追加の制裁措置として資産凍結の対象に、核・ミサイル開発に関わっている北朝鮮の5つの団体を加えることを決めました。

北朝鮮は、ことしに入り、かつてない頻度でミサイル発射を繰り返していて、今月4日には、2017年以来となる日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射しました。

これを受けて政府は18日の閣議で、北朝鮮に対する追加の制裁措置として資産凍結の対象に、核・ミサイル開発に関わっている「ロケット工業部」や、関連する貿易会社など北朝鮮の5つの団体を新たに加えることを了解しました。

これにより資産凍結の対象は、北朝鮮などの120人と134の団体に拡大されました。

北朝鮮の一連のミサイル発射をめぐっては、アメリカと韓国も今月、それぞれ独自の追加制裁を決めています。

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「北朝鮮による一連の挑発行動はわが国の安全保障にとって、重大かつ差し迫った脅威であるとともに、国際社会全体の平和と安全を脅かす暴挙で断じて容認できない。日米、日米韓で緊密に連携するとともに、国際社会とも協力しながら北朝鮮の非核化を目指す」と述べました。』

孫の収入増による生活保護の打ち切り違法判決 熊本県が控訴

孫の収入増による生活保護の打ち切り違法判決 熊本県が控訴
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221017/k10013861381000.html

『看護専門学校で学びながら働いて学費を賄っている孫の収入の増加を理由に、熊本県が同居している祖父母の生活保護を打ち切ったのは違法だと判断した熊本地方裁判所の判決について、県は17日、内容を不服として控訴しました。

熊本県内で生活保護を受給する70代の祖父母と同居しながら看護専門学校に進学している孫は「世帯分離」の手続きをとって祖父母と家計を切り離し、奨学金や学びながら准看護師として働いて得た収入で学費を賄っていました。

ところが、孫の収入が増えると熊本県が同じ世帯の収入と認定して祖父母の生活保護を打ち切ったため、裁判になり、今月3日、熊本地方裁判所が打ち切りは違法だとして県の処分を取り消す判決を言い渡しました。

これに対し熊本県は17日、判決を不服として福岡高等裁判所に控訴しました。

県は理由について「厚生労働省と協議した結果、判決には生活保護におけるこれまでの世帯認定の考え方にそぐわない部分が含まれていると国が判断したためだ」としています。

一方、祖父の代理人の高木百合香弁護士は「控訴の判断は自立の促進を阻害するもので大変残念だ。高裁でも主張が認められるよう取り組んでいきたい」と話しています。
熊本県 蒲島知事「断腸の思いで控訴した」
控訴について、熊本県の蒲島知事はオンラインで取材に応じ「努力して貧困から脱却しようとする県民を支援する立場から控訴を回避する道を探ったが、国の判断には応じざるを得ず、断腸の思いで控訴した」と述べました。

そのうえで蒲島知事は「生活に困窮する世帯の子どもに対する学習支援の推進と、困窮からの脱却の支援は行政にとって重要な使命で、貧困からの脱却には教育の役割が大きいと心から思っている。一方で、現在の制度では担当者が保護を打ち切る判断をせざるを得なかった」などと説明しました。

また17日、本田厚生労働政務官に対し生活保護の運用に当たり社会の実態に沿った見直しを行うよう申し入れたことを明らかにしました。』

“生活保護打ち切りは違法” 孫が進学 収入増の家族 熊本地裁

“生活保護打ち切りは違法” 孫が進学 収入増の家族 熊本地裁
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221003/k10013846781000.html

『生活保護を受けている世帯の子どもが、大学などに進学するために家族と家計を切り離したあと、学びながら働いて収入が増えた場合に、家族への生活保護まで打ち切ることが妥当かどうかが争われた裁判で、熊本地方裁判所は打ち切りは違法だとする判決を言い渡しました。

生活保護を受けている世帯に同居する子どもは、親などと家計を切り離して保護の対象から外す「世帯分離」という手続きをとれば、世帯の保護費は減額されますが、大学や専門学校などへの進学が認められています。

熊本県内で生活保護を受給している70代の夫婦の世帯は、同居している孫がこの手続きをとって看護専門学校に進学していました。

ところが、孫が学びながら准看護師としても働き始め、収入が増加したところ、熊本県から孫の収入は同じ世帯のものだと認定され、夫婦の生活保護を打ち切られたため、裁判を起こしていました。

3日の判決で、熊本地方裁判所の中辻雄一朗裁判長は「世帯分離の趣旨は、生活保護を受けている世帯と同居しながら、大学や専門学校などで能力を身につけて自立を促進することにある。県は孫の収入が大幅に増加したという表層的な現象だけに着目していて、世帯分離が経済的な自立に効果的だという視点に欠けている」と指摘し、県の判断は違法だとして、生活保護の打ち切りを取り消しました。

原告弁護士「極めて重要な意味を持つ判決」

判決後、原告側は記者会見を開き、弁護団の高木百合香弁護士は「生活保護世帯の子どもの就学希望を最大限に尊重したもので、極めて重要な意味を持つ判決だと考えます」と述べて判決を評価しました。

また原告の70代の男性は「今後、同じことが繰り返されないように県は取り組んでほしい」と話していました。

熊本県「厚労省とも協議し控訴するかどうか検討」

判決について、熊本県社会福祉課は「詳細な内容を精査し、厚生労働省とも協議をしたうえで、今後、控訴するかどうかを検討していきたい」とコメントしています。』

「中国経済、米国超えは困難」…覆される「米中経済逆転論」(下)

「中国経済、米国超えは困難」…覆される「米中経済逆転論」(下)
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/14/2022101480116.html

『■西側のけん制で先端技術産業も停滞

 インフラ、不動産投資に依存した従来の成長モデルが限界に直面したとの指摘もある。中国は昨年、GDPに占める投資が占める割合が46%にも上った。銀河証券研究所の滕泰元所長は先月、フィナンシャル・タイムズとの対談で。「先進国は投資がGDPに占める割合が20%台で、インドのような発展途上国でも27%程度だ。高度成長期が過ぎてからも過度な投資に依存すれば重大な問題を生むだろう」と指摘した。投資の効率性が落ち、ただでさえ深刻な負債問題をさらに悪化させかねないからだ。

【表】米国・中国・日本の国内総生産(GDP)推移

 米国など西側諸国のけん制を受け、半導体など先端技術産業の発展は容易ではない。中国の昨年のGDPは7兆ドルで、米国(23兆ドル)の77%にまで上昇した。世界貿易機関(WTO)に加盟した11年には米国の13%だったが、それから大きく発展したのだ。問題は経済規模が拡大すれば、成長率を引き上げるのがそれだけ難しくなることだ。ローウィ研究所は「これまで米国をはじめとする西側国家から渡った技術が中国の生産性向上に少なからず寄与をしてきた。技術規制で国際先端技術分野に対するアクセス機会が減れば、中国の技術革新はそれだけ遅れる」と分析した。

 習近平政権後半から強化された民間企業規制など左派的な経済路線を問題視する向きもある。サマーズ元財務長官は「過度な債務と不透明な未来成長動力、広範囲の企業分野に対する共産党の介入、生産年齢人口の減少と高齢化などが中国が直面する課題だ」と述べた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 』

『■30年前の日本のように…中国実業家、米不動産を「涙のセール」

 日本資本は1980年代後半、米ニューヨークなどで有名な商業物件を大量に買収したが、90年代に巨額の損失を出して安値で処分したことがある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など米メディアは、中国資本がここ数年間、同じ歴史を繰り返していると報じた。

 WSJは先月、米不動産情報会社MSCIのデータを引用。中国企業が19年から4年間、236億ドル(約3兆4400億円)相当の米国内の商業物件を処分したと報じた。13年から18年までに520億ドル相当を購入したのと正反対の現象だ。

 代表的な米国不動産投資事例に挙げられるニューヨーク・マンハッタンのオフィスビル「245パークアベニュー」は先月、米国不動産信託会社SLグリーン・リアルティーに所有権が譲渡された。2017年に22億ドルでこの物件を購入した海航集団(HNAグループ)は、4億ドルの損失を出し、18億ドルでビルを売却した。

 19年に19億6000万ドルで中国の安邦保険集団が購入したニューヨークのウォルドルフ・アストリア・ホテルも経営難が続いている。米国内で多数の不動産開発プロジェクトを進めてきた中国の金融グループ、泛海控股(オーシャンワイド・ホールディングス)も、既にかなりのプロジェクトを債権者に譲渡したという。

 中国資本が米国不動産市場で苦戦する理由は複合的だ。米国の商業用不動産市場はこの数年間、新型コロナの影響で低迷から抜け出せずにおり、不動産価格も大幅に下落するなど、市況が低迷している。中国政府が4年前から企業による外貨流出を強力に規制し、資金調達が困難になった事情もある。最近米中関係が悪化したことも要因の一つに挙げられる。

 WSJは「中国は1980年代と90年代初めにニューヨークのロックフェラーセンターなど有名な商業物件に巨額を投資し、大きな損失を出した日本企業と似たような状況だ」とし、「トロフィーのように買い集めた不動産を相次いで売却している」と形容した。

崔有植(チェ・ユシク)東北アジア研究所長 』

「中国経済、米国超えは困難」…覆される「米中経済逆転論」(上)

「中国経済、米国超えは困難」…覆される「米中経済逆転論」(上)
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/10/14/2022101480115.html

『(※ 「朝鮮日報」日本語版)

今年8月、ブルームバーグテレビの対談に出席したサマーズ元米財務長官(ハーバード大経済学教授)は「6カ月、1年前までは中国がある時点で経済規模で米国を追い越すのは明らかに見えたが、今は非常に不確実になった」と述べた。「(米国超えに失敗した)1960年代のロシア、90年代の日本に対する経済的予測を思い出す」とも語った。中国がロシア、日本のように米国経済を追い越すことに失敗する可能性が高くなったとの指摘だ。

 これまで中国経済の米国超えを当然視してきた西側シンクタンクの間で追い越しは難しいという見方が広がっている。今年から本格化する人口減少と米国のけん制に伴う先端技術産業の成長停滞などで成長率が大きく鈍化し、これ以上新たな成長動力を探すのは容易ではないとの理由からだ。

【表】米国・中国・日本の国内総生産(GDP)推移

■西側シンクタンクの「中国再評価」

 中国経済の米国追い越しを先頭に立って予測してきた日本経済研究センター(JCER)は昨年12月の報告書で、中国経済が米国を追い越す時期の予想を2029年から33年に4年遅らせた。JCERはまた、「中国経済は33年に米国を超えるとみられるが、50年には米国が再び中国を抜く」と予想した。米国は人口を一定水準に維持し続けるのに対し、中国は人口が大幅に減少することに基づく予測だ。

 英国の世界経済分析機関キャピタルエコノミクスは昨年の報告書で、中国の経済規模が30年ごろに米国の87%まで拡大するが、50年には米国の81%にまで縮小するとし、「中国経済は米国を超えないだろう」とした。同機関も米国の労働人口が今後30年間増え続けるのに対し、中国は生産年齢人口が急速に減少している点を理由として挙げた。

 オーストラリアのローウィ国際政策研究所も今年3月に発刊した報告書「中国の台頭に対する再評価」で、中国経済は30年まで年平均3%前後、40年までは同2%程度成長するとし、「50年前後に米国を超えて1位になることもあり得るが、意味ある格差をつけることは難しく、経済の繁栄や1人当たり生産性という面では米国の相手にはならないだろう」と指摘した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 』

『■成長鈍化に人口も減少

 西側でそうした否定的観測が示される最大の理由は、中国の成長率が最近急激に鈍化している点だ。中国は昨年第4四半期の成長率が4%にとどまり、同じ時期の米国の成長率(6.9%)を大幅に下回った。今年初めに財政を総動員したインフラ投資で成長率を4.8%まで押し上げたが、第2四半期は上海・深センの都市封鎖など無理なゼロコロナ政策に固執。成長率は0.4%にまで急落した。上半期全体では2.5%にとどまり、今年の成長率目標(5.5%)の達成は事実上不可能になった。世界銀行などは中国の今年の成長率が3%にも及ばないと予想している。

 これまで西側のシンクタンクは、30年前後に中国が経済規模で米国を上回ると予想してきた。それは中国が年平均5%前後の成長を持続し、米国の成長率が年平均2%以下にとどまるという前提に基づいていた。しかし、中国の今年の成長率が大幅に低下し、そうした見通しが変化している。

 長期的に見てより大きな要因は人口減少だ。中国は12年から生産年齢人口(15-65歳)が減り始め、今年からは全体の人口減少も本格化する見通しだ。来年にはインドに世界1位の人口大国の座を明け渡すとも予想されている。一方で、高齢化は急速に進み、33年には65歳以上の人口が全人口の20%を超える超高齢社会を迎えるとの分析が示されている。ローウィ研究所は「1980年代の厳しい一人っ子政策で中国は深刻な少子高齢化に苦しんでおり、生産年齢人口が減り続けている」とし、「こうした傾向を覆す政策手段も限られている」と指摘した。外交専門メディア「フォーリンポリシー」のコラムニスト、ハワード・フレンチ氏は7月のコラムで、「中国はここ数年間で生産性の向上ペースが大きく落ち、不足する生産性を後押ししてきた労働人口まで減少している。沈む中国が米国を追い越すことはないだろう」との見方を示した。

崔有植(チェ・ユシク)東北アジア研究所長

【表】米国・中国・日本の国内総生産(GDP)推移

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 』

「友情・努力・勝利」から「絶望・裏切り・敗北」へ

「友情・努力・勝利」から「絶望・裏切り・敗北」へ : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29913592.html

『「友情・努力・勝利」と言えば、日本一の発行部数を誇った少年漫画誌のジャンプのスローガンであり、掲載される作品は、このうちの一つをテーマとして内在していないといけない不文律がありました。実際のところ、スポコンから始まって、日常系・恋愛系・バトル系・冒険系と、描く分野は違っても、基本的に主人公は、上記の試練を経て成長するのが物語の定番でした。

しかし、つい先日、アニメ放映の始まった人気作品である「チェンソーマン」のテーマは、言ってみれば、「絶望・裏切り・敗北」です。主人公の少年のデンジは、借金苦で自殺した親の借金3000万円越えを背負う少年です。返済の為に、体の売れる部所、目玉・腎臓・睾丸を切り売りし、金が貰えるとなれば、プライドを捨てて、犬の真似をします。既に夢など無く、朝食にほうばる食パンにバターなり、ジャムを塗って味付けをしてから食べるのが希望というド貧乏。住んでるのは、資材置場のような掘っ立て小屋です。何しろ、この主人公の最初の願望が、「死にてぇ~」から始まります。そして、せめてもの希望が、「死ぬ前におっぱいを揉んでみたい」とか「女に抱きしめられたい」とか、殆ど獣レベルの原始的な欲望で、後先の事など何も考えずに行動します。

言っておきますが、この作品は少年ジャンプに掲載されて、とても高い評価と人気を得ている作品です。青年誌向けの捻った作品ではありません。つまり、今の若者のリアルという事です。主人公のデンジは、瀕死の状態で出会ったチェンソーの悪魔であるポチタを助けた事で、相棒として行動を共にします。そして、この特異な関係を築いた事で、この世界で突然変異のように誕生する悪魔を狩る力を手に入れて、ハンターとして賞金稼ぎのように日銭を稼ぎます。しかし、悪魔退治の依頼をくれるギャングは、借金先でもあり、報酬から経費を差し引く為、手元に残るのは請負金額の3割程度。生活は、かつかつで、来月餓死していないか保証も無い状態です。仕事を回してくれるギャングの親玉のデンジに対する評価は、「奴は文句を言わず、言われた通りに何でもする。便利だから使う」という事です。

この漫画の世界感としては、トマトの悪魔、ゾンビの悪魔、銃の悪魔など、日本の八百万の神のごとく、万物に悪魔が憑いて暴れるという現象が起きています。当然ながら、公安として悪魔退治を職務とする組織もあり、後にデンジも雇われる事になります。

ハンターを続けていたデンジは、脳をゾンビの悪魔に支配されたギャング団達にハメられて、全身をポチタ共々、バラバラにされて、ゴミ箱に捨てられるのですが、この事で悪魔の心臓を得て、合体する事に成功し、チェンソーマンとして、悪魔を粉砕する力を得る事になります。

ここまでの展開で、永井豪先生の「デビルマン」との類似点を感じる人がいるかと思うのですが、デビルマンは、悪魔に憑依される主人公の不動明、親友の飛鳥了も恵まれた上層階級の人間であり、憑依する悪魔もアモンという上級デーモンです。そして、デビルマン誕生のバックストーリーには、それまでの戦後の高度成長時代に鉄腕アトムに象徴される、科学万能主義・理想主義へのアンチテーゼがあります。実際、悪魔が本格的な侵攻を始めた際の原作の集団と化した群衆の醜悪さ・暴走する暴力は、永井豪先生の真骨頂で、天才的な仕事をしています。いわば、エリート階級での戦いと、秩序を失った大衆の醜さと暴力を描いた作品です。

それに対して、チェンソーマンは、主人公は最下層で、死んでも誰も気にかけない使い捨ての人間で、合体する悪魔も、傷ついて瀕死になっていたのを、自分の血を飲ませる事で手懐けた野良です。つまり、描く視点が、まったく違う作品と言う事ができます。そして、描いているのは、受動的な「絶望・裏切り・敗北」であり、自らが何かを目指して切り開くような展開は、まったくありません。デンジの動機は、食欲や性欲といった本能みたいな欲求で、しかも「生きているうちに、それくらいのいい事があってもいいんじゃないか」と、自ら奪いにいくというより、棚ぼたで与えられるのを待つ姿勢です。そして、基本的には「明日、死んでもいい」と思っています。

彼がチェンソーマンとして戦う時のスタイルは、胸元にあるチェンソーのエンジンをかける時に引っ張るロープを引っ張って、激情に発破をかける事です。つまり、暴走スィッチを自ら入れるわけです。すると、殺戮本能の望むままに、両手と頭がチェンソーと化した四肢を使って、相手を切り刻みます。そこに理性の入り込む余地はなく、まさに衝動の塊です。ここが、少なくても戦う理由のあったデビルマンとは違うところです。敢えて言うなら、明日の朝食に、まともな食事をして、いつか褒美に、女に抱擁してもらったり、オッパイを揉ましてもらったりする為に、目の前の悪魔を切り刻みます。こう書くと、ギャグ漫画と思われるかも知れませんが、デンジは極めて真面目に渇望しています。「生きてて良かった」と思える理由を探しているからです。それくらい普段の社会が、死への誘惑に満ちているのです。

そして、チェンソーマンの悲劇は、デンジが死にたがりな人間なのに、相棒のポチタと心臓を分け合って合体してしまった為、何をされても死ねない体になってしまった点です。彼自身は、いつか何かで、この世の中に別れを告げるのを望んでいるのですが、ポチタと共にあるので死ぬ事ができない。それを、決して肯定的ではなく、ある種の喜劇・悲劇として描いているのが、少年誌の今なのです。

デンジが合体した相手が、チェンソーの悪魔である事も興味深いです。まさに、暴走する殺戮衝動・破滅願望の象徴として、チェンソーがあります。戦う理由や運命に導かれるわけではなく、自分でスイッチを入れる事で、暴走して相手を切り刻む。それが、漫画のビジュアル的な見どころになっている時点で、過去の作品とは、明らかに違うステージにあります。

私が、このように作品紹介をすると、それを肯定しているかのように解釈する方がいらっしゃいますが、それは違います。私は、文芸作品にしろ、漫画にしろ、アニメにしろ、ドラマにしろ、その時代の空気を映す鏡と考えています。どんなに自分の思う所と違っていても、作品として登場して、それが喝采を受けているという事は、それが時代を代表しているのです。それを、観察し解釈し考察する事は、真実の現代を理解するのに不可欠と考えています。なので、私は作品を観続けるのです。』