トヨタ、販売店の資金3兆円一括調達 金利交渉有利に

トヨタ、販売店の資金3兆円一括調達 金利交渉有利に
【イブニングスクープ】
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 ※ 『地銀などは伝統的に地元のトヨタ販売店を取引相手としてきたが、今後はTFCとの取引をする必要に迫られる。スケールメリットを生かしてTFCは今後、それぞれの金融機関と金利など借り入れ条件の交渉に入るとみられる。』…。

 ※ ということで、ワリを喰うのは、各地方の地銀…、のようだ…。

『トヨタ自動車は2023年4月に全国に約5000店ある販売店の資金調達を集約する。販売店が車の割賦販売のために調達していた資金約3兆円をトヨタ子会社がまとめて調達する。これまでは販売店がそれぞれ全国の地方銀行などから借り入れていた。海外で金利が急上昇するなど金融市場の不透明感が増しており、金融機関と資金調達の交渉を有利に進められる体制を整える。

現在はトヨタ系の販売店を各地で運営している約250社が地銀や大手銀行から必要な資金を借り入れ、トヨタから仕入れる車の代金などに充てている。車を割賦販売する際、トヨタ子会社のトヨタファイナンス(TFC、名古屋市)が消費者から分割払いの金額を回収し、販売店に毎月送金している。ただ、少額の資金が毎月入ってくるだけで、販売店は全額を回収するのに時間がかかっていた。

新たにTFCが金融機関からまとめて資金を調達した上で、割賦販売による販売店の債権を買い取る方式に改める。販売店は自ら借り入れる必要がなくなり、すぐに債権を売却して車の販売代金を素早く回収できる。経理業務の負担も減らせるという。金利上昇局面で経営規模の小さい販売店が資金調達の交渉で不利になったり、資金繰りのリスクが高まったりすることに備える。

新たな手法は23年4月以降に割賦で販売した際から適用される。車の販売にともなって5~6年ですべての割賦契約が旧来のやり方から置き換わる見通しだ。販売店が安定的に受け取れる金利収入は変わらず得られるもよう。TFCではクレジットカード事業などで現在1.5兆円ほどの資金を金融機関から借り入れているが、新制度に変わるとこの調達額が将来的には5兆円規模に膨らむ見込みだ。

地銀などは伝統的に地元のトヨタ販売店を取引相手としてきたが、今後はTFCとの取引をする必要に迫られる。スケールメリットを生かしてTFCは今後、それぞれの金融機関と金利など借り入れ条件の交渉に入るとみられる。

TFCはトヨタの国内向けの販売金融を手がけ、世界各地を束ねるトヨタの子会社、トヨタファイナンシャルサービスの子会社。
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小平龍四郎
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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分析・考察

トヨタは部品サプライヤーに対して値下げ要請を見送ったりエネルギー費用の支援を検討したりと、「仲間」を援助する姿勢を強めています。今回の販売店の資金調達を一括肩代わりする施策も金利の援助とみることができます。温情主義や家族主義と捉える向きもあるでしょうが、サプライチェーンの競争力を維持、向上させる戦術と考えるべきではないでしょうか。今や企業価値を左右するネットゼロの取り組みも、サプライヤーを含めた「スコープ3」が問われます。資本の面から見た連結対象や持ち分法適用会社を越えた「新連結経営」を競う時代なのかもしれません。
2022年10月13日 19:00 』