[FT]エクアドル、中国と債務再編で合意 14億ドル軽減

[FT]エクアドル、中国と債務再編で合意 14億ドル軽減
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB214CE0R20C22A9000000/

『南米エクアドルは19日、複数の中国の銀行と債務再編で合意したと発表した。2025年まで14億ドル(約2000億円)相当の返済負担が軽減されるという。中国は金融危機に陥りそうな国の救済に力を入れるようになっている。
エクアドルのラソ大統領(6月、ロサンゼルスでの米州サミット)=ロイター

中道右派のギジェルモ・ラソ大統領が率いるエクアドル政府は中国国家開発銀行との14億ドル、中国輸出入銀行との18億ドル相当の融資契約について再編で合意したと明らかにした。返済期限が先送りされ、金利と償却の負担は軽くなる。

今回の合意で、25年までの返済額は国家開発銀行向けが7億4500万ドル超、輸出入銀行向けは約6億8000万ドル減額される。計約14億ドルの返済負担が除かれる。

エクアドル大統領府は「合意によれば、返済期限は国家開発銀行分が27年まで、輸出入銀行分は32年まで先送りになる。キャッシュフローを政府の優先課題に回すことが可能になる」と説明する。

エクアドル政府は2月から対中債務の再編を模索していた。07~17年に政権を担当した左派のコレア前大統領の時代からの10年間、中国はエクアドルにとって最も重要な金融パートナーであり続けた。
中国からの融資は計180億ドル

中国からの融資はコレア氏の大統領就任から計180億ドル前後にのぼる。高金利にもかかわらず中国に傾斜するエクアドル政府に対し、国内のエコノミストは批判的だった。

中国は近年、各国に救済措置として数百億ドル規模の緊急融資を提供している。米欧が主導する国際通貨基金(IMF)に対抗しているようにもみえる。米ウィリアム・アンド・メアリー大の研究機関エイドデータがまとめた資料によると、パキスタン、スリランカ、アルゼンチンの3カ国に対する中国の救済融資の大きさが目立つ。17年以降に計328億3000万ドルに達した。

エクアドルは6月、燃料や食料の価格高騰に抗議するデモでまひ状態に陥った。ラソ氏はその後、デモを主導する先住民グループと交渉を続けてきた。債務再編で資金を確保できるのはよい材料だ。デモ参加者は社会支出の増額などを求めてきた。

エクアドル政府とは別に、同国の国営石油会社ペトロエクアドルは最近、中国と合意した契約で7億900万ドルの収入を得られるとの見通しを示した。同国の財務相は、ここで得た資金を社会支出にあてると約束した。

「この契約で石油の一部を市場価格で販売できるようになり、エクアドルに追加の利益をもたらす」と財務相は説明した。「これらの資金を使い、大統領は社会投資を一段と強化できる」と話す。
物価高に抗議する市民デモ

ラソ政権は抗議デモに直面しているうえ、議会では少数派で、勢いを失っている。だが、エクアドルの複数のアナリストは、今回の債務再編を同政権の政治的な勝利だと受け止めている。

首都キトの政治リスクコンサルティング会社プロフィタスの創業者、セバスチャン・ウルタド氏は「(債務再編は)前向きな合意だ。国家の役割を果たし、積極財政に転じる重要な政治上の欲求がある」と指摘する。「返済削減の実現は、公共財政の観点から大事だ」とも語る。

エクアドルは中国と自由貿易協定(FTA)を締結する考えだ。12月に開かれる中国と中南米カリブ海諸国とのビジネスサミットまでに実現する構えだ。

ウルタド氏は、債務再編の合意はFTAをにらんだ措置かもしれないとみている。「(中国とのFTAは)容易でないが、いずれにせよ中国との関係が良好だとの事実を物語っている」

By Joe Parkin Daniels

(2022年9月21日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』