米「ロシアは逃れられず」 安保理、侵攻後初の閣僚会合

米「ロシアは逃れられず」 安保理、侵攻後初の閣僚会合
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN22D5R0S2A920C2000000/

『【ニューヨーク=白岩ひおな】国連安全保障理事会は22日、ロシアのウクライナ侵攻後で初となる閣僚級会合を開き、ロシアのラブロフ外相が侵攻以来で初めて出席した。プーチン大統領が発令した部分動員令や親ロシア派がウクライナで計画するロシアへの編入の是非を問う住民投票をめぐり、米欧など各国から非難が集中した。

ブリンケン米国務長官は「プーチン氏は世界の大半が国連に集まる今週、自ら起こした火に油を注ぐために、国連憲章、国連総会と安保理を徹底的にないがしろにすることを選択した」と非難。「国際秩序そのものが目の前でずたずたに引き裂かれている。われわれはプーチン氏が(侵攻をめぐる責任追及を)逃れることを許さない」と強調した。

米国のブリンケン国務長官は「世界が国連に集まっている今週、ロシアは火に油を注ぐことを決めた」と批判した=国連提供

住民投票による事実上の併合が決まれば「プーチン氏はその土地を解放しようとするウクライナの努力を、いわゆる『ロシア領土』への攻撃だと主張することが予想される」との懸念も示した。

一方、会合に遅れて出席したロシアのラブロフ外相は演説で、ロシアへの非難は「西側諸国のプロパガンダだ」と主張。ウクライナへの武器供給や兵士の訓練などの支援をする国も紛争の当事国だと指摘した上で「西側諸国が紛争を故意にあおっていることは罰せられないままだ」と反論した。「特別軍事作戦の実施が不可避であったことを裏付けている」とも述べた。演説後には退席した。

プーチン氏は各国首脳が集まる国連総会の首脳級演説中の21日に国営テレビで国民向けに演説。戦闘継続のための部分動員を発表し、親ロシア派支配地域の事実上の併合に踏み切る考えを示した。「領土の一体性が脅威にさらされる場合」に「すべての手段を利用する。はったりではない」と述べ、核使用の脅しを強めた。

ノルウェーのストーレ首相は「ロシアに対する軍事的脅威は存在しない。ロシア軍が大規模な動員をする正当な理由は何もない」と強調した。「もしロシア国民が自由に意見を述べることができたら、彼らは戦争を選択しただろうか。そうは思わない」と述べた。

ウクライナのクレバ外相は「プーチン氏とその側近を裁判にかける唯一の方法は、ウクライナに対する侵略の罪を裁く特別法廷を設置することだ」と訴えた。会合前、ラブロフ氏と直接話す可能性を問われたクレバ氏は「安全な社会的距離を保つだろう」とも語った。
会合には戦争犯罪や人道に対する罪などを扱う国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)のカーン主任検察官も出席。ウクライナでICC管轄内の犯罪が行われたと信じる「合理的な根拠」があると明言した。意図的な民間人への攻撃や、子どもを含む住民のウクライナからの移送について優先的に調査を進めている。

カーン氏は「私がブチャに行った時に見た遺体は(ロシアが主張する)偽物ではなかった。建物や学校の破壊も現実だった」と語った。「いかなる紛争にも責任があることを示さなければならない」と訴えた。

グテレス国連事務総長は「加害者は公正で独立した司法手続きにおいて責任を負わなければならない」と語り、全ての当事者にICCの調査への全面協力を求めた。プーチン氏による核兵器使用の示唆に触れ「世界は核による大惨事を起こすわけにはいかない」とクギを刺した。

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

予備役まで招集し、核を使うかもしれないとまで言及するプーチン。明らかに切れるカードはもうない。ウクライナの男性は銃をもって祖国を守る士気が高い。それに対して、ロシアの男性はなんのための戦争なのか、参加したくない人が多いはず。核を使ったら、ロシア自身も終わり。停戦にはそれほど遠くないかもしれない。インド首相の「今、戦争している場合じゃない」の一言は停戦を予言しているかもしれない
2022年9月23日 7:18 』