介護のお金と施設どうする 元気なうちに見学、情報収集

介護のお金と施設どうする 元気なうちに見学、情報収集
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD25AB30V20C22A8000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 『介護のお金と施設どうする』…。

 ※ まだまだ、自分には関係の無い話し…、と思っている人が多いだろう…。

 ※ しかし、オレら世代にとっては、「切実な話し」だ…。

 ※ 参考になるんで、資料としてストックしておく…。

『高齢化で多くの人が関わるようになる介護。日本経済新聞社は介護経験をもつエッセイストの岸本葉子さん、介護施設の見学実績が豊富なファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんを招き、「介護のお金と施設のリアル」と題したイベントを9月7日、東京・大手町の本社で開催。読者約50人が聞き入った。

エッセイストの岸本葉子さん。父親の介護に在宅で約5年間、携わった

岸本さんは父親の介護に在宅で約5年間、携わった。「在宅か施設かを比較する余裕がなかった。資金の準備がなく、在宅が安いと思い込んでいたが、今となっては正しかったのかわからない」と振り返る。

畠中さんは「在宅が安く、施設が高いと思う人は多いが、必ずしもそうとは言えない」とし、「割安な施設を選ぶには時間をかけた情報収集が欠かせず、体の状態が悪化した後、慌てて探したのでは費用を抑えるのは難しい。在宅介護が困難になる事態に備え、施設選びの基礎知識だけは知っておきたい」と応じた。

ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。介護施設の見学実績が豊富だ

施設、自身のこだわりで選ぶ

施設を選ぶとき、戸惑うことの1つが種類の多さだ。代表的なものだけでも、特別養護老人ホーム(特養)、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などがある。どんな違いがあり、どれが自分に合うのか。

岸本さんは「施設の分類表は見るだけで頭が痛くなったが、今は自分にとって何が必要かを考えることが大切だと思っている。病院と連携した医療サービスの違いに注目している」と話した。畠中さんは「自分のこだわりを大切に選ぶのはとても良い方法だ。ただ、『あれも、これも』では費用が際限なく膨らむ。譲れないこと、我慢してもいいことを分けて、調整することが必要だ」と助言した。

会社員なら65歳前後のリタイア期から後期高齢期に入る前の74歳までに施設を見学したい。見学へ出向く体力に加え、施設サービスへの適切な判断力もある間に、5~6施設をメドに見て回って比べる。通常は都市部の待機者が多い特養も「調べ回っていると待機者がほぼゼロという施設が見つかることもある」。

岸本さんも気にかける医療サービスは「施設間の差が大きい」。特に持病がある場合は、見学時に病名なども示し、必要な治療に対応できるか、具体的に聞いておきたい。

「長生きリスク」念頭に

気に入った施設があっても、費用と自らの収入や資産が折り合わなければ入所は難しい。畠中さんは「一般的な目安」としつつ、「特養なら月15万~16万円程度、民間の有料老人ホームは都市部なら月25万円以上はかかる」と説明。都市部にこだわらなければ、費用は減らせると強調した。

月額費用だけでなく、入所期間が想定より長くなったときのことも考えたい。男性は4人に1人、女性は2人に1人が90歳まで生きる。月25万円の施設に70代で入所し、20年間過ごすと総額は6000万円になる。

畠中さんは「私と夫、それぞれで生命保険をかけ合う形にしている」。施設での介護が必要になるきっかけのひとつは配偶者が先立って一人暮らしとなったときだ。互いに保険をかけ合えば、夫婦どちらが先に亡くなった場合も残されたほうが一定の介護費用を保険で賄うことができる。

子世代の費用負担、家計圧迫の懸念

親世代の貯蓄や持ち家などの資産が少ない場合、子世代が介護費用の負担を検討する例がある。畠中さんは「入所を急ぐ家族は子世代が安易に費用を払うが、費用は後から上昇する」とし、当初は軽く見えた金額が膨らみ、子世代の家計を圧迫する懸念を示した。まず介護を受ける親のお金で賄える施設を探すことが原則。「子世代はお金を出すよりも情報を集めることを優先すべきだ」という。

介護に備えた情報収集を先延ばしせず、早期に取り組みを始めることが高齢期の生活の支えとなる

最後に岸本さんは「認知症を患う可能性なども考え、早い段階で見学し、自分のお金と擦り合わせ、どんな入所パターンなら実現できるかを考えたい」と感想を述べた。

介護に備えた情報収集は「転ばぬ先の杖(つえ)」。先延ばしせず、早期に取り組みを始めることが高齢期の生活の支えとなる。

持ち家の売却も選択肢

持ち家がある世帯なら施設に入所するとき、自宅を売って介護費用に充てる選択肢もある。ただ、認知症となった場合は売却が円滑に進まない例もあることに注意したい。自分では売却手続きが困難になった場合に備え、任意後見や家族信託などの制度があるので、自分の事情に合う制度を選び、適切な契約内容を考えておくといい。

畠中さんは「リバースモーゲージという手段もある」と指摘する。リバースモーゲージは自宅を担保にお金を借りる。日本では毎月返済は利息のみ、元本は亡くなった後に自宅売却などで返す方式が主流だ。

介護施設の費用に充てられる場合もあるが、商品によっては資金の使途に制約があるので、やはり判断能力が十分なうちに調べておきたい。
(住宅問題エディター 堀大介)

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介護のお金と施設どうする 元気なうちに見学、情報収集(5:00)

mRNAワクチン、血管や臓器にダメージ「反論の余地のない証拠」

mRNAワクチン、血管や臓器にダメージ「反論の余地のない証拠」=研究結果
https://www.epochtimes.jp/2022/09/117855.html

『微生物学者のマイケル・パーマー博士とスチャリット・バクディ博士は、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンが血管や臓器の損傷を引き起こすという「反論の余地のない因果関係」を発見したと述べた。一方、非営利団体Health Feedbackは「科学的根拠のない神話」だと反論している。

両氏の研究はドイツの病理学者アルネ・ブルクハルト博士とウォルター・ラング博士の知見に基づいている。

(※ 無料は、ここまで。)』

英議会 女王棺への中国弔問を拒否

英議会 女王棺への中国弔問を拒否 中国は反発
https://news.yahoo.co.jp/articles/565774b0c6ec26d6c09add9bc71212063ffd9d67

 ※ 「お断り」、されているようだな…。

『イギリス議会は中国政府の代表団に対し、エリザベス女王の棺(ひつぎ)が安置されているホールへの立ち入りを認めない方針を決めました。

 BBCなどによりますと、イギリスの下院議長はエリザベス女王の国葬に参列する中国政府の代表団に対し、女王の棺が公開安置されているウエストミンスターホールへの立ち入りを認めないということです。

 新疆ウイグル自治区の人権問題を巡り、中国政府を批判するイギリスの議員らが中国の制裁対象とされていることを受け、一部の議員から中国代表団の受け入れに懸念の声が上がっていました。

 棺が公開安置されているウエストミンスターホールは、イギリス議会の管理下にあります。

 この件に関し、中国外務省の報道官は16日の会見で「報道を把握していない」としながらも「イギリス側は主催者として、外交上の礼儀ともてなしの精神を持つのが当然だ」と反発しています。』

中国が考える台湾圧迫のための封鎖というシナリオ

中国が考える台湾圧迫のための封鎖というシナリオ
岡崎研究所
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27938

 ※ しかし、そんなことをすれば、国際法的には「ブロケイド(海上封鎖)」と認定されて、「宣戦布告」に準じるものと取り扱われるぞ…。

 ※ 先の、ペロシ訪台に伴う「実弾演習」も、ちょっと「そんな話しが出たとたんに」継続取りやめになったろう…。

 ※ 台湾海峡通過する船舶の「保険料」は、跳ね上がるし、いいことは一つも無い…。
 ※ 自国の利益になるものだったら、ずっと継続しているハズだ…。

『2022年8月25日付のニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が、「中国が台湾を窒息させる方法」と題する記事を掲載し、中国のシナリオは封鎖戦略である、それにはサイバーなどの情報攻撃や海底ケーブルの切断が含まれると分析している。
erllre / iStock / Getty Images Plus

 この記事は、

①中国が台湾圧迫のために、あるいは大々的な軍事行動の前哨戦として、封鎖して、台湾を窒息させるシナリオがありうる。

②8月の演習は完全なリハーサルではなかった、実際の封鎖になればグアムや在日米軍基地が攻撃される可能性もある。

③封鎖には目的に応じて強めたり、緩めたりできる柔軟性のメリットがある。

④中国は情報戦を支配しようとする、8月に高雄の新左営駅では構内ディスプレイがハッカー攻撃を受けてペロシ米下院議長を非難するメッセージが映し出された、データ送信が依存する海底ケーブルが切断される可能性もある。

⑤武力示威の常態化は台湾を鈍感にさせ台湾は奇襲攻撃に脆弱になる、示威効果を維持するためにはそれを段々と引上げざるを得ず米中衝突のリスクを孕むことになる。

旨指摘する。なお、この記事には海底ケーブル敷設地図、中間線侵犯軌跡地図など興味深い地図が含まれている。

 NYTの記事は、8月の演習は本格的なリハーサルではなかったと言う。巷間リハーサル論が広くあるなか、興味深い指摘である。本格的行動の際はもっと暴力的になると言う。その時には今回使用の対地ミサイルではなく、先進的な対艦、対空ミサイルを使うだろうと述べる。

 いずれにせよ、中国が台湾に軍事的圧迫を始める場合、封鎖が最初の戦略になる可能性が高くなっているということであろう。昨年2月に、米国専門家(ブラックウィルとゼリコウ)が挙げた三つのシナリオは、

? 南シナ海の太平島等周辺地域への侵攻
? 本島の隔離(緩い封鎖)
? 本島への侵攻

であった。しかし、今や中国は、? のような迂遠なシナリオには関心を持っていないのではないか。中国が香港統一やウクライナ戦争から学んだ教訓は、実力で台湾を支配する場合は一挙に大型の短期決戦をせねばならないと考えているのではないだろうか。』

『今の中国のシナリオは、台湾圧迫のための封鎖、すなわち本島侵攻の前哨戦としての封鎖の可能性が高いと思われる。その意味でここ1、2年の台湾海峡情勢は一層深刻になっている。この記事が指摘するような強力な封鎖戦略は大いにあり得るシナリオだろう。

西側諸国と日本がすべきこと

 かかる事態への西側諸国の対応は、外交と抑止力強化になる。相手の軍事力・軍事行動の強化に対しては、抑止力のバランスで対応していく他ない。力のバランスがなければ外交はなお難しい。台湾問題は段々そういう厳しい現実になっている。

 具体的には、台湾の防衛力強化、西側同盟の緊密化、台湾防衛力への米国の支援強化が重要となろう。米国政府は、9月2日、総額11億ドルの台湾への武器売却を決め、米議会に通知したと発表した。台湾関係法に沿って、対艦ミサイル「ハープーン」や空対空ミサイル「サイドワインダー」、早期警戒レーダーなどを売却すると言われている。

 日本としては、「台湾の有事は日本の有事、さらに日米同盟の有事」との視点から、尖閣諸島を含む南西先島諸島の防衛強化、イージス・アショアの凍結後の対応を含む日米同盟の強化等、一つ一つ取り組む必要があるだろう。本年中に取りまとめる予定の国家安全保障戦略等の文書にも盛り込まれるだろうが、着実に日本の防衛力強化、すなわち抑止力の向上を進める以外にない。防衛費のみの議論にとどまらず、戦略的観点から物事を行うことを望むばかりである。』

金融政策は死んだのか 「大いなる不安定」に向かう世界

金融政策は死んだのか 「大いなる不安定」に向かう世界
金融PLUS 金融部長 河浪武史
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1817S0Y2A910C2000000/

 ※ 「金融政策」とは、「金利を操作して」「国内景気をコントロールする」策のことだろう…。

 ※ そういう「策」が、「世界的なパンデミック」による「経済停滞」、「戦争勃発によるエネルギー資源流通の停滞、食料資源流通の停滞による経済停滞」に、効果があろうハズも無い…。
 ※ 別に、「死んだ」わけじゃない…。

 ※ そもそも、構造的に「効果を発揮しようもない」事がら、というだけの話しだ…。

『日米欧で金融政策への信頼が揺らいでいる。日本は9年半の「異次元緩和」が思うように機能せず、米国も当局の誤算で40年ぶりの高インフレに陥った。根本原因である人口減少や地政学リスク、資源高には中央銀行だけで対処できない。1990年代以降の大安定時代(グレートモデレーション)から大不安定時代に変化したことが、金融政策の機能をますます弱めている。

FRBも日銀も物価を制御できず

「新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻が、マクロ経済の安定の転機になるのか。つまり、大いなる安定(Great Moderation)から大いなる不安定(Great Volatility)に移行するのか」。中銀関係者が今、最も話題にするのは、欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事による「金融政策と大いなる不安定」と題したジャクソンホール(米ワイオミング州)での講演だ。

息の長い景気拡張となった90年代以降の「大いなる安定」は、80年代の高インフレの抑え込みがその理由と信じられている。大安定期は経済の先行きが読みやすく、中銀にとっては金融政策で市場と景気を自在に調整できた「黄金の時代」でもあった。その中銀関係者がこぞって「大不安定」を口にするのは、米欧で高インフレの発生を許し、日本では逆に大規模緩和が効果を上げないもどかしさがあるからだろう。

確かに経済・市場は「大いなる不安定期」にある。例えば米国では、コロナ危機で2020年春に失業率が14%台と戦後最悪の水準に悪化。その後の経済再開で今度は国内総生産(GDP)が戦後最大の伸び率となり、21年以降は資源高でインフレが止まらなくなった。日本も24年ぶりの円安となり、消費が弱含むなかで30年ぶりのインフレ水準にある。シュナーベル氏は「ユーロ圏もこの2年の生産量の変動率が09年の大不況期の5倍」と指摘する。

ジャクソンホール会議では、マクロ経済政策としての金融政策の限界論も議題となった(米ワイオミング州)=ロイター

「大いなる不安定」に移りつつある理由は3つ考えられる。まずはグローバル化の反転だ。1990年代以降の「大いなる安定」は、東西冷戦の終結で市場経済が世界大に広がった影響が大きい。足元はウクライナ危機や米中貿易戦争などで逆に世界経済が分断し、物価と景気を左右する資源と労働の供給も世界的に大混乱している。

もう一つは気候変動だろう。欧州が過去500年で最悪の干ばつに見舞われるなど、気候の変化は一段と予見しにくくなっている。短期的にみても、脱炭素社会への移行は石油価格の変動を大きくし、電気自動車などに使うレアアースの価格をさらに高騰させる。

大不安定を招く3つ目の要因は、金融政策そのものだといえる。米連邦準備理事会(FRB)やECBは、1回で0.5~0.75%という通常の2倍、3倍のペースでの利上げを進めている。緩和縮小の出遅れが最大の理由だが、急激な金融引き締めを断行せざるをえないのは、小幅な利上げでは政策効果を発揮できなくなっていることもある。

例えば巨大IT企業の設備投資はその巨体ほどは大きくない。製造業からサービス業、知識産業へと経済構造が変化するにつれ、産業全体の借入ニーズは小さくなり、金利で総需要をコントロールする金融政策の効果もしぼむ。効き目を持たせようと利上げや利下げの幅を大きくすれば、実体経済よりも金融市場での振幅が一段と大きくなる。日銀の異次元緩和も同じ文脈で、日本経済は円安という副作用ばかりが目立つ。

大いなる安定を支えた金融政策は、長くマクロ経済政策の王道だった。次なる「大いなる不安定」を避けるには、サプライチェーン(供給網)の安定など個別政策の組み合わせが重要になる。単純な金融政策頼みでは立ちゆかない。

「大いなる安定」は幸運が生んだ

「大いなる安定」は単なる幸運だったとみることもできる。内閣府の分析によると、80~90年代の世界的な物価低下の最大の要因は、省エネルギーと原油増産による1次産品の価格下落にあったという。当時の商品価格相場は70年代のピークから3割強も下落。とりわけ米国では物価低下の要因の8割が原油価格の下落にあり、マネー収縮の効果は1割程度にすぎなかった。

中央銀行は景気と市場の「最後の砦(とりで)」でもある。2008年のリーマン・ショックや20年のコロナ危機下では、大量の資金供給で市場の崩壊を食い止めた。足元のインフレを金融政策だけで制御するのは難しいとはいえ、中銀への信認が崩れれば市場の不安はさらに増す。静かに進む「金融政策の死」を食い止めるには、地政学リスクや公衆衛生リスクが早期に収まる強運も期待しなくてはならない。

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・決定会合ウイーク 円安、株安圧力の持続焦点
・止まらぬ円安、日銀のレートチェックって何?

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 

金融PLUS https://www.nikkei.com/theme/?dw=21050703 』

米政権、広報チームを立て直し 大統領報道官は「2人」

米政権、広報チームを立て直し 大統領報道官は「2人」
ワシントン支局 中村亮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN113410R10C22A9000000/

『米国のバイデン政権が広報チームの立て直しを急いでいる。大黒柱の大統領報道官は役割を内政と外交に分けて事実上の2人体制を敷く。バイデン大統領は民主主義の再生を訴えて報道の自由を重視しており、試行錯誤が続く。

2021年1月に発足したバイデン政権では当初、ジェン・サキ氏が大統領報道官を務めた。オバマ政権で国務省報道官やホワイトハウス広報部長を担った経験があり、議会対策や社会問題、外交政策に関する質問に幅広く答えた。もともと1年程度の期限つきだったとされ、今年5月に米ケーブルテレビ局MSNBCのキャスターに転身すると発表した。

後任にはカリーヌ・ジャンピエール氏が大統領副報道官から昇格した。ジャンピエール氏はハイチ人の両親の間に生まれ、幼少期にニューヨークへ移住した。黒人としても、同性愛者を公言している点でも初めての大統領報道官だ。バイデン氏が大切にする米国の多様性を体現している。

オバマ政権下のホワイトハウスで政治担当の要職に就き、20年の大統領選ではバイデン陣営の幹部を務めた。

一方で定例記者会見では、想定問答がびっちりと書かれた分厚いバインダーを見ながら慎重な言い回しをする場面が多い。とくに経験の乏しい外交・安全保障政策をめぐり、事前に準備したとみられるポイントから外れる発言はめったにない。

安保政策は主にカービー氏がカバー

カービー氏は安全保障政策の情報発信でバイデン大統領を支える

外交の手腕を売りにするバイデン氏はチーム強化に動く。5月に国防総省報道官を務めたジョン・カービー氏をホワイトハウスにある米国家安全保障会議(NSC)の要職に起用した。カービー氏はオバマ政権下の国防総省と国務省でそれぞれ報道官を務めたベテランだ。退役海軍少将でもあり、安保政策に精通している。

カービー氏は戦略広報調整官としてジャンピエール氏とともに記者会見へ参加するだけでなく、単独で記者からオンラインで質問を受ける機会を週2~3回つくることもある。毎日午後に予定するジャンピエール氏の定例記者会見よりも先に質問を受けることが多い。結果的にジャンピエール氏に安保政策の質問が集中しにくくなっている。

米政治専門サイトのポリティコは「ジャンピエール氏とカービー氏は共同大統領報道官として働いているようだ」と評した。

国防総省報道官に就いたライダー氏は8月末に定例記者会見を始めた

国防総省で報道チームを仕切ったカービー氏の転身は国防総省にとってサプライズだったとみられる。後任のパット・ライダー空軍准将が初めての定例記者会見を開いたのは8月末で、約3カ月間の空白が生まれた。

制服組の異動は8月ごろが多く、前倒しできなかったようだ。国防総省高官によるウクライナの戦況に関する説明も頻度が下がった。中国が8月上旬に台湾周辺で大規模な軍事演習を実施すると、カービー氏がホワイトハウスから米国の対応について情報発信した。

バイデン氏の会見数、歴代大統領に見劣り

国務省も6月に新たな副報道官にベダント・パテル氏が就いた。ホワイトハウスでの勤務に加え、民主党リベラル派の代表格であるプラミラ・ジャヤパル下院議員の側近を務めた経験がある。夏からネッド・プライス報道官とは別に対面形式の定例記者会見を単独で開いている。前任のジャリナ・ポーター副報道官は電話会見が大半だった。

バイデン氏は21年2月の演説で「自由な報道は我々の敵ではないと信じている」と強調した。トランプ前大統領が主要メディアについて「フェイクニュース」や「人々の敵」と批判し、ツイッターによる情報発信を重視した。バイデン氏はトランプ政権下で民主主義の根幹である報道の自由が揺らいだとの危機感を持つ。記者とのやり取りを増やすことはメディアとの関係改善に向けた具体策だ。

カービー氏は21年4月、日本経済新聞などの取材で、ツイッターについて「素晴らしい情報発信の手段だ」としつつも「政策のニュアンスや背景を説明する最善の手段ではないだろう」と語った。「情報を発信した際に(受け手の)誤解を完全に避けることができたと確信しない謙虚さが重要だ」と述べた。「何度も繰り返し強調する必要がある」と、定例会見の意義を唱えた。

一方でバイデン氏本人が質問を受ける機会は少ない。米サイトの「米大統領プロジェクト」によると、バイデン氏の記者会見の回数(外国首脳との共同会見などを含む)は21年に9回だった。新型コロナウイルスの影響があり単純比較は難しいが、トランプ氏は就任1年目の17年に21回実施していた。歴代大統領と比べてもクリントン氏が38回、ブッシュ氏(第41代)が31回で、バイデン氏を大きく上回っている。

バイデン氏は失言癖があり、側近がバイデン氏の記者会見に慎重だとの見方が根強い。真の民主主義の再生に向けて、バイデン氏もメディアの前に立つ場面を増やす必要がある。

【関連記事】

・サキ米大統領報道官、最後の記者会見
・カービー米国防総省報道官、ホワイトハウスに転籍
・米政権、情報発信で「脱ツイッター」 定例会見へ回帰
・過去100年で最も遅い公式会見、失言多く慎重対応 』

バイデン大統領、侵攻時の台湾防衛を明言

バイデン大統領、侵攻時の台湾防衛を明言 中国反発必至
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB190Y40Z10C22A9000000/

『【ワシントン=共同】バイデン米大統領は18日に放映された米CBSテレビのインタビューで、中国が侵攻した場合に米軍が台湾を守るかどうか問われ「する」と明言した。台湾有事の際の対応について明言を避けてきた歴代米政権の「曖昧戦略」を逸脱する発言。8月上旬のペロシ米下院議長の訪台を受けて中国は米国の動きに神経をとがらせており、反発は必至とみられる。

CBSによると、バイデン氏のインタビュー終了後、当局者は「米国の政策に変更はない」と説明した。バイデン氏はこれまでもたびたび曖昧戦略の転換を示唆する発言を繰り返しており、そのたびに米高官が火消しに回ってきた。

バイデン氏はインタビューで、台湾を防衛するかどうか問われると「前例のない攻撃が行われたなら、イエスだ」と回答。米軍を投入しないと明言しているウクライナ情勢とは異なり、米軍が台湾を守るということかと確認を求められると「そうだ」と答えた。
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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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ひとこと解説

メディアでの同様の発言は4回目ですので、今度は誰も失言とは取らないのですが、一方で「一つの中国の原則は変わらず」と国務省はおそらく言うはず。この芝居のようなやり取りが続いてきましたが、次第に「いかにあいまい戦略をやめるか」が本格的に注目されるようになってきました。

議会では先週、上院外交委員会で台湾政策法が可決されたばかり。台湾をNATO諸国などと同じように同盟国扱いし、防衛をしていくという内容です。これが上院全体で可決されるときは、長年続いたあいまいさの放棄を意味します。つまり、台湾への侵攻が現実的になった段階まで議会全体での立法化はありえず、「まさかの時のため」の対応です。
2022年9月19日 12:05 (2022年9月19日 12:17更新)
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細谷雄一
慶應義塾大学法学部 教授
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ひとこと解説

バイデン大統領の上院議員時代の元側近は、これらのバイデン大統領の発言が計算された上でのものと述べていましたが、他方で高齢で失言が多いことでも知られるバイデン大統領。おそらくは国防省などの政府の文書や、その後の政府高官の対応などと総合して、アメリカの台湾政策にどのような変化が見られるのか、あるいは変かがないのか、分かるのかも知れません。他方で、バイデン大統領は軍事力行使に否定的な感情を持つことでも知られており、そうであれば軍事力行使をしなくてよいような抑止力を構築することや、メッセージを発することがより重要になるはず。その点で、一年半のバイデン政権の対外政策には、しばしば不安が見られます。
2022年9月19日 12:00

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https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOCB190Y40Z10C22A9000000&n_cid=DSPRM1AR08 』

米国の台湾への武器売却は一つの中国の原則に違反していない=米国務省

米国の台湾への武器売却は一つの中国の原則に違反していない=米国務省
https://sputniknews.jp/20220907/12799325.html

 ※ スプートニクは、「ロシア政府の代弁者」的なメディアのはずだ…。

 ※ それが、こういう論調の記事を載せている…。

 ※ 中国の冷淡さに、業を煮やしたか…。

 ※ お互いの「核心的利益」の尊重を、確認し合ったハズなんだが…。

 ※ まあ、そういうものだ…

『米国務省のベダント・パテル副報道官は、台湾への武器売却は一つの中国の原則に違反しておらず、純粋に防衛目的に役立つと述べた。

ブリーフィングでパテル氏は先に発表された台湾に対する約11億ドルの武器供給について「これらのシステムの供給は、純粋に防御目的に役立つ」と述べたほか、武器供給は「1つの中国の原則、およびいくつかの米中コミュニケの規定に違反していない」と強調した。

これより前、米国防総省は米国務省が台湾との11億ドル(約1500億円)の武器取引を承認したと発表した。国防省の文書によると、米側は対艦ミサイル(AGM-84Kハープーン・ブロックⅡ)60基と「関連機器」を約3億5500万ドルで、空対空ミサイル(AIM-9XブロックⅡ・サイドワインダー)約100基を約8560万ドルで供給する。また両国は早期警戒レーダーシステム(6億6540万ドル)の契約延長で合意した。

台湾の旗と中国の旗 – Sputnik 日本, 1920, 05.09.2022
ロシアの専門家 中国と台湾が武力衝突する可能性について語る
9月5日, 06:02

この発表を受け、在米中国大使館の劉鵬宇報道官はリアノーボスチ通信に対し、中国は「合法的かつ必要な」報復措置を講じると表明。台湾は中国固有の領土であり、米国は台湾への武器供給により中国の内政に干渉し、中国の主権と安全保障上の利益を損なうと強調した。

8月2日から3日にかけて、米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問した。その後、台湾をめぐる情勢はエスカレートしている。台湾を自国の領土とする中国は、ペロシ氏の訪台を台湾分離主義に対する米国の支持とみなして非難し、大規模な軍事演習を開始した。

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台湾 中国の無人機飛来のため、島々の沿岸に対ドローン兵器を配備 』

ロシア軍、兵器損失が急増 ウクライナ反攻で補充難航か

ロシア軍、兵器損失が急増 ウクライナ反攻で補充難航か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB163DX0W2A910C2000000/

 ※ スイッチ・ブレードや、フェニックス・ゴーストみたいな、「自爆ドローン」は爆薬の量がそれほど多くないから、戦車・装甲車を破壊するには「力不足」なのでは…。

 ※ そうすると、やはりハイマースみたいな「精密誘導ロケット砲」ということになるのか…。

 ※ 偵察ドローン+りゅう弾砲、ということかもしれない…。

『ウクライナ軍の東部や南部の反攻で、ロシア軍の損害が拡大している。軍事サイトの分析によると、侵攻開始以降の火砲などの兵器の累計損失数はこの1カ月で17%増えた。欧米からの武器供与を受けるウクライナと対照的に、補充が難航している可能性がある。

民間の軍事情報サイト「Oryx」の15日時点のリストによると、破壊されたり、ウクライナ側に渡ったりしたロシア側の兵器は合計で約6100と、ウクライナ軍の3.8倍に達する。リストに含まれるのは映像や写真で確認できたもののみで、実際の損失規模はもっと大きいとみられる。

兵器の種類別で見ると、ロシア軍はこの1カ月だけで500両を上回る戦車と装甲車を失った。トラックなどその他車両の損害も200両を超え、地上兵器を中心に損失に歯止めがかからない。

米国が供与した高機動ロケット砲システム「ハイマース」など、ウクライナが米欧から得た最新鋭の兵器が威力を発揮しているとみられる。

米国は15日にも6億ドル(約860億円)相当の追加の軍事支援を決めた。ロイター通信によるとハイマースのほか、射程の長いりゅう弾砲の弾薬、地雷除去の機器などを含む。

ブリンケン米国務長官は「我々が提供する軍事力が戦場で最大の効果を発揮し、いずれくる(ロシアとの停戦)交渉の場でウクライナの立場を強くする」と訴えた。米国によるウクライナ侵攻後の軍事支援は累計で約150億ドルにのぼる。

米国はロシアへの追加制裁も発表した。ブリンケン氏によると、ウクライナから数十万トンの穀物を強奪して世界の食料不足を悪化させた当局者らが対象になる。ウクライナの子どもを強制的にロシアに連れ去った人物らのほか、ロシアの金融・軍需産業にも制裁を科す。

制裁を受けるロシアは失った兵器の補充に苦労している可能性がある。英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)の「ミリタリー・バランス2022」のデータをみると、戦車の場合、ロシア陸軍が保有する2927台に対して4割を占める1128台が失われた。

米CNNは、ロシアは11月下旬まで新たな部隊を投入できないというウクライナ軍当局者の見立てを伝えた。訓練された職業軍人や装備品の不足が理由という。

英国防省は16日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が遅くとも7月以降、ロシア国内の服役囚を対象に刑期の短縮や金銭と引き換えにウクライナでの任務に就くよう募っているとの情報分析を明らかにした。

不足する兵器の補充に向けて、ロシアは国内での統制を強化している。7月には政府が国内企業に対し「特別軍事作戦」に関わる物資やサービスの契約を拒否できないようにするとともに、必要に応じて従業員に休日や夜間などの労働を強制できる法律が成立した。

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ロシアメディアのRBKは8月、ロシア国防省と防衛関係の取引の多いロシアの政府系ハイテク企業ロステックについて、防衛関連の業務対応のため幹部社員を中心に休暇の取得が認められなくなったと伝えた。

損害の拡大で砲弾などの備蓄が減少し、国外から調達するとの見方も出ている。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は6日、ロシアが弾薬の調達に向けて北朝鮮と協議していると述べた。規模は数百万発にのぼる可能性があるとしている。

北朝鮮からの武器購入は、ロシアが常任理事国を務める国連安全保障理事会の決議で禁止されており、窮状ぶりがうかがえる。

ロシアからのエネルギー購入を拡大している中国は、軍事支援には慎重だ。兵器の供給などでロシアに肩入れすれば、米欧による対中経済制裁を招いてしまうためだ。

15日、ウズベキスタンのサマルカンドで約7カ月ぶりに対面で行われた中ロ首脳会談は2月の前回会談と異なり、共同声明を出さないまま終了した。会談の冒頭ではプーチン・ロシア大統領がウクライナ情勢への中国の「懸念」に異例の言及をした。

(イスタンブール=木寺もも子、伊地知将史)

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ウクライナ侵攻
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白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

9月から急速ににウクライナ戦争の局面が変わったようです。ロシア軍の戦意喪失や武器・装甲車など旧式が多いことは以前から指摘されていましたが、西側の最新鋭の武器供給だけでなく情報支援もかなり効果を発揮しています。北東部をウクライナ軍がかなり奪還できたこともウクライナ軍の勢いを高めています。勝利が見えない戦いにロシア軍は一段と弱体化し、年末までに一段と明確になるとの見方もあります。上海協力機構のウズベキスタン会議では中国やインドがロシアのウクライナ侵攻を直接的または非公式に批判したようです。プーチン氏への批判はロシア国内では難しいようですが、プーチン氏が一段と過激な行動にでるのか懸念されます。
2022年9月17日 22:57

鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

これまで何度か書いてきたが、ロシアは「ストック」で戦い、ウクライナは「フロー」で戦っている。経済制裁はロシアの継戦能力を奪うためのものであり、武器の消耗が激しくなれば、古い武器を投入し、さらに消耗するという循環が起きている。既にロシアの防空システムや前線での情報収集能力が著しく落ちており、正確な攻撃が出来ない一方、ウクライナはアメリカのインテリジェンスに支えられ、正確な攻撃が出来ているため、ロシア側の消耗が激しい。これまで火力で圧倒するため、面的な支配を目指して大量の弾薬を使ったが、それがついに途切れたという状況なのだろう。ここからロシアが立て直すことは難しくなる。
2022年9月19日 1:58』

米韓、北朝鮮核使用に危機感 「あらゆる手段で抑止」

米韓、北朝鮮核使用に危機感 「あらゆる手段で抑止」
次官級4年8カ月ぶり協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM162EK0W2A910C2000000/

『【ソウル=甲原潤之介】米韓の外務・国防当局が16日、米国の核戦力による韓国防衛を巡って次官級協議を4年8カ月ぶりに開いた。北朝鮮の核使用を抑止するため軍事力と外交、情報戦など「あらゆる可能な手段」を使うと確認した。

北朝鮮が核開発を継続し、近く7回目の核実験に踏み切るとの観測が米韓の連携を促している。

会談は「拡大抑止戦略協議体」の名称でワシントンで開かれた。朴槿恵(パク・クネ)政権期の2016年に初めて開き、今回が3回目となる。

北朝鮮が核実験に踏み切れば「強力で断固たる対応をとる」と確認し、シナリオに基づく具体的な方策を調整した。協議を毎年開催することでも合意した。

米国は他国からの攻撃に核戦力で反撃できる能力を持つ。そのため他国は簡単には米国を攻撃できない。「拡大抑止」とは米国が持つこの抑止力を同盟国に広げる考え方を指す。日本も米国と拡大抑止について協議する枠組みを持つ。

今回の協議の共同声明で米国は「北朝鮮への対応で戦略兵器を効果的に展開し運用できるよう韓国と協力を強化する」と約束した。現時点の対処として戦闘機や空母の展開を挙げた。

7月には米軍の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが朝鮮半島周辺に入り、韓国空軍と飛行訓練した。韓国メディアによると近い時期に米原子力空母「ロナルド・レーガン」が韓国南部の釜山に入港し、海軍同士の訓練を予定する。

緊張が高まった際には核弾頭を積める戦略爆撃機の投入も念頭に置く。韓国の申範澈(シン・ボムチョル)国防次官は15日にワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地を訪れ、戦略爆撃機B52を視察した。核弾頭を搭載する部分を実際に見て米国の核戦力を間近で確かめた。

米韓が強い対応を取る背景に北朝鮮の最近の動きがある。8日の最高人民会議では核使用の条件などを定めた法令を採択した。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は演説で「絶対に核を放棄できない」と強調した。

北朝鮮は米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発し、能力の改善を進めている。同時に韓国や日本の基地を狙う短距離ミサイルや小型核弾頭をつくり、低出力の核で軍事拠点を狙う戦術核の実用化をめざしているとされる。

戦術核は使用ハードルが下がる。小規模の核攻撃に米軍が核で反撃すれば、次は北朝鮮側が米本土を核で狙う可能性が高まる。米国がそのリスクを負ってまで、小規模の核攻撃に対処できるのか、という疑念が韓国側にかねてある。北朝鮮は核によって米韓のかく乱を試みる。

米韓の協議にはこうした疑念を払拭し、北朝鮮に対する抑止力を立て直す目的があった。米国が核による反撃を辞さないとの揺るぎない姿勢を示せば、北朝鮮は核使用に踏み切りにくくなる。

拡大抑止は「核の傘」とも呼ばれる。米国がいざというときに核も使って同盟国を確実に守るという信頼が重要になる。文在寅(ムン・ジェイン)前政権は北朝鮮との融和を優先し、米国との拡大抑止協議を1回しか開かなかった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は立て直しを急ぐ。』

米国務長官「ロシアに侵攻停止圧力」 インドの苦言巡り

米国務長官「ロシアに侵攻停止圧力」 インドの苦言巡り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1709H0X10C22A9000000/

『【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官は16日の記者会見でロシアによるウクライナ侵攻について「攻撃停止に向けた圧力が増している」と述べた。インドがロシアに苦言を呈したほか、中国も懸念を伝えたとみられることを念頭に置いた発言だ。

ブリンケン氏は「中国やインドから聞こえてくることは、ウクライナに対するロシアの攻撃の影響についての懸念を反映している」と語った。食料価格の高騰に触れて「世界中の国の指導者が(負の影響を)感じている」と言及した。

インドのモディ首相は16日、訪問先のウズベキスタンでロシアのプーチン大統領と会談し「いまは戦争の時ではない」と伝えた。プーチン氏は15日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談で「ウクライナ危機に関する中国の懸念を理解している」と話していた。 』

米国防総省報道官、日本の長射程ミサイル保有を支持

米国防総省報道官、日本の長射程ミサイル保有を支持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN170830X10C22A9000000/

『【ワシントン=中村亮】米国防総省のライダー報道官は16日の記者会見で、日本の長射程ミサイルの保有を支持する考えを示した。「日本や地域の同盟国が抑止力を強めたり、地域の安全保障や安定を可能にしたりするあらゆる取り組みについて強く歓迎する」と述べた。

日本は国産巡航ミサイル「12式地対艦誘導弾(SSM)」の射程を現在の百数十キロメートルから、中国沿岸部や北朝鮮が圏内に入る1000キロメートル以上に延ばす計画だ。日本の能力向上は日米共同作戦の幅を広げ、米国は中国に対する抑止力が増すと期待している。

オースティン国防長官は14日、国防総省で日本の浜田靖一防衛相と会談した。浜田氏は長射程のミサイル保有を念頭に反撃能力を持つことを検討すると伝えた。会談後には記者団に対してオースティン氏が「強い支持」を表明したと言及していた。

ライダー氏は日米防衛相会談をめぐり「我々と日本の関係は世界、とくに地域で最も強固な関係の一つだ」と強調した。「オースティン長官は防衛相との時間を大いに楽しんだ」とも語った。』

米でストライキ8割増、人手不足やインフレで強気の要求

米でストライキ8割増、人手不足やインフレで強気の要求
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16D980W2A910C2000000/

『【ニューヨーク=弓真名】米国で従業員によるストライキが急増している。2022年はこれまでに前年同期比で8割増となる270件超のストが発生した。収まる気配がないインフレなどを背景に賃上げや労働条件の改善を求める声が高まっている。深刻な人手不足が続いていることも従業員側の強気な要求につながっている。

米コーネル大のまとめによると、22年1月1日から9月16日までに271件のストが決行された。前年同期に実施されたストは150件だった。ストの規模も拡大しており、2000人以上が参加したストは6件から13件に倍増した。

業種別でみると、食品・サービス系が全体の約4割と最多だった。次いで、全米で人手不足が特に深刻とされる教職員が2割、医療従事者が1割を占めた。

30年ぶりとなる大規模な鉄道のストは16日から予定されていたが、米ホワイトハウスの仲裁により回避された。ストに突入すればサプライチェーンの混乱は必至で、インフレに拍車がかかるとして懸念が強まっていた。

鉄道会社と労働組合の暫定合意では14%の即時の賃上げに加えて、20~24年の5年間で24%の賃上げと年1000ドル(約14.3万円)の特別賞与の支給が盛り込まれた。米CNBCによると、交渉材料となっていた労働環境の改善については有給休暇を増やすという。

米航空機大手のボーイングは8月3日、戦闘機などを製造する中西部ミズーリ州セントルイスの工場の従業員と賃上げで合意し、ストを回避した。会社が生活費の補助とともに3年間で平均14%の賃上げなどを提案した。

ストが急増しているのは、インフレと深刻な労働力不足が長期化しているためだ。組合側は、物価の上昇に賃金の伸びが追いついていないうえに、人手不足で労働環境が悪化していると主張している。

13日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)は前月比で0.1%上がり、インフレ減速への期待を裏切る結果になった。住居費などのサービスに加え、食料品など幅広い品目で価格上昇が続いている。

労働市場の逼迫も長引いている。8月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月から31万5000人増加した。失業率は3.7%と低水準にとどまっている。』

国連総会、ゼレンスキー氏のビデオ演説承認 ロシア反対

国連総会、ゼレンスキー氏のビデオ演説承認 ロシア反対
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16DIX0W2A910C2000000/

 ※ 『ロシアやベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリア、キューバ、ニカラグアの7カ国が反対した。棄権は19カ国だった。』…。

 ※ 中国は、反対票を投じなかったのか…。

 ※ 冷たいな…。

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連総会は16日、20日から始まる一般討論演説でウクライナのゼレンスキー大統領による事前収録のビデオ演説の実施を認めた。ウクライナの国連代表部によると、同氏の演説は21日午後に流れる。

ゼレンスキー氏はロシアによる侵攻で渡米を断念した。ウクライナのビデオ演説を認める決議はウクライナや米国、日本など50カ国超が共同提案し、101カ国が賛成した。ロシアやベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリア、キューバ、ニカラグアの7カ国が反対した。棄権は19カ国だった。

ビデオ演説は特別な承認が必要となる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中も国連総会が決議を採択し、例外的に首脳らのビデオ演説を認めた。』

[FT]米国とEU、トルコに対ロシア制裁同調を念押しへ

[FT]米国とEU、トルコに対ロシア制裁同調を念押しへ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB164NJ0W2A910C2000000/

『トルコへの働きかけに関わっている米欧の政府高官2人によると、米国がロシア独自の決済システム「MIR(ミール)」に統合されたトルコの銀行を精査している。EUはトルコ側に懸念を直接伝えるため、使節団を送る準備を始めた。

既存の制裁を厳格に適用

トルコへの圧力を高める背景には、ロシアに対して新たな制裁を科すよりも既存の制裁の運用を厳格化しようとする米欧の姿勢がある。こうした方針の変化は、プーチン大統領が主導した2月のウクライナ侵攻後、ロシアに発動された経済制裁の効果が期待したほど大きくはない事実を米欧が認めたということでもある。それでも米欧はなお、現行の制裁の抜け穴をふさげば、ロシア政府の財源を次第に細らせることができると考えている。

取材に応じた2人の米欧高官のうちの1人は「私たちが、金融業界における制裁逃れに焦点を絞る様子がわかるはずだ」と語った。「例えば、第三国の金融機関はミールの決済ネットワークと相互接続すべきではないというメッセージを明確に送ることになる。なぜなら、(接続には)制裁逃れのリスクが伴うからだ」

米国とEUが9月に開いた協議に関わったもう一人の高官は「抜け穴を防ぐ必要がある」と述べ、トルコが重要なターゲットだと明らかにした。

米財務省は15日のガイダンス(指針)で、米国外の金融機関には「ロシア国外でのミールの利用拡大を通じ、米国の制裁を回避したいロシアを支援する」リスクを抱えると指摘した。

ミールと関係した案件を含め、ロシアの制裁逃れを支援した場合、米財務省の外国資産管理局(OFAC)が「ターゲティング権限」(米国の金融制裁では最も厳しいブロッキング制裁の導入など)を行使するかもしれないと付け加えた。

トルコは1952年から北大西洋条約機構(NATO)のメンバーだ。同国のエルドアン大統領は、ロシアのウクライナ侵攻に対して「バランスのとれた」アプローチだと主張する対応を続けてきた。エルドアン氏が対ロシア制裁に参加せず、最近ではロシアとの経済協力を深めると公言した。これで西側の同盟国が警戒を強めた。エルドアン氏は8月、トルコにおけるミールの拡大で「重大な進展」があると明らかにしていた。

トルコの5銀行がロシアの決済システムを利用

トルコの銀行大手ではバキフ銀行、ジラート銀行、イシュバンク、デニズ銀行、ハルク銀行の5行が国内では、米国のビザやマスターカードでなく、ロシア中央銀行が開発したミールを決済システムに採用している。

このうちアラブ首長国連邦(UAE)が所有するプライベートバンキング大手のデニズ銀行とトルコ国営のハルク銀行は、ロシアのウクライナ侵攻後、ミールに参加した。デニズ銀行は2010年、米国の制裁を逃れるイランの試みに協力したことがある。

イシュバンクは「適用される米国の制裁すべての厳密な順守」が同行の方針だと主張。そのうえで「私たちは制裁の内容を吟味しており、当行の方針から外れない形でミールの決済システムを利用するために必要な対策を実行している」と説明した。

デニズ銀行は「制裁対象の銀行とは取引しない。ロシアに対する国際社会の制裁を完全に順守している」と言い切った。ハルク銀行、バキフ銀行、ジラート銀行にもコメントを求めたが、回答は得られなかった。

トルコ外務省「制裁逃れルートを提供せず」

トルコ外務省は、国連が支持する制裁を順守するのが同国政府の方針だとの前提を示したうえで「これと同様に、トルコが(今回の対ロシア)制裁逃れのルートを提供しないという方針も厳格に守っている」と表明した。

複数の関係者によると、制裁を厳格に運用する取り組みの一環として、EUのマクギネス欧州委員(金融サービス担当)が10月、トルコ訪問を計画している。EU高官の一人は「マクギネス氏は最近、金融サービスに関係する様々な課題を協議するため多くの国々を訪問した。特にロシアのウクライナ侵攻を踏まえた制裁の実行が重要なテーマになった」と明かした。

アデエモ米財務副長官は8月、複数のトルコ企業あての書簡で「制裁を逃れるためトルコ利用するロシアの企て」と「ロシアが拠点の制裁対象と取引する」リスクを警告した。

ウクライナ侵攻後の数週間でロシアを対象に西側が相次ぎ打ち出した制裁の目的は、同国のトップクラスの銀行、エネルギー企業、防衛産業、数百人の政府高官、裕福な実業家を国際市場から締め出すことだった。

取材を受けた米欧高官の一人は、制裁逃れを大がかりに取り締まるため、ロシア人のための決済を扱う個人、ロシア政府のために並行決済ネットワークの立ち上げを支援した企業も標的にすると話した。

3人の高官によると、米国とEUは輸出収入の対応でロシア政府を支援し、西側の制裁で禁止された工業製品や防衛関連製品の輸入を助ける組織も摘発する。

2人の高官は、ロシアのソフトウエア、電子商取引、サイバーセキュリティー産業にそれぞれ関わる個人について、制裁対象を広げることも検討されていると証言した。

複数の高官によると、制裁逃れにつながりかねない「抜け道」の取り締まりの対象になるのはトルコだけではない。カフカス地方、中央アジア、中東湾岸の諸国も視野に入る。米国務省のジム・オブライエン制裁調整室長は「ロシアは(制裁を回避するため)すべての可能性を試すはずだ。その動きを私たちが追い、協議に向かうことをすべての国に理解してほしい」と語った。

By Henry Foy, Sam Fleming, James Politi & Laura Pitel

(2022年9月16日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

円安で縮む日本 ドル建てGDP、30年ぶり4兆ドル割れ

円安で縮む日本 ドル建てGDP、30年ぶり4兆ドル割れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13ART0T10C22A9000000/

『【この記事のポイント】
・ドルでみた日本が縮小。GDPは30年前に逆戻り
・国力低下、円安止まらず。安い賃金、株買いも弱く
・ITなど投資不足。高付加価値の産業へ転換が重要

ドル建てでみた日本が縮んでいる。1ドル=140円換算なら2022年の名目国内総生産(GDP)は30年ぶりに4兆ドル(約560兆円)を下回り、4位のドイツとほぼ並ぶ見込み。ドル建ての日経平均株価は今年2割安に沈む。賃金も30年前に逆戻りし、日本の購買力や人材吸引力を低下させている。付加価値の高い産業を基盤に、賃金が上がり通貨も強い経済構造への転換が急務だ。

経済協力開発機構(OECD)によると日本の今年の名目GDPは553兆円の見込み。1ドル=140円でドル換算すると3.9兆ドルと1992年以来、30年ぶりに4兆ドルを下回る計算だ。現時点での期中平均は127円程度だが、円安が進んだり定着したりすると今年や来年の4兆ドル割れの可能性が高まる。

ドルでみた経済規模はバブル経済崩壊直後に戻ったことを示す。世界のGDPはその間、4倍になっており、15%を上回っていた日本のシェアは4%弱に縮む。12年には6兆ドル超とドイツに比べ8割大きかったが、足元で並びつつある。

経済成長や景況感は円ベースのGDPに連動する。今年のドル建てGDPが21年に比べ2割減るといっても、大不況というわけではない。ただ、ドル建てでの国際比較は長い目でみた「国力」の指標になる。

一橋大学の野口悠紀雄名誉教授は「通貨安は『国力』を低下させる。海外から人材を引き付けられなくなり成長を妨げる」と指摘する。

1ドル=140円なら平均賃金は年3万ドルと90年ごろに戻る計算だ。外国人労働者にとって日本で働く魅力は低下している。今年の対ドルの下落率は円が韓国ウォンを上回り、ドル建ての平均賃金は韓国とほぼ並ぶ。11年には2倍の開きがあった。物価差を加味した購買力平価ベースでは逆転済みだが、市場レートでも並ぶ。

世界経済を揺るがすエネルギー高も通貨安の国には重くのしかかる。原油先物の代表的な指標であるドル建てのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は昨年末に比べ13%上昇した。円建ての東京商品取引所の原油先物(中心限月)は33%とさらに上昇している。

かつての円安局面の特徴だった、外国人が企業収益拡大を期待して日本株を買う動きは見られない。

外国人は22年1~8月に日本株を2.7兆円売り越した。日銀が異次元緩和を始めて急速な円安となった13年1~8月に9.1兆円買い越したのと様変わりだ。「調達コスト増を価格転嫁できず、企業の利益が落ち込む例がある」(仏コムジェスト・アセットマネジメントのリチャード・ケイ氏)とマイナス面を警戒する。

外国人が運用成績の評価に使うドル建てでは日経平均は今年23%安と、年間の下落率で金融危機の2008年(42%)以来となっており、海外からみれば日本の資産は価値が急減している。

円安は輸出競争力を高めるほか、海外からの直接投資や旅行者の誘因にもなる。景気刺激の面では望ましい。ただ、90年代以降の円安を志向する政策の下で、IT(情報技術)投資不足などで産業競争力は落ちた。「円安が続かないと生存できない企業が増えて全体の生産性が低下し、賃金低迷を招いた」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)。円安や金融緩和の支えに甘え、改革を怠れば国力低下は止まらない。

(真鍋和也、今堀祥和、小池颯、南泰葉、川路洋助)

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台風14号、最強級に急発達 高い海水温・季節風影響か

台風14号、最強級に急発達 高い海水温・季節風影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE180LF0Y2A910C2000000/

『台風14号は非常に強い勢力で九州に上陸した。気象庁が「過去に例がないほど危険」とみる台風14号は、予想を上回って過去最強級の勢力へ急発達した。通過した海域の温度が高く、季節風の影響も受けて大量の水蒸気が流入したとみられている。気象庁は新たに宮崎県に大雨特別警報を出し、広い範囲で警戒を呼びかけている。

「住家が倒壊するような猛烈な風、命の危険があるような災害の可能性がある」。18日午後、気象庁の担当者は台風14号が接近した九州地方へ最大限の警戒を求めた。

統計のある1951年以降、上陸時にもっとも中心気圧が低かったのは61年「第2室戸台風」の925ヘクトパスカルで、59年「伊勢湾台風」の929ヘクトパスカルが続く。台風14号の中心気圧は17日、これらを上回る勢力の910ヘクトパスカルになった。

米軍合同台風警報センター(JTWC)は一時、台風14号を最も強い区分の「スーパー台風」に位置づけた。1分間平均の最大風速が毎秒約67メートルを超える規模の台風が該当するという。気象庁の担当者は「当初の予想より発達し、16日の夜から急激に勢力が強まった」と説明する。

予想を上回る急発達をもたらしたのは大量の水蒸気の流入だ。9月は日本の南海上の海面水温が高く、台風が通ってきた海域は28度以上とみられる。温度が高ければ蒸発する水蒸気の量が増えて台風にたえず流れ込み、勢力が衰えにくい。

九州大の川村隆一教授(気候力学)は南西方向からの季節風の影響も挙げる。季節風は例年この時期、強弱を繰り返しながら弱まるが、比較的強く吹いたタイミングが台風14号の接近に重なった。フィリピン近海の大量の水蒸気が台風の反時計回りの風に接続するように流れ込んだ可能性が高いという。

気象庁によると、台風14号の上陸時の中心気圧は935ヘクトパスカルとなり勢力はやや弱まった。しかし速度は時速約20キロと遅く、大きな暴風域を維持したままゆっくり北上する。同庁担当者は「猛烈な風が長時間続く。台風から離れた地域も広範囲で大雨への警戒が必要」と指摘する。

地球温暖化が進む中、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、台風の強さや大きさが増している可能性があると指摘している。国内外の研究機関なども大型化や勢力が強まるとの未来像を示す。気温が高まったり海面水温が上昇したりすると、空気中の水蒸気量が増えて台風が発達しやすい条件が整うという。

IPCCが2021年に発表した第6次評価報告書によると、1分間平均の最大風速が毎秒50メートル以上となるような強い熱帯低気圧の発生の割合は過去40年間で増加した可能性が高い。北西太平洋の熱帯低気圧は、その強度のピークに達する緯度が北方に移っているとしている。

また非常に強い熱帯低気圧の割合と、最も強い熱帯低気圧のピーク時の風速は、地球温暖化の進行に伴い、地球規模で増加すると予測している。

気象庁や文部科学省が20年にまとめたリポート「日本の気候変動2020」は、温暖化が進むと台風が強大化して日本に接近する可能性があると指摘する。世界の平均気温が今後上昇した場合をシミュレーション(模擬実験)すると「スーパー台風の強度で日本にまで達する」という。

リポートは、日本の南の海上で台風が最も発達した場合について、中心気圧が860ヘクトパスカル程度、最大風速が毎秒85~90メートルになる可能性があると指摘した。地球温暖化の進行も踏まえたうえで、勢力の強い台風へ備える必要性が高まっている。

(都市問題エディター 浅沼直樹、矢野摂士、秦明日香)

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台風14号、福岡・柳川に上陸 東海道新幹線が一部運休へ

台風14号、福岡・柳川に上陸 東海道新幹線が一部運休へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE174FS0X10C22A9000000/

『宮崎に大雨特別警報

台風14号は18日午後7時ごろ、鹿児島市付近に上陸して北へ進み、19日午前3時ごろには福岡県柳川市付近に上陸した。気象庁は18日、台風接近で記録的な大雨の可能性が高まったとして宮崎県に大雨特別警報を発表した。大雨特別警報は5段階の警戒レベルで最も上のレベル5に相当する。17日には鹿児島県に台風の特別警報を発表し、暴風、高潮、波浪への警戒を呼びかけていた。

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気象庁によると、鹿児島への上陸時の中心気圧は935ヘクトパスカルで、統計がある1951年以降で4番目の低さとなった。勢力は上陸時の「非常に強い」から19日午前0時の観測で「強い」に変わった。九州を縦断した後、進路を東寄りに変えて20日ごろにかけて本州付近を北東に進むとみられる。

気象庁は18~19日、宮崎県北部と熊本県で線状降水帯が発生したとして「顕著な大雨に関する気象情報」を出した。中国、四国、近畿でも19日にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがあるとしている。

JR各社は新たに19日の計画運休を発表した。東海道新幹線は名古屋―新大阪間で19日午後4時ごろから最終列車にかけて運休し、東京―名古屋間は大幅に運転本数を減らす。20日も始発から午前中にかけて一部区間の運転を取りやめる可能性がある。

山陽新幹線の広島―博多間、19日は計画運休

山陽新幹線は広島―博多間で19日始発から終日計画運休する。新大阪―広島間では始発から列車の本数を減らし、19日午後2時ごろから順次運転を取りやめるとしている。京阪神エリアを発着する特急列車も同日午前から運休する予定だ。

日本航空は18日、九州発着便を中心に約300便が欠航した。19日は約450便が欠航し、4万5千人余りに影響する。全日空も19日の約300便を欠航することを決めた。

政府は18日、首相官邸で台風14号に関する関係閣僚会議を開いた。岸田文雄首相は「国民の安全安心の確保に万全を期すため先手先手で対応にあたってほしい」と呼びかけた。

台風14号は19日午前5時現在、福岡県飯塚市付近を時速約20キロで北へ進んだ。中心気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心の北東側260キロ以内と南西側185キロ以内が暴風域となっている。

18日の最大瞬間風速は午後10時現在、大分県佐伯市で50.4メートル、鹿児島県屋久島町尾之間で43.5メートル、宮崎県小林市で41.1メートル。いずれも観測史上1位を更新した。宮崎県内では都城市など複数の観測点で18日夜までの24時間雨量が500ミリを超えた。

気象庁によると、19日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は、九州北部45メートル(60メートル)、九州南部、中国40メートル(60メートル)、四国、近畿30メートル(45メートル)、北陸、東海25メートル(35メートル)。

19日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、四国500ミリ、九州南部、九州北部400ミリ、東海300ミリ、中国、近畿250ミリ、関東甲信200ミリ。

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原発の新増設・建て替え「評価」53% 本社世論調査「評価せず」38%

原発の新増設・建て替え「評価」53% 本社世論調査
「評価せず」38%
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『日本経済新聞社の16~18日の世論調査で岸田文雄首相が次世代型原子力発電所の新増設・建て替えを検討するよう指示したことについて聞いた。「評価する」との回答が53%で「評価しない」の38%を上回った。年齢が若いほど「評価する」の割合が大きかった。

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首相の指示は2011年の東日本大震災での原発事故を受けて新増設は想定しないとしてきた政府方針の転換にあたる。世界的なエネルギー市場の混乱や電力需給の逼迫を踏まえ、原発活用に肯定的な回答が多くなったとみられる。

世代別にみると「評価する」が最も多かったのは18~39歳で71%だった。40~50歳代は54%、60歳以上は47%だった。首相に優先処理してほしい政策で「景気回復」を選択した層は56%と全体よりも3ポイント高かった。

支持政党別に分析すると自民党の支持層は71%が「評価する」を選択した。連立を組む公明党の支持層は6割弱だった。野党は立憲民主党の支持層が3割弱、日本維新の会支持層は6割超だった。

特定の支持政党がないと答えた無党派層は「評価する」が41%で、「評価しない」の44%と拮抗した。

次世代型原発は現在の原子炉よりも安全性が高く効率よく発電できるとされる。政府は既存の軽水炉型の原発をベースに安全性を高めた「革新軽水炉」などを検討する。中長期的な電力の安定確保をめざす。

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