[FT]ロシア財政が悪化 石油価格下落で 軍事費に影響

[FT]ロシア財政が悪化 石油価格下落で 軍事費に影響
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB160P10W2A910C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『ロシアの財政収支は8月、3600億ルーブル(約8600億円)の赤字となった。エネルギー輸出の急な落ち込みが原因で、年初来の黒字の大半が吹き飛ばされた。

ロシア中部の石油施設(2015年)=ロイター

1~7月の財政収支は5000億ルーブル近い黒字だった。だが、黒字額は8月の時点で1370億ルーブルに落ち込んだ。8月に大幅な財政赤字を計上したことを示唆する。複数のエコノミストは、石油・ガス収入の減少が理由だとみている。1~6月の財政黒字は1兆3700億ルーブルだった。エネルギー価格の高騰で、ロシアは軍事費を積み増すことができた。

ロシア産ガスの欧州向けの輸出量は、ロシアがウクライナに侵攻する前のおよそ5分の1に縮小した。ロシアは9月上旬、バルト海経由でドイツに至るガスパイプライン「ノルドストリーム1」を通じた供給を、西側が対ロシア制裁を解除するまで再開しない考えを示した。
原油価格は1バレル100ドルを割り込む

ガスよりも財政への寄与が大きな石油が6月以降、かなり値下がりした事実もロシア財政の足かせになっている。原油価格は一時、1バレル120ドル前後に上昇したが、最近では同100ドルを下回った。欧州へ輸出するはずだった石油をインドなど新たな需要国に引き取ってもらうため、ロシアは販売価格の引き下げを迫られた。

2月の侵攻直後に売り込まれたルーブル相場の反転も、通常はドル建てやユーロ建てで取引する石油・ガスの販売によってロシア政府が得る金額を実質、押し下げた。

足元でロシア軍はウクライナ北東部での戦闘で惨敗し、キーウ(キエフ)への進軍を取りやめて以来の大きな軍事上の後退を余儀なくされた。

1~8月のロシア政府収入の半分近くを占める石油・ガス収入は前年同期を18%下回る。

欧州連合(EU)はロシア産石炭の輸入をすでに禁止した。タンカー輸送のロシア産原油の禁輸措置も12月、発効する予定だ。

石油・ガス以外のロシア政府収入も1~8月には前年同期比37%減だった。

ロシアが受ける制裁は外貨準備の半分の凍結をはじめ、多岐にわたる。当初はあまり痛手を受けていない様子だった。

ところが9月、ロシア国営のガス大手ガスプロムが1~8月の生産量が前年同期比で15%減だったと発表した。欧州向けが中心の輸出は3分の1あまり減った。

ロシアは9月上旬、ノルドストリーム1経由での欧州向けガス供給を停止した。ロシア政府の収入の見通しは一段と暗くなりそうだ。

2023年の実質成長率はマイナス5%予想

ロシア経済発展省は、7月の実質国内総生産(GDP)が前年同月比で4.3%減ったと発表した。ロシアの大手投資会社アトンのアナリストは、同国経済はエネルギー生産の落ち込みで縮小が続き、23年の実質成長率はマイナス5%に落ち込むと予想する。

ロシア中央銀行は9月上旬の報告書で、輸出の減少傾向が続く可能性が高いと指摘した。そのうえで同国経済の先行きに慎重な見方を示した。

ロシア中銀は侵攻の直後、ルーブル下落を食い止めるため政策金利を年20%に引き上げた。資本規制も導入された。政策金利はその後、徐々に引き下げられ、13日現在では8%に設定されている。

By Nastassia Astrasheuskaya

(2022年9月13日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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