中国の社会主義現代化強国と南西諸島

中国の社会主義現代化強国と南西諸島
https://kotobukibune.seesaa.net/article/2022-09-15.html

 ※ 「日比野庵」のブログ主は、「日比野寿舟」氏というのか…。

 ※ どうも、「コトブキブネ」と読むようだ…。

 ※ 今回、初めて分かった…。

 ※ この図が、秀逸だ…。

 ※ 一口に、「南西諸島防衛」と言うが、「本州の全長に匹敵する範囲」の海域に渡って防衛しないとならない…、ということだ。

 ※ 結局、「本州2個分」の防衛体制ということになる…。

 ※ そりゃ大変な話し、だな…。

『目次

社会主義現代化強国
燃料や食料もまったく足りない
南西諸島に火薬庫増設 』

『1.社会主義現代化強国

9月9日、国際非政府組織のシンクタンク「国際危機グループ」のアマンダ・シャオ上級アナリストが都内で記者会見を行いました。

シャオ氏は、中国の習近平政権が建国100年にあたる2049年に向けて掲げる「社会主義現代化強国」の目標と、台湾統一が「今や明白に関連付けられている」と説明し、「2049年までに統一を行わなければならないという暗黙のスケジュール」を意味すると説明しました。

ただ、シャオ氏によると、「中国は水陸両面から侵攻する軍事的準備は整っておらず、内外への発言も近い将来の侵攻開始を模索していることを示唆していない……当座の最善の解決策は、武力による統一に伴うリスクが大きいことを、中国指導部に分からせることだ」と、中国の早期台湾侵攻には否定的な見方を示しながら、米台や、日本などの同盟・パートナー国が侵攻に伴う軍事・経済的コストを明確にする必要性や、台湾の防衛力強化を訴えました。

そして、日本については、地理的に近い台湾の有事が「日本周辺の領海・領空に影響を及ぼさないと考えるのはより困難になっている」とし、有事の回避は「日本の国益」と語っています。

中国は結党100年までは経済成長を重視した「小康社会の建設」を推進してきたのですけれども、今年の共産党結党100周年を機に、政策の大きな転換をしようとしています。

それがシャオ氏の指摘した「社会主義現代化強国」というものです。

社会主義現代化とは、国家の統治体系と統治能力の現代化に加え、全人民が平等に発展する権利が保障され、生活水準の格差が縮小し、「共同富裕」が確実に進むことを目的としたもので、2017年の第19回党大会では、2049年の建国から100年の節目の年に「社会主義現代化強国の建設」が目標として掲げられました。

「共同富裕」については、8月17日に開催された中央財経委員会で議論されたのですけれども、その中で習近平主席が「『共同富裕』とは社会主義の本質的要求であり、中国現代化の重要な特性である」と強調。具体的な政策として再分配が挙げられました。

これは、企業から労働者への給与等を支払う「第1次分配」、税制度を通じて低所得者へ再分配を行う「第2次分配」、そして、高額所得者による寄付等からなる「第3次分配」からなり、習近平政権は、この基本的制度を確立するとしています。

シャオ氏は、この2049年を台湾統一の期限としているというのですね。

2.燃料や食料もまったく足りない

シャオ氏は日本に対して、台湾有事への準備を行うべきだと述べているのですけれども、日本の現状はお寒い限りです。

9月12日、陸自が沖縄の離島への侵攻など中国との有事を想定し、迫撃砲やロケット弾といった弾薬が現状より20倍以上も必要だと見積もっていることが明らかになりました。

更に、陸自の弾薬の7割近くは冷戦時代にロシアの侵攻に備えた北海道に備蓄し続け、九州・沖縄には1割弱しか備蓄していないことも明らかになっています。

8月26日のエントリー「自衛隊は国民を護り切れるか」で、自衛隊の継戦能力の欠陥について取り上げましたけれども、それが具体的な数値として浮き彫りになった形です。

なぜそうなっているかというと、そもそも備蓄拠点が偏っているからです。

陸自の補給処は火砲などの弾薬や燃料のほかに車両、化学・通信・衛生の装備を保管したり整備したりする後方支援拠点なのですけれども、支処と出張所合わせて全国に27ヶ所あります。

この27ヶ所の内訳は、北海道10、東北3、関東7、関西3、九州4となっており、沖縄には支処、出張所が一つもありません。関東が7なのに対して北海道が10もある。如何に北海道が広いといえども全国の補給処の三分の一以上が北海道に集中しているのは、いかに対ロシアという冷戦期構造のままであったかを物語っています。

現状は、沖縄の部隊には弾薬などの物資を必要に応じて九州などから輸送する他なく、沖縄の部隊は車両や装備の整備の際も九州などに送っています。現行の補給拠点の態勢であれば、対中有事でもこうした輸送を行わざるを得ず、実効的に対処することは難しいでしょう。

政府高官は「九州・沖縄では燃料や食料もまったく足りない」と指摘していますけれども、ここは早急に対応する必要があるかと思います。

2022-09-14 133101.jpg

3.南西諸島に火薬庫増設

流石にこの事態に岸田政権も静観している訳にはいかなかったようです。

9月6日、浜田防衛相は、日経新聞のインタビューで次のように述べました。

――台湾有事を想定すると弾薬や火薬庫の不足、部隊の機動展開能力で懸念があります。

日本の防衛を全うするには航空機、艦艇などの装備品のみならず、これらに搭載する弾薬についても十分な量を確保していくことが重要だ……沖縄本島と九州本島の間の島嶼に港湾施設や燃料タンクなどの整備を検討している。奄美大島の瀬戸内分屯地における火薬庫の整備などを推進したい。持続性、強靱性や機動展開能力など必要な防衛力を抜本的に強化する。

九州南端から与那国島にかけての南西諸島は、青森から山口までの距離があります。有事において、九州から弾薬を運んでくるなどと悠長なことはできません。

浜田防衛相は、奄美大島の陸上自衛隊瀬戸内分屯地への弾薬庫の増設を挙げ、「スタンド・オフ・ミサイル」の保管を念頭におくとしていますけれども、防衛省は令和4年度概算要求で、弾薬等について次の要求を挙げています。

3 持続性・強靭性の強化

(1)継続的な運用の確保

平時から有事までのあらゆる段階において、部隊運用を継続的に実施し得るよう、弾薬及び燃料の確保、自衛隊の運用に係る基盤等の防護等に必要な措置を推進するとともに、各種事態に即応し、実効的に対処するため、装備品の可動率確保のための取組を推進する。

空対空ミサイル(AIM-120 )
○ 継続的な運用に必要な各種弾薬(2,537億円)
・ 航空優勢、海上優勢の確保に必要な対空ミサイル、魚雷の取得(376億円)
・ 能力向上型迎撃ミサイル(PAC-3MSE)の取得等(614億円)
・ 標準型ミサイルSM-6の取得(207億円)

○ 火薬庫の整備(99億円)

○ 小型の攻撃型UAVの運用に係る研究(0.3億円)
小型の攻撃型UAV等導入の検討のため、小型の攻撃型UAV等の運用要領を研究

○ 小型の攻撃型UAVからの防護に係る研究(1億円)
車両への器材搭載による小型の攻撃型UAVの探知・迎撃手段について研究

○ 滞空型UAVの試験的運用(50億円)(P13参照)

○ 無人機雷排除システムの整備(12億円)
護衛艦(FFM)に対機雷戦機能を付与するため、機雷の敷設された危険な海域に進入することなく、機雷を処理することを可能とする無人機雷排除システムのうち、水上無人機(USV)を取得

各種弾薬が3000億足らずで本当に足りるのかと思ってしまいますけれども、これすら用意できないようでは話になりません。岸田政権は、財務省のポチになることなく、自衛隊の継戦能力の向上・整備に努めていただきたいと思いますね。

日比野庵ラノベ
・ロシアンルーレットで異世界へ行ったら頭脳派の魔法使いになっていた件
・妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え
・異世界の彼女が僕の心を覗き込む

日比野庵書籍
・日本的価値観の構造    (でじたる書房)¥399.-
・未来技術大国日本        (Puboo)無料
・直き真心持ちて 道に違ふことなく(Puboo)無料
  
posted by 日比野寿舟 at 07:00Comment(0)時事 』

ゼレンスキー氏、国連総会の出席断念

ゼレンスキー氏、国連総会の出席断念 演説はビデオで
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN150L70V10C22A9000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 『事前収録したビデオを演説に利用するには国連総会での承認が必要となる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中は国連総会が決議を採択し、例外的に許された。』…。

 ※ そういうことは、知らんかった…。

『【ニューヨーク=吉田圭織】ウクライナのゼレンスキー大統領は米ニューヨークで今月21日に国連総会の一般討論演説をする予定だったが、渡米を断念した。ウクライナの国連代表部が14日、明らかにした。代わりに事前収録したビデオで演説を目指す。

事前収録したビデオを演説に利用するには国連総会での承認が必要となる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中は国連総会が決議を採択し、例外的に許された。ゼレンスキー氏がビデオ演説する際も、同じような承認が必要となる。国連外交筋は「承認に必要な票数は十分ある」とみている。』

中国恒大トップ、住宅など工事再開指示

中国恒大トップ、住宅など工事再開指示 停止中の38件
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM132MM0T10C22A9000000/

『【広州=比奈田悠佑】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は12日、住宅などの工事が全国で38件停止しており、経営トップの許家印・董事局主席が再開を指示したと発表した。中国では恒大など不動産会社の資金繰りが悪化、予定を過ぎてもマンションが購入者へ引き渡されないケースが出ており、中国政府は対応を急いでいる。

恒大によると、購入者へ引き渡すべきプロジェクトは中国で706件あり、そのうち工事が停止しているものが38件。工事を再開していてもまだ「正常な施工過程に回復中」の案件があるという。許氏は30日までに正常に再開するよう指示した。

中国政府は最近、住宅市場の混乱を解消するため、工事が遅れたり停止したりしている物件への金融支援方針を打ち出すなどの対応を進めている。地方政府も不動産会社へ工事の再開と物件引き渡しを促している。

工事再開へ意欲を見せる恒大だが、経営の立て直しはなお不透明だ。7月末に暫定案をまとめるとしていた外貨建て債務の再編計画の公表は先送りしており、グループ会社の預金の不適切な流用に関わったとして複数の幹部を事実上更迭するなど企業統治面での問題も明るみとなっている。

8月には巨大サッカースタジアムの建設プロジェクトからの撤退を発表した。土地の使用権を当局に返上して得る資金を関連債務の返済に充てるという。全国で抱える開発プロジェクトの売却と債務の整理が焦点となっている。』

中国、2.9億人が封鎖・移動制限

中国、2.9億人が封鎖・移動制限 大連や成都が対策延長
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM08DJD0Y2A900C2000000/

『【大連=渡辺伸】中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、地域の封鎖が広がっている。大連市や成都市も封鎖措置を延長した。民間調査によると、事実上の都市封鎖や移動制限の対象は約2億9100万人に達した。商業や娯楽施設の閉鎖が長引き、経済への悪影響が深刻になるなか、住民の不満も高まっている。

野村ホールディングスの野村国際(香港)による推計では、都市封鎖や移動制限の対象は49都市の約2億9170万人(9月6日時点)となった。中国の総人口の20.7%を占める。

東北部の遼寧省大連市はオフィスが集中する主要地域で住民に自宅待機を命じた。当初は8月30日~9月3日の予定だったが、10日に再延長が決まった。封鎖は17日ごろまで続く見通しで、市民からは「とにかく外を歩きたい」(30代女性会社員)との不満が漏れる。

四川省成都市は9月1~4日、約2100万人の全市民を原則的に自宅待機とした。だが感染は収まらず、現在も一部地域で自宅待機が続く。

北京市に近い天津市でも一部地域で封鎖が続く。8月下旬以降、約1370万人の全市民にPCR検査を複数回行った。チベット自治区でも区都ラサなど感染者が出た地域を封鎖中だ。

封鎖地区では、トラック輸送に対する制限などもあって、食料や生活物資が不足する問題も起きている。南部貴州省のメディアによると、同省貴陽市南明区で副区長が記者会見を開き、「経験が足りず供給不足を招いた」と謝罪した。

SNS(交流サイト)の微博(ウェイボ)では新疆ウイグル自治区伊寧市の複数の住民らが「食べ物がない」と不満を書き込んでいる。

国家衛生健康委員会によると、中国本土の感染者数(無症状含む、入国者を除く)は9月11~12日、900人台で推移している。中国共産党の幹部人事を決める党大会を10月に控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は「ゼロコロナ」政策を徹底する方針だ。

米ゴールドマン・サックスは8月に公表したリポートで「中国はコロナの感染拡大と猛暑による電力不足という2つの逆風に直面している」と指摘。2022年の実質経済成長率予想は3.0%と、従来の3.3%から引き下げた。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Nearly-300m-residents-caught-in-China-s-latest-lockdown-wave?n_cid=DSBNNAR 』

ロシア企業、相次ぎ人民元建て債

ロシア企業、相次ぎ人民元建て債 米欧の制裁を回避
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26DMI0W2A820C2000000/

『ロシア企業が相次ぎ中国通貨、人民元建ての社債を発行している。ウクライナ侵攻で米欧がロシアに科した制裁に参加しない中国との元建て決済が増えているためだ。ロシア政府も元建ての国債発行を検討し始めた。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は14日、中央アジア2カ国歴訪を始める。ロシアのプーチン大統領とも会談する見通しだ。両国の連携は金融面でも一段と強まりそうだ。

国営石油会社ロスネフチは13日、100億元(約2100億円)の社債の公募を実施した。ロシアメディアが同日伝えた。

金採掘最大手ポリュスは8月下旬、国内で元建て社債を発行した。発行額は46億元でモスクワ取引所に上場した。

7月にはアルミ大手、ルサールがロシア企業として国内で初めて、元建て社債を発行していた。ルサールの社債は発行価額がそれぞれ20億元の2本で、償還期間は5年間。応募は募集を上回ったという。同社の資金調達担当者は「ロシアの銀行や投資家は、人民元への移行が従来の外貨建て投資の代替手段になると考えている」とコメントした。

ロシアはウクライナ侵攻前から中国との貿易を拡大させてきた。ロシア税関庁によると、ロシアの貿易額に占める対中国の割合は2012年に10%だったが、21年には18%に高まった。ロシア国内に積み上がった人民元の運用先として社債は投資家の注目を集めている。需要が多ければロシア企業は比較的有利な条件で資金が調達できる。

ウクライナ侵攻から半年余りがすぎ、米欧の制裁を受けたロシアの貿易は米ドルやユーロによる決済が縮小している。一方、中国との間で元建て決済が広がっている。

銀行間の国際決済ネットワーク、国際銀行間通信協会(SWIFT)が調べた中国大陸以外での元決済の比率でロシアは7月、国別の3位に浮上した。モスクワ市場での1日あたりの人民元の取引高は1~6月期、前年同期の12倍に膨らんだ。

元建て決済が目立つのはエネルギー分野だ。ロシア国営ガスプロムは9月上旬、中国へ輸出する天然ガスの決済について元建てとルーブル建てでの決済に移行すると決めた。従来はドル建てだったとみられる。ガスパイプラインでの輸出先、中国石油天然気集団(CNPC)との契約で適用する。

ロシア当局は侵攻後の貿易統計を公表していない。だが、中国側によると、国別の原油輸入量は5月、ロシア産がサウジアラビア産を抜いて首位に立った。原油決済でも元建てが拡大している可能性はある。

ロシアの「米ドル離れ」は侵攻前から目立っていた。ロシア中央銀行によると、中国からの輸入でドル決済の比率は13年に9割を超えていたが、21年には6割弱に低下した。一方、ユーロやルーブルを除き、元を含む「その他通貨」の割合は13年の2%強から21年には27%に上がった。

ロシア政府も元建てでの資金調達に取り組む構えだ。ロシア紙ベドモスチは8月、ロシア財務省が元建て国債の発行を検討していると伝えた。国内だけでなく中国の投資家にも売り込む狙いがあるという。これから1、2年かけて準備を進める方針だ。

ロシアが発行する米ドル建ての国債は、制裁の影響で支払いが難しくなっている。

制裁でロシアの大手銀行の多くがSWIFTから排除された。かわりに中国の決済網に加わる動きがある。ロシアメディアによると、中国の国際銀行間決済システム(CIPS)に接続したロシアの金融機関は7月中旬現在で20行を超えた。CIPSは15年、中国人民銀行(中銀)が人民元の国際化を目指して導入した。国境を越える人民元建ての決済で利用できる。

プーチン氏は中国のように、米欧の制裁に参加しない国々との連携を強める考えだ。ロシアと中国が主導する上海協力機構(SCO)の首脳会議が15日から2日間、ウズベキスタンで開かれる。中国の習氏のほか、インドのモディ首相も出席する。米欧はロシア産原油の輸入を制限しているが、インドはこれに加わらず、相場よりも安い価格で仕入れているようだ。

【関連記事】

・習近平氏、2年8カ月ぶり外遊 プーチン氏と会談へ
・ロシア銀行、中国決済網に相次ぎ接続 SWIFT排除で加速

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Currencies/Russian-companies-shift-to-yuan-as-flight-from-dollar-accelerates?n_cid=DSBNNAR 

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』

教皇「中国行く用意ある」

教皇「中国行く用意ある」 歩み寄り姿勢示す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB13B300T10C22A9000000/

『【ローマ教皇特別機中=共同】ローマ教皇フランシスコは13日「中国に行く用意はいつもできている」と述べ、中国への歩み寄りの姿勢を改めて鮮明にした。外遊先のカザフスタンに向かう機中で記者団に述べた。教皇は世界の宗教指導者会議に出席するため15日まで同国に滞在する。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席も同時期にカザフスタンを訪問する予定で、記者団から習氏との会談の可能性について問われると教皇は「それについては何も情報を持っていない」と述べた。』

ロシア駐中国大使にモルグロフ氏

ロシア駐中国大使にモルグロフ氏 日ロ平和条約交渉次官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB13BM00T10C22A9000000/

『ロシアのプーチン大統領は13日、モルグロフ外務次官を駐中国大使に充てる大統領令に署名した。モルグロフ氏は中国専門家。2011年に次官に就任し、北方領土問題を含む日ロ平和条約締結交渉の首脳特別代表も務めていた。

13年から駐中国大使を務めるデニソフ氏は、14年からのウクライナ危機で欧米による対ロシア制裁が続く中、中ロ両国の接近に尽力した。ウクライナ侵攻開始後では初めての開催となる今月中旬の中ロ首脳会談に道筋を付け、退任する。(時事)』

強権・習近平氏の「魔法の杖」

強権・習近平氏の「魔法の杖」、中国憲法も縛る新規約
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK123IU0S2A910C2000000/

『9600万人超の中国共産党員が守るべきおきてである党規約は、強権を手にした党総書記兼国家主席、習近平(シー・ジンピン)が操る「魔法の杖(つえ)」でもある。建国の父、毛沢東の命日だった9月9日に開かれた政治局会議は、10月16日から開催する第20回共産党大会で党規約を再び改正する方針を決めた。

改正案の全容は未公表だ。ただ、習近平外交思想、習近平法治思想、習近平生態文明(環境)思想、習近平経済思想など、あらゆる分野で個人名を冠した思想の研究センターが続々と立ち上がった以上、思想面で何らかの突破があるのは間違いない。

まず、党大会直前で緊迫するこの時期、規約改正の方向性を示す発表があったこと自体に意味がある。思い返すべきなのは、前回2017年10月の党大会から、18年3月にかけての経緯だ。

習近平思想、領袖、そして党主席

「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」という個人名を冒頭に置いた思想の明記は、元国家主席の江沢民(ジアン・ズォーミン)や前国家主席の胡錦濤(フー・ジンタオ)にはできなかった離れ業だった。

憲法改正案の投票結果が映し出された人民大会堂のモニター(2018年3月11日、北京)=三村幸作撮影

それでも17年10月段階で、最長2期10年までだった国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正にいきなり踏み込むという正確な予想は、内外ともほぼなかった。とはいえ毛沢東、鄧小平に続いて個人名を書き込んだ以上、習が主導する新時代が、簡単に終わるはずはない。22年党大会も超えて続くという強い予感はあった。

中国では「中国共産党がまずありき」だ。党が全てを決める。これが大原則である。その上で中国という国家が存在する。選挙という政権選択手段がある民主主義国家とは全く逆になる。

上下構造は、中国共産党員が守るべき党規約と、国家と国民のあり方を示す中国憲法の関係にも当てはまる。党規約がまずあり、その上で憲法が存在する。原則に関わる重大な党規約変更があったなら、憲法も必然的に改正される理屈になる。17年もそうだった。

では今回の党規約改正は、憲法の再改正まで伴う重大な内容なのか。論点は幅広い。まず中国語で16文字にもなる長たらしく、覚えにくい思想の表記について、個人の権威を明確にする「習近平思想」などと簡略化するのか。

党規約改正を予告した発表文には、わずかなヒントがある。「第20回党大会の(習による)報告で確立される重大な理論的な観点と、重大な戦略思想を党規約に書き入れる」としたのだ。これは党中央=習による指導強化と一体である。

既に新時代の思想が明記されているなかで、あえて新たな「重大な戦略思想」を盛り込むという。それは、習がトップとして3期目に入るために必要な思い切った措置を示唆している。

憲法再改正まであるのか

もうひとつは、習の党内呼称に関して、毛沢東を思わせる「領袖」と位置付けるのか、である。これは4月、広西チワン族自治区の会議報告で、習を指す「核心」への忠誠について「永遠に領袖をいただき、領袖を守り、領袖に従う」という表現をとって以来、大きな話題になった。

ただ、最近は新たな動きに乏しかった。21年11月の「第3の歴史決議」は、習時代の成果が、鄧小平の業績を超すような雰囲気さえ醸し出した。これを具体的な呼称で示すのかは大きな焦点だ。

現行中国憲法の前文には、党中央委員会主席(党主席)だった毛沢東を党の領袖と明記している。習の名を冠した思想も、毛沢東思想、鄧小平理論の後に並べた。もし、現トップを領袖に格上げし、その考え方を明確に習近平思想とするなら、憲法を再改正してもよい理屈になる。
習近平国家主席は、共産党規約に続き、憲法にも個人名を書き込む改正に成功した

もっとわかりやすいのは、習を毛沢東に倣う党主席に格上げした場合だ。党主席は毛の終身の地位だった。そのときは、強まった権威を何らかの形で憲法でも体現する必要がある。

廃止された党主席が復活すれば、総書記職は党主席の下で党内事務を統括する格下のポストとなる。その際、逆に問題化するのは、国家主席の任期制限を撤廃した18年の憲法改正部分だ。

この改正は、総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3ポストを「三位一体」で運用するところに本旨がある。想定していない党主席の復活で総書記の位置付けを下げるなら大前提が崩れる。

習が党主席と国家主席、中央軍事委主席を兼任すればひとまず問題は出ない。だが、あまりに権力が集中しすぎており、次世代の指導者らを本格的に育成すべきだとの党内世論に逆らうことになる。この声に応えるとすれば、23年以降のどこかの時点で国家主席を別の人物に譲る選択肢が出てくる。

憲法改正案の投票をする習近平国家主席(2018年3月、北京の人民大会堂)=三村幸作撮影
習ではない格下の人物が国家主席になるのに、任期制限がなく、終身さえ可能というのは論理矛盾だ。それなら18年の改正部分を白紙に戻し、再び任期を制限するのは理にかなう。しかし、党主席制度の復活は、党規約が厳しく禁止している個人崇拝につながり、大きな組織改正も伴う。ハードルは相当高い。

習の名を冠した指導思想は、既に21年9月から全国の小学校の教室で子どもらにたたきこまれている。教材は「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想 学生読本」だ。だが、5年前の党大会で突如、登場した政治的産物だけに、中身はいまも曖昧だ。

習には毛沢東のような自著、論文が豊富にあるわけでもない。乱立の感もある思想研究センターで、上からハッパをかけられて無理やりひねり出しているのが実態だ。毛沢東思想や、「黒猫・白猫論」に代表される鄧小平理論のように自然に確立されたものではなく、人工的なにおいがする。

思想研究センターの立ち上げが他分野より遅れた経済分野は、特に迷走が目立つ。今後の国民経済を左右する「習近平経済思想」は注目の的だ。今年6月には「習近平経済思想学習要綱」も出版された。

中国国務院(政府)系列で党中央宣伝部が管理する経済紙、経済日報の最新の論評も「習近平経済思想が中国経済をリードする」と持ち上げ、所得の格差解消に向けた「共同富裕」(皆が豊かに)という文字が躍っている。

一方で「共同富裕は一気に達成できるわけではない」と釘(くぎ)を刺している。実現の程度は場所によってデコボコがあってよいという。「『平均主義』に陥ってはならない」「長期的に実現すべき共同富裕というテーマの難しさ、複雑さを理解すべきだ」とも強調した。

「平均主義なら、共同貧困になりかねない」という党内からの批判に配慮しているのだ。習主導で一時強調された「資本の無秩序な拡張防止」という先鋭的な言葉も見当たらない。習近平経済思想の根幹は、ぼけてしまっている。

2年8カ月ぶりの国外で外交思想強調

そうしたマイナスを補う手段になるのが、本日14日からの外国訪問である。習が国外に出るのは、湖北省武漢で新型コロナウイルス感染症が発生・まん延して以来、実に2年8カ月ぶりだ。

目的は新時代10年の外交成果のアピールである。まず13年9月、広域経済圏構想「一帯一路」につながる新シルクロード経済圏を現地演説で打ち出したカザフスタンを国事訪問する。

2月4日、北京で会談した中ロ首脳=スプートニク・ロイター

その足で上海協力機構(SCO)首脳会議のためウズベキスタン入りし、ロシア大統領のプーチンやインド首相のモディとも会談する方向だ。習近平外交思想の中身を醸し出せれば、党大会に向けて弾みがつく。

習は、明確な形で自らの思想を示し、領袖という呼称を獲得できるのか。既に党規約の再改正確定まではたどり着いた。強権を固め、トップとして3期目を狙う手段として魔法の杖を握り、ふるおうとしているのだ。中国的な表現なら、手にしたいのは如意棒だろう。西遊記の主人公、孫悟空が持っていた何事も自由自在になる武器だ。

確かに習の魔法は、この10年間、政敵を排除する選択的な「反腐敗」という名の汚職追放運動で威力を増してきた。それでも、あくまで魔法である以上、いつかはとける。限界があるのだ。結果として「意のごとく自由自在に」となるのかは、最後まで予断を許さない。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』

プーチン氏、習近平氏との会談15日に

プーチン氏、習近平氏との会談15日に 台湾情勢を協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR13D8Y0T10C22A9000000/

『ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は13日、プーチン大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が15日にウズベキスタンの古都サマルカンドで会談すると記者団に明らかにした。緊迫する台湾情勢やロシアのウクライナ侵攻が議題になるとみられ、ウシャコフ氏は「(会談は)重要な意味を持つ」と語った。

サマルカンドでは15~16日、中ロや中央アジア諸国、インド、パキスタンの8カ国が加盟する地域協力組織「上海協力機構(SCO)」の首脳会議が開かれる。中ロ首脳の対面での会談はウクライナ侵攻後初めてで、プーチン氏が北京五輪開会式に合わせて訪中した2月以来、約7カ月ぶりとなる。

ウシャコフ氏によると、プーチン氏は15日にイランのライシ大統領と会うほか、中国・ロシア・モンゴルの3カ国首脳会談も開く。イランは23年にもSCOに加盟する見通し。16日にはインドのモディ首相やトルコのエルドアン大統領らとの個別の会談を予定している。

中国・ロシア・モンゴルの3カ国首脳会談ではロシア産天然ガスの輸出などエネルギー協力がテーマになりそうだ。ロシア・トルコ首脳会談では、ウクライナとロシアの黒海経由での穀物輸出問題が話し合われる見通しだ。』

中国・ロシア、軍事で連携強化へ

中国・ロシア、軍事で連携強化へ 中国人民大の時殷弘氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM138PE0T10C22A9000000/

 ※『――日中は29日に国交正常化50年を迎えるが、関係安定に向けた展望を描けるか。
「中日関係はめちゃくちゃだ。中日間の軍事的な対立はだんだん激しくなっている。もし台湾で戦争が起きれば、日本は米国とともに大規模な軍事干渉する方針を決めているようにみえる。世界中で経済安全保障の観点から中国にもっともひどい態度をとっているのは米国で、次は日本だ。中日関係はもはや新しい段階に入った。軍事戦略上の対立を抱え、軍事衝突の可能性さえある。外交面での緊張は続くだろう。過去にこうした局面はなく、見渡せる将来において変えられそうにない」』…。

 ※ 日中関係の問題を考えようとする人は、よくよく読んでおいた方がいいことを、言っているな…。

 ※ まあまあ、「そうすれば、こうなる。」ということの典型だ…。

『【北京=羽田野主】中国の外交政策に詳しい中国人民大学国際関係学院の時殷弘教授は日本経済新聞とのインタビューで、中国とロシアが軍事的な連携をさらに深めるとの見通しを示した。ただロシアのウクライナ侵攻とは距離を置き、中国が巻き込まれないようにすべきだとの考えも強調した。

――習近平(シー・ジンピン)国家主席が2年8カ月ぶりに外遊を再開する目的は。

「中国の指導者は新型コロナウイルスの流行を理由に非常に長い間、国外に行かなかった。電話やオンラインを使った首脳間のやりとりは、面会での会談の効果には及ばない。そのためカザフスタンを訪問し、その後にウズベキスタンで開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に参加することにしたのだろう」

――習氏はなぜ最初にカザフに行くのか。

「カザフスタンは中国の広域経済圏構想『一帯一路』にとって最も重要な国の一つだ。習氏が2013年9月にカザフスタンで一帯一路に関する構想を発表し、成功を収めてきたが、いくつかの経験不足から調整が必要な局面にある。中国政府は18年から一帯一路のテコ入れをしてきたが、新型コロナの世界的流行とロシア・ウクライナ戦争で、大きな困難に直面している。ロシアとカザフはいま潜在的な緊張関係にある。中国が仲裁に近い役割を果たす必要がある」

――中ロ首脳会談ではどんな分野を中心に話し合うのか。

「中ロの軍事連携の拡大と深化は引き続き必要になる。これまでも連携して軍事分野の先端技術の開発に取り組んできた。ただこれまで共同で取り組んできた分野の深掘りであり、新しい領域には踏み込まないだろう。2つ目は軍事物資の貿易で、3つ目は台湾や東欧地域以外での軍事演習だ」

――中国はロシアのウクライナ侵攻を支持するのか。

「ロシアがウクライナに侵攻して以来、中ロ関係は非常に敏感な局面にある。ロシアは最近、中国に特別の熱意をもって接してきている。中国の力を借りてウクライナとの戦争の苦境を脱しようとしている。だが中国は、ロシアがウクライナとの戦争に巻き込もうとする試みを断固として断り続ける。ロシアがウクライナで続けている軍事的努力を中国が助けることはしない。中国政府はロシアが8月末以来、ウクライナで失敗を重ねている状況を注視している」

――ロシアのプーチン大統領から、中国の台湾統一方針を巡り支持を取り付ける可能性があるか。

「ロシア政府はいままで台湾海峡で戦争が起きた場合に中国に軍事支援をする考えを表明したことはない。ロシアが軍事支援を約束しない以上、中国がウクライナとの戦争でロシアを軍事支援することも永遠にありえない。台湾問題は中ロ関係の核心的な問題ではない。軍事面からいって、ロシアは中国の助けにならない。(台湾有事で)ロシア海軍は役立つだろうか」

――11月の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に向け、米中首脳で関係改善を探る動きは出てくるか。

「何を指して改善というかだ。一時的に緊張が和らいだり、衝突リスクが下がったりすることはあっても、それは過去にもあった。中米間は台湾問題だけではなく、東シナ海や南シナ海でも問題を抱える。多くの要因があり、中米関係は中長期にわたって落とし穴にはまり込む可能性がある。もっとも中米間には対立する海域で多くの経験がある。経験は緊張を和らげる効果はないが、直接衝突を防ぐ役割を果たすだろう」

――日中は29日に国交正常化50年を迎えるが、関係安定に向けた展望を描けるか。

「中日関係はめちゃくちゃだ。中日間の軍事的な対立はだんだん激しくなっている。もし台湾で戦争が起きれば、日本は米国とともに大規模な軍事干渉する方針を決めているようにみえる。世界中で経済安全保障の観点から中国にもっともひどい態度をとっているのは米国で、次は日本だ。中日関係はもはや新しい段階に入った。軍事戦略上の対立を抱え、軍事衝突の可能性さえある。外交面での緊張は続くだろう。過去にこうした局面はなく、見渡せる将来において変えられそうにない」』

米政権が対中制裁を検討か

米政権が対中制裁を検討か 台湾侵攻抑止、疑問視も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB144G70U2A910C2000000/

『【ワシントン=共同】ロイター通信は13日、バイデン米政権が中国の台湾侵攻を抑止するための対中制裁措置を検討していると報じた。関係筋の話として伝えた。8月上旬のペロシ米下院議長による訪台を受けて中国が軍事行動を激化させた後、喫緊の検討課題となった。世界第2位の経済大国である中国への制裁の実現可能性を疑問視する見方もある。

バイデン政権は2月にロシアがウクライナに侵攻した後、対中制裁の検討を始めた。詳しい内容は不明で、欧州やアジア各国と連携しつつ中国を過度に刺激しない方法を探っているという。台湾も欧州各国に対し、中国が攻撃した場合の行動を計画するよう要求。米国と歩調を合わせるよう欧州連合(EU)に働きかけている。

米国はウクライナ侵攻を巡りロシアに制裁を科した。ただ侵攻前に厳しい制裁を科すと警告したにもかかわらず侵攻を抑止できなかった。米商務省の元高官は「米国や同盟国は中国経済と幅広く関わっている」として、中国への制裁はロシアと比べ格段に難しいと指摘した。

ロイターは専門家の見方として、台湾に対する軍事作戦に必要な技術を中国が利用できなくなるような制裁を検討している可能性を伝えた。米国はこれまで、中国の知的財産権侵害などを理由に中国からの輸入品に制裁関税を課している。』

中国主要銀行、「不良債権」急増 広がる恒大ショック

中国主要銀行、「不良債権」急増 広がる恒大ショック
6月末27%増 不動産向け焦げ付きリスク
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM097Q70Z00C22A9000000/

『【香港=木原雄士】中国で不動産業界向けの不良債権が急増している。香港に上場する主要銀行の2022年6月末残高は21年末に比べて27%増えた。不動産大手、中国恒大集団などのデフォルト(債務不履行)や市場悪化が響いた。銀行から不良債権を買い取って処理を進める専門会社の業績も悪化している。

香港に上場する32行の22年1~6月期決算を集計した。6月末の不良債権比率は平均1.65%と21年末と変わらなかった。不動産業界に絞ると3.74%と21年末から0.76ポイント悪化した。

不動産関連の不良債権残高はデータを開示する29行のうち20行で増えた。不良債権比率が高いのは準大手の中国光大銀行(11%)のほか、地方を拠点とする晋商銀行(10.68%)や錦州銀行(10.37%)。開発業者の工事中断に抗議する住宅ローン返済拒否が頻発する河南省を地盤とする中原銀行は21年末の3%台から9.38%に大幅悪化した。

中国工商銀行など四大国有銀行の不良債権比率は平均1.39%と21年末(1.4%)に比べて低下した。一方、不動産業界に絞ると4.52%と21年末(3.77%)より悪化した。4行の不動産向け不良債権残高は1366億元(約2兆8000億円)と、半年前に比べて24%、1年前に比べて51%増えた。

中国農業銀行は関係する1112件の住宅プロジェクトに未完成のリスクがあり、12億3000万元の住宅ローンが延滞されていると明らかにした。ただし、全体に占める対象ローンの割合は0.02%程度で管理可能だと説明した。

格付け会社フィッチ・レーティングスは「大手銀は資産の劣化に耐えられるが、小規模な銀行は高リスクの貸し出しが多く、業績が大きく振れる可能性がある」と指摘する。

不動産市場の悪化はこれまで銀行の不良債権処理の受け皿になってきたAMCと呼ばれる資産管理会社の活動にも影を落とす。大手の中国華融資産管理は22年1~6月期の最終損益が赤字に転落。中国信達資産管理も純利益が33%減った。ともに保有資産のリスク評価を見直し、多額の減損損失を計上したのが主因だ。

AMCは銀行から不良債権を買い取り、再生して転売するのが基本。華融や信達が手掛ける案件の大半が不動産や建設業界に絡んでおり、市場悪化で再生が難しくなっている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「資本の制約などでAMCの不動産業界への支援は限定的になる」とみる。

AMCの業績が悪化すれば、銀行の不良債権処理が滞る可能性がある。四大銀行の総資産は6月末時点で約133兆元と、日本の3メガバンクの3倍に上る。中国の金融システムが抱える潜在的なリスクは大きい。』

リオティントと宝武、豪西部で鉄鉱石鉱山開発

リオティントと宝武、豪西部で鉄鉱石鉱山開発 2800億円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1433S0U2A910C2000000/

『【シドニー=松本史】英豪資源大手リオティントは14日、オーストラリア西部での鉄鉱石鉱山開発について、中国鉄鋼最大手の宝武鋼鉄集団と共同企業体(JV)の設立で合意したと発表した。持ち分はリオが54%、宝武が46%。両社の投資額は計20億ドル(約2800億円)となる。

開発するのは西オーストラリア州ピルバラ地区にある「ウエスタンレンジ」。今後、豪中両国の規制当局やリオの株主による承認を経て、2023年初めに関連施設の建設を始め、25年の生産開始を見込む。

JVを通じたウエスタンレンジでの鉄鉱石総生産量は2億7500万トンになる見通し。両社は、宝武が13年間で最大1億2650万トンの鉄鉱石を購入する契約も結んだ。ウエスタンレンジは、リオがピルバラで運営する既存の鉄鉱石処理施設に近い。採掘した鉄鉱石は全長18キロメートルのコンベヤーでこの施設に運ぶ。

リオの鉄鉱石事業の責任者、サイモン・トロット氏は声明で宝武との関係は40年以上にわたると説明した。今回のJV設立について「リオと我々の最大の顧客である宝武にとって非常に重要な出来事だ」と強調した。

両社は「低炭素の製鉄技術の研究でも協力を続けていく」(トロット氏)としている。リオは19年、宝武などと鉄鋼業界の二酸化炭素(CO2)排出を減らす技術開発で協力することで合意している。

リオにとって中国は最大の輸出先。2021年12月期、売上高に占める中国の割合は57%だった。』

東亜銀行の中国法人幹部を拘束 収賄の疑い

東亜銀行の中国法人幹部を拘束 収賄の疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM144030U2A910C2000000/

『【香港=木原雄士】香港の地場大手、東亜銀行の中国法人幹部が収賄の疑いで中国公安当局に拘束されたことが14日、分かった。東亜銀は「従業員個人の問題であり、銀行の融資事業に影響はない」とコメントした。東亜銀は三井住友フィナンシャルグループの持ち分法適用会社。

中国メディア財聯社によると、7月に拘束されたのは東亜銀の中国法人行長助理の陳智仁氏。北京支店長を務めた経験もある人物で、融資に絡み賄賂を受け取った疑いが持たれている。他の関係者も取り調べを受けているという。

東亜銀は中国本土で幅広く融資などを手掛けているが、ここ数年は中国事業の業績が悪化し、店舗や人員の削減を続けてきた。』

習近平氏、党大会直前に異例の外遊

習近平氏、党大会直前に異例の外遊 政権安定を誇示か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM143MT0U2A910C2000000/

『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が新型コロナウイルスの世界的流行後に止めていた外遊を再開した。中国共産党幹部の人事を決める5年に1度の党大会を10月に控えた中での外国訪問は異例だ。3期目入りを固めた習氏が、内外に政権基盤の安定を誇示する狙いがあるとみられる。

習氏は14日に隣国カザフスタンに到着し、トカエフ大統領と会談した。ローマ教皇フランシスコも15日までカザフに滞在する予定で、習氏との会談の可能性に関心が集まっている。

15~16日はウズベキスタンで開く上海協力機構(SCO)首脳会議に出席する。ロシアのプーチン大統領らと会談する。

習氏を含む共産党最高指導部は2020年1月に習氏がミャンマーを訪問して以来、海外訪問を止めていた。最高指導部内で新型コロナ感染が広がる事態を避けるためだったとみられる。外遊は2年8カ月ぶりとなる。

第20回党大会の開幕が10月16日に迫ったタイミングでの外遊は、中国内外で予想外と受け止められている。

党大会の約1カ月前に外遊したのは、02年に国家主席だった江沢民(ジアン・ズォーミン)氏が米国などを訪問して以来となる。当時は胡錦濤(フー・ジンタオ)氏への権力委譲がすでに決まり、党大会の準備も胡氏が取り仕切っていた。

習氏は党大会で、2期10年が原則とされる党総書記のポストの3期目入りを目指している。党内の調整に時間がかかり、党大会は11月になるとの観測もあった。本来いまの時期は党幹部の人事や習氏が読み上げる活動報告の内容を巡り、最終調整をする時期に当たる。

党幹部や長老らは8月上中旬に北京に近い河北省の北戴河に集まり、党大会の人事案などを話し合ったとされる。習氏の3期目が事実上固まり、外交の立て直しに動けるようになったとの指摘がある。

東京大の松田康博教授は「国内で後顧の憂いがあれば外遊はできない。習氏は党内で不満を持つ勢力の意見を聞き入れ、バランス型人事を敷いたのではないか」と予想する。

習氏は13日、カザフの新聞に寄稿し、経済圏構想「一帯一路」に基づいて貿易を拡大し、人工知能(AI)など先端分野でも協力を進める方針を示した。

13年に同国を訪問し、陸路で中央アジアを通り欧州に向かう「シルクロード経済ベルト」の建設を提唱した。一帯一路の根幹をなす構想だ。一帯一路を巡っては中国内でも途上国へのばらまき批判が出ている。習氏肝煎りの政策だけに、正統性を誇示して継続を訴える思惑もありそうだ。

中国人民大学国際関係学院の時殷弘教授は「新型コロナの流行やロシアとウクライナの戦争で一帯一路は大きな困難に直面している」と指摘する。中国がてこ入れに乗り出すとの見方を示した。
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

青山瑠妙のアバター
青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
コメントメニュー

ひとこと解説

第20回党大会の前の外遊は、確かに政権安定を誇示するという意味合いが強い。しかし、それだけではない。ウクライナ戦争でロシアが身動きの取れないなか、中国は中央アジアで影響力をじわじわと伸ばしている。中央アジアは今、中国の外交戦略で重要な位置を占めている。それだからこそ、習近平国家主席の外遊が実現した、ということでもある。
2022年9月14日 19:05 』

新興国債務のGDP比、1年3カ月ぶり高水準

新興国債務のGDP比、1年3カ月ぶり高水準 成長鈍化で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14ECW0U2A910C2000000/

『【ニューヨーク=斉藤雄太】国際金融協会(IIF)が14日発表した報告書によると、新興国の債務残高の国内総生産(GDP)に占める比率は2022年4~6月期に252%超と前の四半期から約3.5ポイント増え、21年1~3月期以来1年3カ月ぶりの高水準になった。高インフレや金融引き締めの影響で新興国の成長が鈍くなり、債務の返済負担が重くなっている様子を映した。

IIFは四半期ごとに世界の国々の家計や企業、金融機関、政府が抱える債務を集計・分析した報告書「グローバル債務モニター」を公表している。4~6月期の世界全体の債務残高は300兆ドル(約4.3京円)と5.5兆ドル(2%)ほど減った。前の四半期を下回るのは3年9カ月ぶりで、先進国、新興国ともに減少した。ドル高の進行で現地通貨建て債務のドル換算でみた残高が目減りしたほか、金融市場の混乱で債券発行が急減した影響も出たという。

一方、世界の債務残高のGDP比は約350%と1年3カ月ぶりに拡大に転じた。先進国の同比率は400%以上と高水準ながらも縮小を続けており、新興国の同比率の拡大が目立つ。IIFは「新興国経済の急減速が大きく影響した」と指摘した。景気低迷で企業収益や家計所得、政府の税収が増えにくくなり、債務の返済能力が落ちている。

報告書では、インフレの加速やドル高・各国通貨安などの影響で「新興国の脆弱性は高まっている」と強調した。信用力の低下に伴い、金融市場で資金調達できる国が絞られ始めており、スリランカやガーナのように国際通貨基金(IMF)に支援を求める国も出てきたと指摘した。

世界的な食品価格の高騰も「多くの途上国に成長と金融安定の面で重大なリスクをもたらす」とした。現在は35の途上国が深刻な食料危機に直面しているとの外部の分析結果を示し、このうち16カ国は債務の返済が困難な状態か、そのリスクが高いとみる。こうした低所得国はドル建て債務も多く抱えるが、為替変動への対応力を欠くため、現地通貨建ての金融支援の拡充が有効と指摘した。』

米国、「アフガン基金」設立

米国、「アフガン基金」設立 凍結資産5000億円を活用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB151RC0V10C22A9000000/

『【ワシントン=時事】米政府は14日、アフガニスタン復興支援のため、基金を設立すると発表した。財源はアフガン中央銀行の在米凍結資産35億ドル(約5000億円)。国際金融機関への債務返済などに充て、開発援助の確保につなげる。アフガンの実権を握るイスラム主義組織タリバンには資金を渡さない。

基金は国際決済銀行(BIS、本部スイス・バーゼル)に口座を置く。タリバンの「不法活動」に利用されないよう、「強固な予防措置」が施されるという。

タリバンが昨年8月にアフガンの政権を奪取したことを受け、米国はアフガン中銀の在米資産を凍結。バイデン米大統領は今年2月、凍結資産のうち35億ドル相当を人道支援に充てる大統領令に署名した。

アフガンではタリバン暫定政権の下、経済が混乱。干ばつ被害も重なり、食料不足などが深刻化している。』

オーデル・ナイセ線

オーデル・ナイセ線
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%BB%E7%B7%9A

『オーデル・ナイセ線(オーデル・ナイセせん、ドイツ語: Oder-Neiße-Grenze)は、現在のドイツ連邦共和国とポーランド共和国の国境線。オーデル川とその支流のナイセ川によって構成される[1]。』

『歴史

建国時代の中世ポーランド

オーデル・ナイセ線は、1945年のポツダム会談により、第二次世界大戦後のドイツ・ポーランドの暫定的な国境として設定された。それ以前のドイツ・ポーランドの国境は、歴史的なプロイセンとポーランドの国境が適用されており、オーデル・ナイセ線よりもずっと東側にあった(参照:ポーランド分割による各国の獲得領土)。

中世フランク王国の時代にはエルベ・ザーレ川付近が境となり、以東、現在のブランデンブルク州やザクセン州付近まで、スラヴ系のソルブ人が住んでいた。カール大帝らによるエルベ以東遠征以降、13世紀頃まではおよそオーデル・ナイセ線付近がドイツ(神聖ローマ帝国)とポーランド王国の国境であった。この一帯のシレジア地方では17世紀までポーランド王家であるピャスト家の分家が諸侯として支配したが(シロンスク公国群)、13世紀にモンゴル帝国軍が襲来し一帯を荒廃させて撤退すると、疎開から戻ってきたポーランド人住民だけでは戦後の復興のために人手が足りず、西方のドイツ、フランス、オランダなどから多くの移民が招かれた。そのうち特に多かったのはドイツ人で、各地で次第にドイツ語が優勢となっていった。17世紀に最後のピャスト家の侯が死亡すると、シレジアはオーストリアのハプスブルク家に相続された。その後、この地方は18世紀中頃のシュレージエン戦争の結果、プロイセン王国の手に渡った。以後1945年にナチス・ドイツが第二次世界大戦に敗北するまでは、ドイツの一地方と認識されていた。この地域では統計においては「ドイツ人」が多かったものの、実はそのうちの多くは俗に「シレジア人」「ポメラニア人」「マズーリア人」などと呼ばれる、ポーランド人やチェコ人の家系が近世から徐々に母語を西スラヴ語からドイツ語に変えることで文化がドイツ化した土着のスラヴ系の人々で、彼らは統計においてはドイツ人とみなされ、第一次世界大戦後に国家の帰属を問うために行われた住民投票でも、母語のドイツ語が国語であるドイツを選んだ。

ポツダム会談で新しい国境線をオーデル・ナイセ線に設定したのは、

ポーランドをそれまでより西側に移し、ポーランド・ソビエト戦争後に調印されたリガ講和条約によりポーランド領とされた白ロシアとウクライナの西側(ナチスのポーランド侵攻に呼応してソ連軍が侵略・不法領有した領土のほとんど)を、引き続きソ連領として存続するのを正当化させること
スターリンの歴史観によると、中世から近代にかけての各国家の発展は王侯貴族やブルジョワがプロレタリアートの意向を無視して行ったもので、無効であるため、ポーランドはまずは10世紀の建国時に設定された国境を持つべきであること
オーデル川と西ナイセ川に国境線を引くことでドイツ・ポーランド間の国境線が最短になるため、将来に両国で戦争となった場合は、他に国境線がある場合に比べるとポーランドの防衛が容易であること
ドイツ系住民の少ないポーランドを作ることで将来の民族紛争の種をなくすこと

などが目的であった。結果として第二次世界大戦前後で比較すると、ポーランドは国土全体が西側に移ったような形となった。

影響

オーデル・ナイセ線以東の旧ドイツ領土
ポーランドへの影響

ポーランドにとってこの国境線設定は

第二次世界大戦期にポーランドのユダヤ人がナチスによって絶滅させられるか、戦後はアメリカ合衆国やイスラエルに亡命するなどして、ほぼ完全に国内から居なくなってしまったこと
この地域に住んでいたドイツ人が、ほとんど難民という形でドイツに移住してしまったこと(ドイツ人追放)
旧ポーランド東部の喪失領土のポーランド人のほとんどが新領有国のソ連によって、逆にポーランド新領土に強制移住させられ、多くがオーデル・ナイセ線付近の「回復領」の復興のためにこの地域へ移住したこと
正教徒が優勢な東スラヴのロシア人・ベラルーシ人・ウクライナ人を、かつての東部領土とともに切り離したこと

などから、新生ポーランドはカトリックやポーランド人の民族的・文化的均質性が極めて高い国家になった。

ドイツへの影響

ドイツにとっては

近世から近代にかけてドイツ人地域の統合を牽引したプロイセン王国の故地であり、中欧の大国ドイツ帝国に君臨したホーエンツォレルン家揺籃の地でもある東プロイセンなど、歴史的なプロイセン地域の大半を失ってしまったこと。
ドイツ騎士団の活躍に端を発した中世以来の東方植民によって、当地に数百年もの間にわたってドイツ系住民が定住していたこと

から、極めて喪失感が強かった。

決定以後

この国境線は「暫定的なもの」として定められたものであるが、ソビエト連邦がポツダム会談を通じて衛星国であるポーランド人民共和国とドイツ民主共和国(東ドイツ)に押し付けたものであった。従ってポーランドおよび東ドイツには拒否という選択肢はあり得ず、東ドイツ成立後の1950年7月6日にポーランド人民共和国とドイツ民主共和国との間でズゴジェレツ条約が締結され、この2カ国間では受け入れられることになった。

アメリカ合衆国国務長官ジェームズ・F・バーンズが1946年9月6日にシュトゥットガルトで行った演説『ドイツ政策の見直し』では、「合衆国は、これらの国境線をポーランドに有利な形で見直すことを支持する」としつつも、「ポーランドに割譲される地域の範囲は、最終解決が得られた際に決定されねばならない」と、オーデル・ナイセ線が最終解決ではない含みを持つ見解を述べたため、西ドイツのアメリカに対する支持を高める一方で、アメリカとポーランドとの関係悪化を招いた。

東ドイツがこのラインを認めた一方で、「ドイツ連邦共和国(西ドイツ)がこのラインを「ドイツ」とポーランドの国境として受け入れるか?」という問題が残っていた。1950年代から1960年代の西ドイツは共産主義者の支配するドイツ民主共和国を承認せず、これと国交のある国とは外交関係を結ばないという政策(ハルシュタイン原則)を採っていた。このため当初は交渉にすらならなかった。ハルシュタイン原則は1969年に放棄され、翌1970年12月7日に締結されたワルシャワ条約(ワルシャワ条約機構とは無関係)によって、西ドイツとポーランドの国交が結ばれると、この条約の中で「オーデル・ナイセ線が事実上の独波国境である」ことが確認された。野党のCDU/CSUはこの条約の内容(国境線と共産主義ポーランドの承認)を批判して全国的な議論となったが、紆余曲折の末にドイツ連邦議会は1972年5月17日にこの条約を批准した。

さらに1972年12月に締結され、東西ドイツが相互の主権を確認し合った東西ドイツ基本条約の中でも、改めて「ドイツ」とポーランドの国境がオーデル・ナイセ線であることが確認されて、この国境が確立された。

最終解決

国境線

1990年のドイツ再統一の直前である6月12日に、旧西ドイツとポーランドの間で改めて国境線として確認され、再統一直後の同年11月14日に統一ドイツとポーランドとの間で国境線の最終確認条約(ドイツ・ポーランド国境条約)が締結された。その内容は以下の通りである。

1950年7月6日に旧東ドイツとポーランドとの間で締結されたズゴジェレツ条約により定められた国境線を、正式な国境線として再確認
以後、両国間の国境線は一切変更しない
以後、どちらの国家も領土の変更を一切要求しない

ドイツとポーランドの歴史的国境線問題は、このようにして法的かつ最終的に整理された。
旧住民の個人財産

裁判に至る経緯

条約では、個人財産の扱いは触れられていないため、オーデル・ナイセ線以東でポーランドの共産主義化により国家に没収された個人財産を取り返すべきだと主張するドイツ人が存在する(主要な政治家ではエドムント・シュトイバー、クラウス・キンケルなどがその立場を取っていた。政党別ではキリスト教社会同盟に支持者が多い)。被追放者たちはドイツ政府からそれまでに喪失財産に関する補償金は受け取っている。ドイツ、ポーランド両政府は公式に「請求権問題は解決済み」の立場を取っていたが、これについて厳密に法的な処理が成されていないと解釈する者もおり、それによると請求権の行使が認められる余地が残されているとされ、両国間の政治問題となっていた。これはドイツ政府が法的処理を行うと、ドイツ人追放者から請求権の肩代わりによる財産補償請求が行われるのを恐れての結果とも考えられた。ドイツ人追放者の最大の団体である追放者連盟のエーリカ・シュタインバッハ議長はドイツ政府に、追放者財産の請求権を法的に処理するよう要求していたが、2009年時点でドイツ議会・政府において法的処理に向かう具体的な動きはなかった。この問題は、ドイツ人による財産返還請求に反発したポーランド議会が2004年9月にドイツを相手取った「戦争被害賠償請求決議」を行うなど、21世紀に入っても両国関係に影を落とし続けた。

また2005年11月に『デア・シュピーゲル』誌が発表した世論調査結果によると、ポーランド人の61%が、ドイツ政府が戦前にドイツ領だった地域を取り戻そうとしているか、あるいはその補償を求めてくるのではないかと考え、また41%は追放されたドイツ人の各団体の目的は失った個人財産の返還あるいはその補償にあるのではないかという危惧が示されるなど[2][3]、被追放ドイツ人の財産請求に関する法的処理を先延ばしし続けるドイツ政府に対し、多くのポーランド人が強い不信感を抱いていた。

欧州人権裁判所の判断による解決の確認

2006年12月、会員数約1000人といわれていたが、実際の会員数はそこまで多いのかまったく不明な「プロイセン信託」という組織の会員23人が原告となり[4]、欧州人権裁判所に財産返還を求めて提訴し、ドイツ・ポーランド関係は日本のメディアによって「戦後最悪」とセンセーショナルに報じられた[5]。

しかし2008年10月10日に欧州人権裁判所は、

1994(出典となったドイツの公共国際放送局ドイチェ・ヴェレの記事の原文ママ、1944年の間違い)年10月19日より行われたいわゆる「ドイツ人追放」はソビエト連邦によるものであり、この「ドイツ人追放」についてポーランドには一切責任はない
ポーランドとドイツがヨーロッパ人権協約を批准したのはドイツ人追放の後のことであり、(この協約に基づいて設立された)当裁判所は今回の請求を審査する立場にない
ドイツ人住民の元の場所への再移住、ドイツ人住民が没収された財産の返還、原告の失った財産の補償、といったことのための法律をポーランドが作る責務はまったくない

との決定を下し、請求を棄却した[4]。すなわち、国境線や領土主権のみならず、この判決によりポーランドから追放されたドイツ人の「個人財産」に関する問題が、以前からすでに法的かつ最終的に解決していた事実が確認されたのである。

なお、この判決に関してポーランドのドナルド・トゥスク首相は「ポーランドとドイツの双方にとって有益な判決であり、この問題は最終的に解決した」、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は「ドイツ政府はこれまで、原告であるプロイセン信託の請求権には正当性がまったくないと主張してきたが、ついにその主張が認められた」、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイアー外相は「ドイツとポーランドの間に第二次世界大戦から続くような財産に関する問題は一切残っていないというベルリン政府の見解が、この判決で確認されたのだ」と、それぞれ歓迎する言葉を述べた[4][6]。 』

ポーランド、世界の新鋭戦車の集積地に

ポーランド、世界の新鋭戦車の集積地に
グローバルウオッチ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR070EZ0X00C22A9000000/

『「これは最新戦車なのだ。歴史上、最も大切な契約といえる」。ポーランドのブワシュチャク国防相は4月、ツイッターで喜びを爆発させた。手に入れたのは米国の主力戦車M1A2エイブラムス250両。いまは対ロシア防衛の切り札として納入を待つ。

政府は7月にエイブラムスを100両以上、追加で購入することも決めた。さらにはドイツのレオパルト、韓国のK2。世界中から戦車をかき集める同国はいま「最新鋭戦車の集積地」といわれる。

今年2月、ロシアがウクライナに侵攻し、同国へも脅威がつのるなかで、西側からの兵器調達を強化している。ポーランドは冷戦期、東側軍事同盟のワルシャワ条約機構に属したが、1991年には同機構がソ連の崩壊を受けて解散、99年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。

兵員も増強中だ。破格の給与で志願兵を募り、若い兵士でも手取りで月給4500ズロチ(14万円)。衣食住は無料で、ポーランドでは大学教授などと同じ所得水準になる。

国防費は国内総生産(GDP)の3%を見込みNATOの目標(2%)をはるかに上回る。実質的な臨戦態勢だ。

首都ワルシャワからロシア領カリーニングラードまで300キロメートルしか離れていない。ロシアと気脈を通じるベラルーシと国境を接する。いつロシアの機甲師団が国境を越えてもおかしくない。

ポーランドは、23年に総選挙を控えている。与党「法と正義」の支持基盤は保守層で、愛国心に訴える政策は受けもいい。

ロシアの攻撃に備え東側防衛強化

国土の東部でロシア軍を迎え撃つための体制づくりも急いでいる。NATOを仮想敵としていた冷戦時代は、西ドイツ方面から攻めてくる戦車を食い止めるため、主力部隊はドイツ寄り(西部)に配置された。兄弟国家のソ連(現ロシア)からの攻撃は想定されず、東部は手薄だった。

いま敵味方は逆転した。ドイツは歴史問題で感情的なしこりが残るものの、安全保障では信頼できるパートナー。一方、ロシアの脅威は日増しに膨らむ。

ポーランドで開催された国際防衛産業展の会場の外で、米軍の主力戦車M1A2エイブラムスの近くにポーランドとアメリカの国旗を持って立つ米兵=ロイター

そこでポーランド東部に部隊を手厚く再配置。さらに東部が戦場になった場合に備え、病院などのインフラも整える。「NATO軍が応援にくるまでポーランド軍だけでロシア軍を食い止める」とワルシャワにある国防大学のピオトル・グロホマルスキ教授は語る。

少し前までポーランド軍高官にはモスクワ留学組が多かったが、その世代が引退した。冷戦時代から使ってきた東側陣営の武器はウクライナに譲り、代わりに西側の兵器を導入している。これはポーランドが冷戦の残滓(ざんし)を一掃し、名実ともに西側陣営になろうとしている過程といえる。
消えゆく「負の遺産」

ロシアのウクライナ侵略から半年あまりが過ぎた。軍事大国ロシアの脅威がよみがえり、欧州はプーチン独裁との関係を断ち切ろうとしている。ところが脱ロシアは一朝一夕には実現しない。91年までソ連の同盟国だった東欧諸国は、負の遺産を消そうと四苦八苦する。ポーランドの隣国ドイツも脱ロシアで奔走中だ。

ドイツ東部シュベートに巨大な化学プラントがある。首都ベルリンのガソリンなどの需要を一手に担い、地元には欠かせないインフラだ。

設備は冷戦期に東独が国家プロジェクトとして建設したもの。東側陣営の経済協力の枠組み「経済相互援助会議(コメコン)」に基づき、ソ連から原油の供給を受けることを前提に設計されたため、いまでも原油はロシアからのパイプライン供給に頼る。

事態は一変した。欧州連合(EU)と主要7カ国(G7)はロシア産原油の禁輸を決めた。このままだと首都ベルリンのガソリン供給に支障が出る。ほかのパイプラインからの供給で原油を代替できるのか。プラント関係者によると、各国政府と協議に入ったという。

ロシアはいずれ民主化して、欧州の一部になる――。長年にわたって欧州で信じられてきた幻想はついえ、ロシアへの幻滅と失望が広がる。「今日の視点から見れば過ちだった」。プーチン大統領らと交流を重ね、エネルギーをロシアに頼ったことをドイツのウルフ元大統領は悔いる。

欧州統合は理想主義のうえに成り立ち、人権や民主主義といった理念を大切にする。自らが苦しくなったからといってロシアに屈するわけにいかない。

翻って日本はどうか。なおもロシア産エネルギーの輸入にしがみつき、代替策をどう確保するかの議論は乏しい。勢力圏とみなす地域を力ずくで従わせる「プーチン・ドクトリン」を許してはならない。(欧州総局長 赤川省吾)

【関連記事】

・東欧、防衛力の強化急ぐ 戦闘の飛び火を懸念
・東欧、防衛装備の更新急ぐ 軍事企業は増産体制に
・[FT]ポーランド、止まらない賃金と物価の上昇スパイラル

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

赤川省吾のアバター
赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局長
コメントメニュー

ひとこと解説

欧州では急速に「脱ロシア」が進んでいます。歴史や文化を共有するにもかかわらず、関係を断ち切る覚悟。今後は東欧にあるロシア製原子力発電所も米国やフランス製に置き換わると私はみています。

日本で「脅威」というと中国や北朝鮮ばかりが意識され、ロシアへの危機感は薄いのではないでしょうか。

以下参考記事です
半世紀ぶりの脱ロシア ドイツ経済のジレンマ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR011JD0R00C22A4000000/
2022年9月14日 19:20 』

中国、医療機器も外国製排除

中国、医療機器も外国製排除 世界市場の分断深まる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM07AIV0X00C22A9000000/

『【北京=多部田俊輔、上海=若杉朋子】中国が医療機器の市場で外国製品の締め出しに動いている。地方政府が病院に国産機器を調達するよう求め始めたほか、中央政府は設計開発や重要部品の調達を中国に移すための法改正案を公表した。米国はサプライチェーン(供給網)から中国企業を排除する動きを強めており、グローバル市場の分断がさらに深まる。

安徽省や山西省、寧夏回族自治区などの地方政府が4月から相次いで、域内の病院に医療機器や検査機器を国産に限る通知を公表した。海外から輸入した機器は厳格に審査するという。

中央政府が2021年5月、医療などに使う315品目の調達で国産品優先を求める内部通知を出したことに対応したとみられる。公表なしに国産品に限定している地方政府もあるとみられ、関係者は「北京市や上海市、広東省などの有力病院でも国産品に限定する動きが広がっている」と話す。

対象商品は幅広く、磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)、X線機器、内視鏡などのほか、検査機器が含まれる。

中国は内外企業の差別を禁じる世界貿易機関(WTO)の政府調達協定を締結していないが、01年のWTO加盟時に政府調達の透明性の確保と将来の協定への加盟を約束している。

検査機器大手のシスメックスは「機器の購入が先送りになるなど一部で影響が出ている」と明かす。別の医療機器メーカーは「入札への参加を取りやめた」と話す。

経済産業省の担当者は「一部地域で医療機器を含む政府調達で国産品購入を求める動きがあることは承知している。現時点で日本企業に重大な影響が出ているケースは把握していないが、動向を注視していく」と話す。中国の医療機器で外資のシェアは高い。

中国メディアによると、公開入札によるCTやMRIの販売額シェアはゼネラル・エレクトリック(GE)系・シーメンス系・フィリップスの「3強」を中心とした外資が7~8割を握る。医療機器の国産比率は3割程度にとどまり、高性能機種では外資比率が8割に達するとの報道もある。

中国の医療機器市場は巨大だ。中国メディアによると、21年の市場規模は20兆円近くで米国に迫り、公開入札分だけでCTは年5000億円、MRIも年3000億円に達した。高齢化などで25年に医療機器市場は21年の2倍近くに成長する見通しだ。

シスメックスは18年から山東省済南市で血液検査装置を組み立てし、このほど尿検査機器も現地組み立てに切り替えた。日立ハイテクも18年から江蘇省蘇州市で小型検査装置の組み立てを始め、21年から中型装置に対象を広げた。

中国メディアによると、米GEヘルスケアが8月末の北京での展示会で、中国で開発・生産したCTなどを出品した。独シーメンス・ヘルシニアーズも6月、「中国企業」として、国産化の拡大を宣言。オランダのフィリップスもCTやMRIを中国で生産している。

中国生産を広げることで、中核技術が流出する懸念もある。

中国政府は組み立て工程だけでなく、研究開発や設計、重要部品の調達も移管を求める。国内の医療機器産業を35年に世界先進水準に高める計画を21年12月に公表し、外資に技術移転を促す。

7月には政府調達法の改正草案を発表し、中国で付加価値を高めた製品の調達を優遇する項目を追加した。業界関係者は「中国での設計や開発、重要部品の調達が求められる」と分析する。

日米欧政府は警戒を強める。高速鉄道や磁石などで中国が外資の中核技術を導入し、短期間で日米欧メーカーをしのぐ企業を育成したからだ。8月に株式上場した上海聯影医療科技(ユナイテッド・イメージング・ヘルスケア)はMRIやCTで米欧3社に次ぐ占有率を誇り、時価総額はフィリップスを上回る。

中国政府は外資の締め出しを広げている。10年前後から米グーグルや米フェイスブックなどの中国大陸での利用を制限し、国内のネット大手を育成した。さらに、習近平(シー・ジンピン)指導部は18年ごろからパソコンやサーバーなどのIT(情報技術)機器について、「信創目録」とよばれる推奨企業・製品リストを作成し、20年ごろから中国企業に調達先を本格的に絞るようになった。

複写機など事務機でも中国は日本企業に技術移転を迫る。中国政府は4月、中国で設計、開発、生産をするよう求める内容を技術の国家標準に盛り込む検討を始めた。「中国生産した場合、どう独自技術を守るのかが課題となっている」とメーカー幹部は打ち明ける。

中国に進出する日本企業で構成する中国日本商会は7月、中国政府が「国家標準」で外資を排除する検討に着手したことを念頭に「中国企業と外資企業への公平な待遇」を求める意見書を公表した。米企業の団体である中国米国商会も5月公表の白書で、「広範な市場参入障壁、保護主義や不透明な監督管理体系などが米国企業の中国での経営を阻んでいる」と指摘した。

米中対立の先鋭化を背景に、世界の市場とサプライチェーンは分断が深まっている。バイデン米大統領は21年、半導体や大容量電池などの4分野について供給網から中国を排除するための大統領令に署名した。

習指導部は米国の制裁の影響を受けにくい産業構造の構築をめざす。海外企業は巨大市場と引き換えに、どこまでの技術を渡すのか難しいかじ取りを迫られる。

【関連記事】

・中国、ハイテクで外資「排除」 中核技術の移転求める
・国家標準とは ITなどで4万件策定
・G7貿易相会合が開幕、強制技術移転を協議へ

イブニングスクープ
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時頃に配信します。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia
ニューズレター
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

岡島礼奈のアバター
岡島礼奈
ALE 代表取締役CEO
コメントメニュー

別の視点

世界が分断されること、憂慮すべき事態である。
が、冷戦時代にアメリカと旧ソ連の分断の中で、それぞれで宇宙開発が進んだように
技術がそれぞれ独自に進化していくことなどがあり得るかもしれない。
それぞれの側面から新しい技術や手法が出てくることは面白い一面もあるかもしれない。
しかし、分断がなくなっていくことが人類の持続的な方向にとってはよいはずなので、やはり憂慮すべき事態であることに変わりはない。
2022年9月14日 18:49
青山瑠妙のアバター
青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
コメントメニュー

分析・考察

最先端医療機器の国産化問題は長らく中国国内で議論されてきたが、公表された第14次五か年計画の中で、正式な目標として盛り込まれた。こうした外国製排除の動きは、農業設備など、これから他の分野でも見られるだろう。影響を受ける日本企業も増えそうだ。
2022年9月14日 19:13 』