敗走! 敗走! 敗走!

敗走! 敗走! 敗走!
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29645406.html

『 言葉だけで伝わってきていたウクライナ軍の反転攻勢ですが、実にナマナマしい動画や画像が出て来はじめました。特に逃げ惑うロシアのT-72戦車の様子を映した動画が、いかにウクライナ軍の作戦展開が、超スピードだったのかが判ります。

通常、戦車の進軍には、歩兵の随伴が鉄板の運用です。その為、占領地を守っていた戦車が逃げる場合、素早く移動する為に、歩兵が戦車に、何人もしがみついて、その状態で走行します。これを、タンクデサントと言います。最近の戦車は、最高速度が、そこそこ出るので、歩兵が走っても、とても追いつけるスピードでは無いので、これは多くの人員を移動させる場合、一般的な手段です。

ただし、もともと人が騎乗する事を想定していない部分に歩兵が取り付くので、体勢が不安定で、本来は戦車も振動や上下動が起きないように運転する必要があります。ところが、今回の動画では、キャタピラから白煙が上がる程のスピードで爆走する戦車が映っていて、当然ながら戦車に取り付いていたロシア軍の歩兵は、振動で振り落とされて、地面に叩きつけられる様子が見て取れます。しかも、良く見ると、小銃を構えたウクライナ軍兵士らしき人物が、画面の中に映っています。つまり、既に視認できるほど、ウクライナ軍が肉薄した中を、戦車で突破して逃げようとしている場面です。

この戦車は、最終的にコントロールを失って、自ら立木に突っ込んで、停止する様子まで映っています。また、別の動画では、単騎で孤立したロシア軍のT-72が、果敢に画面外の敵に向かって移動しながらの砲撃を行っていますが、30秒程の静止の後に、ロケット・ランチャーの直撃を食らって、爆発炎上する様子が映っています。火だるまになっていたので、もちろん乗員は、全員死亡でしょうね。

そもそも、戦車が単騎で応戦している事自体が、現場の混乱ぶりを示しています。組織的な撤退などとは、まったく程遠く、敗走という言葉がピッタリと当てはまる状態だったのが伺い知れます。物凄いスピードで進軍すると、補給が追いつかなくなり、攻勢限界を迎えてストップがかかるのが通常ですが、今回に限っては、大量の弾薬・物資・戦車・装甲車が鹵獲されているので、まったく補給を心配する必要が無かったようです。ウクライナも旧ソ連領でしたから、使っている兵器はロシア製で、弾丸も砲弾も、そのまま使用できますし、戦車や装甲車の運転も問題ありません。その為、まるで、槍が一直線に切り裂くように、重要拠点まで一気に進軍できたのだと思われます。

単純に思うのですが、プーチン氏の掲げる大ロシア主義とやらは、自らの国家と周辺の対象国に、これほどの負担と悲劇を招く価値があったのでしょうか。もちろん、当初の目論見では、「簡単に手に入るはずのもの」だったかも知れませんが、少なくても7年前のクリミア半島侵攻の結果からして、より一層の圧力が国際社会から、かかるのは目に見えていたわけで、なぜ強行したのか未だに疑問です。

軍事というものに、政治を持ち込んで、全てが台無しになった好例と言えます。政治の目的を達成するのが、軍事の役割とも言えるので、政治が口出ししたくなるのは理解できます。しかし、軍事行動自体は、純粋な戦術と戦略のゲームであり、政治は黙って結果が出るまで待つべきなのです。もし勝てたなら、それをもって交渉の場で、相手に「こちらの都合」を強制的に呑ませる。それが、戦争の目的であり、意義でもあります。結果が出ていないうちに、政治が効果を求めて口を挟むから、「最悪の結果」が生まれるのです。

まぁ、戦争でよく言われる、大義とか言うものは、実は戦争という外交取引では、大して重要ではありません。相手に呑ませたい条件やら状態があり、戦争の成果は、交渉の為の強力な手段に過ぎません。なので、勝てると踏んだら、理由は作ってでも戦争を始めます。そこに、最初から大義なんてものが、あろうはずがなく、言いがかりで始まった戦争は、両手で数え切れない程あります。「勝てば、こちらの言い分が無条件で通る」から、国家指導者は戦争を起こすのです。大義で起きるわけでは、ありません。』