ウクライナの復興、50兆円以上必要に 世銀など推計

ウクライナの復興、50兆円以上必要に 世銀など推計
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09D200Z00C22A9000000/

『【ワシントン=赤木俊介】世界銀行と欧州委員会は9日、ロシアに侵攻されたウクライナの復旧・復興に少なくとも3490億ドル(約50兆円)の資金が必要になるとの推計結果を発表した。侵攻が始まる前の2021年のウクライナの国内総生産(GDP)と比べて1.6倍の規模にあたる。

今回の推計では、22年2月の侵攻開始から6月1日時点までの直接の被害に基づき、今後数年で生じる再建費用を予測した。実際の軍事衝突はさらに長期化しており、世銀などは報告書で復旧・復興に必要な資金規模は一段と膨らむとの見通しを示した。

6月までのロシアの攻撃により、都市やインフラなどに970億ドル以上の直接的な被害が発生した。特にロシアとクリミア半島に隣接する地域の住居や交通網に甚大な損害が広がった。ウクライナのGDPはロシアの侵攻開始時期にあたる22年1~3月だけで前年同期比15.1%縮小したと分析。貧困率が大幅に上昇する懸念も指摘した。

復旧・復興のうち、短期的には教育機関や医療施設、エネルギーインフラの整備に1050億ドルかかるとみている。たとえば、冬季に向けて暖房に必要な燃料、食糧を確保するため供給網の復旧が急務となる。

中長期で取り組む復興に関し、報告書は脱炭素化など気候変動対策や災害対策なども意識して「欧州連合(EU)の水準に近づける」と訴えた。

ロシアによる侵攻で生じた被害の復旧・復興にかかる費用を網羅的に推計するのは初めてとしている。世銀と欧州委がウクライナ政府などと協力し、20以上の分野を調査した。ウクライナのデニス・シュミハリ首相は声明で「ウクライナの再建には国際的な協力が必要不可欠」と指摘し、国際社会に支援を求めた。』