現実世界で高まる庶民の怒りを無視して机上の空論を実現しようとする西側支配層

現実世界で高まる庶民の怒りを無視して机上の空論を実現しようとする西側支配層 | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209090000/

『世界的にインフレが進んでいる。特にエネルギー資源の相場高騰が深刻で、人びとの不満が高まっている。プラハのベンツェスラウス広場では9月3日に早期の選挙を求める集会が開かれ、警察の推計によると、約7万人が集まった。9月25日までに内閣が退陣しないなら、抵抗権の行使を宣言するとしている。

 そのプラハでは8月31日から9月2日にかけて「​フォーラム2000​」の会議が開かれた。主要パートナーのひとつ、アメリカのNED(ナショナル民主主義基金)はCIAが工作資金を流すシステムの一部で、ここから資金はNDI、IRI、CIPE、国際労働連帯アメリカン・センターなどを介して工作のターゲットへ流れていく。

 その会合で​ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相は「ドイツの有権者がどのように考えようとも、私はウクライナの人々を支援する」と発言​した。民意など「糞食らえ」だということだが、プラハでの抗議活動を無視できないだろう。

 プラハでそうした集会が開かれた最大の理由はエネルギー価格の高騰にある。この高騰はアメリカ政府が仕掛けているロシアに対する経済戦争によって引き起こされていることを理解しているようで、ウクライナでの戦争で中立を宣言し、ウクライナからの難民流入を止めることを要求していた。相場の高騰はアメリカ政府が進めている対ロシア戦争に悪い影響を与え始めたと言える。

 ​アメリカ政府の命令で西側諸国がロシアからの石油や天然ガスの輸入を削減する前、こうした国々はそれらを大量に輸入していた​ようで、その間は値上がりして当然だが、その時期が過ぎれば下がらなければおかしい。

 また、WHO(世界保健機関)が「パンデミック」を宣言した2020年3月11日から世界はロックダウンや「自粛」などで人の行動が制限され、経済活動は麻痺した。大企業は儲かったようだが、社会的に弱い立場の人びとは大きなダメージを受け、中小企業や個人経営の店は経営が悪化して倒産が増え、必然的に失業者やホームレス、そして自殺者が増えた。そうした状態が続いている。エネルギーの使用量も減ったはず。

 相場は先物取引で引き上げられていると言われている。アメリカやイギリスの金融資本は1970年代から規制緩和で投機市場を肥大化させる準備を進め、「カジノ経済」を生み出した。

 かつて世界は「オイル・ショック」で揺れた。1973年にOPEC(石油輸出国機構)が石油価格を大幅に引き上げたのだが、サウジアラビア国王の腹心で石油鉱物資源相を務めたシェイク・ヤマニによると、この値上げを決めたのはアメリカ。

 ​その年の5月にスウェーデンで開かれた「秘密会議」でアメリカとイギリスの代表が原油価格を400%値上げするように要求した​のだ。この会議は1973年5月11日から13日にかけてスウェーデンで開かれたビルダーバーグ・グループの会合だったことが後に判明する。競争原理で相場が決まるわけではない。

 ロシアのガスプロムはこれまで天然ガスを長期契約に基づき、安定した価格で供給していたが、​天然ガス市場でも投機が大きな影響力を持つようになった​。そうした流れは2010年頃から本格化したという。現在、エネルギー相場も投機市場が主導している。ここにきて石油や天然ガスの相場が下がっているが、そうすることも難しくはない。

 しかし、投機市場も現物の需給関係を無視することはできない。​欧米は事前に石油のストックを増やしていた​ようだが、ロシア産の石油や天然ガスの供給が止まり続けたなら現物が枯渇し、投機市場の操作も難しくなるだろう。ロシア産天然ガスのEUへの輸送を妨害しているのはアメリカやその従属国だ。

 ガスプロムは「ノードストリーム1」による輸送を8月31日から完全に停止させたが、修理のために取り外してカナダへ送ったコンプレッサーの装置がアメリカ政府の「制裁」で戻ってこないからだとされている。9月5日、クレムリンの広報官を務めるドミトリ・ペスコフはアメリカが「制裁」をやめるまで輸送を止めている技術的な問題は続くと述べたが、​ウラジミル・プーチン大統領は9月7日、タービンが戻ってくれは明日にでも輸送を再開できると語った​。

 問題を引き起こしているのは欧米だと主張したわけだ。その欧米ではベアボック独外相やリズ・トラス英首相らが民意を無視して強行突破しようとしているが、成功するようには思えない。』