ミャンマー東部の港湾構想が再始動 資金難で開発難航も

ミャンマー東部の港湾構想が再始動 資金難で開発難航も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM12BSB0S2A810C2000000/

 ※ ヤンゴンが、正確には海に面しておらず、河口港しか持たないとは、知らんかった…。

 ※ 地図見ると、何となく「海岸線」沿いに位置している感じなんで、漠然と「海港」を持つものだと思っていた…。

 ※ 実際に地図見ると、海洋からの防御には優れていそうだが、大量の物資を運搬する「物流」には、不向きの「港」のようだ…。

 ※ これだからな…。

 ※ 「地理と歴史の力」の解明をめざす者としては、まだまだ「未熟者」だな…。

『ミャンマー軍事政権が東部モン州の大規模港湾の開発に動いている。同州政府は8月上旬、国営紙を通じ「空港と港湾を建設する予定地を決めた」と発表した。クーデターで転覆された国民民主連盟(NLD)政権の構想を再始動した格好だ。ただ外国の投資や援助は見込みにくく、開発資金を確保できるかが課題だ。

モン州政府の発表によると、港湾の建設予定地は州都モーラミャインから南方約40キロメートルのムドン郡区。主要河川のタンルウィン川の河口にあたる。付近には新たな国際空港も整備する計画で、開発面積は合計約1900ヘクタールに達する。今回の発表に先立ち、5月には国軍の統制下にある運輸・通信省港湾局が事業性調査を行う事業者の入札手続きを開始した。

クーデターで全権を掌握したミンアウンフライン国軍総司令官は2021年6月にモン州を訪問した際に、国際空港や大規模港湾を開発する必要性に言及し「海産物の輸出に役立つ」と述べていた。

NLD政権もモン州での港湾開発を提唱していた。20年7月、当時国家顧問としてNLD政権を率いていたアウンサンスーチー氏は、日本企業向けのオンラインセミナーで同州に新たに経済特区を設ける方針を発表した。日本の支援で15年に開業したヤンゴン近郊のティラワ経済特区、中国が主導する西部ラカイン州のチャウピュー経済特区などに続き、4カ所目の特区となるはずだった。

ミャンマーは海に面した大型港がない弱みを抱える。海上貿易の中心であるヤンゴン港は河川港で大型船が入港できない。モン州はミャンマーの最大都市ヤンゴンからタイとラオスを経てベトナムのダナンに至る「東西経済回廊」の通過点にあたる。タイとの国境にも近い物流の結節点だ。

スーチー氏自ら日本向けのセミナーで発表したことから、日本政府の援助や日系企業の投資を期待したのは明らかだった。そもそも、中国主導で開発する予定のチャウピュー港に次いで将来開発すべき大規模港湾の候補地を調べ、モーラミャイン周辺を有力候補として提案したのも日本だ。新港開発には「数百億円規模」(開発コンサルタント)の投資が必要となるが、財源には円借款を活用することが想定されていた。

軍事政権が今回明かした構想はこの時の案をほぼ引き継ぎ、新空港の整備を加えたものとみられる。外国投資が細り外貨の確保が難しくなるなか、ミンアウンフライン氏は輸入を抑制し国産化を進める「輸入代替工業化」を目標に掲げている。

だが、国軍主導の体制が続く限り、日本政府が前面に出て港湾開発に乗り出す可能性は極めて低い。日本政府は暴力の即時停止や政治犯の解放を求め、新規の政府開発援助(ODA)供与を凍結している。外交関係者は「(ミャンマー側が)勝手に言っていることだ」と突き放す。

実現するとすれば中国が関与するケースだが、中国は広域経済圏構想「一帯一路」のもと中国国境からヤンゴンやチャウピューまで結ぶ運輸インフラの開発に注力しており、脇道にそれるモン州には大きな関心を払っていない。ミンアウンフライン氏の意を受けて発表した空港や港湾の開発構想だが、資金調達が実現するかどうかは不透明だ。

(ヤンゴン=新田裕一)』