日本の経常収支の動向

日本の経常収支の動向
https://shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2020/05/202005_8.pdf

 ※ こりゃ、スゲーな…。

 ※ 最近じゃ、経常収支の黒字のほぼ9割を「第一次所得収支」が占めるような状態に、なっていたんだ…。

 ※ 第一次所得収支とは、「親会社と子会社との間の配当金等の受払を示す」ようなもののことだ…。

『国際収支統計によると、2019 年の経常収支は20.1兆円の黒字となった。これはリーマンショック前の2000 年代半ばとほぼ同じ水準であるが、その内訳は大きく変化している。経常収支は、貿易収支、サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支からなる(下図)。
経常黒字額がほぼ同じであった2006 年と2019 年を比較すると、貿易収支の黒字額は2006 年の11.1兆円から2019 年には0.5兆円に大きく減少している。一方、サービス収支は3.7 兆円の赤字から0.2兆円の黒字に転じている。また、親会社と子会社との間の配当金等の受払を示す第一次所得収支の黒字は14.2 兆円から20.7 兆円に増加している。第二次所得収支(居住者と非居住者間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す)は、大きな変化はみられない。
こうした動きの要因をみると、貿易黒字の減少は輸入が輸出を上回って増加したことによるものである。
サービス収支が黒字となったのは、アジアを中心としたインバウンド旅行者の増加等により赤字が続いていた旅行収支が黒字化したほか、知的財産権等使用料収支の黒字が増加したことが主因である。第一次所得収支の黒字が増加したのは、直接投資や証券投資の拡大を背景として海外からの配当金等の受取が増加したためである。
さらに貿易黒字が減少した要因を探るため輸出入の動向をみよう。貿易統計により2006年と2019年を比較すると、輸出は1.7 兆円増加している。品目別には、2019年の輸出の20%を占める自動車・同部分品は2006 年とほぼ同水準であり、増加に寄与しているのは半導体等製造装置などである。一方、輸入は11.3 兆円増加している。品目別にみると、2019 年の輸入額の22%を占める鉱物性燃料は、東日本大震災後に一時大幅に増加したが、2019年は2006年より減少している。増加への寄与度が大きいのは、通信機(携帯電話等)、医薬品、自動車及び同部分品、航空機類などである。
経常収支の内訳をみると、2000年代前半は貿易黒字が主役であったが、2010年代になると第一次所得収支が経常黒字の多くを稼ぎ出し、主役が交代しているようにみえる。ただ、輸出は最近も70 ~ 80 兆円台で推移しており、輸入が増加するなか、引き続き日本経済を支える重要な柱である。
(商工総合研究所常務理事 小林 昇)』