中国への債務、42カ国でGDPの1割超え 米研究所

中国への債務、42カ国でGDPの1割超え 米研究所
一帯一路「隠れた債務」40兆円規模
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB291G00Z20C21A9000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『021年9月29日 13:30

think!多様な観点からニュースを考える
岩間陽子さん他1名の投稿岩間陽子鈴木一人

中国の広域経済圏構想「一帯一路」を巡り、融資を受けた中低所得国で政府の負債として公になっていない「隠れた債務」が3850億ドル(約43兆円)にのぼることが29日、米民間調査機関の調べで分かった。対中債務が国内総生産(GDP)の10%を超える国は42カ国にのぼる。中国が不透明な融資を通じて、急速に影響を広げる実態が浮き彫りになった。

米民間調査機関のエイドデータ研究所が同日発表した報告書で明らかにした。調査では2000年以降に中国政府や国有企業がアジアやアフリカなどの165カ国で資金を拠出した約1万3000件(総額8430億ドル相当)の事業について、支出額や負債額などを調べた。

対中隠れ債務がGDP比で最も大きかったのはラオスの35%。公表している政府債務とあわせた対中債務は64%に及ぶ。中国による融資は、ラオスで初となる高速道路「中国ラオス高速道路」の整備にも使われている。20年末には首都ビエンチャンと中部バンビエンをつなぐ約110キロメートルが開通した。

一帯一路を巡っては、相手国を借金漬けにして、債務免除と引き換えに中国がインフラ権益などを奪う「債務のワナ」の問題が指摘されてきた。中国による情報開示が限られるなか、隠れ債務の規模が示されるのは珍しい。融資先の財政運営を度外視した中国による過剰投資に一段と批判と警戒が強まりそうだ。

報告書によると、中国による途上国向けの開発援助額は13~17年に年平均850億ドルと米国の同370億ドルを大きく上回った。習近平(シー・ジンピン)指導部が一帯一路構想を打ち出す前の00~12年は同320億ドルで、米国(340億ドル)と同じ規模だった。

債務の全容はつかみにくくなっている。12年までは途上国の政府を対象にした融資が主だったが、近年は国有企業や金融機関など向けが7割近くを占める。多くの融資では暗黙の政府保証が付いているものとみられるが、政府債務として報告されないため途上国の財政管理を難しくしている。

報告書は一帯一路で中国が自国に有利な条件を設定している点も指摘した。政府開発援助(ODA)以外の貸し付けが中心で、融資の約6割に担保や信用保険、第三者による返済保証を付けた。日本やドイツなどによる開発融資では金利1.1%、返済期間28年が一般的なのに対し、中国は金利4.2%、返済期間10年未満が主だった。

エイドデータ研究所は「中国は多くの中低所得国が第一に頼る融資元としての地位を急速に確立したが、融資の実態はベールに包まれている」と指摘した。中国が詳しい情報を明かさないため、一帯一路への参加リスクを判断するのが難しくなっていると問題点を挙げた。

一帯一路の沿線国向けの融資は18年ごろから鈍化した。受け入れ国側で債務のワナが意識されたことに加え、「中国自身の経済成長が鈍化してくるなかで、積極的な対外投融資を続けにくくなってきている」(第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミスト)との指摘がある。途上国の財政状況は新型コロナウイルス対策などで打撃を受けている。中国の融資姿勢の変化により、一段と悪化しかねない。

資金繰りに窮し、債務交渉に動く国も出始めた。ロイター通信によると、アフリカ中部の産油国コンゴ共和国は6月、同国の対中債務24億ドルについて、中国が返済延期に原則として同意したと表明した。

主要7カ国(G7)は6月の首脳会議で、一帯一路に対抗して途上国や新興国のインフラ構築を支援する枠組みをつくることで合意した。欧州連合(EU)も7月に一帯一路に対抗する支援計画をまとめる方針を決めた。一帯一路に代わる透明性が高い投資として、新たな選択肢を示せるかが焦点となる。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Belt-and-Road/385bn-of-China-s-Belt-and-Road-lending-kept-undisclosed-report?n_cid=DSBNNAR 

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

岩間陽子のアバター
岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察

エイドデータ研究所のウェブサイト https://www.aiddata.org/ で、報告書もデータセットも無料でダウンロードできます。これまで中国の開発援助を研究テーマにしたいという博士課程の学生は私の所でも大勢いましたが、ちゃんとしたデータを集めるのが困難で研究できませんした。13427件の中国の援助プロジェクトを全部調べて分類、分析したというだけで、ものすごい調査力です。アメリカで二番目に古いウィリアム・アンド・メアリー大学系列の研究所のようですが、これだけの規模の情報をまとめ上げるのは並大抵のことではなく、改めてアメリカの民間の底力を感じました。このデータセットは日本にとっても非常に有用だと思います。
2021年9月30日 1:30 (2021年12月6日 12:52更新)

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

中国の「債務の罠」の背景には、債務状況を明らかにするための情報開示が少なすぎるという問題がある。これによってどの程度の負債を抱えているのか、それが当該国にどの程度の負担になっているのかが見えてこなくなる。それは結果として途上国の信用に関わる問題になるので、より透明性の高い金融システムをとる国にとってはリスクが大きくなりすぎる。結果として途上国のためにはなっていないのだが、それでも目の前に差し出される金額を見ると、つい中国に頼ってしまうのだろう。
2021年9月29日 18:58 』

中国AIIBの正体は又貸しと中抜き、先進国から借りてスリランカに融資

中国AIIBの正体は又貸しと中抜き、先進国から借りてスリランカに融資 : 世界のニュース トトメス5世
https://www.thutmosev.com/archives/88902372.html

『中国は、インフラ建設すると毎年10%以上成長するから借金は実質返さなくて良いと説明しスリランカ政府は真に受けた
22163231

破綻する中国陣営の国、スリランカ

インドの隣にあるスリランカは20年末時点で62億ドルの対外債務を抱え、ウィクラマシンハ大統領は債務再編協議の主導を日本に依頼した

スリランカは第二次大戦後に独立したが宗教や人種などの対立で2009年まで26年間内戦が続き、国内は疲弊した

スリランカの1人当たりGDPは3,682ドルで人口約2200万人、海を挟んで対立するインドは1人当たりGDP1,900と約6割程度です

インドより豊かだがかなりの無理をしていたらしく、外国から借りた金を返せなくなり国ぐるみ差し押さえられたようになっている

こうなった始まりはイギリスによる植民地統治と独立まで遡り、スリランカの75%は仏教でシンハラ人だがインド系と対立している

約300万人がインド系人種のタミル人で人口の15%がヒンズー教徒、この2つのグループが26年間内戦を戦い10年ほど前にやっと和解した

内戦終結後のウクライナは経済成長を目指し外国からの投資を融資を求めたが、西側先進国は成長性に疑問を持ち希望した程貸さなかった

そこに登場した救世主が中国で、当時の中国はインドと国境紛争で対立しインドを包囲する『真珠の首飾り』作戦を実行していた

真珠の首飾りはインドの海側の国を中国陣営に引っ張り込み、海からインドを包囲するという軍事外交戦略です

中国は自国の実績を説明し、「巨大インフラ工事で年10%以上の高度成長が起きる」として高利の融資でインフラ建設を請け負った

中国はインドネシア高速鉄道を実質無料で受注したが、スリランカにも「金利を上回る経済成長が起きるので実質無料だ」と説明した

以前中国主導のアジアインフラ投資銀行の議論で、中国は日本など西側諸国から融資を受けてAIIBで又貸ししているというニュースがあった

中国AIIBの正体は又貸しと中抜き

それによると日本やアメリカは中国に1%から2%程度で融資し中国は信用不安の国に2倍程度の金利で貸して”中抜き”をしていた

スリランカに金を貸しているのは中国だが中国は高金利国なので、日本や欧米から借りてスリランカなどに貸した方が儲かる

これがAIIBの実態らしくスリランカにお金を貸していた大元は驚くことに日本や欧米だった

中国主導のAIIBの金利はアメリカ主導のIMFや日本主導のADB(アジア開発銀行)の約2倍で、借り手はIMFやADBから借りれない信用不安の国々です

スリランカが2018年までに中国から借りた金額は72億ドルで、対外負債全体は510億ドル(約6兆 6,537億円)と言われている

22年中に約60億ドルの返済があるがスリランカのGDPは807億ドルなので、GDP比60%の対外債務を抱えている

日本政府が誇張している「日本の借金」GDP比200%の中で政府の借金は約半分、その中で対外債務は7.6%の86兆円に過ぎません

日本が保有する米国債は1兆2930億ドルでその多くが日本の政府機関なので、日本に借金はないと言われるゆえんです

スリランカの債権国は中国、日本、インドの純で債務を放棄する債権国会議に中国とインドは参加しなかった

中国は借金のカタにスリランカの港湾使用権を差し押さえ、「原潜や空母の基地にする」と公言しているので債権放棄に応じない可能性が高い

インドもまた自分の金ではなく日米欧から借金して、それをスリランカに又貸しして儲けようとしたと考えられる

中国からの債務が多いランキングはパキスタン(773億ドル、約10兆円)、アンゴラ(363億ドル)、エチオピア(79億ドル)、ケニア(74億ドル)、スリランカ(68億ドル)』

駐ロシア米大使が離任 国務省「予定された人事」

駐ロシア米大使が離任 国務省「予定された人事」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022090500335&g=int

 ※ ジョン・サリバンという人で、ジェイク・サリバン(国家安全保障問題担当大統領補佐官)とは、別人物だ。

『【ワシントン時事】在ロシア米大使館は4日、サリバン大使が任期を終え、モスクワを離任したと発表した。ロシアのウクライナ侵攻などで米ロ関係が緊張する中、大使ポストは当面空席となる見通しで、ルード首席公使が臨時代理大使を務める。

米、駐ロシア大使が参列 ゴルバチョフ氏葬儀

 米国務省の報道担当官は、離任は「予定されていたもの」で、任期満了に伴う人事だと説明した。サリバン氏はトランプ前政権下の2017年5月に国務副長官に就任。国務長官代行を一時務め、19年12月に大使として承認された。離任後は公務から離れるという。』

米国の駐露大使が交代へ 大使館発表
https://www.sankei.com/article/20220905-3SWTLX3UDVPGNPH3TULGM6GVMA/

『【ワシントン=大内清】モスクワにある在ロシア米国大使館は4日、ジョン・サリバン駐露大使が同日、任期を終えて離任したと発表した。今後は公職から退くという。国務省は、バイデン大統領が近く後任の大使を指名するとしている。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて米露の緊張が高まる中での大使交代となる。後任が着任するまでの間、エリザベス・ルード首席公使が臨時代理大使を務める。

ロシアのウクライナ侵攻以降、米露外交は大幅に停滞。その中でサリバン氏は、ロシアで拘束された米国人の解放に向けた交渉などに当たってきたとみられている。

サリバン氏はトランプ前政権下の2019年12月に駐露大使に任命された。17~19年に国務副長官を、ブッシュ(息子)政権の08~09年に商務副長官を務めるなど、主に共和党政権で要職を歴任した。

米CNNテレビによると、国務省はサリバン氏の離任を「以前から予定されていたものであり、通常の交代」だと説明した。』

チリ、新憲法草案を否決 国民投票、左派政権に打撃

チリ、新憲法草案を否決 国民投票、左派政権に打撃
https://nordot.app/939335009503068160?c=302675738515047521

『【サンパウロ共同】南米チリで4日、ピノチェト軍事政権下に制定された憲法に代わる新憲法草案の承認の可否を問う国民投票が行われた。現地メディアによると反対多数で否決され、賛成派は敗北を認めた。3月に就任し新憲法制定を進めた左派ボリッチ大統領に打撃となる。

 現憲法は格差拡大の要因になったと考える国民が多く、2019年に激しい反政府デモが発生、新憲法起草につながった。草案は国による医療や教育の保障を強化する内容。先住民の権利も手厚く盛り込まれた。ただ左派が優勢の制憲議会が作成した草案は保守派からの反発が強かった。

© 一般社団法人共同通信社 』

ウクライナ危機の長期化が世界の多極化をもたらす

ウクライナ危機の長期化が世界の多極化をもたらす アメリカでじわりと広がる悲観論
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/09050559/?all=1

『ロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始してから半年が経った。多数の兵員と兵器を投入した両国の間の戦いは膠着状態になりつつあり、長期化する懸念が強まっている。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は8月23日「ロシアの侵略との戦いに勝利し、クリミアを占領から解放することが必要だ」と表明するなど強気の姿勢を崩していない。

【写真11枚】プーチンの長女・マリアの“訪日旅行写真” 東京ディズニーランド満喫後の姿を捉えた!

 ウクライナが徹底抗戦の姿勢を示す一方、ロシアも長期戦を辞さない構えを見せている。当初、短期での決着を目指していたロシアだが、侵攻が長期化した今、2014年から紛争が続いた東部ドンバス地方と同様、戦闘を続けることでウクライナを曖昧な立場にとどめておくことができるというメリットを見いだしているとの指摘がある(8月23日付日本経済新聞)。

 ロシアが長期戦に移行できた背景には、西側諸国が厳しい制裁を科したにもかかわらず、ロシア経済のダメージが小幅だったことがある。ロシアの今年第2四半期のGDPは前年比4%減となり、5期ぶりのマイナス成長となったが、落ち込み幅は予想されたほど大きくなかった。ロシア経済省は「今年のGDPは4.2%減にとどまり、当初想定したほど落ち込まない」との見通しを示している。堅調な資源輸出がロシア経済への制裁の影響を和らげていることに加え、ロシアからの外国企業の撤退も下火となり、輸入されなくなった消費財などの国内代替が進んでいることが功を奏した形だ。

 楽観できる状況ではないものの、プーチン大統領は「ロシアは長期戦に耐えられる」との自信を深めていることだろう。』

『米国の嘆き節

 ロシアには長期戦を志向する別の理由があるのかもしれない。

 プーチン大統領は「米国主導の世界秩序は終わった」とかねてから主張してきたが、ウクライナでの紛争状態が長引けば長引くほど、米国一極集中時代の終焉の可能性が高まっているからだ。

 ウクライナへの軍事支援の総額は既に100億ドルを超えているにもかかわらず、米国政府は24日、ウクライナに対する約30億ドルの追加軍事支援を発表した。ロシアの侵攻開始以降で最大の規模であり、長期戦を見据えてウクライナを支援するとしている。

 だが、「ウクライナの反転攻勢」への期待をよそに、米軍関係者の間では「ウクライナ軍は精鋭部隊を既に失っており、武器を追加供与したとしても戦況を好転させることは不可能だ」との悲観論が流れている。武器の管理がほとんどなされていないことから、「米国がウクライナへの武器供与に費やした巨額なカネはアフガニスタンへの侵攻の時のようにドブに捨てるようものだ」との嘆き節も聞こえてくる。

 ゼレンスキー大統領が8月上旬に中国に対して救援の要請をしたことについて、米国メデイアが猛反発していることも気になるところだ。

 8月10日付米誌ニューズウィークは「ゼレンスキーの物語は変化しつつある」と題する記事を掲載した。同誌は、米国が国民の血税からウクライナに巨額の支援をしているのにもかかわらず、あろうことか、ゼレンスキー大統領が米国の最も危険な敵である中国共産党に救いを求めたことに憤懣やるかたないようだと報じている。さらに同誌はゼレンスキー氏のことを「腐敗した独裁者」と切り捨て、「ウクライナへの支援は米国の国益に害をもたらすばかりか、ウクライナ国民の窮状を悪化させるだけだ」と結論付けている。ウクライナ危機の下でも、分断化が進む米国は「一枚岩」になることができない。』

『米国の立場に疑念

 ウクライナ危機はこれまで「自由や民主主義を守る戦い」と称されてきたが、紛争が長期化するにつれて、「国際秩序に変革が起きる」との認識が広まりつつある。

 ウクライナに一方的に肩入れした西側諸国に代わり、黒海の対岸に位置するトルコが仲介者として存在感を高めていることがその証左だ。実を結ばなかったものの、3月に外相レベルの停戦交渉が行われたのはトルコであり、8月の穀物輸出に関するロシアとウクライナ間の合意はトルコの仲介によって実現している。

 現在ロシアが占拠しているウクライナ南東部はもともとオスマン・トルコの支配下に置かれていた地域だ。ロシアと中国との「距離」が縮まりつつある中、その入り口にあるのがトルコだ。西側諸国が主導する国連が機能不全となり、世界が再び群雄割拠の時代に逆戻りすることになりつつある状況下で、地の利をいかしてトルコのような地域大国が影響力を持つようになっているのだ。

 米国メデイアも国際社会における米国の立場に疑念を投げかけ始めている。

 8月23日付米ニューヨーク・タイムズは「西側諸国の関心がウクライナに集中しているため、国連の人道支援機関は記録的な資金不足に直面している」と報じた。米国が主導する制裁のせいで深刻な打撃を受けている発展途上国の反発は高まるばかりだ。ウクライナ侵攻に中立を保つ国々の人口は世界の3分の2を占めるが、これらの国々の行動基準は民主主義の価値よりも自国にとって損か得かだ。

 米誌ナショナル・インタレストのコラムニストは8月23日「ロシアとウクライナのどちらが勝ったとしても、戦略的敗北を喫するのは米国だ」との分析を示した。「ロシアは中国やインド、ペルシャ湾岸諸国とより緊密な関係を築き、西側諸国と永遠に関係を絶つだろう」とした上で「米国は多極化が進む世界の現実に向き合わざるを得なくなるだろう」と悲観的な未来を予測している。

 ウクライナ危機の長期化により、米国一極時代の終焉が現実味を帯びてきている。日本もこうした国際政治の現実を直視しなければならないのではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮編集部』

輸送ヘリのチヌークが飛行停止になっている

輸送ヘリのチヌークが飛行停止になっている
https://st2019.site/?p=20223

 ※ 相当数が、スティンガーなんかの餌食になったようだからな…。

 ※ 既に、アフガン戦争で失った戦闘ヘリの、半数超える数のヘリを失ったという話しも、ネット上には上がっている…。

『Kimberly Johnson 記者による2022-8-31記事「U.S. Army Grounds Fleet of CH-47 Chinooks Because of Engine Fire Risk」。

  輸送ヘリのチヌークが飛行停止になっているのは、「T55」エンジンの「オー・リング」に、ハネウェル社製の正規純正部品ではない「まがいもの」が混在していることが、点検であきらかになったため。

 ※HARMは2010年代に、旧世代のものも逐次に内容がレトロフィット工事されているから、停波したレーダーの見当座標にそのまま突っ込んで行く機能はあるだろう。

よしその機能が無い30年前の在庫品などというものがあったのだとしても、TB2との組み合わせでは良い結果を出せている。SAMが停波すれば、TB2は悠々と上空を飛んで可いからだ。

ナゴルノカラバフではまさにこの現象が生じていた。「待ってました」という感じだ。じっさい、SNSには怒涛のように、TB2による戦車撃破動画が上げられるようになっている。これからいよいよ、ナゴルノカラバフが再演されるのか。

 ※雑報によると、露軍が都市に落下させたロケット弾(?)の弾頭の中味にフレシェット(=金属ダーツ)がギッシリと詰まっているおそろしい写真。型番は不明である。

 ※来年配備開始されるイスラエルの「メルカバ5」には、全車に、対ドローン用の電波兵器が備わるのではないかという噂。想像するに、APSというよりは「高射機関銃塔」のようなものが乗っかるのではないか。』

旧日本陸軍の軍靴(編み上げ半長靴?)が、細部すみずみまですばらしいデザインだと激賞されている。

旧日本陸軍の軍靴(編み上げ半長靴?)が、細部すみずみまですばらしいデザインだと激賞されている。
https://st2019.site/?p=20223

『2022-8-30 にUpされたユーチューブの「You’ve never seen a boot like this WW2 Japanese boot」という動画。

  旧日本陸軍の軍靴(編み上げ半長靴?)が、細部すみずみまですばらしいデザインだと激賞されている。見えないところに手間がかかっているが、素材に無駄がなく、修理し易い。

 皮革は豚革を使っている。他国軍では牛が多数派なのに。豚レザーは、薄いから軽量。よって疲れない。

 ※いやこれどう考えても明治の「お雇い外国人」の設計だろ。というのは以下の事実列挙で納得できるはず。

 イザベラ・バードは、鶴形の縁日で、羊と痩せ豚が見世物になっているのを目撃。東日本ではこれらの動物は珍しかったのだ。

 福沢諭吉が緒方塾にいたころ、難波橋の牛鍋屋に頼まれて、生きた豚を、水殺してやり、その謝礼として、豚の頭をもらって、それを解剖したあとで煮て食った。

 西南戦争で北海道からやってきた官軍部隊は軍靴を支給されておらず、未だ草鞋だった。

 日露戦争では部隊は現地の牛豚を徴発したはいいが、誰も調理法を知らず、兵も味を好まぬので「脂肪積て山を為し内臓頭部、舌、骨等の処置に苦み至る処に放棄せられた」。

 明治初年、豚コレラが東日本で猛威をふるって、半分絶えたことあり。

 当初は、牛革主義だった。横須賀海軍工廠造兵部『新式皮革技術ニ関スル一資料』によると、明治4年に陸奥宗光がドイツ人技師4名を招聘し、ミネラル・タンニン法を導入。和歌山に皮革伝習所をおこし、陸軍用皮革を創製させている。素材原料は神戸牛。

 日露戦争中は、大倉組のNY支店から皮革を日本へ輸出していた。

 戸山学校編の明治45年の『剣術道具ノ手入保存法』によると、豚革は、毛孔が深く、3本づつ毛が配列しているので、牛と区別ができる。革で最も頑丈なのは、野猪。ついで水牛であった。

 豚箱という言葉は大6-2からある。
 S6時点で、学習院では、豚の屍体の試し斬りが恒例行事であった。※始めたのは明治末の乃木院長。

 海軍兵学校では、棒倒し以前は「豚追ひ」だった。紅白2組で 定まった区域に生きた豚をおいこむ。一方はこれを妨害する。最後には豚は蹴り殺されてしまう。

 鹿児島には幕末にすでに「豚汁」があった。
 肉屋から牛豚の骨をもらってその骨ガラ・スープを子供に飲ませれば子供の背が高くなるといわれて実践した人があり、それは本当だったと。

 戦間期のドイツは皮革需要の6割を輸入に頼る。その大宗は南米産。

 支那事変中、戦地から負傷で一時帰ったりすると、郷里の者たちは、すきやき、豚、トリでもてなしてくれようとする。が、これは有り難迷惑だった。なぜならシナ大陸では豚と鶏はありふれており、喰い飽きていたから。兵たちはむしろ魚と野菜を欲した。

 昭和24年時点でも、日本の家畜の首位は和牛で、170万頭。

 朝鮮では日本占領時代、牛>豚>鶏>狗の順でよく食べられていた。

 明治18年1月、三多摩壮士団は、血のしたたる豚の頭を竹槍につらぬき、あるいは鶏を竿上に懸けて銀座までデモ行進。これはシナ・朝鮮を征伐せよという寓意であった。

 『三井――日本における経済と政治の三百年』によると、敗戦後の20年間は、コークス用石炭、繊維原料、皮革、獣脂、穀物、大豆は、すべて戦前の支那からアメリカに、供給元が交替した。

 こうした資料から考えて、旧軍のブーツ用の豚革は、多くは大陸、一部は米国から輸入したものではなかったかと想像できる。』

中共のナンバー3、栗戦書(Li Zhanshu)が、今週の水曜日に、モスクワへ飛ぶ。

中共のナンバー3、栗戦書(Li Zhanshu)が、今週の水曜日に、モスクワへ飛ぶ。
https://st2019.site/?p=20223

『AFPの2022-9-4記事「China’s No. 3 leader to visit Russia next week」。

 中共のナンバー3、栗戦書(Li Zhanshu)が、今週の水曜日に、モスクワへ飛ぶ。

 ※栗は経済行政の助言者として熊プーから頼られている。軍事の話はできない。したがって武器バーターの線はないだろう。

 栗は、水曜日から、9-17までの日程で、ロシアに続いてモンゴル、ネパール、韓国も歴訪する予定。

 栗は72歳なので、今年じゅうには退職予定である。』

輸入部品、特にベアリングが手に入らぬ…。

輸入部品、特にベアリングが手に入らぬ…。
https://st2019.site/?p=20223

『2022-9-1記事「Russian rail sector moves towards recession this year」。

 ロシア国鉄NTCの社長、セルゲイ・ポポフによると、8月時点で7000両から7500両の新鋭鉄道貨車が動かせないでいる。この数は9月には9000両に増えるだろう。6月だと、動けないのは1400両だったのだが。

 原因は、輸入部品、特にベアリングが手に入らぬため。

 ロシアでは1年に貨車は19万5000両、必要である。

 製造工場はその一部が、外国資本の所有であった。それが今次戦争でロシアから撤退した。ロシア国内では、ベアリングが作れないのだ。

 ロシアは中共からベアリングを輸入することを考えている。しかしこれには問題がある。現行のルールだと、途方もない関税がかかるのだ。

 これまで西欧とつながっていた鉄道輸送を、シベリア鉄道にシフトすることで、東向きで代置できるかというと、まったく無理。というのはシベリア鉄道の輸送キャパシティは、西方鉄道網とくらべて、細すぎる。

 ロシア運輸省によると、シベリア鉄道の輸送力は、現状、1億4400万トンだが、これを1億5800万トンまで増やすことはできるかもしれない。

 経済開発省によると、ロシアの今年の鉄道貨物輸送量は、昨年より7.3%減るであろう。』

「成熟した債権国」へ向かう日本

「成熟した債権国」へ向かう日本
https://comemo.nikkei.com/n/n0aa6c6467440

『長らく貿易黒字の結果として巨大な経常黒字を維持してきた歴史も背景に、「円安になる時は投機、円高になる時は実需」というのが円相場を見る上での1つの常識でもありました。しかし、近年の日本の経常収支は明確に構造変化を起こしています。

「成熟した債権国」へ

 2011年前後を境として日本の経常収支から貿易黒字は姿を消し、第一次所得収支の黒字が主体となっています。経済学者クローサーの国際収支発展段階説に基づけば、本格的に「未成熟の債権国」から「成熟した債権国」への階段を昇り始めた状況です。「昇り始めた」というのは、減少したとはいえ、未だ日本の貿易・サービス収支は断続的に黒字だからです。これが赤字で定着し、本当に所得収支だけで黒字を維持するようになると「成熟した債権国」になります。

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 実は上の図に示されるように、金融危機前の10年間(1999~2008年)とその後の10年間(2009~2018年)で経常黒字の水準が大きく変わったわけではありません。具体的には10年平均で見ると、危機前は約+16.7兆円、危機後は約+13.5兆円です。この間、財貿易の黒字額は約+10.9兆円から約+1840億円へ激減しています。片や、第一次所得収支は約+11.2兆円から約17.3兆円へはっきり増加しています。合わせてサービス収支赤字が約▲4.4兆円から約▲2.4兆円へ半減していることも目に付きますが、日本の経常黒字の水準が10年前と比較しても大きく変わらずに済んでいる背景には貿易で黒字を出せなくなった分、過去の投資の「あがり」としての第一次所得収支黒字が増えたことが主因なのです。

もはやフローベースでも直接投資収益が主役

 実はこの第一次所得収支の黒字は貿易収支の黒字と決定的に違う部分があります。それは稼いだ外貨が日本円に転換されない部分が多そうだということです。第一次所得収支は投資収益、雇用者報酬、その他第一次所得の3つから構成されますが、基本的には投資収益と読み替えて問題ありません。そして投資収益は証券投資収益と直接投資収益に分かれます。下図は両者の構成比について見たものです。2000年には証券投資収益が66.5%、直接投資収益が23.3%だったものが、2018年はそれぞれ47.3%と48.2%と概ね対等になっています(両者の構成比は2018年に初めて逆転しました)。日本の経常収支の構造は「貿易黒字から第一次所得収支黒字へ。その中でも証券投資収益から直接投資収益へ」と変容していると言えます。

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円相場への影響は?

 では、こうした経常収支の構造変化は円相場にどのような影響を持つのでしょうか。貿易黒字であれば、輸出企業は稼いだ外貨を円に転じる必要があるため円買い・外貨売り圧力に直結すると考えられます。こうした取引は「アウトライト(買い切り、売り切り)取引」と呼ばれ、取引のボリュームもさることながら、これに追随しようとする投資家・投機家の存在から方向感を形成しやすいと考えられています。

 しかし、現在の日本の経常黒字の大部分を占める第一次所得収支黒字の場合、為替需給に与える経路は貿易黒字ほどシンプルではありません。例えば証券投資収益は配当金と債券利子に分かれますが、実態としては約80~90%が債券利子です。こうしたフローは黒字が記帳された段階ではまだ外貨であるという点が重要です。例えば、日本人投資家Aが保有している米国債から利子収入を受け取る場合、それは海外口座に入金された段階で第一次所得収支上の「黒字」が記録されます。受け取った利子はそのまま再投資されると仮定すれば(そうしたケースは多いと考えられます)、証券投資収益からの円転フローはほぼ期待できないという話になります。

 片や、直接投資収益の中身は配当金・配分済支店収益、再投資収益、利子所得に分かれますが、2018年では配当金・配分済支店収益が45.4%、再投資収益が53.2%と分け合う格好でした。配当金・配分済支店収益は実際に直接投資家(または本社)へ送金されたものであるの対し再投資収益は直接投資された企業が稼得した営業利益のうち、投資家に配分されずに内部留保として積み立てられたものです。つまり、直接投資収益の約半分についても円転フローは期待できないという実態が透けて見えます。

「実需なき黒字」

 以上の議論をまとめると、第一次所得収支黒字のうち、証券投資収益の債券利子部分に相当する約80%、直接投資収益の再投資収益に相当する約50%については性質上、円買い・外貨売りのフローが発生しないことが予想される。これを絶対額の議論に引き直すとどうなるか。2018年の第一次所得収支は約+20.8兆円だが、再投資収益を除くと約+15.5兆円、再投資収益と債券利子を除くと約+6.5兆円まで減少します。

 もちろん、「巨大な経常黒字国である」という強固な対外経済部門にまつわるステータスは構造が変わっても大きく変わるものではありません。しかし「円相場への影響」、より正確に言えば「円高をもたらす影響」についてはかつての経常黒字ほどの「怖さ」が失せている可能性は否めません。こうした「実需なき黒字」は「投機の円安、実需の円高」というかつての常識を修正する論点として今後ますます着目されることになりそうです。最近、米金利が下がっても、株価が急落しても、かつてほど円高に振れなくなった一因としても注目です。』

国家の成熟度合いで国際収支の状況は変わる

国家の成熟度合いで国際収支の状況は変わる
http://k-kaya.com/archives/7066

『加谷珪一の超カンタン経済学 第29回

 経済学には、その国の成熟度に合わせて国際収支が変化していくという「国際収支発展段階説」というものがあります。これまでのところ、多くの国が、この発展段階説に従って進んでいます。

国際収支は成熟度に合わせて進化していく

 発展段階説は6つのフェーズで構成されます。最初の段階は「1.未成熟な債務国」です。工業化が進んでおらず、多くを輸入に頼るので貿易収支は赤字です。その代金を確保するため外国からの負債で調達しますから、金融収支も赤字となります。負債には利払いが生じるので所得収支も赤字です。

 工業製品の生産が拡大してくると貿易収支が黒字になります。しかし、対外債務の利払いがあるため経常収支は依然として赤字です。この段階を「2.成熟した債務国」と呼びます。

 次の段階は「3.債務返済国」です。工業製品の輸出がさらに拡大して貿易黒字が増えてくると、所得収支の赤字を貿易黒字が上回り経常収支が黒字に転じます。余剰の資金が海外投資に向かいますから、金融収支も黒字になります。

 経常黒字が拡大し、海外からの利子や配当が増えてくると、所得収支も黒字になります。この段階が「4.未成熟な債権国」です。

 所得が増え、社会が豊かになると労働コストの上昇が始まり、一部の製品は輸入した方が採算が合いやすくなります。この結果、貿易収支が赤字に転じることになりますが、海外からの利子配当が多いので経常収支はまだ黒字が続きます。これが「5.成熟した債権国」です。

 最終段階が「6.債権取崩し国」です。貿易赤字が拡大し、所得収支の黒字を上回るようになると、経常収支が赤字に転じます。結果として、金融収支も赤字になるので、対外純資産が減少していきます。もっとも豊かな成熟国家はこのような状況になります。

Copyright(C)Keiichi Kaya

成熟国はどのようにして再スタートを切るのか?

 日本は現在、「4.未成熟な債権国」から「5.成熟した債権国」への進みつつあります。震災の後、貿易収支が大幅に減少しましたが、その後は、世界景気の拡大もあり、貿易黒字が再び増加しました。しかし、近い将来、日本の経常収支が赤字になる可能性は高いでしょう。

 米国や英国など、もっとも先端を行く先進国はすでに6の債権取り崩しフェーズに入っています。その後、米国や英国がどのような展開になるのかは、現段階では分かりません。

 アルゼンチンのようにかつては先進国だった国が、完全に対外債務に依存する国に転落したケースもあります。ただ米国には競争力のある企業が多いですし、シェールガスの開発が進んだことでエネルギーを完全に自給できるようになりました。

 米国が余った石油を輸出するようになると、米国の経常収支が大きく改善する可能性も出てきますし、そうなると必然的に金融収支も改善します。経常収支がプラス、金融収支もプラスということであれば、4段階目の「未成熟な債権国」となり、かつての日本ののような状態で再スタートを切ることが可能かもしれません。』

日本の経常収支の動向

日本の経常収支の動向
https://shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2020/05/202005_8.pdf

 ※ こりゃ、スゲーな…。

 ※ 最近じゃ、経常収支の黒字のほぼ9割を「第一次所得収支」が占めるような状態に、なっていたんだ…。

 ※ 第一次所得収支とは、「親会社と子会社との間の配当金等の受払を示す」ようなもののことだ…。

『国際収支統計によると、2019 年の経常収支は20.1兆円の黒字となった。これはリーマンショック前の2000 年代半ばとほぼ同じ水準であるが、その内訳は大きく変化している。経常収支は、貿易収支、サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支からなる(下図)。
経常黒字額がほぼ同じであった2006 年と2019 年を比較すると、貿易収支の黒字額は2006 年の11.1兆円から2019 年には0.5兆円に大きく減少している。一方、サービス収支は3.7 兆円の赤字から0.2兆円の黒字に転じている。また、親会社と子会社との間の配当金等の受払を示す第一次所得収支の黒字は14.2 兆円から20.7 兆円に増加している。第二次所得収支(居住者と非居住者間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す)は、大きな変化はみられない。
こうした動きの要因をみると、貿易黒字の減少は輸入が輸出を上回って増加したことによるものである。
サービス収支が黒字となったのは、アジアを中心としたインバウンド旅行者の増加等により赤字が続いていた旅行収支が黒字化したほか、知的財産権等使用料収支の黒字が増加したことが主因である。第一次所得収支の黒字が増加したのは、直接投資や証券投資の拡大を背景として海外からの配当金等の受取が増加したためである。
さらに貿易黒字が減少した要因を探るため輸出入の動向をみよう。貿易統計により2006年と2019年を比較すると、輸出は1.7 兆円増加している。品目別には、2019年の輸出の20%を占める自動車・同部分品は2006 年とほぼ同水準であり、増加に寄与しているのは半導体等製造装置などである。一方、輸入は11.3 兆円増加している。品目別にみると、2019 年の輸入額の22%を占める鉱物性燃料は、東日本大震災後に一時大幅に増加したが、2019年は2006年より減少している。増加への寄与度が大きいのは、通信機(携帯電話等)、医薬品、自動車及び同部分品、航空機類などである。
経常収支の内訳をみると、2000年代前半は貿易黒字が主役であったが、2010年代になると第一次所得収支が経常黒字の多くを稼ぎ出し、主役が交代しているようにみえる。ただ、輸出は最近も70 ~ 80 兆円台で推移しており、輸入が増加するなか、引き続き日本経済を支える重要な柱である。
(商工総合研究所常務理事 小林 昇)』

ベネズエラ軍が橋を封鎖、人道支援物資の搬入を阻止へ

ベネズエラ軍が橋を封鎖、人道支援物資の搬入を阻止へ
2019年2月7日 9:47 発信地:カラカス/ベネズエラ [ ベネズエラ コロンビア 中南米 米国 北米 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3209938?pid=20955794

 ※ そういう一幕が、あったんだな…。

『(※ 2019年)【2月6日 AFP】(写真追加)南米ベネズエラの野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)氏が、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領への対決姿勢を強める中、同国の軍当局は、待ち望まれた人道支援物資が搬送されるのを前に、コロンビアとの国境に架かる橋を封鎖した。

 これに先立って野党が多数派を占める国会は、物資の搬入を阻止して「レッドライン(越えてはならない一線)」を踏み越えないよう、マドゥロ氏の権力基盤の大きな部分を占める軍に警告。ミゲル・ピサロ(Miguel Pizarro)議員は軍に対し、「レッドラインがあり、限度がある。薬や食料、医療用品がその限度だ」とのメッセージを送った。

 先月23日に暫定大統領への就任を宣言したグアイド氏は、支援物資が届かなければ、最大で30万人が死に直面すると主張している。

 これに対してマドゥロ大統領は、支援物資は米国が主導する侵略の前触れと述べ、「侵略する兵士は一人も入らせない」と述べた。

 ベネズエラへの軍事介入も排除しない米国は、グアイド氏を暫定大統領として真っ先に承認。中南米の十数か国が後に続いた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は5日夜の一般教書演説で、「われわれは気高く自由を追い求めるベネズエラの人々の側に立つ」と述べ、グアイド氏に対する米国の支持を改めて断言した。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ

[FT]反米ベネズエラに接近する左派のコロンビア新政権

[FT]反米ベネズエラに接近する左派のコロンビア新政権
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB015GS0R00C22A9000000/

『南米コロンビアとベネズエラを隔てるタチラ川にまたがる並列3架橋のティエンディタス橋は、両国間の交易を活性化させるはずだった。

だが、最初のトラックが通る前に両国の関係が悪化し、2016年に予定されていた供用開始は棚上げされた。その3年後、社会主義革命を掲げるベネズエラのマドゥロ大統領に対し、経済制裁と政治的圧力で政権転覆をもくろむ米国主導のグループにコロンビアが加わったことを受けて、両国は断交した。

マドゥロ氏は権力の座を守り通し、米国側の戦略は失敗に終わった。同氏はロシア、中国、イランの支援を得て、未曽有の経済破綻とコロンビアへの200万人強など600万人の国民が国外に脱出するという事態を乗り切った。

外交関係を再開

そして今、西側諸国がベネズエラにどう対処するかを検討するなか、コロンビアの新大統領となった左派のグスタボ・ペトロ氏は別のアプローチを試みようとしている。今週、コロンビアの首都ボゴタとベネズエラの首都カラカスに双方の新大使が着任し、両国は外交関係を正式に再開した。

カラカスのミラフローレス宮殿(大統領官邸)で、コロンビアのベネデッティ新大使から贈られたカリブの籐(とう)編み帽子をかぶったマドゥロ氏は、にこやかに出席者たちと談笑した。だが、国交の正常化については、「秩序ある形」でうまく進めないと失敗すると慎重な姿勢を示した。

英コンサルティング会社コントロール・リスクスのボゴタ在勤上級アナリスト、セオドア・カーン氏は「歴史的に非常に強いつながりを持つ2国であり、したがって地域の地政学が変わるなか、経済問題、人道的問題、安全保障上の問題に対処できるようになる」と指摘する。

「しかし、ペトロ氏が求める交渉に資する治安状況をベネズエラ側でマドゥロ氏がどこまでつくり出せるか、あるいはつくり出そうとするかは未知数だ」

双方の経済界は、08年に過去最高の70億ドル(約9800億円)に達した2国間貿易に思いをはせ、ティエンディタス橋の再開を待ちわびている。国境に近いコロンビア北部ククタで最近開かれた政財界人のシンポジウムで、同国のウマニャ新商工観光相が再開は「間もなく」だと語っている。「間もなくというのは間もなくということだ」

スペインからの独立後、短期間ながら1つの国だったコロンビアとベネズエラは文化、歴史、交易面で密接なつながりを持つ。だが、ベネズエラのチャベス前大統領が「ボリバル革命」を始めた1999年以降、大きな隔たりが生じる。その3年後、コロンビアでは保守派の大統領が誕生し、米国の支援を受けてマルクス主義ゲリラ組織との全面戦争を宣言した。

2013年のチャベス大統領の死去を受けて政権を引き継いだマドゥロ氏は、国家主導の経済政策を継続する一方、反体制派を厳しく弾圧し、野党を妨害した。その後の経済の崩壊は主力の石油産業に対する米国の制裁によって悪化し、平時における世界最悪級の人為的な景気後退となった。

横行する密輸

15年には、しばしば無法状態となっている2219キロメートルに及ぶ国境地帯でベネズエラ軍兵士3人が銃撃されたことを受けて、マドゥロ氏がベネズエラ国内に住むコロンビア人2万2000人超の強制追放を命じた。4年後、ククタを拠点にコロンビアと米国の支援を得て、ベネズエラの野党指導者のグアイド国会議長を大統領に据えようとする試みは失敗に終わった。

だが、政府間で摩擦が生じても、穴だらけの国境を抜け道などですり抜ける非公式な交易は続いた。当局者が黙認することも多く、ガソリンや金(ゴールド)、日用品が大量に流れている。

違法薬物コカインとその原料のコカも、コロンビアのゲリラを含む暴力的な武装組織が活動する国境地帯を自由に動いている。

だが正規の貿易は、経済制裁やベネズエラ側の超インフレと広範な物資不足のなかでしぼんでいる。コロンビアからベネズエラへの物品輸出額は21年、わずか3億3100万ドルにとどまった。

経済界は、国境が再開すれば年間貿易額は12億ドルに達する可能性があるとみている。ただ、当初は6億ドルにとどまるのが現実的な線とする見方もある。

だが、そのような数字を実現したとしても、貿易を密輸から正規の取引に移すことが欠かせないと経済界は指摘する。

「より強力な制度的枠組みを構築できれば、今よりはるかに正式かつ安定的で深みがあり、バランスの取れた経済関係を結べる」。ククタでのイベントで、ベネズエラ商工会議所連合会のカルロス・フェルナンデス会長はフィナンシャル・タイムズ(FT)にこう語った。「国境をまたぐ交易だけでなく、2国間貿易全般において再開は重要だ」

進展はゆっくりしたものになりそうだ。ペトロ氏は、コロンビアに亡命したベネズエラの野党指導者らの身柄引き渡しを求めるマドゥロ政権のタカ派メンバーの要請をはねつけている。
ベネズエラを脱出する人も

両国政府が関係修復の詳細を詰めようとするなか、非公式な国境の往来は続いている。

ティエンディタス橋から南へ10キロメートル、大勢の人が行き交うシモン・ボリバル橋のコロンビア側では、照りつける真昼の日差しの中をベネズエラの人たちが歩いて国境を越えている。国内で手に入らないものを買うために越境する人が多いが、もう戻らずにコロンビアへ脱出する人たちもいる。

「マドゥロがいるうちは良くならない」。マイラとだけ名乗った女性はこう話した。「もうベネズエラでは何もつくられていない。だから私たちはよそで仕事を見つけるしかない」

このマイラさんのようなベネズエラ市民は国情の好転を期待していないが、橋のコロンビア側では顧客が増えることへの期待が高まっている。

「前は本当に忙しかった、1日中、客が途絶えなかった」と話すのは、国境から数ブロック離れたところにあるパン屋で働くブランドン・エチェベリーさんだ。「国境が開けば、またそうなるはずだ」

By Joe Parkin Daniels

(2022年8月31日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

インドシナ半島

インドシナ半島
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%8A%E5%8D%8A%E5%B3%B6

 ※ リムランドだから、ハートランドの支配をもくろむ勢力と、それを阻もうとする勢力が激突する場所となる…。

 ※ 半島だから、ランドパワーとシーパワーが激突する場所となる…。

 ※ おまけに、ハートランド内部での中ロの勢力争いの対象ともなる…。

 ※ さらには、「山岳」部分を抱えるから、「たこ壺」化した少数民族との紛争も生じることになる…。

 ※ ある意味、強力に「統制する」必要があるから、独裁化しやすい構造があるんだ…。

『インドシナ半島(インドシナはんとう、印度支那半島、フランス語: la Peninsule indochinoise、中国語: 中南半?)は、中国の南、インド亜大陸の東にある東南アジアの半島である。ベトナム語では Ban ??o ?ong D??ng(東洋半島、チュハン:半島東洋)である。』

『概要

この地域はインドシナ(仏: Indochine)と呼ばれ、インドと中国(支那)に挟まれている地理特徴からフランスによって名付けられた。具体的には、ベトナム、ラオス、カンボジアの3ヶ国に加え、タイとミャンマー両国のマレー半島の部分を除く地域がインドシナと呼ばれる。ただし、マレー半島をも含めてインドシナ半島やインドシナと呼ぶ場合もある。一方、フランスから「インドシナ」という場合などには、旧仏領インドシナ地域のみを指していることがある。ベトナムではこの地域を、西洋に対して、アジアの中心であるという意味も含めて、「インドシナ」ではなく「?ong D??ng(東洋)」と呼んでいる。このような「狭義のインドシナ」については、仏領インドシナを参照。このフランス領インドシナ旧構成3国と英領インドシナであったミャンマーをインドシナ4国(CLMV)という場合もある。

歴史

英仏による進出 ベトナム、ラオス、カンボジアの3ヶ国(狭義のインドシナ)はかつてフランス領インドシナだった。フランスが英国とのブラッシーの戦いで敗北してインドから撤退、植民地政策をインドシナに向けたため、ベトナムとの戦争で保護国化、カンボジアとラオスはタイから宗主権を委譲されて保護国、植民地化した。一方、インドを植民地化した英国はインドに近いミャンマーをインド植民地に併合(のちにビルマ植民地に分離)した。

日本による介入

一時、日本はフレンチインディア(フランス領インドシナ)と英領インドシナ(ミャンマー)を占領して、日本保護下で半独立国としてベトナム皇帝・カンボジア王・ラオス王による君主制とし、ビルマでは英国が王を追放して直轄植民地としたことから君主制にせず、総統を元首とする共和制とした(いずれも日本後押しの傀儡政権とみられ、現政権は連続性を認めていない)。4か国はラオスとミャンマーが微少に国境を接するだけであったことから、英仏衝突の弊害は軽度で済んだようである。

日本介入時のインドシナ諸国

ベトナム帝国
カンボジア王国 (1954年-1970年)
ラオス王国
ビルマ国

独立~現在

その後、4か国は日本が戦争に敗れると英仏から独立するが、ベトナム・ラオスは共産主義政権、カンボジア・ミャンマーは共産主義の影響を受けたことがあるとして、「インドシナ4国」(4か国の頭文字からCLMV)と総称される。

これらの国々は未加盟の東ティモールを除けば、東南アジアでは東南アジア諸国連合への加盟は最後発にあたる。

タイはこれらインドシナ4国に三方を囲まれているが、英仏によるインドシナ4国介入の影響から植民地化は免れ、政治・経済上などでインドシナ諸国と呼ぶ場合は含まれない(マレーシアを含めた最広義のインドシナには含まれる)。

2021年、ビルマで軍事クーデターが勃発して政権が変わり、構成4国すべてが再び独裁国家となった。

民族

インドシナ半島と周囲国
1770年代の古地図

古くからバンチェン、ホアビン、ドンソンなどの先史文化が栄え、インド文明や中国文明の影響を受けたカンボジア人、タイ人、ビルマ人、ベトナム人や数多くの少数民族が住居する。

形成

半島の東側は南シナ海、西側はベンガル湾に面する。東部にはアンナン山脈、西部にはアラカン山脈があり、その間をメコン川、チャオプラヤー川、エーヤワディー川などが北から南へ流れ、下流地域では広大な三角州を形成している。

備考

一部の旅行会社等がインドシナに含まれる「シナ」を差別用語だとして、インドシナを英語における呼称に準じてインドチャイナと呼びかえる(書き換える)動きがある。韓国では実際に、中国との国交正常化後、「インドシナ」から「インドチャイナ」に言い換えている。なお、北朝鮮では、「インディアチナ」と呼んでいる。しかしインドシナが差別的文脈で使われる事例は皆無のため、この動きは一般化していない。

中国では、日本向けの言語月刊誌『人民中国』などで、東シナ海や南シナ海については、東中国海や南中国海としていたが、インドシナはそのままカタカナで表記されていた。中国では最近まで、「印度支那半島」がごく普通に用いられていた。しかし現在は、中国の南にあるという意味で、中南半島が推奨されている。 』

ミャンマー、ASEANと深まる溝 間隙縫い中ロが接近

ミャンマー、ASEANと深まる溝 間隙縫い中ロが接近
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM165Z10W2A810C2000000/

『東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国にカンボジアが就任して8カ月。フン・セン首相は当初、クーデターで政権を握ったミャンマー国軍に対し、積極的に仲介する姿勢を見せていたが、国軍の強硬姿勢は変わらない。ミャンマーとASEANとの溝が深まる中、その間隙を縫って中国やロシアがミャンマーに接近し、ASEANの結束を一段と揺るがしている。

「深く失望した。この状況が続けば、ミャンマーへの我々の役割を見直す必要に迫られるだろう」。8月3日に首都プノンペンで開かれたASEAN外相会議の開幕式。フン・セン氏は国軍が7月に民主派活動家ら4人の死刑を強行したことに、異例の厳しい口調で非難した。
フン・セン氏は首相として在任37年超。ASEAN議長を務めるのは3度目だ。就任直後の1月には早速ミャンマーを訪問し、国軍トップのミンアウンフライン氏と会談。3月にはASEAN特使を務める「部下」のプラク・ソコン副首相兼外相を同国に派遣し、国軍との関係を深めていたはずだった。
ASEAN外相会議の開幕式で会見するカンボジアのフン・セン首相(3日、プノンペン)=AP

そして6月、ミャンマーの民主派活動家らの処分に関してフン・セン氏はミンアウンフライン氏に書簡を送り、死刑執行を取りやめるよう要請した。ところが、ASEANの外相会議の約1週間前というタイミングで国軍が死刑執行を公表。フン・セン氏は顔に泥を塗られた格好になった。

一部の加盟国から懸念する声が出る中でも、フン・セン氏は国軍へ融和的な態度を続けてきた。ただ、国軍の”裏切り”に直面し、最近の発言からは当初の情熱が薄れ「見切りをつけたのではないか」(外交筋)との見方が出ている。

ASEANは2021年4月に加盟国の首脳で決めた暴力の即時停止など5項目の履行を国軍に求め続けている。しかし、国軍は大半を履行していない。ASEANは21年10月以降の首脳会議や外相会議などの主要会議からミャンマーを締め出しており、実質的な「ASEAN9カ国」体制が続く。

ASEAN特使のプラク・ソコン氏は8月6日の会見で、ミャンマーの主要会議への復帰は民主化の進展が条件になると強調。「5項目は履行する必要がある」として、上司であるフン・セン氏に歩調を合わせ、国軍を突き放した。

一方、ASEAN内で孤立を深めるミャンマーに対し、地域大国の中国やウクライナに侵攻するロシアはこれ見よがしに接近を図っている。ロシアのラブロフ外相は、ASEAN外相会議当日の3日にわざわざミャンマーのネピドーを訪問。ミンアウンフライン氏らと会談し、軍事面での連携を確認している。

これに先立ち、中国の王毅国務委員兼外相は7月初旬、クーデター以降初めてミャンマーを訪れ、国軍との関係強化をアピールしている。王毅氏は国軍幹部との会談で「両国関係は常に盤石」と発言し、国軍への影響力を強めようとしている。

ASEANは多くの国が植民地として大国による支配を経験している。宗教や政治体制、経済規模などが大きく異なる中、結束することで大国の影響力を回避しようとしてきた。しかし、ミャンマー問題を契機にASEANは大国が影響力の行使を競う場に変わりつつあり、「遠心力」は強まる一方だ。

実際、マレーシアのサイフディン外相は、ミャンマーの民主化に向けてASEAN域外にも協力を求める可能性に言及している。

8月3日から5日まで開かれたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚級会議など一連の国際会議。中国の王毅氏が少し遅れたタイミングで入場すると、各国の外相が握手を求めて近づいていく場面が何度もみられた。「ミャンマー問題も結局、中国に委ねるしかないかもしれない」。地元記者は不安げにこうつぶやいた。

(ハノイ=大西智也)

[日経ヴェリタス2022年8月28日号掲載]

日経ヴェリタス https://www.nikkei.com/theme/?dw=20062208 』

旧統一教会、韓国で「財閥」の顔 発祥の地で影響力

旧統一教会、韓国で「財閥」の顔 発祥の地で影響力
旧統一教会と政治(2)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM23CG00T20C22A8000000/

 ※ ちょっと古いが、諸般の事情で貼れなかったものを、貼っておく。

 ※ 旧統一教会が、本国で「財閥」化していたことは、知らんかった…。

『8月18日、ソウル中心部の王宮の城門「光化門」前に千人を超す女性が整列して座り込んだ。韓国在住の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者が大規模なデモを開いた。「世界の前で宗教弾圧問題を訴える」。日本人女性が壇上で抗議文を読み上げると、目抜き通りを行進した。

韓国には1980~90年代、多くの日本人信者が合同結婚式で移り住んだ。抗議文によると結婚して韓国で暮らす日本人信者は1万人あまり。事実なら韓国の在留邦人の4分の1を占める。

旧統一教会は54年、北朝鮮から韓国に逃れた文鮮明氏(故人)がソウルで創設した。宗教学者などによると、キリスト教の教えに儒教など血統や家族を重視する韓国の伝統思想や風俗を取り入れた。ただ、自ら「メシア(救世主)」と宣言するなどキリスト教多数派の教義とは相いれない部分が大きい。

韓国メディアによると韓国内の信者は推計30万人。500万人超のカトリックなどに比べれば少数派だが、カルトという認識は薄く、韓国社会で一定の影響力がある。霊感商法や高額献金などは大きな社会問題になっておらず、実態は不明だ。

信者は韓国内より海外に多い。聯合通信(現・聯合ニュース)が1995年に発刊した「韓国人名辞典」によると、文氏は54~77年に日米英仏や西ドイツなど137カ国に宣教部を設置した。韓国メディアの報道では300万人と推計される。

韓国では「財閥」としての顔も併せ持つ。「統一グループ」は上場企業2社、非上場企業24社からなり、有名スキーリゾート運営企業を筆頭に、旅行会社や建設会社、食品や自動車部品メーカーを傘下に抱える。

日刊紙「世界日報」は米国で保守系紙「ワシントン・タイムズ」を運営する。全米のすし店に食材を提供するトゥルー・ワールド・フーズも旧統一教会系とされる。

北朝鮮との関係も深い。1991年に訪朝した文氏は金日成主席と面会し投資を約束。現地企業と合弁会社「平和自動車」を設立し乗用車やトラックをライセンス生産した。ホテルも運営した。文氏が死去した2012年、第1書記だった金正恩(キム・ジョンウン)総書記は弔電を送った。

韓国政府機関に提出した最新の監査報告書によると、グループの主要な11社の年間売上高は計7896億ウォン(約815億円)にのぼる。監査報告書の提出義務がない残りの15社を合わせると、売上高は少なくとも1000億円規模とみられる。

日本の全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、教団は韓国だけでなく世界で100社超の企業を経営しているという。同連絡会が「財閥」の資金源とみるのが日本で集めた巨額資金だが、不透明さも漂う。

1995年にオウム真理教事件を受けて改正された日本の宗教法人法は、宗教法人の認証を得た団体に毎年の会計書類の提出を義務付けた。

実際に全ての法人に提出を義務付けたのは財産目録のみだ。団体の収益を記す収支計算書は収益事業を行う場合や年間収入が8千万円超の場合などに限られる。

同じ公益法人の財団法人や社団法人に適用される「公益法人会計基準」も、宗教法人なら任意だ。監査法人や税理士の監査も必要なく、書類提出を受ける文化庁も「確認は主に提出の有無」(同庁宗務課)にとどまる。中身の確認や公開はしていない。

税務当局の目も行き届かない。日本は宗教法人になると自動的に宗教活動が課税対象から除外される。国税OBの税理士は「宗教法人でも収益事業などを税務調査することはあるが、日常的にみているとはいえない」と明かす。

一方、同じ税制優遇措置でも欧米は所管する官庁とは別に、課税官庁が公益性の有無などを審査したうえで課税の免除を決定するケースが多い。

米国では①利益の私的流用②違法な活動や公序良俗違反――などが確認されれば免税措置を取り消す。ドイツでも活動に公益性が認められないなどと課税当局が判断すれば税制優遇されない。

中央大の酒井克彦教授(租税法)は「日本は戦時下の宗教弾圧への反省などから行政の宗教介入を排除してきた経緯があり、課税制度が海外と比べて圧倒的に緩くなっている」と指摘する。「一定の基準を設けて税制優遇の資格を定期的に審査する仕組みを導入すべきだ」と求める。

宗教法人を巡る資金を「聖域」のままにせず、一定の透明性確保に向けた議論が欠かせない。

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