中国、コロナ再燃で封鎖相次ぐ

中国、コロナ再燃で封鎖相次ぐ 成都は2100万人対象
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『【大連=渡辺伸、広州=比奈田悠佑】中国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、地域の封鎖が相次いでいる。成都市が2100万人を対象に事実上の大規模な都市封鎖(ロックダウン)に踏み切り、北京市周辺や東北部、南部なども移動を厳しく制限し始めた。中国共産党の幹部人事を決める党大会を10月に控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は「ゼロコロナ」政策を徹底する方針だ。

国家衛生健康委員会によると、中国本土の感染者数(入国者を除いた市中ベース、無症状含む)は現在、毎日1200人台~1900人台で推移している。

中国では変異型のオミクロン型の流行によって今年3月以降、感染が急増。4月に1日あたり2万人台に達したが、上海市の都市封鎖などで抑え込み、6月下旬に数十人に減った。だがその後、オミクロン型の新たな派生型で感染力がより強いとされる「BA.5」がまん延し、再び増加に転じた。

西部の四川省成都市は9月1日夜6時から、約2100万人の全市民は原則的に自宅待機となる。外出には24時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書が必要だ。8月26日から9月4日に開催予定だった成都国際モーターショーは8月30日に中止した。

南部の広東省深?市は、移動や飲食店利用などを制限する対象地域を順次拡大している。世界有数の電気街「華強北」では電子部品の卸売業が集積する商業ビルが営業を一時的に停止した。深?と同じ広東省にある広州市は深?から広州へ移動した人について3日間、外出を避けて自宅にとどまるよう指示した。

東北部の遼寧省大連市も8月30日から9月3日に、日本企業などのオフィスが集積する主要地域で事実上の都市封鎖を実施する。直近5日間で約230人の感染者が確認された。

1家庭につき1人に1日1回、買い物だけの外出を許可する。地下鉄やバスの運行も停止した。感染者や濃厚接触者の出たマンションが相次ぎ封鎖された。街に車両や人が少なく「まるでゴーストタウンだ」(30代の中国人女性)。
中国の遼寧省大連市では通行人や車両が少ない(1日)

企業は原則的に在宅勤務となる。映画館やジムが封鎖され、飲食店は出前のみを許可する。学校や幼稚園も通学禁止で「子供の世話が大変だ」と複数の中国人住民は不満を漏らした。

大連と同じ遼寧省にある瀋陽市は8月30日から9月5日に約910万人の全市民にPCR検査を実施する。

党大会が開かれる北京市の周辺地域も厳戒体制を敷く。河北省石家荘市は一部区域で8月28日から9月1日に不要不急の外出を禁じた。

天津市は8月27日から30日に約1370万人の全市民にPCR検査を実施した。すべての小中学校で9月1日に始まる新学期を当面はオンライン授業とした。

北京は訪問者を厳しく管理している。直近7日以内に感染者が1人以上出た地域からの訪問者は、北京行きの飛行機や高速鉄道のチケットを事実上購入できない。たとえ購入できたとしても、北京訪問後に7日間の隔離などが課される。

北京で会社を経営する中国人男性(35)は家族のいる大連を訪れた後、北京に戻れないままだ。「経営が心配だ」と取材に話した。中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」では「北京の学校に戻れない」といった不満が多く書き込まれた。

経済への影響は大きい。米ゴールドマン・サックスは8月18日のレポートで「中国はコロナの感染拡大と猛暑による電力不足という2つの逆風に直面している」と指摘。2022年の実質経済成長率予想は3.0%と、従来の3.3%から引き下げた。

衛生健康委の8月10日の記者会見で、疫病専門家の董小平氏は「BA.5は感染力が強く、防疫の難易度が高い」と認めた。一方で同委の担当者は「ゼロコロナ政策は有効だ」として維持する方針を示した。

国営新華社によると、中国共産党は党幹部の人事を決める第20回党大会を10月16日から北京で開く。「少なくても党大会が終わるまでは厳しいゼロコロナ政策が続く」(日中外交筋)と予測する声が多い。

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