複合機に中国新規制の動き 日本企業、技術流出に警戒

複合機に中国新規制の動き 日本企業、技術流出に警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC305B10Q2A830C2000000/

 ※ 中国の「戦略」は、ハッキリしている…。

 ※ 「市場」へのアクセスと引き換えに、「技術」を移転させる…、というものだ…。
 ※ しかし、その「技術」が、「軍事転用」されかねない場合、「安全保障」の問題と衝突する…。昨今、「デュアルユース」とか騒がしいからな…。

 ※ 別に「軍事転用」の危険性がなくても、中国の「国力」を削いでいくのが、某国の国家戦略となれば、それとの兼ね合いの問題も生じてくる…。

 ※ 何しろ、某国は「こん棒」を何本も持っているからな…。機嫌を損ねれば、「こん棒の嵐」が襲ってくる…。

 ※ そういう中で、「企業戦略」も決めていく必要がある…。

『中国市場に進出する日本の複合機メーカーの間で、中国政府による規制強化の動きに対する警戒感が高まっている。外資企業を政府調達から外す動きに加え、中国国内で設計開発や生産を要求される、との懸念が浮上している。米中対立を背景に、中国政府が国産化政策を進める中、日本企業のハイテク技術が標的にされかねない事態に陥っている。

米国との技術覇権争いを背景に中国当局は2019年ごろから、企業や製品名を記したリストを作成している。対象はパソコンやサーバー、日本企業が高いシェアを持つ複合機なども含まれているとみられ、同リストに載らないと政府調達品に採用されないケースが相次いでいる。

「外資を理由に政府調達を失注した」との声

在中国の日系企業で構成する中国日本商会は22年7月下旬に中国政府への要望をまとめた白書を出し、「一部の日本企業より、外資企業製品であることを理由に政府調達を失注、入札に参加できなかったとの声が多数上がっている」と明らかにした。

中国政府は表向き、外資と現地企業の公平性が確保されているとアピールしたいようで、「政府からの正式な通知等は出ていない」(中国日本商会の白書)。
中国日本商会は7月末に出した白書で「公平性の確保」を中国政府に求めた

中国側が外資排除を強め、現地企業を優遇する背景には、思うように進んでいない国産化への焦りがあるようだ。複合機は化学や通信、機械など幅広い産業の技術が結集した製品で、世界シェア8~9割を占める日本企業と中国企業との間には技術面でまだ差がある。

「現時点で中国企業に高速カラー機を開発する技術はないだろう」と日本の業界関係者は話す。光学技術を駆使し、多くの半導体や電子部品を搭載する複合機は、軍事に転用されかねない「機微技術」の集合体でもある。

中国で設計から製造まで要求も

次に中国政府が検討するのが、国家規格の制定という。中核部品を含めて中国国内での設計、開発、生産を要求するとみられる。日本企業の多くは設計開発を日本、製造は中国と機能を分けて、技術やノウハウの流出を未然に防いできた。

だが今後、事実上の強制技術移転のような条件が示されると、企業は設計から製造までの機能を中国に置くか、もしくは中国市場と距離を置くのか、選択を余儀なくされる。キヤノンは決算会見で規制強化について、「公式発表がなく現時点で回答できない」としたうえで、「中国は重要市場であるため、今後も注視する」と述べている。

「工場が古く、効率化のため売却を決めた」。8月10日に富士フイルムホールディングス(HD)が開いた決算説明会。上海の複合機工場を中国企業に売却する理由を問われ、担当者はこう答えた。売却した工場に複合機の生産を委託し、中国市場での販売を続ける。

規制強化と売却の関係には言及していない。ただ、技術流出を防ぎつつ、中国市場で販売を続ける現実解を導き出そうと、企業が対応に苦慮していることがうかがえる。

米調査会社IDCによると、世界の複合機市場のうち中国市場が占める割合は30%弱(出荷台数ベース)と最も大きい。中台関係の緊迫など経済安全保障リスクが高まる中、守るべき技術と重要市場の間で、日本企業は難しい判断を迫られる。

(日経ビジネス 中山玲子)

[日経ビジネス電子版 2022年8月30日の記事を再構成]』