IMF、パキスタンに追加支援 11億ドル引き出し可能に

IMF、パキスタンに追加支援 11億ドル引き出し可能に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300BE0Q2A830C2000000/

『【ワシントン=高見浩輔】国際通貨基金(IMF)は29日に開いた理事会で、パキスタンへの追加支援を決定した。「特別引き出し権」と呼ばれる、緊急時に米ドルやユーロなどを引き出せる権利を8億9400万SDR(約11億米ドル相当)拠出する。同じ枠組みでの支援額は約39億米ドル相当となった。

経常赤字が続いているパキスタンはロシアのウクライナ侵攻を受けた燃料高などが国内経済を下押しし、外貨準備の減少と通貨下落が止まらなくなった。4月に成立したシャリフ新政権が燃料価格を下げるための補助金を撤廃したことで、物価高による家計の生活難が一段と深刻になったとの指摘がある。6月以降はモンスーンによる豪雨が各地で相次ぎ、被害が拡大している。

IMFによると、こうした途上国への支援残高は7月末時点で1083億SDRと、新型コロナウイルス禍前の19年末から約1.5倍になっている。
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村上芽
日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト
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熱波や干ばつなど気候変動による物理的被害が世界各地で報じられていますが、パキスタンでは、6月以降、3か月も豪雨が続き、1000人以上が亡くなっているとのことです。化石燃料依存に伴う燃料高や物価高で経済や生活が傷んでいるところに自然災害が発生するといった複合的な事態は、考えたくはありませんが今後も世界各地で起こるでしょう。先進国には、支援するための余力を持ち続けることも必要でしょうが、気候変動対策を加速させることが「そもそも」最重要です。
2022年8月30日 8:22

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説

今夏、欧州が「500年ぶり」という深刻な旱魃と水不足に悩まされているが、パキスタンのモンスーンによる大雨被害は、国土の3分の1が浸水、死者は1100人を超え、被災者は3300万人に上るなど想像を絶する前例のない規模に上っているという(BBCの報道による)。
多くの人が住む家を失っているため避難のためのテントが必要としており、水や食料などの支援物資も不足しているという。
金融支援と共に人道的な支援も急務となっている。
2022年8月30日 12:28 (2022年8月30日 12:41更新)

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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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アジアであればスリランカ、パキスタン、ミャンマー、南米であればアルゼンチン、エクアドル、エルサルバドル、ヨーロッパならウクライナとベラルーシ、アフリカならチュニジア、ガーナ、エジプト、ケニヤ、エチオピア、ナイジェリアらが国家デフォルト懸念先とされています。

パキスタンの主要債権者は中国・日本・世界銀行で、IMFとの交渉はかなりスムーズに行われた印象です。一方で、ザンビアやスリランカなどはかなり時間がかかっています。インフレの影響で自国通貨が安くなるなか、多くの途上国がデフォルトの危機にあります。IMFがスピーディに支援をしないと、一般の人が極めて苦しい思いをすることになると思います。
2022年8月30日 10:23 』