米中間選挙、上院が最高裁の勢力左右 保守傾斜の行方は

米中間選挙、上院が最高裁の勢力左右 保守傾斜の行方は
米中間選挙 ポイントを読む⑧
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1509X0V10C22A8000000/

『米議会上院は連邦最高裁判事を承認する。過半数の議席を握る政党は思想の近い判事を充てやすい。社会保障や銃保有、移民制度といった日常生活に影響を及ぼすため、有権者が上院選に関心を持つ要因となる。

いまは最高裁判事9人のうち、野党・共和党の考えに近い保守派が6人いる。6月に人工妊娠中絶を合衆国憲法が認める権利と位置づけた判決を覆した。発電所の温暖化ガス排出について、連邦政府の規制を制限した。ともに与党・民主党を支持するリベラル派の理念に反し、激しい反発を招いた。

定数100議席の上院は民主党と共和党が50議席ずつを握る。仮に最高裁判事をめぐる採決で賛否が50対50になれば、民主党は上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を投じて承認に持ち込める。11月の中間選挙で民主党は1議席でも減らすと、最高裁判事に欠員が生じても後任の承認は難しくなる。

民主党には苦い思い出がある。2014年の中間選挙で民主党は上院の多数派を失った。16年にアントニン・スカリア判事が死去した。当時のオバマ大統領は後任にリベラル派のメリック・ガーランド氏(現・司法長官)を指名したが、共和党が承認手続きを進めずに阻止した。

17年に大統領に就いたトランプ氏は保守派のニール・ゴーサッチ氏を後任に指名し、多数派の共和党がスムーズに承認した。18年の中間選挙では共和党が下院で敗北したが、上院は議席を伸ばして多数派を維持した。20年にリベラル派ルース・ギンズバーグ氏が死去すると、保守派エイミー・バレット氏を指名して保守支配を固めた。

バイデン大統領はリベラル派スティーブン・ブライヤー氏の後任にケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏を指名して承認した。判事は若返ったが、保守派6人、リベラル派3人の構図は変わっていない。

(ワシントン=中村亮)』