米軍のミサイル巡洋艦、台湾海峡を通過 航行の自由維持

米軍のミサイル巡洋艦、台湾海峡を通過 航行の自由維持
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『【ワシントン=中村亮】米海軍第7艦隊は28日(日本時間)、2隻のミサイル巡洋艦が同日に台湾海峡を通過したと発表した。国際法が認める航行の自由を台湾海峡で守り、中国による現状変更を認めない姿勢を示した。中国側は「いかなる挑発も打ち負かす準備がある」と反発した。

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米海軍のミサイル巡洋艦「アンティータム」と「チャンセラーズビル」が台湾海峡を航行した。通過は米国のペロシ下院議長が8月上旬に台湾を訪問し、米中の対立が一段と強まってから初めて。

第7艦隊は声明で「艦船による台湾海峡の通過は自由で開かれたインド太平洋に対する米国の関与を示すものだ」と強調した。「米軍は国際法が認める全ての場所で飛行し、航行し、活動する」と改めて説明した。

中国は8月上旬、ペロシ氏の台湾訪問に猛反発し、台湾周辺で大規模な軍事演習を実施した。バイデン米政権は中国がペロシ氏の訪問をきっかけに、台湾海峡の航行制限など現状変更を進めることを懸念。対応策として米軍艦船による海峡通過を実施すると予告していた。

第7艦隊によると、ミサイル巡洋艦2隻は過去の台湾海峡の航行と同じように中国と台湾の両岸から12カイリ(約22キロメートル)を超える海域を通過した。国連海洋法条約が自由な航行を認めている海域にあたる。米軍はルールに基づく国際秩序を重視する立場をアピールした。中国は国際法に基づいて反発しにくい面がある。

中国人民解放軍で台湾方面を担当する東部戦区の報道官は28日、米艦艇が台湾海峡を通過したことに「高度の警戒態勢を維持し、いつでもいかなる挑発も打ち負かす準備ができている」とのコメントを発表した。

米国と中国は台湾をめぐり互いに譲らない。米野党・共和党のマーシャ・ブラックバーン上院議員は26日、台北市内で蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談し、台湾と安全保障や経済で協力を強める姿勢を訴えた。8月中旬にも与党・民主党のエドワード・マーキー上院議員が率いる議員団が台湾を訪れた。

米原子力空母ロナルド・レーガンは8月中旬、台湾周辺での中国軍の監視活動を終えて母港の米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に戻った。一方で米海軍協会によると、22日時点で強襲揚陸艦トリポリがフィリピン海に展開している。

中国軍機はペロシ氏が台湾を訪れてから、連日にわたって台湾海峡の事実上の停戦ラインに相当する「中間線」を台湾側に越えている。8月上旬には軍事演習の一環として台湾周辺に弾道ミサイル11発を発射し、一部は日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。

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