米中間選挙 ポイントを読む⑦

米中間選挙 ポイントを読む⑦
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040520U2A800C2000000/

『11月の米中間選挙では連邦議会が注目されるが、地方でも同時に選挙が実施される。米国は各州の独立性が高い連邦制だ。日本と異なり、地方政治の勢力図が連邦政府の政策にも大きな影響を及ぼす。

各州では知事や副知事のほか、州上院・下院議員、州務長官、司法長官などを決める選挙が同時に開かれる。各州には独自の憲法や法律、裁判所があり、州政府の権限は強い。

州政府が連邦政府の政策を阻止することも多い。バイデン政権が打ち出した企業の従業員への新型コロナワクチン義務化は、野党・共和党が知事や州司法長官を押さえる州が連邦政府を提訴した。裁判所が差し止め命令を出し、義務化は実現しなかった。

州司法長官が共同で連邦政府を訴える件数は増加傾向にある。米マーケット大学のポール・ノレッテ准教授の集計によると、トランプ前政権では民主党の州司法長官の共同提訴が相次ぎ、計160件に上った。バイデン政権も既に50件を超えている。

州政府が政策づくりで先行する例もある。自動車の排ガス・燃費規制を巡っては、リベラルな西部カリフォルニア州が厳しい規制を決めて自動車メーカーが対応した。トランプ前政権は州の独自規制を認めずに連邦政府一律の基準を設けたが、バイデン政権は独自規制を認めた。

米国の連邦政府は1789年に合衆国憲法に基づき発足した。建国当時、連邦政府が強い権限を持つべきだとする「連邦派」と、連邦政府の専制政治を恐れて地方の権限を重視した「共和派」が対立した。与野党の溝が深まるなか、連邦政府と地方政府の緊張関係は230年たった今も続く。

(ワシントン=鳳山太成)』