核軍縮しぼむ機運、非保有国の不満噴出 NPT会議決裂

核軍縮しぼむ機運、非保有国の不満噴出 NPT会議決裂
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 ※ ロシアのウクライナ侵攻で、NPT体制なんか、「何の役にも立たない」ということが明らかになったんだから、当然の話しだ…。

 ※ 国連安全保障理事会と言い、NPT体制と言い、一国の安全保障にとって「国際社会」なるものが「何の役にも立たない」ということが、明らかになりつつある…。

 ※ フィンランド、スウェーデンがNATOに加盟申請し、スイスも実質NATO寄りになっているのも、宜(むべ)なるかなだ…。

『【ニューヨーク=白岩ひおな、吉田圭織】26日に閉幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議の交渉決裂は、ウクライナ侵攻が核軍縮を停滞させる懸念を浮き彫りにした。ロシアの拒否で採択自体がなくなったが、合意を目指した最終文書案でも中国や非核保有国を含む対立や後退が目立った。

最後まで焦点となったのは、開幕当初から危ぶまれていたウクライナ関連の記述だった。ロシアは合意に必要な条件として、ウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所などに言及する5つの段落の文言への修正を求めた。

ウクライナを含む締約国は再修正に強い反発を示した。当初の開始時間から約4時間20分遅れて始まった会合で、ロシアは「採択には応じられない」と明言した。

専門家からは厳しい評価が相次いだ。ウィーン軍縮不拡散センターでディレクターを務めるガウハル・ムハジャノワ氏は「1カ国の反対で会議が失敗に終わるのは非常に残念だ。NPT体制が核の課題に対処できるという信頼が損なわれた」と述べた。

米シンクタンクの外交問題評議会(CFR)で核軍縮の専門家を務めるジョー・シリンシオーネ氏は「(2010年の会議以来)12年間も最終文書が採択できない状況は、核軍備を維持したい核保有国と核兵器を廃絶したい多数の国々の埋まらない溝を示した」と指摘した。
会合ではロシアに責任を問う声が集中したほか、核軍縮や核のリスク低減が進まない現状への不満も噴出した。

南アフリカは「12年間合意が得られなかったのは、核保有国による核兵器維持への固執を示している」と表明。カザフスタンは「遅延している核軍縮の約束をめぐる具体的な措置が必要だ。まずは核保有国が非保有国を核攻撃しない『消極的安全保障』を与えるべきだ」と述べた。

核戦力増強に動く中国にも懸念を残した。最終文書案の交渉では、中国が反対していた核兵器向け核分裂性物質の生産の即時モラトリアム(一時停止)の宣言や維持を核保有国に求める文言が削除された。

米国防総省は中国が30年までに少なくとも1000発の核弾頭を保有する可能性があると指摘する。米ロが26年まで延長した新戦略兵器削減条約(新START)で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などに実戦配備できる核弾頭数の上限1550発に迫る。

21年に発効した核兵器禁止条約(TPNW)をめぐっては、オーストリアやメキシコなどの締約国と、フランスなどの核保有国、米国の核の傘に頼る日本などの間で温度差があった。シリンシオーネ氏は核保有国を含むNPTが合意形成に失敗したことで、今後はTPNWの締約国が勢力を増すとみる。

NPTにはインドなどが参加していないものの、核保有国と非保有国が共に核戦争のリスクを減らすために努力する枠組みだ。国際的に核軍縮が進まないとの見方が強まれば、一部の国が抑止力強化に向けて核兵器の研究・開発が必要だとの考えに傾く恐れがある。

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