[FT]ヘッジファンドがイタリア債空売り 欧州懐疑台頭で

[FT]ヘッジファンドがイタリア債空売り 欧州懐疑台頭で
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 ※ 「日本円」の次は、イタリア国債か…。

 ※ こうやって、次々と「標的」変えては、「儲け」の拡充を図るわけだ…。

 ※ 失敗すれば、「ファンドマネージャー」の首は飛び、「経営陣」の総入れ替えが図られる…。

 ※ しかし、大元で「金づる」握っている「資本提供者」は、浅い傷で済む…、という構図なわけだ…。

 ※ そういう構図を分かっているのかいないのか、「チョーチンつけてる」有象無象は、巻き込まれて「大量死」となるわけだ…。

『ヘッジファンド各社はイタリア国債の空売りの規模を、世界金融危機の後では最大の規模で積み上げている。同国の政治混乱に加え、エネルギーをロシア産天然ガスに依存する脆弱な体質が不安視されているからだ。

ドラギ政権の崩壊もイタリア国債の売り材料(7月、ローマの議会で)=AP

米S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、空売り目的でのイタリア国債の借り入れは8月、計390億ユーロ(約5兆3000億円)を超えた。2008年1月以降では最大の規模だ。

9月に前倒しの総選挙

投資家がイタリア国債の空売りを膨らませる背景の一つは、ロシアの供給制限で欧州の天然ガス価格が高騰し、イタリア経済への逆風が強まっていることだ。さらに前倒しされた総選挙が9月に迫り、政治的な緊張が高まっている。

「ガス価格の動向に最も影響を受けやすい国で、政治が困難な状況に陥っている」と指摘するのは、運用資産が約1060億ドル(約14兆5000億円)の英ヘッジファンド、ブルーベイ・アセット・マネジメントのマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)だ。ダウディング氏はデリバティブ(金融派生商品)の先物取引を通じ、10年物のイタリア国債にショート(売り持ち)ポジションを持つ。

国際通貨基金(IMF)は7月、ロシアがガス供給を停止した場合、新たな調達がなければ、イタリアを含む4カ国の国内総生産(GDP)が5%以上縮小すると予想した。

投資家はイタリアを、欧州中央銀行(ECB)の利上げと債券購入停止で最も大きな打撃を受ける国の一つだとみられている。イタリアの巨大な債券市場はECBが買い支えてきた。

前ECB総裁のドラギ氏が21年2月、首相に指名され、イタリアの政治は一時、安定した。だが、7月に同氏が辞任を表明し、挙国一致内閣の崩壊が決まると、再び不安定になった。

イタリアの次期総選挙は9月に前倒しされた。ナショナリストの野党指導者、ジョルジャ・メローニ氏が次期首相の最有力候補だとみられている。ドラギ氏は24日、総選挙を戦う各党に、イタリアの財政改革を継続するよう求めた。

欧州懐疑派を含む右派連合が躍進の観測

世論調査によれば、9月25日投票の総選挙で、右派連合の得票率は最大で50%と推定される。右派連合のなかで欧州連合(EU)に批判的な欧州懐疑派の各党は、EUから2000億ユーロの資金を得るために策定された復興計画の中身を見直し、これに伴う新たな競争法の制定のような改革も修正する構えをみせている。

ドラギ氏は「(新政権の)国内での信認は国際社会での信認と一体だ」と指摘した。

こうした不透明感の高まりに投資家が反応するなか、この数週間で、すでにイタリア国債は売られる傾向だ。10年物の利回りは年3.7%に上昇し、指標となるドイツ国債とのスプレッド(利回り差)は、年初の1.37%から2.3%に拡大した。

大手ヘッジファンドの運用担当者は、イタリアが経済状況の悪化に対して「最も脆弱な国になりそうだ」と指摘する。多くのファンドマネジャーがイタリアとドイツのスプレッドの拡大に着目し、イタリア国債の空売りが「広がっている」と説明する。

確認できた資料によると、英ヘッジファンド、CQSの創業者マイケル・ヒンツェ氏は今年、イタリア国債の空売りで利益を上げた。CQSにコメントを求めたが、回答はなかった。

イタリア国債の空売りはこれまで、大きな利益を投資家にもたらしたことがある。政治が混迷する時期が長く、発行残高が2兆3000億ユーロを超えるからだ。

18年には、当時の連立政権が債務を積み上げ、EUとの関係を弱まるとの観測が市場に流れた。ヘッジファンドは空売りを、その時点でも金融危機後で最大の規模に膨らませ、英ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントの共同創業者アラン・ハワード氏らが利益を得た。だが、金額も発行残高に対する比率も、ヘッジファンドの空売りの規模は18年の水準を上回る。今後の利回りの動向を巡る投資家の見方を映す。

新制度でも「ECBは買えない」

ECBが発表したトランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)が発動されれば利回りの上昇は抑えられると考え、空売りに慎重なファンドマネジャーもいる。TPIは、ユーロ圏の高債務国の借り入れコストがドイツをはじめとする主要国の水準を大きく上回らないようにするために導入された仕組みだ。

米ヘッジファンド、ノーベリー・パートナーズのデシオ・ナシメントCIOは「ECBとのチキンゲーム(度胸試し)のようだ」と話す。ナシメント氏はイタリア国債の空売りに手を出さない。

ブルーベイのダウディング氏は、TPIが空売りの抑止にたいして役立たないと考える。

ダウディング氏はECBが「イタリア国債を買えない」と言い切る。財政規律が欠落する国をECBが助けるというメッセージになるからだと、同氏は説明する。

By Laurence Fletcher & Nikou Asgari

(2022年8月25日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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