中国がロシアから金購入を48倍にしていた

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)8月28日(日曜日)
        通巻第7442号  <前日発行>
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 中国がロシアから金購入を48倍にしていた
  G7はロシアからの金輸入を禁止した直後からだ
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 ウクライナ戦争で、西側はロシアをSWIFTから排除した。オルガルヒの経営するアルファ銀行などは直撃を喰らった。
ロシアは悲鳴を上げる筈だった。
 ところが中国の為替システムCIPSに便乗した上、プーチンは石油ガスの代金決済をルーブル建てとしたため、本当のところ、SWIFTからの排除は十分な効果を挙げていない。

 西側の対ロ経済制裁はBRICS諸国などが非協力的であり、アジアでも日本、韓国、シンガポール以外は制裁に同調せず、ザル法に近くなった。
ロシア人で制裁された結果、財政的に致命傷を負ったのは米英、スイスなどに資産を隠匿していた新興財閥くらいだった。
4月13日の英文プラウダにおやっ? と思われる記事がでていたことを思い出した。
それは石油ガス代金の支払いをルーブル建てとした背景説明とロシア中央銀行の思惑を分析した記事で、ウクライナ侵攻直後に暴落したルーブルが、すぐに恢復した謎を解く鍵が秘められていた。

 本来なら膨大な戦費、西側の制裁によりロシア経済は悪化が避けられないだろうから通貨ルーブルは暴落するはずである。

ところが暴落せず、元のレートの恢復が早かったのは、ルーブルが金に裏打ちされた通貨に早変わりしていたからではないか、というのである。ロシア中銀はロシアルーブルをいずれ金本位体制へと移行させ、その前哨戦として金1グラムを59ドルに固定し6月30日までを試行期間とした。

 そして驚くべき事態が中露間に進行していた。

中国が前年比で50倍近い金をロシアから輸入していたのである。年初来、中国は1088万ドルを支払って、ロシアから金を購入していた。前年比48倍!
これこそカラクリの謎を解くヒントが含まれている。中国にとってルーブル建ては金の裏打ちがあり、二重のうまみがあるということになる。

 ロシアは南アの産金量をこえて、世界最大の産金国(年間300トン)だ。とはいえ含有率の悪さから再精製の必要があり、需要はそれほどでもなかった。
 あまつさえ6月26日、ドイツで開催されたG7はロシアからの金輸入禁止で合意し、バイデン政権が追加制裁でロシアからの金の輸入を正式に禁止した。制裁に加わらない中国は、このどさくさに大量の金を購入して金備蓄を急増させていたことになる。

これは何を意味するのか?

 中国が堂々とロシアを支援して石油ガスを輸入し続けており、SWIFTの隙間を狙ったCIPS(中国主導の通貨交換送金システム)の拡充が図られている。
大げさではなく中国は欧州がユーロで結束したように、人民元決済ブロックを構築し、その一方で、うまく実現するかどうかは別としても、金本位制度の復活にも備えていることになる。

 □☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□