中国がロシアから金購入を48倍にしていた

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)8月28日(日曜日)
        通巻第7442号  <前日発行>
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 中国がロシアから金購入を48倍にしていた
  G7はロシアからの金輸入を禁止した直後からだ
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 ウクライナ戦争で、西側はロシアをSWIFTから排除した。オルガルヒの経営するアルファ銀行などは直撃を喰らった。
ロシアは悲鳴を上げる筈だった。
 ところが中国の為替システムCIPSに便乗した上、プーチンは石油ガスの代金決済をルーブル建てとしたため、本当のところ、SWIFTからの排除は十分な効果を挙げていない。

 西側の対ロ経済制裁はBRICS諸国などが非協力的であり、アジアでも日本、韓国、シンガポール以外は制裁に同調せず、ザル法に近くなった。
ロシア人で制裁された結果、財政的に致命傷を負ったのは米英、スイスなどに資産を隠匿していた新興財閥くらいだった。
4月13日の英文プラウダにおやっ? と思われる記事がでていたことを思い出した。
それは石油ガス代金の支払いをルーブル建てとした背景説明とロシア中央銀行の思惑を分析した記事で、ウクライナ侵攻直後に暴落したルーブルが、すぐに恢復した謎を解く鍵が秘められていた。

 本来なら膨大な戦費、西側の制裁によりロシア経済は悪化が避けられないだろうから通貨ルーブルは暴落するはずである。

ところが暴落せず、元のレートの恢復が早かったのは、ルーブルが金に裏打ちされた通貨に早変わりしていたからではないか、というのである。ロシア中銀はロシアルーブルをいずれ金本位体制へと移行させ、その前哨戦として金1グラムを59ドルに固定し6月30日までを試行期間とした。

 そして驚くべき事態が中露間に進行していた。

中国が前年比で50倍近い金をロシアから輸入していたのである。年初来、中国は1088万ドルを支払って、ロシアから金を購入していた。前年比48倍!
これこそカラクリの謎を解くヒントが含まれている。中国にとってルーブル建ては金の裏打ちがあり、二重のうまみがあるということになる。

 ロシアは南アの産金量をこえて、世界最大の産金国(年間300トン)だ。とはいえ含有率の悪さから再精製の必要があり、需要はそれほどでもなかった。
 あまつさえ6月26日、ドイツで開催されたG7はロシアからの金輸入禁止で合意し、バイデン政権が追加制裁でロシアからの金の輸入を正式に禁止した。制裁に加わらない中国は、このどさくさに大量の金を購入して金備蓄を急増させていたことになる。

これは何を意味するのか?

 中国が堂々とロシアを支援して石油ガスを輸入し続けており、SWIFTの隙間を狙ったCIPS(中国主導の通貨交換送金システム)の拡充が図られている。
大げさではなく中国は欧州がユーロで結束したように、人民元決済ブロックを構築し、その一方で、うまく実現するかどうかは別としても、金本位制度の復活にも備えていることになる。

 □☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□   

古代ギリシア周辺の地理・気候・特徴を見てみよう

古代ギリシア周辺の地理・気候・特徴を見てみよう
https://rekisi-daisuki.com/entry/2019-08-21

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 「バルカン半島」のところでも考察したが、元来、「半島」というものは、「ランドパワー」と「シーパワー」が激突するところとなる…。

 ※ これに加えて、ユーラシアの辺縁に位置するから、いわゆる「リムランド」の代表でもある…。

 ※ さらに加えて、古代ギリシア、ビザンチン帝国、オスマン帝国…と、「支配者」「統治者」が変わっているんで、「文化」が「重層構造」となる…。

 ※ そういう、「地理と歴史の力学」が強く作用するところとなるわけだ…。

『歴史を学ぶ前に基本的な場所や風土などを学んでいきましょう。』

『Contents [hide]

ギリシアの位置を確認しよう
ギリシアの風土を見てみよう
    土地
    気候
    作物

ギリシアの位置を確認しよう

現代でも同じ国名が残っているので分かりやすいですが、地図で確認を。
古代ギリシア周辺地図

ギリシアはヨーロッパにあるバルカン半島(上の地図で言うとストライプ部分)の先の方に位置しています。薄いピンクが現在のギリシア共和国です。

古代ギリシアの場合も大体は現在のギリシアと同じと考えてもいいのですが、古代ギリシアの発展がポリスと呼ばれる都市国家単位の発展が主だったことに注意した方が良いかと思います。

アナトリア半島やアフリカ大陸にもギリシアの植民都市があり、ギリシア世界と言われた時には現在のギリシアだけでなく、そういった植民都市を含んでいたりします。統一国家が作られるのは他の地域と比べて少し遅れますので、これまで学んできた『国』とは少し感覚が違うかもしれません。

独立した都市国家を作る場合もあれば、交易目的に都市国家を作ることもありました。交易を手広く行っていたこともあってギリシア人の活動範囲は非常に広く、ギリシア沿岸は勿論地中海沿岸のイタリア半島、スペインのあるイベリア半島、黒海沿岸、北アフリカ沿岸などまで足を延ばしていたようです。

ギリシアの風土を見てみよう
土地

多くの島から成り立っています。また、現・ギリシア国土の80%が山地から成り立っていると言われており、大きな平野や大河がありません。

さらにギリシアの北方は豊かな土壌(肥沃な三日月地帯と同様のチェルノーゼルと呼ばれる土壌が広がっています)ですが、南方の土壌はやせた石灰岩質『テラロッサ(赤い土)』だと言われています。

※土壌は、土の元となる岩石などの材料に生物が作用したり遺体の腐食したりして出来上がっていきます。元の岩石の種類、土壌に作用する生物の種類、気候など多くの要素が合わさって土壌の特徴が生まれてきます。また、土の材料である岩石の粒が小さければ小さい程粘土質となるようです。

以前書いた記事でギリシアの土壌がランクBって書いた地図を紹介してるのに「何故やせた土地なの?」と疑問を持った方!一応言い訳させてください!!気にならなかった方はスルーで・・・

古代中東地図

古代オリエントの世界古代オリエント世界の地理・気候から、各地でどんな農耕・牧畜が行われていたのかを探っていきます。…

日本でメインの土壌・黒ボク土は

 チェルノーゼムと外観は同様でも、性質や生産力は全く劣った、世界でも指折りの不良土なのです。 
『これなら分かる「土と肥料」の実践講座-世界の土を知る』より

この様に評されているにも拘らずAからGの評価ではランクCに評価されています。ギリシアの土壌はランクBで上から二つ目とはいえ、ランクAのチェルノーゼルとは歴然たる差があるってことなのでしょう。

歴史から脱線してきたので土壌については一旦終えますが、この土壌の分布を見てると見事に遊牧民のいる場所がランクGに分類されてますね。覚えておいて損はないかもしれません。

気候

ケッペンの気候区分でいう地中海性気候です。
ギリシアの気温と降水量

ギリシアでは、夏は日差しが強く気温は高いが湿度の低いカラッとした過ごしやすい気候で、冬に一定の雨が降ります。

作物

夏に乾燥気味の気候とやせた土壌からできる作物は限られています。オリーブやブドウなどの果物や柑橘類の栽培です。

現在のギリシア…というかイタリアやスペインを含む地中海料理といった方が想像しやすいかもしれませんが、地中海で獲れるタコやイカ、貝、魚、魚卵などに加えて農作物として獲れたオリーブを加工したオリーブオイルを使用する料理が多いですよね?

ワインのイメージも地中海には結構あります。ちなみに、トマトは南米のペルー原産なので食べられ始めているのは18世紀以降ですから古代には食べられていません(トマト以前は酢を使用していたそうです)。ギリシアの場合は、トルコからの影響もあってヨーグルトを使用した料理も多いです。

実際にオリーブもブドウも昔から食べられていましたし、ヨーグルトを作るための牧畜もギリシアでは行われていました。

地図や土壌ランキングを見てもらうと分かりますが、マケドニアにはエーゲ海にそそぐ川と豊かな土壌がありました。ギリシア南部程山がちでもありません。

そんなわけで、 ギリシアに文明が興る前、石器時代(~3200年前頃まで)初期農業が行われ始めたころにはギリシア北方のマケドニア周辺が先進地域でした。

ですが、マケドニアで獲られる穀物量といえば大河と大きな平野のあるメソポタミアにはかないません。そこで古代のギリシア人は方針転換を決めました。ギリシア北部から南部に移行してオリーブオイルやワインを交易品として用いるようになっていったのです。

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歴史好きが高じて日本史・世界史を社会人になってから勉強し始めました。基本的には、自分たちが理解しやすいようにまとめてあります。 日本史を主に歴ぴよが、世界史は歴ぶろが担当し2人体制で運営しています。史実を調べるだけじゃなく、漫画・ゲーム・小説も楽しんでます。 いつか歴史能力検定を受けたいな。 どうぞよろしくお願いします。
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[FT]ギリシャ野党幹部の盗聴に首相関与か 情報機関暗躍

[FT]ギリシャ野党幹部の盗聴に首相関与か 情報機関暗躍
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2630T0W2A820C2000000/

『ギリシャの野党・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の党首、ニコス・アンドロウラキス氏が真相を求めている。同国の情報機関は今月、同氏の電話を盗聴していたことを認めたが、この事件にミツォタキス首相が関与したのかどうかが焦点だ。

政権発足から3年を経過したミツォタキス首相にとって盗聴スキャンダルは深刻な政治問題になりつつある=ロイター

アンドロウラキス氏はインタビューに応じ、「ギリシャ選出の欧州議員であり、当時はギリシャ第3野党の党首候補だった私への盗聴を法と憲法に違反してまで誰がどんな理由で要請したのか」と述べ、全容解明を求めた。「首相が直接の政治的責任を負っていないすれば、誰が国の情報機関の任務を管轄しているというのか」

欧州議員でもあるアンドロウラキス氏への盗聴は発足後3年を経過したミツォタキス政権にとって深刻な政治問題になりつつある。野党側は今週始まった議会での議論と質疑を通じて政権を厳しく追及し、中道右派を掲げる首相の人気を崩したい考えだ。

アテネのシンクタンク、ヘレニック財団欧州・外交政策研究所のゲオルギオス・パグラトス所長は「ミツォタキス氏は移民問題から新型コロナウイルス、トルコとの二国間関係、エネルギー危機まで、数々の深刻な危機をうまく切り抜けてきたが、今や政治的混乱に陥りかねない未曽有の危機に直面している」と語った。

「私は知らないし、許可もしていない」

全ギリシャ社会主義運動のアンドロウラキス党首は情報機関に電話を盗聴されたとして政府に訴訟を起こした=AP

ミツォタキス氏は今月行った演説の中で盗聴は違法との認識を示し、自らの関与を誤解だと否定した。「私は盗聴について知らなかったし、当然ながら許可したこともない」と述べ、「闇の勢力」が国を揺るがそうとしていると非難した。

ミツォタキス氏に近い人物は、ギリシャがロシアによるウクライナ侵攻に反対したことへの当てつけだと説明した。「この数カ月間、欧州諸国を直接・間接に揺さぶろうとする動きが相次いで見られたのも単なる偶然ではない」

アンドロウラキス氏は今年に入り欧州議員として実施した調査でも、自身の携帯電話がスパイウェア「プレデター」の標的になっていたことに気付いた。プレデターは対話アプリ「ワッツアップ」の暗号化された通信内容を盗んだり、カメラやマイクを起動して標的を監視したりできる。

ギリシャ政府はプレデターを購入も使用もしていないと否定する。一方、スパイウェアを監視するカナダの専門機関シチズンラボの分析によると、ギリシャ国家情報庁(EYP)はアンドロウラキス氏の携帯電話にプレデターを埋め込むのに失敗したのとほぼ同時期に、通信事業者を通じて同氏の電話盗聴を開始していたという。

アンドロウラキス氏は「EYPは私の電話の盗聴を始めた5日後に、私の携帯電話にプレデターを仕込もうとした。これをどう説明するのか」と語気を強めた。

フィナンシャル・タイムズ(FT)にかつて記事を寄稿していたジャーナリストのタナシス・コウカキス氏もプレデターの被害に遭ったと明かした。EYPに電話を監視されていると電子通信監視機関の電子政府推進庁(ADAE)に訴え出た後、プレデターを仕込まれたという。両氏ともギリシャ政府を相手取って訴訟を起こしている。

盗聴スキャンダルを受け、EYPの監視活動の実態を追及する動きが強まっている。ミツォタキス氏は2019年の首相就任直後にEYPを首相直属の機関とした。

19年にはミツォタキス氏がEYP長官にパナギオティス・コントレオン氏を指名したことも問題視された。民間警備会社のトップながら国の安全保障に携わった経験に乏しかったためだ。同氏の新長官就任は就任資格に関する法律改正を経て議会承認されたものの、盗聴事件の発覚を受けて今月辞任した。

ミツォタキス氏の甥(おい)で、EYPを政治的に監督する立場にあった首席首相秘書官のグリゴリス・ディミトリアディス氏も辞任した。同氏は不正行為や盗聴への関与を否定している。
合法的な監視命令が年々増加
19年、ミツォタキス首相から情報機関EYPの長官に指名されたコントレオン氏は盗聴事件の発覚を受けて辞任した=AP

ADAEのデータによると、EYPによる合法的な監視命令は年々増えている。2021年は1万5000件に達し、ミツォタキス氏の首相就任前の18年の水準を30%超上回った。

もっとも、夏季五輪を開催したギリシャがテロリストの攻撃目標になると見られていた04年でさえ監視命令は500件未満にとどまっていた。

監視命令が急増したのは18年からだ。当時政権に就いていた急進左派連合(SYRIZA)が、監視命令の承認に必要な検察官を2人から1人に減らしたためで、これを機に監視手続きの独立性と正当性が損なわれたと批判する声もある。

1999年から2005年にかけてEYP長官を務めたパブロス・アポストリディス氏は、監視命令の多さに驚きの声を上げた。「毎年急増してきたのは正当化できない」

英マンチェスター大学のディミトリス・パパディミトリウ教授(政治科学)は、盗聴スキャンダルは「経済的・社会的課題に対してリベラルな立場を取るミツォタキス氏が何年もかけて慎重に築いてきた政治家としてのイメージを傷つけかねない」との見方を示した。
政府は必要以上に監視が強化されているとの見方を否定する。ゲラペトリティス内閣府担当大臣は、監視対象者が複数の電話を所有しているケースもあれば、1つの電話番号に複数の監視発令が繰り返し出される場合もあると釈明した。

これまで情報機関がある人物を監視下に置いた場合や、その人物が国の安全保障の脅威ではなくなったと判断した場合には、ADAEがその事実を認定しなければならなかった。だが、ジャーナリストのコウカキス氏が昨年、訴訟を起こしてからは法が改正され、ADAEによる認定は不要になった。

ADAEトップは憲法や欧州連合(EU)の基本権憲章に反する可能性があるとして法改正に反対したが、施行された。

ゲラペトリティス氏はギリシャがトルコとの関係悪化や相次ぐスパイ事件などで「重圧を受けている」と述べ、法改正を正当化した。さらに、欧州では安全保障上の理由で監視対象とする人物の氏名を公表しない国も多いと付け加えた。

ミツォタキス首相が新たにEYP長官に指名した人物は今週、野党全員が投票を棄権した議会委員会で承認された。ミツォタキス氏は今後、盗聴事件の調査範囲を拡大し、前政権下での監視活動も対象に加えるとみられている。

EYP長官を務めたアポストリディス氏はEYPの監視をめぐる議論によって「彼らの任務を妨げるのではなく、改善につなげることが重要だ」と強調した。

By Eleni Varvitsioti

(2022年8月25日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

[FT]ヘッジファンドがイタリア債空売り 欧州懐疑台頭で

[FT]ヘッジファンドがイタリア債空売り 欧州懐疑台頭で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB263OF0W2A820C2000000/

 ※ 「日本円」の次は、イタリア国債か…。

 ※ こうやって、次々と「標的」変えては、「儲け」の拡充を図るわけだ…。

 ※ 失敗すれば、「ファンドマネージャー」の首は飛び、「経営陣」の総入れ替えが図られる…。

 ※ しかし、大元で「金づる」握っている「資本提供者」は、浅い傷で済む…、という構図なわけだ…。

 ※ そういう構図を分かっているのかいないのか、「チョーチンつけてる」有象無象は、巻き込まれて「大量死」となるわけだ…。

『ヘッジファンド各社はイタリア国債の空売りの規模を、世界金融危機の後では最大の規模で積み上げている。同国の政治混乱に加え、エネルギーをロシア産天然ガスに依存する脆弱な体質が不安視されているからだ。

ドラギ政権の崩壊もイタリア国債の売り材料(7月、ローマの議会で)=AP

米S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、空売り目的でのイタリア国債の借り入れは8月、計390億ユーロ(約5兆3000億円)を超えた。2008年1月以降では最大の規模だ。

9月に前倒しの総選挙

投資家がイタリア国債の空売りを膨らませる背景の一つは、ロシアの供給制限で欧州の天然ガス価格が高騰し、イタリア経済への逆風が強まっていることだ。さらに前倒しされた総選挙が9月に迫り、政治的な緊張が高まっている。

「ガス価格の動向に最も影響を受けやすい国で、政治が困難な状況に陥っている」と指摘するのは、運用資産が約1060億ドル(約14兆5000億円)の英ヘッジファンド、ブルーベイ・アセット・マネジメントのマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)だ。ダウディング氏はデリバティブ(金融派生商品)の先物取引を通じ、10年物のイタリア国債にショート(売り持ち)ポジションを持つ。

国際通貨基金(IMF)は7月、ロシアがガス供給を停止した場合、新たな調達がなければ、イタリアを含む4カ国の国内総生産(GDP)が5%以上縮小すると予想した。

投資家はイタリアを、欧州中央銀行(ECB)の利上げと債券購入停止で最も大きな打撃を受ける国の一つだとみられている。イタリアの巨大な債券市場はECBが買い支えてきた。

前ECB総裁のドラギ氏が21年2月、首相に指名され、イタリアの政治は一時、安定した。だが、7月に同氏が辞任を表明し、挙国一致内閣の崩壊が決まると、再び不安定になった。

イタリアの次期総選挙は9月に前倒しされた。ナショナリストの野党指導者、ジョルジャ・メローニ氏が次期首相の最有力候補だとみられている。ドラギ氏は24日、総選挙を戦う各党に、イタリアの財政改革を継続するよう求めた。

欧州懐疑派を含む右派連合が躍進の観測

世論調査によれば、9月25日投票の総選挙で、右派連合の得票率は最大で50%と推定される。右派連合のなかで欧州連合(EU)に批判的な欧州懐疑派の各党は、EUから2000億ユーロの資金を得るために策定された復興計画の中身を見直し、これに伴う新たな競争法の制定のような改革も修正する構えをみせている。

ドラギ氏は「(新政権の)国内での信認は国際社会での信認と一体だ」と指摘した。

こうした不透明感の高まりに投資家が反応するなか、この数週間で、すでにイタリア国債は売られる傾向だ。10年物の利回りは年3.7%に上昇し、指標となるドイツ国債とのスプレッド(利回り差)は、年初の1.37%から2.3%に拡大した。

大手ヘッジファンドの運用担当者は、イタリアが経済状況の悪化に対して「最も脆弱な国になりそうだ」と指摘する。多くのファンドマネジャーがイタリアとドイツのスプレッドの拡大に着目し、イタリア国債の空売りが「広がっている」と説明する。

確認できた資料によると、英ヘッジファンド、CQSの創業者マイケル・ヒンツェ氏は今年、イタリア国債の空売りで利益を上げた。CQSにコメントを求めたが、回答はなかった。

イタリア国債の空売りはこれまで、大きな利益を投資家にもたらしたことがある。政治が混迷する時期が長く、発行残高が2兆3000億ユーロを超えるからだ。

18年には、当時の連立政権が債務を積み上げ、EUとの関係を弱まるとの観測が市場に流れた。ヘッジファンドは空売りを、その時点でも金融危機後で最大の規模に膨らませ、英ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントの共同創業者アラン・ハワード氏らが利益を得た。だが、金額も発行残高に対する比率も、ヘッジファンドの空売りの規模は18年の水準を上回る。今後の利回りの動向を巡る投資家の見方を映す。

新制度でも「ECBは買えない」

ECBが発表したトランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)が発動されれば利回りの上昇は抑えられると考え、空売りに慎重なファンドマネジャーもいる。TPIは、ユーロ圏の高債務国の借り入れコストがドイツをはじめとする主要国の水準を大きく上回らないようにするために導入された仕組みだ。

米ヘッジファンド、ノーベリー・パートナーズのデシオ・ナシメントCIOは「ECBとのチキンゲーム(度胸試し)のようだ」と話す。ナシメント氏はイタリア国債の空売りに手を出さない。

ブルーベイのダウディング氏は、TPIが空売りの抑止にたいして役立たないと考える。

ダウディング氏はECBが「イタリア国債を買えない」と言い切る。財政規律が欠落する国をECBが助けるというメッセージになるからだと、同氏は説明する。

By Laurence Fletcher & Nikou Asgari

(2022年8月25日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

ベラルーシの爆撃機、核兵器の搭載可能に

ベラルーシの爆撃機、核兵器の搭載可能に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB26D5I0W2A820C2000000/

『ベラルーシのルカシェンコ大統領は26日、同国軍が保有するスホイ24戦闘爆撃機が、改造作業を受けて核兵器の搭載が可能になったと明らかにした。インタファクス通信などが伝えた。

ルカシェンコ氏は、欧米がベラルーシへの挑発行為を行えば「核兵器を持つ連合国家との関係を緊張させることになる」と述べ、国家統合を進めているロシアの「核の傘」を強調してけん制した。戦闘爆撃機の改造は直ちにベラルーシ領内への核兵器配置を意味するものではないとみられる。

ベラルーシはウクライナに侵攻したロシアを支持し、欧米の制裁を受けている。プーチン大統領は今年6月、ルカシェンコ氏との会談で、ベラルーシに核弾頭搭載可能な戦術ミサイルシステム「イスカンデルM」を供与するほか、ベラルーシ軍機への改造も実施すると述べていた。(共同)』

元KGB諜報員が明かす内幕 プーチン政権の底流映す世界の話題書「L’ECLAIREUR」

元KGB諜報員が明かす内幕 プーチン政権の底流映す
世界の話題書「L’ECLAIREUR」 パリ発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2008J0Q2A820C2000000/

『「我々と仕事をしてほしいと思っている」。旧ソ連のエリート校、モスクワ国際関係大学の大学生だったセルゲイ・ジルノフ氏に国家保安委員会(KGB)から声がかかった。成績優秀、特に英語、フランス語がずばぬけて得意だったジルノフ氏は才能を見込まれて勧誘され、想像もしなかった諜報員(ちょうほういん)としての人生を歩み出す。与えられた任務はフランスの情報を盗み出すことだった。

元KGB職員のジルノフ氏と元仏軍人のジャンリュック・リバ氏による共著「偵察者(L’ECLAIREUR)」は旧ソ連がどのように諜報員を国外に送り込んでいたかを明らかにするノンフィクション作品だ。3月に発売され、ウクライナ危機でロシアへの警戒感が高まったことも重なって話題作となっている。

ジルノフ氏が旧ソ連政府の目にとまったのは同氏が12歳の時だ。ある英語のコンテストで優勝したことがきっかけで、本人の知らないところでKGBのデータベースに登録された。旧ソ連は国を挙げて才能ある若者を探し、諜報員として育て上げる体制を持っていたのだ。

「帝国主義者」「ブルジョワのプロパガンダ」――。冷戦下で旧ソ連がいかに欧米を敵視し、国民に同じ考えを強いていたかも垣間見える。ジルノフ氏の周囲の人物は欧米諸国や思想について、こんな表現を使って軽蔑する姿勢をみせてきた。当時は欧米からの人の移動や文化の流入にも制限がかかっていた。

本書が話題となったのは、こうした記述から現在のロシアのプーチン政権が欧米諸国をどうとらえているかを理解することにもつながるからだろう。フランスのマクロン大統領はロシアとの対話を模索してきたが、プーチン氏にとって「西側」はどこまでいっても敵国で、国威を維持拡大するのに障害となり得る存在なのだ。ウクライナ侵攻でその傾向は加速しているようにみえる。

ところでジルノフ氏はプーチン氏とも面識があり、KGBに勤務していたプーチン氏が大学生だったジルノフ氏に西側のスパイ嫌疑をかけ、尋問する場面もある。KGBのルールに反して敬語を使わず尋問を始めたプーチン氏に対し「敬語で話してください」とジルノフ氏がやり返す興味深いやりとりなどが収められている。通常では知ることができないこうした旧ソ連内部の動きが詳細に書き込まれているのも本書の魅力だ。

(白石透冴)

【世界の話題書】

・中国を助けて誰が得をしたか 米中関係に一石投じた本
・「それでも生きていく」 翻弄される庶民描く中国小説
・ウクライナ史の解説書 翻弄された「欧州の国家」 』

インフレ抑制「やり遂げるまで」 FRB議長、利上げ継続

インフレ抑制「やり遂げるまで」 FRB議長、利上げ継続
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26CLI0W2A820C2000000/

『【ジャクソンホール(米ワイオミング州)=高見浩輔、斉藤雄太】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は26日、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、高インフレの抑制について「やり遂げるまでやり続けなければならない」と利上げ継続を表明した。来年の利下げ転換を織り込み出した市場の動きを念頭に「歴史は時期尚早な金融緩和を強く戒めている」とけん制した。

【関連記事】

・タカ派発言、市場揺らす FRB議長「景気より物価」鮮明
・NYダウ、1008ドル安 FRB議長講演受けリスク回避

9月20~21日に予定されている次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定については「新たに入ってくるデータや経済見通しを総合的に判断する」と明言を避けた。政策金利は景気を熱しも冷やしもしない中立金利に達したが、「ここで(利上げを)止めることはない」と改めて言及した。

講演の直前に米商務省が発表した7月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比6.3%上昇した。ガソリン価格の下落などで約40年半ぶりの大きさだった6月の6.8%から縮小した。パウエル氏は「1カ月の改善ではインフレ率が低下していると確信するにはほど遠い」と指摘。7月会合後の記者会見で「異例の大幅な引き上げが適切になる可能性がある」と発言した経緯に触れ、0.75%の大幅利上げが続く可能性を排除しない姿勢を改めて示した。

一方で「金融政策がさらに引き締まるにつれて、ある時点で利上げペースを緩めることが適切となる可能性がある」としていた発言も踏襲した。「物価の安定を回復するには引き締め的な政策姿勢をしばらく維持する必要がありそうだ」とも述べた。

利上げは「家計や企業の痛み」をもたらすと言及した一方、市場で浮上している米景気の後退懸念には言及しなかった。7月会合の議事要旨では参加者から金融引き締めが過度に景気を冷やすリスクについて懸念が出ているが、パウエル氏は「価格の安定がなければ、経済は誰のためにも機能しない」と明言した。

歴史の教訓として例示したのが、早期の金融緩和で高いインフレの長期化を招いた1970年代だ。「現在の高インフレが長引けば長引くほど、高い物価上昇率が続くという予想が定着する可能性が高くなる」と懸念を示し、まずはインフレ抑制を優先する決意を強調した。

講演を受けマーケットでは警戒が広がった。

米株式市場では26日、ダウ工業株30種平均が前日比1008ドル(3%)安の3万2283ドルで取引を終えた。パウエル氏がインフレ抑制を最優先に利上げを続ける方針を改めて強調したことで、金融引き締めの長期化観測が強まり、米景気が一段と悪化するとの見方から幅広い銘柄に売りが広がった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落し、前日比497・555ポイント安の1万2141・710(速報値)で終えた。

債券市場では米長期金利が3%台と高止まりした状態が続く。指標となる10年物国債の利回りは約3.03%で、前週末と比べて0.04ポイント高い。2年債の利回りは同0.11ポイント上昇の3.38%台となった。短期の利回りが長期を上回る「逆イールド」の状態が続き、景気後退への懸念を強めている。

米ブライトン証券のジョージ・コンボイ会長は「金利上昇による住宅市場の冷え込みが耐久消費財の購入控えにつながるなど、家計支出の減速につながる」として、景気の先行きを不安視する。米証券ミラー・タバックの株式ストラテジスト、マシュー・マリー氏は「9月のFOMCに向けて相場は荒れるだろう」とみる。

外国為替市場では、「安全通貨」とされるドル買いが進んだ。26日のニューヨーク市場では主要通貨に対するドルの強さを示す米インターコンチネンタル取引所(ICE)算出の「ドル指数」が一時108台をつけた。前日より0.4ポイントほど上昇。8月に入って約3%上昇している。

米金利先物市場に織り込まれた政策金利の見通しを示す「フェドウオッチ」によると、次回9月のFOMCで0.75%の利上げを見込む割合は26日時点で約60%となり、1週間で13ポイント上昇した。

【関連記事】FRB議長が講演へ 市場、インフレ退治の強硬姿勢見極め

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多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

議長の講演を拝聴した。2%の低い安定したインフレに戻すために、利上げを遅らせずに強い決意ですべき仕事をやり遂げるまで続けると何度も強調したのが印象的だった。次回会合以降の利上げは、今後のデータと見通しに依存すると前置きしたうえで、「しばらく引き締めを続けていくうちに利上げベースを減速させることが適切になる時期がくるだろう」と指摘したため、今後もしばらく大き目の利上げが必要になる可能性を示唆した。タカ派的発言だった。1970年代と80年代初めの大インフレの時代を振り返り、需要を緩慢にし雇用に打撃をもたらしても経済を減速させインフレを抑制させるのが最良の道だとのメッセージは十分伝わったと思います。
2022年8月26日 23:49
滝田洋一のアバター
滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

「仕事をやり遂げるまで続ける(keep at it until the job is done)」。パウエル議長はジャクソンホール講演で歴史に残る名文句を残しました。この言い回しは、ユーロ危機を前にしたドラギ前ECB議長の名文句を想起させます。ユーロを守るためなら「何でもする(whatever it takes)」。
パウエル議長の場合、仕事とはFRBに与えられた、物価安定と雇用最大化という2つの使命のうち前者、つまりインフレの抑制です。何だかんだいっても景気に配慮して適当なところで利下げに転じる――そんな米国株市場の楽観にはジャクソンホールの冷水が。信認危機に対抗した議長のショック療法です。
2022年8月27日 8:02 (2022年8月27日
8:19更新) 』

NY ダウ平均株価 1000ドル超大幅下落 パウエル議長講演で

NY ダウ平均株価 1000ドル超大幅下落 パウエル議長講演で
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220827/k10013789991000.html

『26日のニューヨーク株式市場はFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長の講演を受けて金融の引き締めが長期間継続し、景気が冷え込むことへの警戒から売り注文が膨らみ、ダウ平均株価は1000ドルを超える急落となりました。

26日のニューヨーク株式市場はアメリカで開かれているシンポジウム「ジャクソンホール会議」でFRBのパウエル議長が行った講演で、利上げを継続する姿勢を鮮明にしたことで、金融の引き締めが長期間継続し、景気が冷え込むことへの警戒感が広がりました。

このため、幅広い銘柄で売り注文が膨らみ、ダウ平均株価の終値は前日に比べて1008ドル38セント安い、3万2283ドル40セントと急落しました。

ダウ平均株価の下落幅が終値で1000ドルを超えるのはことし5月18日以来、およそ3か月ぶりです。

IT関連銘柄の多いナスダックの株価指数も3.9%の急落となりました。

市場関係者は「市場ではインフレが早期に収束すればFRBが景気に配慮して政策を転換し、金融緩和に動くという楽観的な見方が出ていたが、議長の発言を受けてインフレの長期化と金融引き締めの継続が意識され投資家の間でリスクを避ける姿勢が強まった」と話していて、注目された議長の講演が金融市場の動揺につながりました。』

NPT再検討会議 ロシアの反対で「最終文書」採択できず

NPT再検討会議 ロシアの反対で「最終文書」採択できず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220827/k10013790091000.html

『世界の核軍縮の方向性を協議するNPT=核拡散防止条約の再検討会議は最終日の会合が開かれましたが、ウクライナ情勢をめぐる対立が解けず、「最終文書」の草案にロシアが反対したことから、文書は採択されませんでした。

再検討会議が前回7年前に続いて合意に至らなかったことで、世界の核軍縮がさらに停滞するのは避けられない事態となりました。

4週間にわたってニューヨークの国連本部で開かれていたNPTの再検討会議は26日午後、日本時間の27日午前8時半ごろから最後の全体会合が開かれました。

この中でスラウビネン議長は合意を目指してきた「最終文書」について「残念ながらただ1つの国が異議を唱えている」と述べ、続いてロシアの代表が発言を求め「文書は各国の立場を反映しバランスが取れていなければならない。残念ながらこの文書はそうなっていない」と述べ、合意できないという姿勢を示しました。

この結果、全会一致での合意には至らず、「最終文書」は採択されませんでした。

最大の争点となってきたのは、ロシア軍が掌握し砲撃が相次いでいるウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所をめぐる扱いで、ロシアとウクライナやヨーロッパの一部の国の間で対立が続いてきました。

前日に議長が示した「最終文書」の草案は、原発周辺での軍事活動に重大な懸念を示しながらも、ロシアを名指しで非難せず「ウクライナ当局による管理の重要性を確認する」という表現にとどめられましたが、ロシアはなお難色を示していました。

今回の再検討会議はウクライナ情勢の影響を受け終始議論が紛糾し、前回7年前に続いて最終文書を採択できなかったことでNPT体制への信頼が揺らぎ、世界の核軍縮がさらに停滞するのは避けられない事態となりました。

ロシア代表「採択には応じられない」

ニューヨークの国連本部で開かれているNPT=核拡散防止条約の再検討会議で26日、最後の全体会合が開かれ、ロシアの代表は最終文書の草案について「文書は各国の立場を反映しバランスが取れていなければならない。残念ながらこの文書はそうなっていない」と述べ、異議を唱えました。

その上で「いくつかの項目を変更する必要がある。もし希望があれば、われわれは時間をかけて合意に向けて対応する。しかし、それを望まないのであれば、この草案の採択には応じられない」と述べ、合意できない姿勢を示しました。』

国策でEVを推進した中国の夏

国策でEVを推進した中国の夏 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29514389.html

『中国は、工業化に力を入れて富国強兵を推進した結果、他の国がたどってきたような順当な社会の発展ではなく、テクノロジー・ジャンプという発展の仕方をしました。判りやすく単純化して言うと、昔の中国の映像でみた人々が自転車で、広い道いっぱいに通勤する様子から、今のEV車が走り回る社会に変化し、現金決済から、スマホによる電子決済が当たり前になったわけです。実際、中国の都市部では、財布を持ち歩く必要が無いくらい、電子決済が進んでいます。

未だに現金決済が一般的な日本と較べて、進んでいると言えるわけですが、EVも電子決済も、常に電気の供給が途切れないのが前提で成り立つシステムです。それが担保されていれば、便利ですが、停電すると、一気に麻痺してしまいます。EVは充電スタンドから使用不能になり、広域停電なら家庭のコンセントからも充電できません。電子決済は、まったく役立たずになってしまいます。

中国は、国策としてEVの推進を進めました。その理由は、ガソリン内燃機関の車では、国際競争に勝つ事ができないからです。中国で自動車を作っている会社はありますが、殆どが外資との合弁会社であり、技術供与を受けている上、多くの場合エンジンは、まるごと提供を受けています。つまり、自身で設計して作る事のできない部品です。初期の燃費や排ガス基準を考えずに、動けば良いだけのエンジンなら作る事は可能でしょうが、特に自家用車での競争に耐えうる水準のエンジンは、数える程の国でしか製造できません。

その為、世界的に地球環境問題で、ガソリン車からEVへの転換が起きているのを機会にして、ガソリン車で追いつく手を捨てて、EVで世界の市場を取る道を選んだのです。その為には、EVで市場を埋め尽くして、まず自国の市場からガソリン車を締め出す必要がありました。自動車の一大消費国である中国で、EVのシェアが伸びて、ガソリン車が廃れれば、世界市場に影響が出ますし、すでにヨーロッパは、全てEVに転換する事を宣言しています。

しかし、ここのところのエネルギー問題や、異常気象で、そもそもの命綱である電気の供給が頻繁に止まるという問題が噴出しています。20年くらい前にも、中国の停電問題というのは、注目されたのですが、これは単純に発電所の数が、急激な社会発展による需要の増加に間に合わずに起きた事で、不便はあるものの、経済発展を示す喜ばしい兆候でした。

今回の停電は、日照りの渇水による水力発電所の出力低下、石炭・天然ガスの不足による火力発電所の出力低下による、広範囲に及ぶ停電が原因です。つまり、建造済みのインフラを稼働する事ができない事で停電になっています。中国は誘致に影響が出るので、外資の工場だけは、電気を止めないという政策を取っているのですが、無い袖は振れぬで、今回の停電では、中国のトヨタの工場も停電しています。

また、電子決済が不可能になったり、EVの充電が不可能になったり、地味に恐ろしいのが、高層ビルのエレベーターが止まる事です。仕事をしにオフィスに行くのに、階段で何十回も昇る事になります。そして、ビルは全館空調ですから、建物内全ての空調が止まります。そもそも、ビルの窓は開ける事ができず、換気もできないので、記録的な猛暑が続く中で仕事をする事になります。そもそも、電気が供給されていないと、仕事ができるかも怪しいです。

今年の中国は、全国的な干ばつで、国内最大の淡水湖である鄱陽湖は、水量が33%にまで低下し、湖底が露出して、草がはえて、草原のようになっています。また、本来ならボートで渡る、湖に浮かぶ島に建設された寺へ歩いて渡れます。最大の河川のある長江も、水量の低下で川底が露出しており、川を利用して行っている水運が、水深の低下で甚大な被害を受けています。長江は川と言っても、日本のスケールでは無い、大陸の川なので、海を航行するような大型船も普通に通っています。なので、内陸のど真ん中に大きな港があります。それが、水深が足らない為に機能が制限されています。

内燃機関を止めて電気にしようと、まるで、それが正義であるかのように、環境保護団体が世界中で暴れていますが、電気が止まった時に、社会がどうなるか、ちゃんと考えてモノを言っているのでしょうか。その電気を作るエネルギーは、結局、貧しい産油国から、札束で頬を叩いて、買い集めてきたものでしょう。そして、買い占めた側は、最後まで困らないかも知れませんが、値段が高騰しすぎて、入札にも参加できない発展途上国は、毎日のように停電するわけです。そんな国が石炭火力発電所を作ろうとすると、まるで大罪を犯す罪人のように口汚く罵る。まともな議論が成り立っていません。

いくらCO2排出が比較的少ない天然ガス火力発電所でも、EVの普及で爆増する電気需要を賄おうとするなら、ガンガン発電所を建設して、大量にガスを燃やす事になります。この状態で、原子力発電所も止めようとか言っているのですから、頭が狂っているとしか思えません。確かに、目の前で排気ガスが出るのを見る事は無いでしょうが、僻地に建てられた発電所からは、今までの何倍ものCO2が排出される事になります。

電気が止まった時、社会生活が根こそぎ破壊されないか考える時期に入っています。何がなんでも、電化で丸投げして良い時代が、自ら課した数々の制限の中で、持続可能なのか考えるべきだと思います。そうしないと、エネルギーを確保する為に戦争を起こす国が、必ず出てきます。』

ニュークリア・シェアリング

ニュークリア・シェアリング
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

『ニュークリア・シェアリング(英語:Nuclear Sharing)または核共有とは、NATOの核抑止政策における概念で、NATOによる核兵器使用のために、自国の核兵器を持たない加盟国が計画的に関与することである。特に、核兵器が使用される場合、その国の軍隊が核兵器の運搬に関与することを定めている。

ニュークリア・シェアリングの一環として、参加国は核兵器政策に関する協議と共通の決定を行い、核兵器使用に必要な技術設備(特に核搭載航空機)を維持し、核兵器を自国の領土に保管する。戦争になった場合、アメリカはNATOの同盟国に対し、NPTの規制から逸脱してしまうことを伝えている[1]。 』

『NATO

NATOの核保有3ヶ国(アメリカ、フランス、イギリス)のうち、ニュークリア・シェアリングのために兵器を提供したことが知られているのはアメリカのみである。2009年11月現在、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコがNATOのニュークリア・シェアリング政策の一環としてアメリカの核兵器を受け入れている[2] [3]。カナダは1984年まで、ギリシャは2001年まで、NATOではなく北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の管理下にあった兵器を受け入れていた[4] [5] [6]。イギリスも核兵器国でありながら、1992年までアメリカの核砲弾兵器やランスミサイルなどの戦術核兵器を受け取り、主にドイツに配備していた。

平時には、非核保有国に保管されている核兵器はアメリカ空軍の要員が警備しており、以前は一部の核砲弾・ミサイルシステムがアメリカ陸軍の要員によって警備されていた。武装に必要なパーミッシブアクションリンクコードは今もアメリカの管理下にある。戦争になれば、参加国の軍用機に搭載されることになっている。この兵器は、NATOの主要作戦基地に併設されたアメリカ空軍軍需支援飛行隊の管理下にあり、ホスト国軍と連携している[7]。
オランダ空軍のF-16が運搬する兵器を保管するための、ボルケル基地の米軍核兵器保管システム

2021年時点で、ニュークリア・シェアリング協定に基づき、100個の戦術核B61が欧州に配備されているとみられている[8]。兵器は、アメリカ空軍のWS3兵器保管・セキュリティシステムを使用し、地下サイロにある航空機シェルター内の保管庫内に保管されている。使用される運搬用戦闘機はF-16とパナビアトルネードである[9]。
1982年、核武装空対空ミサイル「AIR-2 ジニー」の不活性版を発射するNORAD所属のカナダCF-101B

歴史的に見ると、核兵器運搬システムの共有は爆弾に限られたものではない。ギリシャはナイキ・ヘラクレス・ミサイルとA-7コルセアII攻撃機を使用した。カナダは、ボマーク核武装対空ミサイル、オネスト・ジョン地対地ミサイル、AIR-2 ジニー核武装空対空ロケット、CF-104戦闘機用戦術核爆弾を持っていた[10]。PGM-19 ジュピター中距離弾道ミサイルは、イタリア空軍の部隊とトルコの部隊に弾頭を可能にするアメリカのデュアルキーシステムで共有された[11]。PGM-17 ソー中距離弾道ミサイルは、イギリス空軍の乗組員とともにイギリスに前方展開された[12] [13]。核共有の延長線上にあるNATO多国籍軍は、加盟国のNATO水上艦にUGM-27 ポラリスミサイルを装備する計画だったが、結局イギリスがポラリスミサイルを購入して自国の弾頭を使用し、NATO水上艦装備計画は放棄された[14]。ソ連崩壊後、NATO内で共有される核兵器の種類は、DCA(Dual-Capable Aircraf)が配備する戦術核爆弾に縮小された[15]。報道によると、NATOの東欧加盟国は、共有核爆弾の欧州からの撤退が、ロシアから欧州を守るアメリカのコミットメントの弱まりを示すと懸念し、抵抗している[16]。

イタリアでは、ゲディ空軍基地とアヴィアーノ空軍基地にB61核爆弾が保管されている。元大統領のフランチェスコ・コッシガによると、冷戦時代のイタリアの報復計画は、ソ連がNATOに核戦争を仕掛けた場合に備え、チェコスロバキアやハンガリーを核兵器の標的にすることだった[17] [18]。彼はアメリカ軍の核兵器がイタリアにあることを認め、仏英の核兵器がある可能性も推測した[19]。

ドイツの核基地は、ルクセンブルクとの国境に近いビューヒェル空軍基地のみである。同基地には核兵器貯蔵用のWS3保管庫を備えたPAS(防護航空機格納庫)が11基あり、それぞれ最大44個のB61核爆弾を収容できる。JaBoG33飛行隊のドイツ軍PA-200トルネードIDS爆撃機による運搬のために、基地には20個のB61核爆弾が保管されている。2024年までにドイツのトルネードIDSは退役する予定であり、ドイツがニュークリア・シェアリングの役割を果たすとすれば、どのようなものかは不明である[20] [21]。2013年6月10日、元オランダ首相のルード・ルバースは、フォルケル航空基地に22個の共有核爆弾が存在することを確認した[22]。これは2019年6月、NATO議会への公開報告書案がフォルケルのほか、ドイツ、イタリア、ベルギー、トルコのアメリカの核兵器の存在に不用意に言及していることが発覚し、再び確認された。2019年7月11日には、兵器の設置場所に言及しない新バージョンの報告書が発表された[23]。

2017年、アメリカとトルコの関係がますます不安定になっていることから、トルコのインジルリク空軍基地にアメリカの管理下で保管されている50個の戦術核兵器の撤去を検討することが提案された[24] [25] [26] [27] [28] [29] [30]。トルコにおけるアメリカの核兵器の存在は、2019年10月、トルコ軍をきっかけとした両国関係の悪化に伴い、世間の注目を高めた[31] [32] [33] [34] [35]。

歴史

2005年までに480基の核兵器がヨーロッパに展開していたと思われる。また180発のB61戦術核爆弾が、ニュークリア・シェアリングのために提供されたといわれる。

これらの核兵器は、アメリカ空軍が採用している航空機用掩蔽シェルター(WS3システム USAF WS3 Weapon Storage and Security System)の中に備蓄されていた。また投下に用いられる軍用機として当初はF-104Gのような高速戦闘機が、後にはマルチロール化したF-16とパナビア・トーネードが採用されていた。

シェアされた核兵器は爆弾に限定された訳では無い。例えばギリシャはナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイルとA-7攻撃機を保有し、カナダは対空核ミサイル・MGR-1地対地核ロケット弾・AIR-2空対空核ロケット・CF-104戦闘機・CF-104用戦術核兵器を保有していた。また西ドイツもMGM-31パーシングII短距離弾道ミサイルを装備していた。またソ連崩壊以後NATOで共有されていた核兵器は削減されており、現在では旧式化した戦術核爆弾だけが残っている。

ドイツ国内唯一の核基地がルクセンブルク近郊にあるブューヒェル(Büchel)に存在する。基地内にはWS3で装備された11個の航空機用掩蔽シェルターがあり、核兵器備蓄用に使われている(最大備蓄数は44発)20発のB61核爆弾が備蓄され、ドイツ空軍のトーネードIDSを装備する第33戦闘爆撃戦航空団(第33戦術空軍戦隊)が投下任務に当たっている。

NPTをめぐる考察

非加盟国とNATO内の批判として、NATOのニュークリアシェアリングは「核保有国」と「非核保有国」相互での核兵器の直接・間接的な移転及び受け入れの双方を禁じている核拡散防止条約(NPT)第1条と第2条に違反しているとする見解がある(ちなみにNATO加盟国のうちドイツとイタリアが非核保有国である)。これに対してアメリカ政府は、以下のような解釈を取っている。

核爆弾及び核コントロールの移転は許されない
ただし許されないのは戦争勃発の時点までであり、戦時にはNPT条約の規制は及ばない
したがって、NPTに違反はしない

しかしながら、核兵器を「保有していない」NATO各国のパイロット及び人員はアメリカの核爆弾を投下するために配備されており、技術的な核兵器に関する情報の移転が含まれている。仮にアメリカ側の主張が法的に正しいものとしても、平時におけるそのような作戦は、NPTの精神と目的に反するように思われるとする議論がある。実質的に核戦争の為の準備が非核保有国によって行われていると主張している。

NPT条約の交渉中にNATOのニュークリア・シェアリング合意は秘密事項であった。これらの議論はいくつかの国々には開示され、ソ連も含まれていた。開示された国との間ではNATOの合意が違反ではない扱いを受けることが交渉されていたが、1968年に締結されたNPTに署名したほとんどの国々が、その時点では合意の存在とその解釈を知る事は無かった。
日本の核共有論とアメリカによる核配備構想

日本では旧陸軍で参謀本部作戦課長を務め、戦後は自衛隊の創設にも関与した服部卓四郎元大佐が「小型核兵器」の保有を提唱していた。服部は「防衛という見地からいいますと、小さくても大きくても原爆を持たないような国は防衛にならない」「原爆を持たなければ、国家はある程度の地位を保てない」と指摘し、武力戦を抜きにしても原爆を持つべきだと主張していた。服部はその小型核兵器について、「射程200マイル以内という制限がついている」「日本が仮に小型核兵器を持ったとした場合でも、使う、使わないは全部アメリカが握っている。アメリカとしてもこれを独断でやられて、戦争を拡大するのはこわいから、大親分としては自分の子分が使うことは極力抑える。その点日本が持つ場合でも、まずそういう状態で持つ以外方法がない」としており、小型核兵器は日本の自主開発ではなくアメリカから提供を受けることを想定していた[36]。服部は朝雲新聞社の雑誌『国防』でも「戦術的核装備採用の提唱」との論文を寄稿しており、「戦力と総国力のバランスが必要な現代の戦争形態となれば、米ソの二大超大国が有利である。その間で日本が防衛力を保つには、小粒ながら十分な能力を発揮できる兵器として戦術的核装備が必要」だとしていた[37]。

1958年2月17日付のアメリカ統合参謀本部文書によると、1957年9月24日から28日にかけてキャンプ・ドレイク(現・朝霞駐屯地)で実施された日米共同図上演習「フジ」において自衛隊とアメリカ軍は核兵器の使用を想定しており、演習では自衛隊幹部からアメリカ軍に対して、1.自衛隊に核兵器を貸与する考えはないか、2.日本が核武装を決めた場合、アメリカは支援するか、などの質問がなされた。これに対してアメリカ統合参謀本部は「核兵器に関する支援の提供は日本の要望と能力次第」とした上で、「アメリカは日本が自衛隊に適切な核兵器を導入することを望む。自衛隊は最も近代的な通常兵器と核兵器を備えなくてはならない」との見解を決定し、部内限りとしてアメリカ太平洋軍司令官に伝達したとされる。また、1958年9月17日付のアメリカ統合参謀本部文書では「アメリカはNATO方式で同盟国を核で支援する意向だ。運用能力を構築する日本の意思にかかっている」としていた[38]。

1958年4月18日、ダグラス・マッカーサー2世駐日大使は国務省宛に「いつか日本も(イギリスと同じような条件で)われわれが日本国内で核装置を保有することを認め、日本自身が核兵器(搭載)能力のある防衛的ミサイルを保有する日が来る可能性が確実にあると信じる」との秘密公電を送っていた。当時、アメリカ政府内部では日本がイギリス並みの同盟国になることが期待されていた[39]。

旧陸軍で陸軍大臣秘書官を務め、戦後は服部グループから陸上自衛隊に入隊した井本熊男陸将(陸上幕僚監部第五部長)は、1958年11月にアメリカ軍の施設や訓練法を視察するために訪米した際に、シアトルで「日本は自衛のために原子力兵器が必要である」と発言していた。井本は自衛隊改革の一環として陸自にアメリカ陸軍をモデルにしたペントミック師団(核装備師団)を創設する可能性に言及した上で、「水爆は別として原子兵器を効果的に非合法とすることはできないだろう。自衛隊による原子兵器の使用は政治問題化しているが、日本は恐らく原子兵器を使用する侵略者に対し防衛するため原子兵器を保有しなければならない」とした[40]。

1961年2月にアメリカ空軍の参謀副長であるジョン・ゲルハート空軍中将は中国の核開発への具体的措置をトーマス・ホワイト空軍参謀総長に提言しており、具体的には、中国が核実験に成功するも、運搬手段が未成熟の「第一段階」では、1.「中国の核攻撃の脅威に備えて、選ばれたアジア諸国、たとえば日本やインド、台湾の空軍力整備を促す」、2.「限られた同盟国に防衛目的のための核兵器を供与、独自に核を持とうとする国に技術支援を行う『核共有プログラム』の推進」。中国が相当な核能力を保有するが、アメリカ本土への直接の脅威には至らない「第二段階」では、1.「日本、インド、台湾、そしておそらく韓国、パキスタン、フィリピンにアメリカの攻撃型核ミサイルを供与し核武装を促す」、2.「中国の本格攻勢に対し、核で反撃できるような協調的メカニズムの構築を図る」。中国が核で直接アメリカを攻撃できる「第三段階」では、「欧米の戦略兵力とともに日本、台湾、インド、フィリピンや他のアジア諸国のミサイル基地が共産圏と対峙できる戦略的包囲網を形成する」との内容だった[41]。

1962年にアメリカ空軍の戦略航空軍団(SAC)と太平洋空軍が核戦争時の通信手段をテストするために実施した合同演習に自衛隊が参加していた[42]。また、核開発を行っていた中華人民共和国が1960年に東風1号の発射実験を成功させたことに対してアメリカは危機感を強め、1962年12月にアメリカ国務省極東局は『共産中国の核爆発』と題するメモを作成している。同メモでは日本の核アレルギーに触れつつ、自衛隊がNATO諸国並みにアメリカ軍と核兵器を共同管理することが究極の目的だとして、「NATOタイプのセーフガード(ツー・キー・システム)のもとでの核兵器装備による日本の軍事力強化」を目指していた。同メモでは「著しく拡大する共産中国の軍事力増強は疑いなく、極東での軍事的な均衡勢力を必要とする。日本ができるかぎりその均衡勢力となることが、アメリカの利益にかなう」と記しており、日本を核武装化した中国に対する反共の砦とすることを狙っていた[43]。

沖縄返還が近付いていた1968年、アメリカ国務省は日本に対し、沖縄からの米軍核兵器撤去と引き換えに、日米合同の核戦力海上部隊を設立するよう要求した。この背景には沖縄返還後も、沖縄基地の自由使用や、沖縄の核戦力配置の継続を求めたアメリカ軍の意向があったと言われる[44]。

旧海軍・海上自衛隊OBで構成された海空技術調査会(保科善四郎会長)は、1972年に出版した『海洋国日本の防衛』において、全面核戦争においてはアメリカ軍の戦略核兵力の抑止力に全面依存するとしつつ、アメリカ軍の核戦略兵力に協力するためにSSBN(戦略ミサイル原子力潜水艦)を4隻程度保有する必要があるとした[45]。

2022年、ロシアがウクライナに侵攻したことにより、核共有に関しての議論を進めるように一部の与野党から提言されたことがあるが[46][47]、内閣総理大臣の岸田文雄は同年3月2日に行われた参議院予算委員会において、「非核三原則を堅持している立場や、原子力の平和利用を規定している原子力基本法を基本とする法体系から認めるのは難しい」と答弁した[48]。』

北朝鮮の核兵器不拡散条約(NPT)脱退問題と米国の対応

北朝鮮の核兵器不拡散条約(NPT)脱退問題と米国の対応
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_14-04-01-22.html

『<概要>
 北朝鮮は1985年に核兵器不拡散条約(NPT)に加入したが、同国が国際原子力機関(IAEA)保障措置協定に署名し、発効したのは1992年4月である。しかし、その後も北朝鮮の核兵器開発に対する国際社会の懸念は払拭されず、IAEAは、未申告施設の特別査察を要求したが、これに対し北朝鮮は、1993年3月にNPT脱退を宣言した。国連安全保障理事会は、北朝鮮に脱退宣言の再考を促す決議を行い、これを受けて米国は数回にわたり北朝鮮と協議を行い、1994年3月、北朝鮮の申告済み施設の通常査察を受け入れさせた。IAEAの査察不十分報告を受け国連安保理は査察を再勧告し、北朝鮮は、IAEAの即時脱退、査察拒否を表明した。再度、米国は北朝鮮と協議し、1994年10月に軽水炉転換を主内容とする核凍結に合意した。その後の合意の具体的詰めで、北朝鮮は韓国型軽水炉の受入れを拒否し、1995年3月現在交渉は中断している。』

核拡散防止条約(NPT)再検討会議 核保有国の利害調整で議論紛糾

核拡散防止条約(NPT)再検討会議  核保有国の利害調整で議論紛糾 草案は骨抜きされ後退 – 孤帆の遠影碧空に尽き
https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/446a533190336a78ab437394d2804661

 ※ 北朝鮮は、「1993年3月にNPT脱退を宣言」しているんだよね…。

 ※ そういう話し、踏まえた上で論じているんだろうか…。

 ※ まあ、真剣に日本国の安全保障問題を、考えているとは思えんな…。

『【核兵器の全廃へ向けた核兵器禁止条約の第1回締約国会議に日本はオブザーバーとしても不参加】
核兵器を「非人道兵器」として、その開発、保有、使用あるいは使用の威嚇を含むあらゆる活動を例外なく禁止し、将来的な核兵器の全廃へ向けた初の国際条約である核兵器禁止条約は1996年4月に起草され、2017年7月に国連総会で賛成多数にて採択され、2020年10月に発効に必要な50か国の批准に達したため、2021年1月22日に発効しました。

ただし、核保有国や日本など“核の傘”を安全保障の基本としている国は参加していません。

現在、核兵器を制限する国際的枠組みとしては核不拡散条約(NPT)がありますが、NPT で約束された核軍縮が進まない状況に対する不満が核兵器禁止条約成立を後押ししました。

核兵器禁止条約の第1回締約国会議は6月に開催されました。

****「核なき世界」実現急務と宣言 核兵器禁止条約の締約国会議****
核を非人道兵器として史上初めて違法化した核兵器禁止条約の第1回締約国会議は23日、最終日の議論を行った。高まる核の危機に警鐘を鳴らし、「核なき世界」の実現が急務と呼びかける「ウィーン宣言」と「行動計画」を採択して閉幕した。

宣言は「核兵器使用の脅しに危機感を強めている」と指摘、「核兵器の使用や核による脅しは国際法違反だ」と強調。核が二度と使われないことを保証する唯一の手段は廃絶だと訴えた。

核の非人道性を長年訴えてきた被爆者にも言及し「貢献を称賛する」とたたえ、今後も協力していくとした。【6月24日 共同】
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唯一の被爆国であり、また、核保有国と非保有国の間の“橋渡し役”を自任している日本ですが、上記の核兵器禁止条約の第1回締約国会議にオブザーバーとしても出席しませんでした。

岸田首相は、核兵器禁止条約に参加しない理由として、核兵器保有国が参加していないとし、「現実を変えるためには、核兵器国の協力が必要だ」と強調しています。また、外務省幹部は「いま核軍縮の機運はない。むしろ抑止を強めようというのが国際的な世論だ」とも。

日本と同様の立場にあるドイツは、条約には参加しないものの、会議にはオブザーバー参加しています。

****ドイツ「核禁止条約加盟できない」 締約国会議にオブザーバー参加****
核兵器禁止条約の締約国会議で22日、NATO(北大西洋条約機構)の加盟国であるドイツなどが演説を行い、条約に加盟はできないとした一方、核軍縮に向けて努力する姿勢を示した。

会議にオブザーバー参加しているドイツの政府代表は、「NATOは核同盟であり、核兵器禁止条約には加盟できない」としたうえで、「核の使用を示唆しているロシアと対峙(たいじ)し続ける」と強調した。

一方で、核軍縮は重要だとの認識も示し、核保有国も参加する核拡散防止条約再検討会議で議論する必要があるとした。

また、同じくNATO加盟国であるノルウェーも、「核保有国と非保有国が議論することが重要」としている。(後略)
【6月23日 FNNプライムオンライン】
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【日本やNATO諸国が主戦場とするNPT再検討会議開催】
日本やNATO諸国は、核保有国も参加する核拡散防止条約(NPT)を現実的枠組みとして重視する立場ですが、核兵器禁止条約の行動計画ではNPTを「補完」するとして、NPTとの共存を目指す方針を表明しています。

****核禁条約、廃絶へ行動計画=NPTと共存、被害者救済も―核抑止否定・締約国会議****
ウィーンで開かれていた核兵器禁止条約第1回締約国会議は23日、核廃絶への決意を確認する政治宣言と、具体策を盛り込んだ「ウィーン行動計画」を採択し、閉幕した。

行動計画では、核軍縮枠組みの柱である核拡散防止条約(NPT)を「補完」するとして、共存を目指す方針を表明。核保有国が非加盟の現状を打破するための批准国増加への努力や、核兵器や核実験の被害者救済も盛り込んだ。

活動家や被爆者の意見を取り入れて成立した同条約は、理念先行で具体策に欠けるなどの批判があった。行動計画を策定したことで、実効性確保に向け一歩を踏み出した。会議の議長を務めたオーストリア外務省のクメント軍縮局長は「歴史的」と評価した。

8月には、ニューヨークでNPT再検討会議が開かれる。核禁条約の締約国が、どのような行動を取るかに注目が集まりそうだ。

核禁条約は他の枠組みとの関係で、特に米英仏中ロに核保有を許すNPTとの整合性が疑問視されてきた。行動計画は両条約は補完関係だと明言。両条約間での協力分野を検討した上で、橋渡しを担う「ファシリテーター」の任命や、NPT体制下で核査察を担う国際原子力機関(IAEA)との協力などを通し、関係を深めていくことを掲げた。

被害者救済では、国際的な信託基金の設立を検討すると表明。非加盟国の批准を促すため、核廃絶・軍縮にかかわる国連総会決議への賛同国を増やす努力をすることもうたった。【6月24日 時事】 
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現在、上記のように核兵器禁止条約が「補完」「共存」するとしている核拡散防止条約(NPT)再検討会議がニューヨークで開催されています。

核拡散防止条約とは、核兵器非保有国には核兵器の保有を禁じる一方で、保有国にはその縮小を義務付けるものです。

****核抑止力か核軍縮か…NPT再検討会議もまもなく閉幕を迎える中、核兵器を取り巻く世界の現状と課題とは****
(中略)
■まもなくNPT再検討会議が閉幕…何が話し合われているのか
現在、アメリカ・ニューヨークでNPT=核拡散防止条約の再検討会議が開かれていますが、まもなく閉幕を迎えます。ロシアによるウクライナ侵攻で核の脅威が高まり、「核による抑止力が必要だ」との声もあがる一方、「核軍縮をもっと進めるべきだ」との危機感も高く、核兵器のあり方に関心が高まる中での開催となりました。

今回の会議では、締約国が一致して核不拡散や核軍縮を目指すことができるのか、そして最終文書を採択することができるのかが、注目されています。

■そもそもNPT再検討会議とは
NPT=核拡散防止条約とは1970年に発効され、核兵器を持つ国を増やさないことを目的としています。条約ができた当時に核兵器を持っていたアメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国の5か国を核保有国として認め、その代わりに3つの柱が設けられました。
1.「核軍縮」への取り組みの義務づけ
2.核を持たない国に核兵器の製造や取得を禁止する「核不拡散」
3.そして原子力発電など「原子力の平和利用」を認めるというものです。

現在は191の国と地域が締約しています。締約国は5年に1度、会議を開き、核軍縮や核不拡散に向けどんな取り組みをしてきたかを振り返り、今後の方針を議論してきました。今回の会議は新型コロナによる延期を重ねたため、7年ぶり10回目の開催となりました。

■岸田総理大臣が日本の総理として初めてNPT再検討会議に
岸田総理は英語で演説し、核兵器廃絶に向けた日本の行動計画として「ヒロシマ・アクション・プラン」を打ち出しました。ただ、去年発効した核兵器禁止条約への言及はひと言もなく、唯一の被爆国として日本が核軍縮をリードするという姿勢も見られなかったとして被爆者などからは失望の声も聞かれました。(中略)

■世界にある“核兵器”の数
各国が保有する核兵器の数は通常“核弾頭”の数でカウントされていて、ストックホルム国際平和研究所によると、今年1月現在、世界で合計12705発の核弾頭があると推定されています。アメリカとロシアだけで9割以上保有していることになります。

その一方で、核弾頭の数の推移は冷戦終結ごろを境に減少に転じています。
NPTなどの核軍縮の取り組みが功を奏している面もある一方で、今年は去年より核弾頭が395個減りましたが、これらは、古くなったものが解体されただけと言われています。

また、NPT締約国であるイギリスは去年、保有する核弾頭の数の上限を引き上げることを決め、今後は保有数も公表しないと明言しました。さらに、NPTを締約していない北朝鮮など、核兵器の保有が疑われている国の実態は全くわかっていません。

ストックホルム国際平和研究所は「冷戦後、減少していた世界の核弾頭の数が今後、増加に転じるかもしれない」と警鐘を鳴らしています。

■進まない核軍縮…いったいなぜ?
NPT再検討会議にも参加している一橋大学の秋山信将教授は、「大国間の信頼関係が欠如していることが大きな要因だ」と指摘しています。

自分の国が核兵器を減らしたら相手も減らしてくれるという信頼関係がないと、核軍縮は進みませんが、いま核大国のロシアは核の使用をちらつかせていて、アメリカなど核保有国との間に信頼関係を築くのは難しい状況ですよね。

■まもなくNPT再検討会議閉幕…今回こそ最終文書はまとまるのか
秋山教授によると、やはり悲観的な見方が増えているそうなんです。ただ、秋山教授は「たとえ最終文書を採択できなかったとしても、核兵器保有国と非保有国が集まり、共通認識を醸成する場としてのNPTの価値を再認識すること、枠組みを維持していくこと自体も重要な意味がある」と強調しています。

核軍縮をめぐる世界情勢は厳しさを増していますが、どんなに地道でも議論を放棄することなく、目標を掲げ行動し続ける、あきらめない粘り強さが大切です。【8月26日 日テレNEWS】
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【核保有国の利害調整で紛糾する議論】
会議では対立が目立ちますが、今回特に議論になったのはウクライナのザポリージャ原子力発電所の問題。
ウクライナのゼレンスキー大統領は8月25日、ロシアが掌握するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所について、ロシアの攻撃にさらされており、ウクライナ側の危機回避対応によって世界は辛うじて原子力事故を回避したという認識を示しています。

****NPT再検討会議 ウクライナ情勢めぐり対立のまま最終日へ****
世界の核軍縮の方向性を協議するNPT=核拡散防止条約の再検討会議は、会期の最終日を迎えましたが、ウクライナ情勢をめぐる各国の対立が続いています。

議長がまとめた「最終文書」の草案は、ロシア軍が掌握するザポリージャ原子力発電所について、ウクライナ当局が管理する重要性を指摘していますが、ロシアは強く反発しており、最終的に合意できるのか予断を許さない情勢です。

4週間にわたってニューヨークの国連本部で開かれてきたNPTの再検討会議は25日、スラウビネン議長が全会一致での合意を目指す「最終文書」の草案を改めて示しました。(中略)

NPT再検討会議は、前回7年前に最終文書を採択できず、今回も合意できなければ世界の核軍縮がさらに停滞するのは避けられないだけに、交渉の行方が注目されます。

ザポリージャ原発めぐり「最終文書」表現修正も
NPTの再検討会議では、ロシア軍が掌握するヨーロッパ最大規模のザポリージャ原子力発電所について、「最終文書」にどのような文言を盛り込むかをめぐり各国の対立が続いています。

ヨーロッパ各国などからは、原発の安全に強い懸念を示しロシアを非難する声が相次ぎ、このうちウクライナの代表は「現在起きているロシアの侵略による深刻な挑戦と脅威、原発を違法に掌握し攻撃し続けていることも草案に反映させるべきだ」と述べていました。

こうした意見を受けて草案は一度は表現が強められ、今月21日の草案では、原発周辺でのロシアによる軍事活動に重大な懸念を示し、ロシアの管理からウクライナ当局の管理下に戻すよう求めました。

しかしロシアは、こうした表現について猛烈に反発。「断じて受け入れられない」と主張してきました。
「この文書で推進しようとしているのは一部の国の意見だけロシアにとって受け入れがたいものだ」。

その結果、修正草案では、ロシアを名指しする下りは削除され、「ウクライナ当局による管理の重要性を確認する」という表現に弱められました。

しかし、外交筋によりますと、この修正草案に対してもロシアはなお反発しているうえ、ウクライナやヨーロッパの一部の国は表現が弱められたことに逆に不満を示していて、会期が残り一日となっても対立が続いています。

「核の先制不使用」の文言は
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で核の脅威が高まる中、核兵器が使用されるリスクを減らす措置の一つとして、核保有国が核攻撃への反撃を除いて核兵器を使わない「核の先制不使用」の方針が「最終文書」に盛り込まれるかどうかが注目されていました。

国連のグテーレス事務総長もさまざまな機会で「先制不使用」について言及してきました。

再検討会議が終盤を迎えた今月22日には、国連安全保障理事会の会合で「核保有国は『核の先制不使用』を約束しなければならない。核の非保有国に対して、核兵器の使用や威嚇をしないと保証し、核の透明性を確保しなければならない」と訴えました。

再検討会議の議長が示した当初の草案には、核保有国に対して「先制不使用」の政策をとるよう求める内容が盛り込まれました。これに対して、核保有国などが核抑止力が弱まることに懸念を表明したということです。

その結果、修正草案では、「核の先制不使用」の文言は削除されました。

一方、核兵器の非保有国からは、核兵器が使用されるリスクを減らす措置とともに、NPTが本来目指してきた核軍縮への取り組みが不十分だという指摘もあがっています。

先週の段階でオーストリアの代表は「核軍縮の進展が急務であるにもかかわらず、草案には明確な危機感も示されず、具体的な約束もスケジュールも目標も定められていない」と、強い不満を示しています。(後略)【8月26日 NHK】
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一方、中国が核兵器用核分裂性物質(FM)生産のモラトリアム(一時停止)を求める項目に反対して削除されるなど、核保有国の新たな制約を受けたくないとの姿勢によって草案は後退を続け、議論は紛糾しています。

****NPT最終文書再改訂案 中国反発で大きく後退****
国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は25日夜、最終文書の再改訂案を加盟国に配布した。濃縮ウランやプルトニウムなど核兵器用核分裂性物質(FM)生産のモラトリアム(一時停止)を求める項目を削除し、大きく後退した。軍縮筋によると、中国が同日の非公開会合で強く反発したという。

中国は、NPTが定める核保有5カ国の中で唯一、FM生産の一時停止を宣言していない。当初案は、表明済みの米英仏露に一時停止の維持、未表明の中国に宣言を求める内容だった。採択されれば、中国の大幅な核戦力の増強とそれに伴う世界の核兵器数の増加を抑える効果が期待された。

軍縮筋によると、再改訂案には、中国やロシアを中心に不満が解消されていない項目が残っている。
25日の非公開会合で、中国は、オーストラリアの原子力潜水艦導入に「懸念の表明」をすべきだと主張したという。しかし、再改訂案には反映されなかった。

また、ロシアは、ウクライナの核放棄と引き換えに同国の安全をロシアと米英が保障した1994年の「ブダペスト覚書」に言及した項目に不満を示したという。ロシアが約束を反故(ほご)にしてウクライナを侵略したことを念頭に置いた項目で、再改訂案は表現を維持、ロシアの不満は反映しなかった。ウクライナは名指しでのロシア非難を求めたという。

ロシアとフランスは、昨年1月発効した核兵器禁止条約について一切言及しないよう要求した。再改訂案は条約の発効時期など事実経過を記す表現を維持している。【8月26日 産経】
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まあ、交渉というものはそういうものなのでしょうが、核保有国は既得権益を一歩も譲ろうとせず、新たな制約を拒否し、自分に都合のいいものを押し込もうとしている・・・そんな印象。

****「このパズルは解けるのか」 交渉紛糾のNPT再検討会議、カギは中露****
核拡散防止条約(NPT)再検討会議は26日、最終日を迎える。ロシアのウクライナ侵攻をめぐる対立や中国の強硬姿勢、核軍縮をめぐる核保有国と非核保有国の溝は解消されず、交渉は紛糾している。

25日夜には最終文書案が再び改定されたが、核軍縮を中心に内容が乏しくなった。全会一致での採択を目指して交渉が続くが、成否の結論は26日夜(日本時間27日朝)の土壇場までもつれ込むとの見方が出ている。

「どの国も破談だけは避けたいと思っているが、このパズルが解けるのか分からない」。アフリカの外交官は25日、そう語った。前回2015年の再検討会議は「中東非核地帯構想」をめぐる対立で最終文書を採択できなかった。2回連続で決裂すれば、世界の核軍縮や核不拡散などの礎であるNPT体制は大きく揺らぐ。

だが、妥協を探るあまり、最終文書案からは「野心的な要素がどんどんなくなっている」(軍縮外交筋)。(後略)【8月26日 毎日】
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日本が現実的核軍縮枠組みとするNPTが核保有国の利害調整で実質的に中身が無くなり、機能が麻痺している状態が明らかになるとすれば、改めて核保有国に核廃絶を求める核兵器禁止条約の意義を考慮する必要性が出てきます。』