自宅の修繕費、築30年で900万円超 計画的な貯蓄不可欠

自宅の修繕費、築30年で900万円超 計画的な貯蓄不可欠
人生100年の羅針盤
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD077PY0X00C22A7000000/

 ※ ヒトもモノも、古びて補修が必要になってくるのが、「自然の摂理」だ…。

 ※ 「こんなに費用がかかるのかと驚いた」…。

 ※ イラストが添えられているが、秀逸だ…。

 ※ ここに描かれている通りの話しだ…。

 ※ さりとて、「賃貸」借りようとしても、年寄りにはいろいろと「条件」があって、スンナリとはいかんしな…。

 ※ そうこうしているうちに、「要支援」「要介護」状態になって、「老人ホーム」にご入居コースへと、真っしぐらだ…。

 ※ 着々と、そういう「コース」を辿っています…。

『持ち家があり、住宅ローンの返済も終わったシニア世代は「老後は住居費の負担は軽くなる」と考えがちだ。しかし、意外に重くのしかかるのが家の修繕費用。戸建てでもマンションでも、築年数が古くなると、雨漏り対策など基礎的な工事だけでも費用がかさんでくる。長寿化で必要な工事回数が増える一方、工事単価は上昇傾向だ。「終(つい)の棲家(すみか)」を確保・維持するお金にも目配りが必要になる。

「こんなに費用がかかるのかと驚いた」。東京都で十数年前に新築一戸建てを構えた会社員は、家の外壁塗り替えに100万円以上がかかったことを振り返る。戸建ての場合、この男性の家のように、外壁や屋根の塗装・補修などがおよそ15年程度で発生し、費用は数十万円から100万円程度かかる例も多い。

トータルの費用はどれくらいになるのか。不動産コンサルティングのさくら事務所(東京・渋谷)の試算だと、標準的な戸建て住宅(木造2階建て、延べ床面積116平方メートル)では築後30年の修繕費用は基本的な項目だけで900万円を超す。シロアリ対策、給排水管や給湯器の交換など様々な工事が積み上がると、負担は徐々に重くなる。

30年超の時期はどうか。さくら事務所の田村啓ホームインスペクターは「期間を延ばすと流動的要素が多くなるが、仮に60年の総費用を考えると、2500万円程度になり得る」と話す。60年間、建て替えずに修繕を続けた場合の試算で、建て替えた場合の総費用はさらに膨らむ可能性が高い。実際の費用は個人差が大きいものの、「長寿化で生涯を通じて必要な工事回数も増えている」(田村氏)。

慢性的な人手不足を背景に、工事費用も上昇。消費者物価指数(2020年=100、全国)で住居の外壁塗装や水道工事など「工事その他のサービス」をみると、21年までの約10年でおよそ2割上がった。これは主に戸建ての工事費の上昇を反映する。

住宅修繕の市場に詳しい彩ホームプランニング(神奈川県大和市)の豊田憲明代表は「新築は木材を事前に工場で加工するプレカットなど一定の効率化策があるが、修繕は職人の技術・経験に依存する部分が多く、人手不足の影響が特に大きい」と話す。多額の費用を敬遠するシニアは多いが、「雨漏りなどは本来、予防的修繕が効果的。『お金はかけたくない』と工事会社などに本音で話してみるのも一つの方法だ」(豊田氏)。コスト削減のアイデアが出てくる例もあるという。

修繕費の負担が重いのはマンションも同じだ。戸建てと異なり、毎月積立金を払っているのが普通だが、それだけで安心はできない。18年度の国土交通省のマンション総合調査によれば、3割以上のマンションが計画に対して積立金が不足している。「余剰か不足か不明」という回答も約3割に上る。

資金不足で安易にすべての修繕を見送るのは危険だが、状況によっては優先度の高い工事に絞り込む選択肢もある。ベンチャーのスマート修繕(東京・渋谷)は建築士事務所などと協力、マンションの劣化診断を手掛ける。「『工事ありき』ではなく、必要な工事を洗い出す」(同社)

老後の快適な暮らしのためには、省エネ性の向上やバリアフリー化などの工事も追加で必要になる可能性がある。一般的に積立金制度がない戸建てはもちろんだが、マンションの場合も自分で将来の修繕費は老後資金計画などの中に組み込んで、計画的に貯蓄しておく姿勢が欠かせない。

賃貸、シニア向けサービスも

国交省の20年度の調査では、賃貸住宅のオーナーの約7割が高齢者の入居に拒否感を示す。入居中の孤独死で、その後の賃貸が難しくなることなどを警戒するが、解決に取り組む動きも増えている。不動産業のMARKS(横浜市)はシニア夫婦のうち1人が亡くなった世帯に接触し、住み替えなどのコンサルを展開。シニアの入居に抵抗感がない貸主を見つけるが、通常契約が難しいなら同社が借り上げ、転貸する。同業のフラット・エージェンシー(京都市)はシニアと若い学生や子育て世代が暮らすシェアハウスの企画・開発を進める。
(住宅問題エディター 堀大介)』