エルサルバドル

エルサルバドル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%89%E3%83%AB

 ※ 今日は、こんなところで…。

『エルサルバドル共和国(エルサルバドルきょうわこく、スペイン語: República de El Salvador)、通称エルサルバドルは、中央アメリカ中部に位置するラテンアメリカの共和制国家である。北西にグアテマラ、北と東にホンジュラスと国境を接しており、南と西は太平洋に面している[5]。中央アメリカ5か国のうち唯一、カリブ海に面していない[5]。首都はサンサルバドル[1]。

カリブ海の島国を除く米州大陸部全体で最小の国家であるが、歴史的に国土の開発が進んでいたこともあり、人口密度では米州最高である。 』

『国名

正式名称はスペイン語で、República de El Salvador (発音 [reˈpuβlika ðe el salβaˈðor] レプブリカ・デ・エル・サルバドル)。通称、El Salvador。エルナン・コルテスの部下として1524年にやってきたペドロ・デ・アルバラードによって「救世主」を意味するエル・サルバドールと名付けられた[5]。

公式の英語表記は、Republic of El Salvador。通称、El Salvador。

日本語の表記は「エルサルバドル共和国」で、通称は「エルサルバドル」。「エル・サルバドル」「エル・サルバドール」とも表記される。漢字表記は、救世主国(もしくは薩爾瓦多)。 』

『歴史

詳細は「エルサルバドルの歴史」を参照

先コロンブス期
詳細は「マヤ文明」を参照

紀元前のこの地にはモンゴロイド系の先住民、すなわちインディヘナ(インディオ)が暮らしていた。先古典期中期には、オルメカ文明の影響を受け、チャルチュアパ(スペイン語版、英語版)などに祭祀センターが築かれた。1世紀にイロパンゴ火山の噴火にともない、先住民はグアテマラのペテン低地など低地マヤ地域に避難したと考えられている。先古典期後期のウスルタン式土器や石碑を刻む伝統も伝播した。6世紀末、ロマ・カルデラ火山の噴火に伴い埋まった集落ホヤ・デ・セレンは保存状態が良好であったため、世界遺産に登録されている。

10世紀頃には小王国がいくつか成立し、そのうちピピル人はクスカトラン(スペイン語版、英語版)を首都にして16世紀までに統一王国「クスカトラン王国(スペイン語版、英語版)」(ピピル語: Tajtzinkayu Kuskatan, 1200年ごろ – 1528年)を建設しつつあった[5]。

スペイン植民地時代
征服者の一人ペドロ・デ・アルバラード
「スペインによるアメリカ大陸の植民地化」も参照

1524年にスペイン人エルナン・コルテスの部下ペドロ・デ・アルバラードがクスカトラン王国を征服しようとした[5](アカフトラの戦い(スペイン語版、英語版))。インディヘナは一度スペイン人を打ち負かし、グアテマラに撤退させるが、1525年に再びやって来たアルバラードの攻撃により、ベルムーダ市はサンサルバドル(聖救世主)市と改称された。その後、1528年にはエルサルバドルのほぼ全域が征服された。

スペインの支配に入った後の1560年以降はグアテマラ総督領の一部として管理下に置かれ、農業や牧畜業、藍の生産などが営まれたが[5]、中央アメリカの中ではグアテマラと並び開発された地域だった。

独立と中央アメリカ連邦の崩壊

「近代における世界の一体化#ラテンアメリカ諸国の独立」および「中米連邦」も参照
中米連邦の擁護者だったフランシスコ・モラサン。

19世紀前半にはインディアス植民地各地のクリオージョたちの間で独立の気運が高まった[5]。1789年のフランス革命以来のヨーロッパの政治的混乱のなか、ナポレオン戦争によりフランスに支配されたスペイン本国では、1808年からナポレオン支配に対するスペイン独立戦争が勃発した。フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトがボルボン朝のフェルナンド7世を退位させ、兄のジョゼフをスペイン王ホセ1世に据えると、インディアス植民地は偽王への忠誠を拒否した。1811年から独立闘争が本格化し、1821年9月15日にグアテマラ総督領が独立すると、エルサルバドルもスペイン支配から解放された[5]。

1821年9月16日に独立したアグスティン・デ・イトゥルビデ皇帝の第一次メキシコ帝国に他の中央アメリカ諸国とともに併合されるが、1823年のメキシコ帝国の崩壊に伴い旧グアテマラ総督領の五州は中央アメリカ連合州として独立し、1824年には中央アメリカ連邦に加盟した[5]。エル・サルバドル出身のホセ・アルセが初代大統領となるが、独立後の自由主義者のフランシスコ・モラサンをはじめとするエル・サルバドル派と、保守主義者のラファエル・カレーラをはじめとするグアテマラ派の内戦のなかで1838年に中央アメリカ連邦は崩壊し、1841年には中米連邦の瓦解に伴い「エルサルバドル」として暫定的に独立を果たした[6]。このときにアメリカ合衆国への併合を求めたが断られている。

その後すぐに連邦再建を求めての内乱やグアテマラとの戦争が発生したが、1857年には中米連合軍の一員としてアメリカ人の傭兵ウィリアム・ウォーカー率いるニカラグア軍と戦った。その後は軍事独裁政権が相次いで成立し、その間に対外戦争や独裁打倒運動が行われた。また、この時期にコーヒーをはじめとする換金作物のプランテーションが多数設立された。1872年から1898年の間エル・サルバドルは連邦再結成派の旗手となり、1896年にはエルサルバドルを中心にしてホンジュラス、ニカラグアとともに中央アメリカ大共和国が設立するが、1898年には崩壊した。

独裁と不安定

ファラブンド・マルティ(右から二人目)。

20世紀に入り、1907年からメレンデス一族の独裁が始まると、一時的に国内は安定を取り戻したが、世界恐慌で主要産業のコーヒーが打撃を受け世情は再び不安定となった[7]。

経済危機の混乱のなか、1931年にマクシミリアーノ・エルナンデス・マルティネスがクーデターでメレンデス一族から政権を掌握し、専制体制を敷いた[7]。その間に激しい言論弾圧が行われ、「ラ・マタンサ(スペイン語版、英語版)(La Matanza、「虐殺」の意)」により、反独裁運動を始めようとしていたファラブンド・マルティをはじめとする共産党員や、西部のピピル族などおよそ3万人が虐殺された[7]。

1934年、日本が主導して建国した満州国を1934年に承認。1935年、堀義貴初代駐エルサルバドル日本公使が着任し、正式に日本との間で外交関係が成立した[8]。

第二次世界大戦では親米派として連合国の一員に加わるが、1944年にはクーデターが起き、マルティネス独裁体制は崩壊した[7]。しかし、その後も政情は不安定でクーデターによる政権交代が相次いだ。

そうしたなかで1951年には『サン・サルバドル憲章』が中米5か国によって採択された[7]。エル・サルバドルは1960年に発足した中米共同市場により最も恩恵を受けた国となり、域内での有力国となった。こうして1966年にようやく大統領選挙によってエルナンデス政権が発足するなどの安定を見せたが、1969年には、サン・サルバドル憲章以後も国境紛争や農業移民・経済摩擦など多くの問題を抱えて不和だったホンジュラスとの間で、サッカーの試合をきっかけとしたサッカー戦争が勃発した[7]。

サッカー戦争以降

オスカル・ロメロ。聖職者としてエルサルバドル人のために尽力したが、1980年、凶弾に倒れた。2018年に列聖されている。

エルサルバドルでの虐殺を描いた壁画

ホンジュラスとの戦争後、30万人にものぼるエルサルバドル移民がホンジュラスから送還されたことなどにより、経済、政治ともに一気に不安定化した。1973年の選挙結果の捏造以降、軍部や警察をはじめとする極右勢力のテロが吹き荒れ、「汚い戦争」が公然と行われるなかで、それまで中米一の工業国だったエルサルバドルは没落していくことになる。 1977年には人民解放戦線を名乗る左翼ゲリラに政府観光局長、外相が相次いで誘拐されるなど、治安の悪化は顕著なものとなった[9]。

1979年にニカラグアでサンディニスタ革命が起きるのと時期を同じくしてロメロ政権が軍事クーデターで倒され、革命評議会による暫定政府が発足した[7]。しかし、極右勢力のテロは続き、1980年にはサンサルバドル大司教オスカル・ロメロをはじめとする聖職者までもが次々と殺害されていく状況に耐えられなくなった左翼ゲリラ組織ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)が抵抗運動を起こし、1992年までの長きにわたって続くこととなり、7万5,000人を超える犠牲者を出したエルサルバドル内戦が勃発した[7][10]。

事態の収拾のために暫定政府はアメリカ合衆国の支援を要請し、「エル・サルバドル死守」を外交の命題に掲げたロナルド・レーガン合衆国大統領は中米紛争に強圧策を持って臨み、軍や極右民兵に大幅なてこ入れを重ねた。1982年には政府と革命勢力の連立政権が成立したが、これも極右勢力の妨害によってすぐに破綻した。こうして、ニカラグアの革命政権からの援助を受けてゲリラ活動を展開するFMLNと政府軍との内戦は泥沼化の様相を呈した。1984年にはナポレオン・ドゥアルテ(スペイン語版、英語版)大統領(民族主義共和同盟、略称ARENA。右派)が政権を担い、FMLNとの首脳会談を実現した。しかし、この間政府軍・ゲリラ双方による、弾圧・虐殺・暴行が横行した。特に政府軍のそれは半ば公然と行われたが、アメリカ政府はそれを恣意的に無視して政府軍を支援し続けた。

1989年にはクリスティアーニが大統領に選出されたが内戦は収まらなかった。1992年にようやく国際連合の仲介で和平が実現し1,000人からなるPKO(国際連合エルサルバドル監視団、略称ONUSAL)の派遣が決定・実施され、7万5,000人にも及ぶ死者を出したエルサルバドル内戦は終結した。FMLNは合法政党として再出発し、1994年には総選挙が実施され、ARENAの候補であるカルデロン大統領が選出される一方、FMLNが第2党になった。

2001年にドル化政策(Dolarización)が実施され、それまでの通貨「コロン」に代わり、「米ドル」を自国の通貨として流通させるようにした[4]。ドルとコロンの間は1ドル=8.75コロンの固定レートにより取引されていた。現在、旧通貨コロンはほとんど流通していない。また、2003年には親米政策からイラクへ派兵し、2008年末まで駐留し続け、ラテンアメリカでイラク派兵を行った唯一の国となった。

2009年3月15日、大統領選挙でARENAのロドリゴ・アビラ(スペイン語版、英語版)を破ってFMLNのマウリシオ・フネスが勝利し、20年間続けてきた新自由主義路線の与党ARENAからの初の政権奪取を実現し、左傾化が進むラテンアメリカ諸国に新たな左派政権が誕生した[10]。18日にエルサルバドル中央選挙管理委員会が大統領選挙の最終結果を発表したところによると、左派のファラブンド・マルティ民族解放戦線党(FMLN)のマウリシオ・フネス候補は51.32パーセント(135万4,000票)、右派の民族主義共和同盟(ARENA)のロドリゴ・アビラ候補は48.68パーセント(128万4,588票)であった[11]。 』

『地理
エル・サルバドルの地図
エル・サルバドルの地形図
詳細は「エルサルバドルの地理(英語版)」を参照

エルサルバドルは中央アメリカに位置し、国土面積は2万1,040平方キロメートルと 四国(1万8803.87平方キロメートル)よりやや大きい程度であり、これは米州大陸部全体でもっとも小さい。また、中央アメリカで唯一太平洋のみに面し、カリブ海と面さない国家である。

グアテマラと203キロメートル、ホンジュラスと342キロメートルにわたって国境を接している。

エルサルバドルの国土の約10パーセントが森林地帯となっているが、そのうち80パーセントが植林により再生したものであり、自然林はほとんど残っていない。

エルサルバドルには20以上の火山があり、代表的な火山としては特にイサルコ火山(1,910メートル)が挙げられる。その他にはサンタ・アナ火山(2,286メートル)などがある。国内最高峰はエル・ピタル山(2,730メートル)である。

気候

エルサルバドルははっきりとした雨季と乾季に分かれる熱帯気候であり、気候は主に高度によって変化するが、多少は季節の変化によっても変化する。太平洋側の低地は一様に暑く、中央高原と山地は快適な気候になっている。雨季は5月から10月までであり、年間の降雨量のほとんどはこの時期に集中し、首都のサンサルバドルでは年間平均雨量が1,700ミリ、南部の丘陵地帯では年2,000ミリにも達する。乾季は11月から4月までである。

保護地域と中央高原はこれよりも少ないが、それでも量は多い。この時期の雨はおもに太平洋からの低気圧により発生し、午後の雷雨となって降雨することが多い。ときどきハリケーンが太平洋から飛来するが、ハリケーン・ミッチのような例外を除いてほとんどエル・サルバドルには影響しない。

自然災害

環太平洋火山帯の上にあるアメリカ大陸の太平洋側の常として地震の多い土地であり、2001年の2月に2度にわたり大地震が起こり、それぞれ800人、250人が死亡している(エルサルバドル地震)。』

『国民
詳細は「エルサルバドルの人口統計(英語版)」を参照
エルサルバドル系のモデルクリスティー・ターリントン
1961年から2003年までのエルサルバドルの人口動態グラフ
「エルサルバドル人(英語版)」も参照

エルサルバドルは2013年現在634万人の人口を擁し[20]、住民の90パーセントを メスティーソが占める。白人が9パーセントであり、白人のほとんどはスペイン系であるが、少ないながらもフランス系やドイツ系、スイス系、イタリア系の家系もある。先住民のインディヘナは1パーセント程度で、ほとんどはピピル族とレンカ族が占める。先住民は土着の文化、伝統を保っていたが、特に1932年のラ・マタンサ(虐殺)などにより最大4万人がエルサルバドル軍によって殺害されたと見積もられる。

エルサルバドルは大西洋(に接続するカリブ海)に面していなかったため中央アメリカで唯一黒人が見られない国であり、加えてマキシミリアーノ・エルナンデス・マルティネス将軍は1930年に人種法を制定して黒人の入国を禁止した。この法律は1980年代に改定され、失効した。しかしながら、首都サン・サルバドルと港町ラ・ウニオン(英語版)には黒人の血を引くエルサルバドル人がまとまった数存在する。

パレスチナのキリスト教徒が少ないながら移民としてやってきており、数は少ないながらも強力な経済力を持っている。アントニオ・サカ大統領もその一人である。

アメリカ中央情報局による『CIA The World Factbook』(2015年版)によると、エルサルバドルの平均寿命は男性で71.14歳、女性で77.86歳である。

人口

首都サンサルバドル都市圏には210万人が居住しており、エルサルバドルの人口の約42パーセントが農村人口だと推測されている。エルサルバドルでは都市化は1960年以来驚異的な速度で進み、数百万人を都市に駆り立てて都市問題を国内のいたるところで生みだした。

2004年の時点で、約320万人のサルバドル人が国外に住んでおり、その中のいくらかはアメリカ合衆国への不法移民である。ただし多くのサルバドル系アメリカ人は合法移民であり、1986年の新移民法を通して合衆国市民か住民となっている。アメリカは伝統的に成功の機会を求めるサルバドル人の目的地となっている。

サルバドル人は近隣のグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアにも住む。国籍離脱者は1980年代の内戦の間、政治的、経済的および社会的な状況の中から生まれたものが大部分である。

言語

公用語はスペイン語であり、先住民を除いてほぼ全ての国民によって話されているが、英語教育もなされている。

宗教

詳細は「エルサルバドルの宗教(英語版)」を参照

宗教は伝統的にローマ・カトリックが主である。57パーセントがローマカトリックであるが、近年急速にプロテスタントが流行しており、様々な宗派のプロテスタント教徒を合わせると人口の33パーセントを超える。多くはエバンヘリコと呼ばれる 福音派プロテスタントであり、年々エバンヘリコが増加している。

教育

詳細は「エルサルバドルの教育(英語版)」を参照

2001年のセンサスによれば、15歳以上の国民の識字率は80パーセントである[21]。

おもな高等教育機関としてはエルサルバドル大学(1841年創立。国内唯一の国立大学)などが挙げられる。』

 ※ その他は、省略。

[FT]中米エルサルバドル、4万人収容の巨大刑務所を建設

[FT]中米エルサルバドル、4万人収容の巨大刑務所を建設
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB255O00V20C22A8000000/

『エルサルバドルのブケレ大統領は、この「テロリズム監禁センター」の工事を60日以内に終わらせるよう現場作業員に命じた。エルサルバドルが独裁へ一層進むことを何よりも鮮明に示す動きだ。

同国南東部の農村地帯、緑の草原が広がる緩やかな丘陵地帯に立地する「メガ刑務所」は、37の監視塔と8棟の獄舎を備え、ブケレ氏が「脱獄不可能」とする高い塀で囲まれる。

「わずか数年前に世界で最も危険な国だったエルサルバドルは今、中南米で最も安全な国に向かって進んでいる」とブケレ氏は7月に述べた。同氏はツイッターへの投稿で、新しい刑務所は「4万人のテロリストを収監でき、外部との連絡は完全に断たれる」としている。
国内的には「犯罪に厳しい大統領」

人権団体は、恣意的な拘束や拘留中の死、家族が連絡を取れなくなることに警鐘を鳴らしているが、長年の流血にうんざりしている国民は「ギャングとの戦争」を旗印に掲げるブケレ氏の弾圧を支持している。

エルサルバドルは3月27日、人口650万人にすぎない国内で週末の一日にギャングの暴力により62人の死者が出た事態を受けて、非常事態を宣言した。

警察は貧困地区でギャングのメンバーとされる数千人を拘束した。報道写真は、白い下着姿で後ろ手に縛られて連行される容疑者たちの姿を捉えている。ブケレ氏は「神に誓って一粒の米も与えない」とし、拘留中の食事を大幅に減らした。

暗号資産(仮想通貨)への投資に動き、その代表格のビットコインを法定通貨に採用したブケレ氏は、時代の先端を行く革新的な大統領として国際的にアピールしている。だが、国内的には「犯罪に厳しい大統領」というイメージで、巨大刑務所の建設はその実績につながる。 

ホセ・シメオン・カーニャス中米大学(UCA)が5月に実施した世論調査では、回答者の40%は憲法上の権利が停止されていることを知らなかったが、ほぼ85%の人が非常事態宣言を支持すると回答した。また、ほぼ80%の人が非常事態宣言で犯罪が減ったとした。

「この国はギャングを憎んでいる」と話すのは、独立系報道機関エルファロのオスカル・マルティネス論説委員だ。「この国は、誰かが問題の解決を約束してくれる限り、市民の権利を大きく犠牲にすることもいとわない」
長引く非常事態宣言延長

エルサルバドルの議会は17日、非常事態宣言の5度目の延長を決めた。ビジャトロ司法・公共治安相は5万人を拘束したと報告し、殺人件数ゼロの日が77日あったとしている。

人権擁護の活動に長年携わるセリア・メドラノ氏は、「これは恒久的な非常事態宣言であることがより明確になってきている」と言う。

非常事態宣言が出された3月、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、ブケレ氏が1億600万ドル(145億円)の公的資金を投じて購入したビットコインは約5700万ドルの含み損を抱えていた。同氏はビットコイン債の発行と戦略都市「ビットコインシティー」の建設計画を打ち出したが、ともに遅れが出ている。

シンクタンク、国際危機グループ(ICG)の中米アナリスト、ティツィアーノ・ブレダ氏はギャングの暴力事件について「大統領のイメージを傷つける象徴的な事件だった」と説明する。「ビットコイン信奉者に大統領自らが投資を呼びかける国にふさわしくない現実の姿を見せつけた」

エルファロの報道によると、2022年に入ってからのギャングの暴力は、21年の議会選挙への協力と金銭的な取り計らい、刑務所内での処遇改善と引き換えに暴力を控えるというギャング側と政府との密約が火種となった。

ブケレ氏は密約について否定したが、その後に米財務省が密約の交渉に関わったとしてブケレ政権の高官2人を制裁対象とした。ブケレ氏がツイッター上でバイデン米政権を非難し、両国関係はこじれた。

人権団体クリストサルの報告によると、非常事態宣言の発出以降、恣意的な拘束の訴えは2700件近くに上り、69人が拘束後に死亡している。札付きのギャングのメンバーと同じ監房に入れられた容疑者もいるという。拘束後の居場所について家族が情報を得られないことも少なくないと、同団体で反腐敗部門を率いるルース・ロペス氏は話す。

拘束された容疑者たちの家族を代表するオットー・フローレス弁護士は、「捜査や証拠の収集に基づかずに拘束している」と語る。「何もかもが場当たり的だ」

ブケレ氏は人権団体や非政府組織(NGO)の活動を軽視し、テロリストを守っていると非難する。メディアにも矛先を向け、主要な報道機関に対する統制を固めた。

20年2月には軍の兵士を議会に乗り込ませて自ら議長席に陣取り、治安装備調達のための借り入れを承認するよう要求した。
NGOにも規制、協力に消極的に

21年の議会選挙で3分の2の議席を獲得したブケレ氏の新思想党は、憲法法廷と司法システムを骨抜きにした。新たな法律により、NGOに対する会計検査と非常事態宣言下での報道統制も強化された。

「NGOという言葉は以前のような人気はない」と語るのはオランダ多党民主主義研究所のエルサルバドル部長、フアン・メレンデス氏だ。同研究所に協力する人たちが「政治的な迫害を受けることになると思うようになったため」、協力を控えることが多くなっているという。

エクアドル大統領府はコメントの要請に応じなかった。

専門家は、非常事態宣言によって少なくとも一時的にギャングは弱体化したとみるが、押収されている武器はごく一部分にすぎないと指摘する。

これまでギャング側はもたらす被害者の多さを大統領に対する「交渉カード」に使い、「ブケレも反応してくると考えていた」とエルファロのマルティネス氏は言う。「しかし、ブケレはただの指導者ではない。全権を握る指導者だ」

By David Agren

(2022年8月24日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

ロヒンギャ新たな困難 ミャンマー国軍「掃討作戦」5年

ロヒンギャ新たな困難 ミャンマー国軍「掃討作戦」5年
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM22C0R0S2A820C2000000/

 ※ なにしろ、「地理の力」がこれだからな…。

 ※ 「アラカン軍」の名称は、この「アラカン山脈」から名付けられたものだろう…。

『【ヤンゴン=新田裕一】イスラム系少数民族ロヒンギャの70万人を超す難民が発生するきっかけとなったミャンマー国軍による「掃討作戦」が始まって25日で5年となる。ロヒンギャの居住地があった西部ラカイン州で新たな紛争が発生するなど、難民の帰還が一段と困難となる一方、取り残された人々の苦境も深まっている。

ラカイン州で衝突するのは、仏教徒の少数民族武装勢力「アラカン軍」と国軍部隊だ。「(ミャンマーに残った)ロヒンギャは難しい状況に置かれている」と州都シットウェに住むロヒンギャ男性は話す。同州にはいまも50万人を超すロヒンギャの人々が正式に国籍を認められないまま暮らしている。「(戦闘によって)人々は村から避難を強いられ(国軍などの)検問所が置かれて自由に移動できなくなった」

アラカン軍の声明や現地報道によると、13日にラカイン州北部など4カ所でアラカン軍と国軍部隊が衝突した。その後、国軍は増援の部隊や軍用ヘリを送り、戦闘が各地に飛び火している。アラカン軍は23日、「過去数週間で戦闘が増え、危険は日に日に高まっている」と警戒を呼びかけた。国軍が交通を遮断し、村が食料不足に陥っているとの報道もある。

アラカン軍は約3万人の兵力を持つとされる、18世紀にビルマ王朝に征服されるまで自らの王国を持っていた仏教徒ラカイン族の武装勢力だ。数年前までは小規模な武装勢力だったが、2018年12月から約2年間続いた国軍との大規模な戦闘で住民の支持を集め、ラカイン州北部からチン州南部にかけて勢力圏を確立した。

20年11月、国軍と暫定的に停戦した後は独自の司法や行政、徴税制度の構築を進めた。アラカン軍のトゥンミャナイン司令官は「ロヒンギャの人権や市民的権利を認める」と公言している。統治下のロヒンギャを取り込むための方策で、国軍統治下で制限されていた移動の自由が一部認められるようになった。

だが21年2月のクーデターで国軍が全権を掌握すると、アラカン軍と国軍の停戦は次第に崩れ、緊張が高まった。アラカン軍は、武力抵抗を始めた市民グループに武器や訓練を提供し、22年5月には国軍と敵対する民主派の挙国一致政府(NUG)と接触したことを公にした。

自らの武装勢力を持たないロヒンギャは「国軍であろうとアラカン軍であろうと、支配者に従うほかない」(ロヒンギャ男性)。アラカン軍の影響力が弱い地域で国軍はこれに対抗する自警団を結成するようロヒンギャに要求するなど、「紛争の道具」として動員されている面がある。

17年の国軍による「掃討作戦」は、ロヒンギャ系武装集団が治安施設30カ所を襲撃したことがきっかけ。国連の報告書などによると、ロヒンギャの居住地だった400カ所近くが焼失し、77万人以上が国境を越えて隣国バングラデシュに逃れた。

衛星写真で当時と現在の状況を比較すると、ロヒンギャの村があった地区の多くが焼き払われたことが分かる。耕作地だった場所は草木に覆われて原野に戻り、村の跡地に政府や軍が新たな施設を設けた。年月の経過とともに、ロヒンギャが住んでいた痕跡が失われつつある。

バングラデシュ南東部にあるロヒンギャの難民キャンプでは17年以前に逃れた難民を合わせて90万人超が生活する。支援活動を続ける日本の非政府組織(NGO)「難民を助ける会」によると住居や通路は改善したものの、敷地周囲にフェンスが設けられるなど「バングラデシュ政府による監視が厳しくなっている」。バングラデシュ政府は難民の定住化を阻止するため、教育や就労を制限している。

ミャンマー国内のクーデターや武力紛争で難民の帰還が見通せないなか、いかに難民の生活を支えていくのか、国際社会が抱える大きな課題となっている。』

ミャンマー国軍、現地在住の元イギリス大使を拘束

ミャンマー国軍、現地在住の元イギリス大使を拘束
「当局に無断で転居」した入国管理法違反の容疑で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM257R20V20C22A8000000/

『【ヤンゴン=新田裕一】元駐ミャンマー英国大使のビッキー・ボウマン氏が24日、ミャンマーの治安当局に拘束された。複数の関係者が25日明らかにした。ミャンマー国軍は容疑が入国管理法違反だと発表した。

ボウマン氏は同国在住で、企業の透明性向上や人権尊重を進める民間団体「責任あるビジネスのためのミャンマー・センター(MCRB)」の代表。報道によると、夫のミャンマー人芸術家と共に最大都市ヤンゴンのインセイン刑務所で拘束されている。

ミャンマー国軍報道官室はボウマン氏が居住地を届け出た場所から別のところに当局に無断で移ったため入国管理法違反に問われていると明らかにした。夫は、それをほう助した疑い。

在ミャンマー英国大使館は25日、日本経済新聞に「英国籍女性の拘束を憂慮している。ミャンマー当局と連絡し、領事支援を提供している」と電子メールで回答した。
ボウマン氏らが拘束されているとされるインセイン刑務所(2019年1月、ヤンゴン)=ロイター

英政府は25日、多数のイスラム系少数民族ロヒンギャが国外に逃れる主因となった国軍の「掃討作戦」から5年の節目に合わせ、国軍と関係のあるミャンマーの企業3社を制裁対象に加えたと発表した。

ボウマン氏は2002年から06年に駐ミャンマー大使。21年2月のクーデターで国軍が全権を掌握した後、進出企業に呼びかけて「法の支配や人権尊重は安定したビジネス環境の基礎だ」という内容の共同声明をまとめた。

ミャンマーでは7月末、映像ジャーナリストの久保田徹さんがヤンゴンで国軍への抗議デモを取材中に逮捕され、勾留が続いている。
ミャン

ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデターを巡る最新ニュースはこちら。
https://www.nikkei.com/theme/?dw=21020402 』

タイ首相職務停止、今後の3つのシナリオ

タイ首相職務停止、今後の3つのシナリオ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS24CEQ0U2A820C2000000/

『【バンコク=村松洋兵】タイの憲法裁判所が24日にプラユット首相の任期問題を巡って首相の職務停止を命じたことで政局が不透明になった。憲法裁は軍政の流れをくむ現政権の影響下にあり、最終的にはプラユット氏の続投を認めるとの見方があるが、任期切れと判断すれば国会で新首相を選出する流れとなる。

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軍事クーデターを経て2014年8月に暫定首相となったプラユット氏は、19年の正式就任以降も含めて在任期間が8年を超えた。野党は「首相任期を通算8年までとする憲法に違反する」として辞任を要求し、憲法裁に訴えを出していた。政権側はプラユット氏の任期は17年の現憲法制定時、あるいは19年の正式就任から起算するとの見解をとる。

憲法裁はプラユット氏の反論や専門家の意見を聞き、1~2カ月程度で首相の任期について判断を示す見通しだ。今後想定されるシナリオは3つある。

第1はプラユット氏の任期は切れていないと判断し、首相続投を認めるものだ。憲法裁の9人の裁判官は全員が軍政時代から職務を継続しており、過去には民主派野党に解散命令を出すなど政権寄りの判決を繰り返してきた。今回はプラユット氏の職務停止を命じたものの、最終的には政権の意向をくんだ判断を出すとの見方が多い。

背景にあるのがタイが22年の議長国を務めるアジア太平洋経済協力会議(APEC)だ。11月にバンコクで首脳会議を予定しており、政権は会議の成功を最重要課題の一つに位置づける。外交関係者は「憲法裁からプラユット氏の任期に問題がないとのお墨付きをもらい、国際社会に政権の正統性をアピールする狙いがある」とみる。

憲法裁がプラユット氏の任期が切れたと判断した場合は、首相は即時失職となり内閣総辞職を迫られる。その後、国会の上下両院議員の投票によって新首相を選出する。連立与党は公選制の下院(定数500)で過半数を占める。軍政下で任命された上院(同250)も与党側につくのが確実で、親軍政権が継続する見通しだ。

新首相は19年の民政移管に向けて実施した下院総選挙で、各党が首相候補として選挙管理委員会に登録した人物の中から選出するのが原則だ。約20党からなる連立与党から該当者を選ぶのが第2のシナリオとなる。

最大与党である親軍政党「国民国家の力党」はプラユット氏以外に首相候補として登録した人物がおらず、与党第2党「タイの誇り党」のアヌティン党首が有力候補となる。大手建設会社の創業一族で、タイ東北部に地盤を持つ有力政治家だ。現政権では副首相兼保健相を務め、大麻の栽培や使用に関する規制緩和を推進した。

国軍が影響力の及びにくい政治家に首相の座を渡すのを嫌い、国軍関係者や国軍の意向をくむ人物を選ぶのが第3のシナリオだ。首相指名選挙で19年総選挙の首相候補者の中から過半数を得る人物が出ない場合は、上下両院議員の3分の2以上の賛成があれば、ほかの人物から選出が可能になる。

その場合、プラユット氏の首相職務を代行するプラウィット副首相が有力候補になるとみられている。国軍の事実上のトップである陸軍司令官の経験者で、プラユット氏の元上官に当たる。国民国家の力党の党首も務め、現政権で最も影響力があるとされる。

国軍関係者が新首相になれば、野党や学生を中心とするデモ隊から「国軍による権力継承」との批判が強まるのは必至だ。下院は23年3月に任期満了を控えており、憲法の規定で遅くとも同年5月までに総選挙の実施が予定されている。早期の解散・総選挙を求める声が強まる可能性がある。

【関連記事】タイ野党系、退陣求めデモ「プラユット首相は任期満了」

多様な観点からニュースを考える

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高橋徹
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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ひとこと解説

タイの憲法裁判所は「最も民主的」といわれた1997年憲法で創設された独立機関です。権力のチェック・アンド・バランスを担うはずでしたが、その後の2度のクーデターと新憲法制定の過程で事実上骨抜きにされ、タクシン元首相派など革新勢力を追い落とすための「司法クーデター」のツール、と揶揄されてきました。今回の一時職務停止の命令は意外でしたが、常識的に考えれば、最終的にプラユット首相に不利な判断を下す可能性は低いと思われます。万が一、そうした事態が起きたら、それはタイ保守勢力の権力構造に重大な変化が生じていることを意味します。
2022年8月26日 12:20 (2022年8月26日 12:39更新) 』

分断の世界、岐路に立つアフリカ支援

分断の世界、岐路に立つアフリカ支援
TICAD27日開幕(日経・FT共同特集)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE15AHV0V10C22A8000000/

 ※ 『農家は自給自足の生活をなかなか抜け出せない。種子、肥料、収穫増の技術に関する知識が足りないからだ。』…。

 ※ そうは言うが、そもそも、「気候」(気温、降水量)というものがある…。

 ※ それが、何万年、何千年と積み重なって、「土壌」に反映されるんだ…。

 ※ そういう「自然のありよう」を、たかだか「数十年」の「農業技術」で、「変革」しようとするのは、難しい…。

『【関連記事】

・「最後の市場」アフリカ、成長の条件を探る
・課題の宝庫アフリカ 医療や脱炭素、新技術で挑む

農業の生産性、向上急務

マダガスカル南部の農家、モンジャ氏は、カラカラに乾いた畑から痩せたサツマイモを引き抜くと「もっと雨が降ればよく育つのに」とため息をついた。ほとんど育っていないトウモロコシにはもはや期待していない。

アフリカの大半の小農と同じく、モンジャ氏は農業用水を降雨に頼る。妻や2人の子どもと暮らす同氏の家計は逼迫している。マダガスカル南部は厳しい干ばつに襲われている。飢えが広がり、モンジャ氏の一家も牛のえさだったサボテンの葉を食べるようになった。
アフリカには耕作面積が2ヘクタール以下の小農が数千万人いる。「アフリカの角」と呼ばれる大陸東端やサハラ砂漠南部も深刻な食料難に陥っている。

干ばつがマダガスカルの農家を苦しめる=FT

農家は自給自足の生活をなかなか抜け出せない。種子、肥料、収穫増の技術に関する知識が足りないからだ。

知識があっても余分に生産しようとしない農家は多い。輸出は言うに及ばず、国内都市への出荷に必要なしっかりとした輸送路や公正な価格決定の仕組みすらも存在しないためだ。

耕作規模が小さいので、融資を受けても機械化や灌漑(かんがい)は検討できない。気まぐれな雨に農業用水を頼る。降雨パターンは一段と予想が難しくなっていると、専門家は指摘する。

結果として生産性は向上しない。人口1人あたりの農業従事者がほかの大陸より多いのに、食料は輸入が輸出を上回る。食料価格の高騰で輸入金額はさらに膨らみそうだ。農家が貧しいままなので、国の成長も困難だ。

エコノミストらは、1960年代以降の日本などアジア諸国の高い成長の基盤には農業の生産性向上があったと考える。

アジア諸国の成長要因を分析したジョー・スタッドウェル氏は、自家消費を超える量の作物を生産したことが発展につながったと指摘する。

輸出に回せば農家も外貨を稼げる。銀行に預金すれば、ほかの産業への融資に回る。この好循環はアフリカ諸国の大半で機能していない。

アフリカ各国は一貫性のある農業政策をなかなか策定できない。いくつかの国は政治面で影響力の低い農家の生活向上よりも、不安定になりがちな都市住民をなだめるため食料への補助金を維持する。多くの国の政府は農家の種子や肥料確保、農村での道路建設などへの資金拠出に消極的だ。

こうした長期の課題に加え、小麦を輸入に依存する国では目先、ロシアのウクライナ侵攻に伴う食料危機をいかに克服するかに関心が向く。ナイジェリアでは7月、パン職人がストライキを起こした。ケニアでは、食料価格の高騰の話題でもちきりだ。

アフリカ輸出入銀行のチーフエコノミスト、ヒポライト・フォーファック氏は、今回の危機が農業の改善を促す可能性を指摘する。「西アフリカではキビ、キャッサバなどを小麦の代わりに活用する。こうした代替作物の収穫量は短期間で大きく増やせる」

同氏は肥料も国内調達を増やせると話す。ナイジェリアでは2022年、天然ガスから最大で年300万トンの尿素やアンモニアを生産する新工場が稼働を始めたという。

(デイビッド・ピリング)

ODA、対中ロで重み増す

政府開発援助(ODA)をはじめ日本のアフリカ支援が新たな局面に差し掛かっている。日本は世界に先駆けてアフリカ開発会議(TICAD)を創設し、インフラなどの整備を手助けしてきた。ウクライナ侵攻を受けて中国やロシアとの競争という役割の重みが増してきた。

4月に開かれた国連の特別会合。ロシアの人権理事会の理事国の資格を停止する採決にあたり、日本の外務省の担当者は目を疑った。

ロシアの資格停止を巡って93カ国が賛成したものの24カ国が反対し、58カ国が棄権に回った。このうち反対9と棄権24はアフリカだった。

会合に参加しなかった11カ国を加えると54カ国のうち44カ国が決議の賛成を見送った。

当時、日米欧は相次いでロシアへの経済制裁に踏み切り、世界に「ロシア包囲網」を形成しようと動いていた。

それでも中国やインドは制裁の網をかいくぐってロシアの原油を買い支える。アフリカでもロシアと結びつきが強い点が浮き彫りとなり、日本政府は衝撃を受けた。

その背後には中国の存在があった。中国は2013年から18年に「アフリカ地域へ年平均でおよそ30億ドルの援助をした」との推計がある。同じ時期の日本のアフリカ向けODAの2倍ほどに相当する規模だ。

1993年から紡いできたアフリカ戦略をどうすべきか。ODAの効果は乏しいのか。

日本政府はTICAD8を前に戦略の再検討を迫られ、アフリカ向けの新たな融資のしくみの検討に入った。

熟慮の末に出した解は、いわゆる「債務のワナ」に陥りかねない国に手を差し出すことだ。中国からの融資を再検討することを条件に資金を供与し、中国の影響力の切り崩しを狙う。

中国は2018年末時点で世界51カ国で最大の資金の貸し手になった。圧倒的な影響力を持つように思えるが、サブサハラ地域の実情をみると中国への不信はむしろ高まりつつある。
8月のケニア大統領選でも中国の債務問題が争点の一つになった。

ここ数十年の時間軸でみれば日本はアフリカ支援のフロントランナーともいえる。93年に首脳級の枠組みとしてTICADを立ち上げた。

中国と欧州連合(EU)は追随した側だ。2000年にそれぞれが中国・アフリカ協力フォーラム、いまのEU・AUサミットをつくった。米国とロシアも14年と19年に支援の会合を設けた。

日本にはこの間、ODAを通じて道路や港湾の整備のほか巡視船の供与などの案件を積み重ねた実績がある。足元では伸び悩みに直面しているものの企業進出にも一定の結果が出ている。

創設から30年近くがたったいま、環境の変化に応じて戦略も変わる。

TICAD創設時には日本が外交目標に掲げていた国連常任理事国入りの手段という意味合いが大きかった。豊富な資源や市場の将来性に着目していた面もあった。

ウクライナ侵攻後の世界で目立つのは米欧側でも中ロ側でもない「中間国」だ。実利重視の国々をどう引き寄せるか。支援の形も変革を迫られている。

(重田俊介)』

[FT]フランス交通相「プライベート機の運航規制が必要」

[FT]フランス交通相「プライベート機の運航規制が必要」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2515B0V20C22A8000000/

 ※ これを「規制」して、どれだけ「CO2の削減効果」があるのか…。

 ※ 『「この規制案は何かを禁止したり、自由を侵害したりするものではない」と、ある政府高官は言う。「だが政府が冬の暖房温度を下げ、照明を落とすよう一般市民に要請しているのを横目に、プライベートジェットに乗ってパリから南仏ニースに遊びに行く人々がいるとすれば本当に問題だ」』…。

 ※ 単なる、「やっかみ」にしか聞こえんな…。

 ※ マクロン政権の、「人気取り」に過ぎんだろう…。

『フランスのボーヌ交通担当相は、気候変動に大きく影響を与えるプライベートジェットの運航を規制する考えを明らかにした。フランスでは、エネルギーを節約し、地球温暖化を阻止するために必要な対策に関する議論が白熱しており、同氏の発言はそうした動向を受けてのものだ。

省エネや環境保護の観点から、フランスではプライベートジェットの運航が論議を呼んでいる=ロイター

マクロン大統領に近いボーヌ氏は、「民衆を扇動したり、人身攻撃をしたりするつもりはないが、一部の行動についてはもはや容認できない段階に来ている」と仏紙パリジャンに語った。「プライベートジェットのフライト規制に乗り出すべきだと考えている」

「個人の快適性のためだけ」に正当化できず

プライベートジェットは急な出張旅行に便利かもしれない。だが、マクロン大統領が一般の人々にどれだけの努力を求めているかを考慮すれば、プライベートジェットのフライトを「個人の快適性のためだけ」に正当化することはできない、とボーヌ氏は訴えた。

6月の国民議会(下院)選挙では、環境政党「欧州エコロジー・緑の党」などで構成される左派連合が最大の野党勢力として躍り出た。同連合の一部の政治家は、経済界のリーダーや富裕層によるプライベートジェットの利用を全面的に禁止するよう求め、今秋、法案を提出する構えだ。

短文投稿サイト「ツイッター」では最近、プライベートジェットの動きを追跡し、その利用者を公表するアカウントの開設が相次いでおり、その一つである「I Fly Bernard(アイ・フライ・ベルナール)」にはすでに6万人以上のフォロワーがいる。アカウント名は、高級ブランド最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの会長兼最高経営責任者(CEO)で、欧州一の大富豪であり、プライベートジェットで世界中を飛び回るベルナール・アルノー氏を指す。

緑の党のバイユー代表は先週、「プライベートジェットを禁止すべき時がきた」と仏紙リベラシオンに語った。「この対策は、ごく一部にすぎないプライベートジェット利用者に不便を強いる代わりに、気候に対して最大かつ最も即効性のあるプラスの効果をもたらすことができる」と同氏は主張する。

気候変動や燃料価格上昇で高まる社会意識

今夏、深刻な干ばつや森林火災に見舞われ、ガソリンおよびディーゼル価格が高騰しているフランスでは、気候変動やロシアのウクライナ侵攻が引き金となった燃料価格上昇への社会意識が高まっている。

マクロン政権は市民に省エネを呼びかけ、再生可能エネルギーへの投資を加速する法案提出の準備を進めている。政府としては、一般市民に犠牲を強いる一方で、富裕層がこれまでどおりの生活を続けるのを黙認すると思われるのは避けたいところだ。

「この規制案は何かを禁止したり、自由を侵害したりするものではない」と、ある政府高官は言う。「だが政府が冬の暖房温度を下げ、照明を落とすよう一般市民に要請しているのを横目に、プライベートジェットに乗ってパリから南仏ニースに遊びに行く人々がいるとすれば本当に問題だ」

ボーヌ氏は10月に開かれる欧州連合(EU)交通相会合でこの問題を取り上げる予定だ。同氏はフランスが単独で取り組むよりも、EU全体で炭素課税制度またはプライベートジェットのフライト規制を導入した方が効果的だとの見解を示した。

規制に関しては、フランスの気候変動とレジリエンス(回復力)に関する法律の条項が手本となるかもしれない。電車で移動した場合の所要時間が2時間半未満の区間の国内商用便のフライトを制限するという内容だ。ただし、元老院(上院)の修正案を受けて、乗客のほとんどが国際便からの乗り継ぎであるフライトに関しては除外されており、実際に適用された路線はまだない。

By Victor Mallet

(2022年8月22日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

[FT]スイス、国民投票へ 高額な米戦闘機の導入可否巡り

[FT]スイス、国民投票へ 高額な米戦闘機の導入可否巡り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB254W40V20C22A8000000/

 ※ スイスの人口は、863.7万 (2020年)だ(※ 横浜市が、377万人くらい)。

 ※ わりと、「小国」(※ ヨーロッパでの人口ランキング23位)なんで、「直接民主制」的な制度が、発達している(憲法が、そうなっている)んだろう…。

『スイスの活動家が米国から最新鋭戦闘機F35Aを36機調達する政府の計画を阻止しようと、国民投票の実施に持ち込んだ。スイス軍の近代化計画に混乱が生じるほか、米政府との間の論争に発展する可能性がある。

スイスがF35A戦闘機の購入を決めたことは、スイスが軍事的中立を外交政策の信条としていることから、論争に発展した=ロイター

スイスは2021年6月、米ロッキード・マーチン製のF35A購入契約を締結する15カ国目となったが、これが論争の的になった。同国には特に、軍事的な中立を外交方針の中心に据えているという事情がある。

スイスの戦闘機調達をめぐっては、米ボーイングのスーパーホーネット、仏ダッソーのラファール、欧州エアバスのユーロファイター・タイフーンも激しく競合したが、スイスは最終的にF35Aを総額61億ドル(約8400億円)で調達することに決めた。同国では20年の国民投票で空軍の近代化が承認されたが、賛成票は50.1%と過半数をかろうじて上回ったにすぎない。調達する機種は国民投票で問われたわけではなく、選定は国防省に委ねられていた。

スイスの連邦事務総局は22日夜、F35Aの選定をめぐって2回目の国民投票の実施を求める署名を10万件以上確認したと発表した。

権力の分散を重視するスイス憲法制度の下では、政府は国民投票の実施日を設定し投票結果に従わなくてはならない。

スイス政府は23年3月までにロッキードとの契約を締結しなければならず、微妙な立場に追い込まれる。

これまでのところ、政府は、調達を進める意向を示している。

「これでは国民投票を悪用しているとは言えなくとも、誤解している」。自由民主党・リベラルのティエリー・バーカート党首はこう言う。同党はロッキードとの契約を支持している。

今後は、連邦会議(内閣に相当)と議会が国民投票の実施日を最終決定することになる。3月の契約締結期限までに国民投票を実施するには、契約条件について9月の次期議会会期中の合意形成が必要になる。しかし、議会で過半数を占める契約支持派は早期の国民投票実施を阻止する可能性がある。

反対派は社会民主党と緑の党、軍隊なきスイスを目指す会(GSoA)からなり、F35Aのランニングコストは競合機を大幅に上回ると主張している。

「米国の防衛産業に惑わされた」

彼らはF35Aがスイスの必要要件を超える「ぜいたくな戦闘機」であり、政府は米国の防衛産業に惑わされたと批判している。

世論調査機関は国民投票が実施されたとしても、結果は拮抗するとみる。ウクライナで戦争が続いているとはいえ、スイス政府はこれまでのところF35Aが必要な理由を有権者に明確に説明しきれていない。

連邦会議自体、契約支持の姿勢が盤石とはいえない。スイス国防省は技術的評価の結果、コストと性能面でF35Aを強力に支持したものの、閣僚の中には、21年6月の同機選定に至るまでに外交や財務面も含め幅広い判断材料を加味すべきだったとの意見もある。

22年7月にスイス公共放送(SRF)にリークされた文書では、フランス政府がダッソーの戦闘機ラファールの調達をスイス政府に強く働きかけていたことが明らかになった。スイスがF35Aの選定を撤回すれば、数十億規模の税金還付や将来の欧州連合(EU)との交渉でフランスが後ろ盾となることも約束されていたという。

By Sam Jones

(2022年8月23日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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ロシア、兵員13万人増の大統領令 侵攻の戦力補充か

ロシア、兵員13万人増の大統領令 侵攻の戦力補充か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2586K0V20C22A8000000/

『【ロンドン=篠崎健太】ロシアのプーチン大統領は25日、同国軍の兵員を13万7千人増やし、非戦闘員の軍職員を除いた兵力の定員を約115万人に増やす大統領令に署名した。兵員を約13%増やし、ウクライナ侵攻で不足が指摘されている兵力を補う方針とみられる。2023年1月に発効する。

【関連記事】ザポロジエ原発、電力網から遮断 火災の影響か

侵攻から24日で半年が経過したが、戦局は膠着状態にある。米国防総省高官はロシア兵の死傷者数が7万~8万人と推計する。プーチン政権は国民の反発を恐れ、有事に兵役義務のある国民を招集するための総動員令には踏み切っていない。

ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は25日、東部ドニエプロペトロフスク州チャプリネで24日にあった鉄道駅などへのミサイル攻撃の死者数が25人に増えたと通信アプリへの投稿で説明した。駅施設や車両のほか近くの住宅に被害が出た。6歳と11歳の子供も犠牲になったという。

ゼレンスキー大統領は24日のビデオ演説で「占領者には必ず全ての行為の責任を負わせる」とロシアを非難した。同日はウクライナが旧ソ連からの独立を宣言した記念日で警戒が高まっていた。

ロシア国防省は25日公表の戦況報告で駅への攻撃を認めた。「(短距離弾道ミサイル)イスカンデルがチャプリネ駅で軍用列車に命中した」とし、東部ドンバス地方に向かっていたウクライナの予備兵や軍装備品に打撃を与えたと主張した。

一方、米メディアによると米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は24日、ロシアがウクライナの占領地域で編入に向けた「偽りの住民投票」の実施に動く兆候があると記者団に述べた。

南部のザポロジエ州や東部ドネツク州などが対象で、週内にも計画が発表される可能性があると指摘した。

米政府は24日、ウクライナに30億ドル(約4100億円)相当の軍事支援を追加で実施すると発表した。一度の支援規模としては過去最大で、防空システムや無人機、弾薬などを供与する。バイデン大統領は25日にゼレンスキー氏と電話して支援策について伝える見通しだ。

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・米国、ウクライナ軍事支援「数年単位で」 長期戦にらむ
・ウクライナ、厳戒の記念日 国連「市民1万3000人死傷」

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』

台湾、23年の防衛予算過去最高 中国対応で大幅増

台湾、23年の防衛予算過去最高 中国対応で大幅増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM256TM0V20C22A8000000/

『【台北=中村裕】台湾の行政院(内閣)は25日、2023年の防衛費を総額5863億台湾ドル(約2兆6500億円)とする予算案を閣議決定した。22年に比べ13.9%増えて過去最高となる。軍事的圧力を強める中国に対抗するため、防衛費を大きく積み増す。今後、立法院(国会)での審議を経て、年内に正式決定する見通し。

防衛費の増加は6年連続となる。中国との緊張関係を背景に23年は2ケタ増とし、防衛力の強化を狙う。

内訳をみると、基礎的な部分に当たる一般の防衛費は4151億台湾ドルで、22年に比べ12.9%増とした。

台湾周辺で中国軍機などによる威嚇行為や軍事演習が活発化し、台湾の軍機の緊急発進(スクランブル)や海軍による警戒警備の機会も増え、コストが膨らんでいることが理由だという。

これとは別に、特別予算として1083億台湾ドルの計上も見込む。蔡英文(ツァイ・インウェン)政権は自衛力の強化を急いでおり、米国からの購入が決まっているF16戦闘機の導入のほか、自主開発のミサイルの配備に向けた費用を見込む。

さらに、その他費用として629億台湾ドルを予定し、総額5863億台湾ドルの過去最大の防衛予算案を閣議決定した。台湾の国防部(国防省)によると、域内総生産(GDP)比で約2.4%に相当する見込み。』

韓国、対中貿易28年ぶり赤字 「経済依存逆転」の衝撃

韓国、対中貿易28年ぶり赤字 「経済依存逆転」の衝撃
国交30年 岐路の中韓㊦
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2122H0R20C22A8000000/

『中国と韓国の経済関係が転機を迎えている。韓国側の統計によると、輸出主導型の韓国経済の「お得意様」だった中国に対して28年ぶりに貿易赤字となり、韓国では対中依存からの「逆流現象」として驚きが広がる。一方、中国企業は韓国企業の買収攻勢を強めており、米中対立の先鋭化を受けて韓国を米国市場攻略の足場とする戦略が動き始めた。

「乗用車の組み立て工場は休止状態で、中国企業への売却交渉を進めている」。中国内陸部、重慶市にある韓国・現代自動車の合弁工場を訪れると、管理担当者は打ち明けた。

現代自は重慶市で2017年に年産30万台の組み立て工場などを稼働したが、中国勢の台頭で販売不振に陥った。英LMCオートモーティブによると、現代自の中国乗用車販売台数は1~6月で前年同期比4割減の15万台。一時は10%近いシェアで2位を占めたが、足元は2%を下回り10位以下に低迷する。

スマートフォンや家電も中国市場で苦戦している。かつて首位だったサムスン電子のスマホのシェアは1%未満に落ち込み、19年に中国内でのスマホ生産から撤退した。LG電子のテレビもシェアが一時は5%を超えたが、足元は0.1%。韓国企業の中国市場での失速が足元の貿易赤字にもつながっている。

韓国貿易協会によると、5月の対中貿易収支は11億ドル(約1500億円)の赤字で、1994年8月以来となる約28年ぶりの貿易赤字となった。6月、7月ともに赤字続き。韓国にとって中国は最大の貿易相手国で、韓国企業の「お得意様」だったが、物の流れが逆転する「逆流現象」が始まったとの受け止めが広がる。

同協会傘下の国際貿易通商研究院は「対中貿易赤字診断」とのタイトルでリポートを作成した。「中国の景気鈍化、コロナ対策による生産活動の停滞で中間財の輸出が低迷した」などと分析した。しかし、中国では「韓国企業の失速と中国企業の躍進を反映する」との見方も広がる。

「米国市場向けの輸出拠点として活用するための出資だ」。中国民営自動車大手の浙江吉利控股集団が5月に発表した仏自動車大手ルノーの韓国グループ会社「ルノーコリア自動車」への34%の出資について、吉利の関係者は解説する。

吉利はルノーコリアでハイブリッド車を生産し、米韓自由貿易協定(FTA)を活用して米国に輸出することを検討しているとされる。米アルファベットの子会社で自動運転技術の開発を手掛ける米ウェイモの自動運転タクシー向けの電気自動車(EV)生産拠点の候補にも挙がる。

中国の杉杉(シャンシャン)グループはLG化学の液晶パネル用の偏光板事業を買収した。海外事業の拡大も目的だ。近年は中国政府の旗振りで、中国の投資ファンドや有力企業が積極的に半導体関連を中心にハイテク分野の韓国企業の買収や出資に向けて物色を続けているという。

韓国企業を狙う中国企業の思惑が実現するのか。米当局の不承認などで頓挫するケースも出ているが、同様に日本企業の買収をテコに世界戦略を描く中国企業も少なくない。中韓企業の動きは、日中ビジネスの今後を占う試金石にもなる。(重慶=多部田俊輔、ソウル=細川幸太郎)』

新疆報告、40カ国公表反対 人権弁務官が圧力認める

新疆報告、40カ国公表反対 人権弁務官が圧力認める
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB25CJN0V20C22A8000000/

『【ジュネーブ=共同】バチェレ国連人権高等弁務官は25日、少数民族のウイグル族への人権侵害が懸念されている中国新疆ウイグル自治区を巡る報告書の公表について「40カ国か、それぐらいの数の国」から反対する書簡を受け取っていたと明らかにした。バチェレ氏は任期満了に伴う8月末の退任までに公表するとしている。

退任を前にした記者会見でバチェレ氏は、公表に賛否双方の立場の国や市民団体から「とてつもなく大きな圧力がかけられてきた」と認めたが「公表の是非は、圧力には左右されないと保証する」と強調した。ロイター通信は7月、中国が報告書の公表を阻止しようとして複数の国に書簡を送るなど、外交工作を展開していたと報じていた。

バチェレ氏は退任前の報告書公表について「約束したことを実現するために尽力している最中だ」と言及。他国に関する報告と同様に、当事国である中国には既に内容を伝達済みで、中国側からの指摘を受け、事実関係について最終確認を行っていると述べた。』

「中国にのみ込まれた」 カンボジア海軍基地の町ルポ

「中国にのみ込まれた」 カンボジア海軍基地の町ルポ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM099LN0Z00C22A8000000/

『カンボジア南西部のリアム海軍基地の拡張工事を中国が無償で支援し、米国が警戒している。海洋進出を進める中国が同基地を軍事利用する可能性があると考える。リアム基地を抱える主要都市シアヌークビルには中国系のホテルやカジノが並ぶ。中国の経済力に頼るフン・セン政権による開発の最前線だ。市内を歩くと、住民からは「中国にのみ込まれた」との嘆きが漏れた。

「このあたりは中国にのみ込まれてしまったようだ。あそこもそうだ」。7月下旬にシアヌークビルを訪れると、リアム基地の近くで雑貨店を営む女性が、基地の方を指さして話した。車で近づくと、カンボジア軍の兵士に制止された。これまでの訪問では感じなかった緊張感が漂っていた。

中国が拡張工事を支援するリアム海軍基地

「基地に近づく住民は最近、少なくなった」。現地のジャーナリストは話す。この数カ月、基地には工事の関係者とみられる中国人の出入りが目立つようになったという。基地の近くには土砂を満載した大型トラックが列をつくっていたが、基地の拡張工事との関係は確認できなかった。

カンボジア政府が中国の支援で拡張工事を始めると発表したのは6月上旬だ。7月上旬に撮影された衛星写真で米戦略国際問題研究所(CSIS)が分析すると、基地の内部では桟橋のような構造物が新たに確認された。

シアヌークビルは首都のプノンペンから車で4時間ほどかかる。かつては人通りが少なく、のどかな雰囲気だった。だが、5年ほど前から中国企業の進出が急増した。

市内のいたるところに、漢字が書かれた看板がある。あちこちから中国語が聞こえてくる。ランチで利用したレストランは、従業員も客も中国人ばかりだった。

リアム基地はタイ湾に臨む。中国がベトナム、フィリピンなどと領有権を争う南シナ海に近い。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は6月上旬、中国がこの基地の一部を使用すると同国当局者が認めたと報じた。科学者も利用し、軍事目的に特化しないというが、中国軍の海外拠点としてアフリカ東部ジブチの補給基地に次ぐ2つ目になる可能性がある。

8月上旬、プノンペンを訪問したブリンケン米国務長官は会談したフン・セン氏に「基地における中国の軍事活動は、透明性を完全に保つべきだ」と求めた。だが、カンボジア側は中国軍が基地に駐留する可能性を憲法が認めていないという立場だ。
カンボジア側はリアム海軍基地に中国軍が駐留する可能性を否定する

シアヌークビルの外側にも中国の影響は広がる。基地から北西方面に車で3時間ほど進むと、近く開業予定のダラサコール国際空港が見えてくる。中国側が資金を提供して建設を担い、開業後の運営にも携わる。空港の土地は中国側に長期貸与される。地元の州の人口は10万人にすぎないが、滑走路は同国最長の3200メートルで、軍用機の離着陸も可能だ。米国は「軍事転用の可能性」を疑っている。

南シナ海や台湾を巡り、米中の対立は激しくなる一方だ。「国際的な紛争に巻き込まれなければよいが」。シアヌークビルで乗ったタクシー運転手は話した。

(シアヌークビルで、大西智也)』

北朝鮮、新型コロナ再発か 「先軍」62年で核保有強調

北朝鮮、新型コロナ再発か 「先軍」62年で核保有強調
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB25BK90V20C22A8000000/

『【北京、平壌=共同】北朝鮮メディアは25日、北部の両江道で23日に新型コロナウイルスの感染が疑われる発熱患者が4人確認され、当局が地域を封鎖しPCR検査などを行っていると伝えた。当局は7月29日以降感染者は一人もいなくなったと説明してきた。感染が再発した可能性もある。

一方、北朝鮮は25日、「先軍政治」と呼ばれる軍優先の政治指導を故金正日総書記が始めたとされる日から62年となる「先軍節」を迎えた。朝鮮労働党機関紙、労働新聞は、金正日氏が国防強化を追求した結果「わが祖国は世界的な軍事強国、堂々たる核保有国に上り詰めた」と強調する論説を掲載した。

首都・平壌では、万寿台の丘に立つ故金日成主席と金正日氏の銅像に市民や軍人が献花し、祝いの舞踏会も行われた。

新型コロナに関し北朝鮮は、今月10日に「全国非常防疫総括会議」を開いて金正恩党総書記が新型コロナに「勝利した」と宣言し、防疫措置の緩和を発表した。しかしその後もウイルスの流入を警戒し、国境を越える人の動きは止めている。

当局はこれまで、4月末以降に発熱患者が477万人超確認され、うち74人が死亡したと発表している。4月末からの感染拡大は、韓国の脱北者が風船で散布したビラに付いて流入したウイルスが原因になったと主張して韓国を非難してきた。

今回発熱患者が出た両江道は韓国との軍事境界線からは離れ、中国と国境を接している。

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米共和党議員が台湾訪問、蔡総統と会談へ

米共和党議員が台湾訪問、蔡総統と会談へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25EHR0V20C22A8000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米共和党のマーシャ・ブラックバーン上院議員は25日夜、台湾を訪問した。訪問中に蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談する予定だ。2日のペロシ米下院議長の訪台に猛反発する中国が軍事圧力を強める中でも、超党派で台湾に関与する姿勢を示す狙いがある。

ブラックバーン氏は25日の声明で「台湾はインド太平洋の最も強力なパートナーだ。台湾の人々の自由をどう支援できるか直接聞くのを楽しみにしている」と強調した。台湾の指導者と会談し、パートナーシップを強化する方針だ。

同氏は台湾に先立ち、4月に中国と安全保障協定を締結したソロモン諸島のほか、フィジーやパプアニューギニアも訪れた。党派を問わず米中攻防の最前線となっている太平洋の島しょ国にかかわり、中国に対抗する。

ペロシ氏以降も米要人の台湾訪問が相次ぐ。上下院の超党派議員団が8月14日から、共和党のインディアナ州知事であるホルコム氏も21日から訪台し、蔡氏らと会談した。中国はペロシ氏の訪台直後から台湾周辺で大規模な軍事演習を展開し、現在も緊張が続いている。

【関連記事】

・ペロシ氏訪台が示した新常態 イアン・ブレマー氏
・ペロシ米下院議長訪問「歓迎」52.9% 台湾民間世論調査 』

米中当局、NY上場中国勢の検査で合意へ 米報道

米中当局、NY上場中国勢の検査で合意へ 米報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN260GT0W2A820C2000000/

『【ニューヨーク=宮本岳則】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は25日、米国に上場する中国企業の監査状況を巡り、中国の証券規制当局が米国当局の検査を受け入れる方向で近く合意すると報じた。米議会で成立した法律によって、中国企業は米株式市場から締め出されるリスクに直面している。検査の実施は上場廃止回避に向けた最初の一歩となる。

【関連記事】

・中国企業150社に上場廃止警告 米、時期早める構え

WSJによると中国当局は、中国企業や会計監査法人が中国本土から香港に監査書類や関連データを転送できるよう手続きを進めている。米証券取引委員会(SEC)の監督下にある上場企業会計監視委員会(PCAOB)の担当者が今後、香港に出向いて監査状況を確認する見通しだ。

PCAOBは米上場企業を担当する監査法人を検査し、適切な会計監査をしているか確認している。米議会で2020年12月に成立した「外国企業説明責任法」によって、3期連続で検査を拒んだ場合、上場廃止になることが決まった。中国は国家安全保障に関わる情報が流出しかねないとして拒否していたが、米中当局間の話し合いで譲歩する姿勢を見せていた。

米ニューヨーク市場に上場する中国企業は22年3月時点で約260社。SECは監査状況を検査できていない中国企業名を公表し、上場廃止リスクの高い会社として投資家に注意を呼びかけている。「警告リスト」には中国のネット通販大手アリババ集団や検索大手の百度(バイドゥ)などが含まれている。

検査実施で合意しても、上場廃止の回避につながるか見通せない。SECのYJ・フィッシャー国際問題担当ディレクターは5月下旬の講演で「PCAOBと中国当局の間で合意が結ばれたとしても、最初の一歩にすぎない」と述べた。中国側が監査書類を全て提出しなかったり、検査を制限したりすることを警戒している。

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日本政策投資銀行

日本政策投資銀行
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%94%BF%E7%AD%96%E6%8A%95%E8%B3%87%E9%8A%80%E8%A1%8C

『株式会社日本政策投資銀行(にっぽんせいさくとうしぎんこう、英称:Development Bank of Japan Inc.、略称:DBJ、または政投銀)は、株式会社日本政策投資銀行法に基づき設立された、財務省所管の特殊会社、日本の政策金融機関である。

前身は、復興金融金庫、日本開発銀行、北海道東北開発公庫、(旧)日本政策投資銀行であり、今日は民営化されている。 同じく2008年10月1日に設立された株式会社日本政策金融公庫(JFC、旧・国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫)とは、全く別の法人である。 』

『概要

旧本店ビル

出資と融資を一体的に行う手法その他高度な金融上の手法を用いることにより、長期の事業資金に係る投融資機能を発揮し、長期の事業資金を必要とする顧客に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与することを事業目的とする[1][注 2]。 資金の流れを「官から民」に移し経済を活性化する政策金融改革の一環で、2008年(平成20年)10月1日に、特殊法人の日本政策投資銀行(旧DBJ)を解散し、特殊会社たる株式会社日本政策投資銀行(新DBJ)として新たに発足した(旧DBJの全財産の出資により新DBJが設立され、新DBJ設立と同時に旧DBJは割当を受けた新DBJ全株式を政府に無償譲渡し、旧DBJは解散)。

旧日本政策投資銀行との差異

資金調達において、預金の受け入れや民間企業からの借り入れが可能となった。

完全民営化

当初は、2012年(平成24年)~2014年(平成26年)を目途に、日本国政府保有株式の全てを処分し完全民営化する予定であった。しかし2008年(平成20年)からの世界金融危機および、2011年(平成23年)に発生した東日本大震災の災害復旧に対応するため、政策金融機関に対する日本国政府の関与を維持する方向での見直しが行われた。

まず、2009年の株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律(平成21年法律第67号)により、完全民営化の時期が2012年(平成24年)4月1日から5~7年後に延期された。その後、2011年(平成23年)に施行された東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成23年法律第40号)において、2015年(平成27年)4月1日から5~7年後を目途に完全民営化するものとされた。また、政府は、2014年度(平成26年度)末を目途として、日本国政府による株式保有のありかたを含めたDBJの組織等を見直すこととなり、それまでの間、DBJの株式を処分しないと定められている[2]。

ただし、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成十八年法律第四十七号)六条により「日本政策投資銀行は、完全民営化するもの」とされており、同法を所管する内閣官房では定期的に同銀行に対するヒアリングを実施している。 』

『業務内容

投融資一体型の特色ある金融サービスを提供している。

融資部門:中長期融資、仕組み金融(ストラクチャードファイナンス等)、劣後融資等の提供
    評価認証型融資(DBJ環境格付、DBJ BCM格付、DBJ健康経営格付)
    DBJ Green Building認証
投資部門:リスクマネー(メザニンファイナンス、エクイティ)の提供
コンサルティング/アドバイザリー部門:仕組み金融のアレンジャー、M&Aのアドバイザー、産業調査機能や環境・技術評価等のノウハウの提供

平成27年DBJ法改正により、危機対応業務が義務付けられ、特定投資業務が創設された。

プロジェクト・ファイナンス、PFI、事業再生、ベンチャー、産学官連携、国際協力、社会・環境活動など、政策性が高いプロジェクトを支援するための融資や投資が基本となる。また、旧北海道東北開発公庫の業務を引き継いでいる経緯より、投融資枠の一部が「北東枠」として設けられ、主に北海道・東北地域への投融資に向けられている。[要出典]

投融資例

1998年 中山共同発電株式会社 - 日本初のプロジェクトファイナンス(旧三和銀行と共同幹事)
2002年 株式会社ダイエー - 当時の主力取引行などと共に「企業債権ファンド」を組織し、100億円の融資を実行する。
2003年 株式会社ペンシル - 知的財産権担保融資として、ポータルサイト「髪ナビ!」[1]を担保とする日本初の融資を受ける。
2010年 不動産市場安定化ファンドに対するメザニンローン 』

『沿革
組織の変遷

1947年(昭和22年)1月 - 復興金融金庫設立。初代理事長に伊藤謙二が就任[3][4]。
1951年(昭和26年)4月20日 - 日本開発銀行法(1951年3月31日公布、1952年1月16日全面施行)に基づき、当時の大蔵大臣・池田勇人によって日本開発銀行が設立される。復興金融金庫(1951年12月26日復興金融金庫解散・業務引継令公布(政令))の貸付債権を承継(池田勇人#講和・独立後の政権運営)。5月15日開業。開銀は恒常的に外債を発行した。
1952年(昭和27年)8月30日 - 電源開発に49億5000万円出資。9月14日見返資金特別会計の債権を承継(8月30日同政令公布)。
1954年(昭和29年)4月15日 - 日本航空のチェース・ナショナル銀行からの借入れを外貨保証。
1956年(昭和31年)6月 - 北海道開発公庫法に基づき、北海道開発公庫が設立される。
1957年(昭和32年) - 法改正により、北海道開発公庫から北海道東北開発公庫に改組。
1967年(昭和42年)2月1日 - 日産自動車に40億円を貸付、体制金融の第1号。

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1999年(平成11年)
    6月11日 - 日本政策投資銀行法(平成11年法律第73号)公布。同日施行。
    10月1日 - 日本開発銀行及び北海道東北開発公庫の一切の権利義務を承継し、日本政策投資銀行設立(これに伴い日本開発銀行及び北海道東北開発公庫がそれぞれ解散)。
2007年(平成19年)6月13日 - 株式会社日本政策投資銀行法(平成19年法律第85号)公布。同日施行。
2008年(平成20年)
    10月1日 - 特殊法人の日本政策投資銀行を解散し、特殊会社たる株式会社日本政策投資銀行設立。
    12月 - シンガポール事務所を現地法人化し、DBJ Singapore Limited設立。
2009年(平成21年)6月 - ロンドン事務所を現地法人化し、DBJ Europe Limited設立。
2012年(平成24年) - 大手町フィナンシャルシティ完成に伴い、本店移転。

拠点・関連
拠点

本店(東京)
北海道支店(札幌)
東北支店(仙台)
新潟支店(新潟)
北陸支店(金沢)
東海支店(名古屋)
関西支店(大阪)
中国支店(広島)
四国支店(高松)
九州支店(福岡)
南九州支店(鹿児島)
函館事務所
釧路事務所
青森事務所
富山事務所
松江事務所
岡山事務所
松山事務所
大分事務所
ニューヨーク駐在員事務所

関係会社

連結子会社

株式会社日本経済研究所
株式会社価値総合研究所
DBJ証券株式会社
DBJ事業投資株式会社
DBJキャピタル株式会社
DBJアセットマネジメント株式会社
DBJ Singapore Limited(シンガポール)
DBJ Europe Limited(ロンドン)
DBJ投資アドバイザリー株式会社
DBJリアルエステート株式会社
政投銀投資諮詢(北京)有限公司

その他11社。

持分法適用関連会社

その他20社。

関連財団

一般財団法人日本経済研究所 』

(※ その他は、省略。)

米カリフォルニア州、2035年にハイブリッド車も販売禁止

米カリフォルニア州、2035年にハイブリッド車も販売禁止
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2509E0V20C22A8000000/

『【シリコンバレー=白石武志】米カリフォルニア州の環境当局は25日、2035年にガソリンのみで駆動する新車の販売を全面禁止する新たな規制案を決定した。26~35年にかけて段階的に電気自動車(EV)などの販売比率を高めるよう各自動車メーカーに義務付ける。州内の新車販売の10%強を占めるハイブリッド車(HV)も35年以降は販売禁止とする。HVを得意とする日本車メーカーは戦略変更を迫られる。

欧州連合(EU)が35年までに域内におけるガソリン車の新車販売を原則禁止する方針を打ち出すなど、輸送分野における石油依存を減らす動きが世界的に広がっている。米国の環境規制をリードするカリフォルニア州ではニューサム知事が20年9月にガソリン車の新車販売を35年までに全面禁止すると表明。同州の大気資源局(CARB)が約2年かけて規制案を検討してきた。

CARBはガソリン車の規制案について8月25日に2回目の公聴会を開いて州民らの意見を集約し、同日の会合で可決した。各自動車メーカーに州内の販売台数の一定割合を環境負荷の少ないゼロエミッション車(ZEV)とするよう義務付けるものだ。

規制値は26年式については35%、30年式は68%、35年式は100%に高まり、段階的にガソリン車の販売比率を引き下げる。規制値を満たさなかった車メーカーには、未達成分について1台あたり最大2万ドル(約270万円)の罰金を科すという。

新たな規制案ではEVのほか、燃料電池車(FCV)や電池だけで約80キロメートル以上走れるプラグインハイブリッド車(PHV)がZEVとして認められた。CARBは原則として排ガスを出さない車の普及を目指しており、PHVを算入する場合には規制が要求するZEV販売台数の20%以下に抑えるよう各車メーカーに求めている。

カリフォルニア州新車ディーラー協会(CNCDA)によると22年1~6月に州内で販売された約85万3000台の新車のうち、EVとPHVの比率は合計約18%だった。ただ、これはEV専業の米テスラによる押し上げ効果が大きい。約4年後の26年式について販売台数の35%をZEVとするよう義務付ける新たな規制案は、多くの車メーカーにとって高いハードルとなる。

カリフォルニア州はこれまでも車メーカーに販売台数の一定割合をZEVとするよう義務付ける規制を実施してきた。従来は規制値を満たせない車メーカーは超過して達成した他社からクレジット(排出枠)を購入することで罰金などを回避できていた。CARBは26年式から始まる新たな規制案ではクレジット売買などの仕組みは用意していないと説明している。

CARBが25日に可決した規制案はすでに州議会の支持を受けており、法令案を審査する州の部局の承認などを経た上で今秋にも正式決定する。同州におけるEVの平均単価は約6万ドルと高止まりしており、一部の団体は新たな規制について「現実的ではない」と反発している。施行までには曲折もありそうだ。

カリフォルニア州は米連邦政府に先駆けて車の排ガス規制を導入した歴史的な経緯から、独自の環境規制を定めることが認められている。他の州がカリフォルニア州の規制にならうことも許されており、CARBの担当者は「多くの州で新たな規制案を採用する動きがある」と話している。

【関連記事】

・米カリフォルニア州でガソリン車販売禁止へ 車産業に波紋
・NY州も35年ガソリン車全廃へ 知事が目標に署名
・EU、35年までにガソリン車の新車販売禁止 方針固まる

ニューズレター
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深尾三四郎のアバター
深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員
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ひとこと解説

カリフォルニア版欧州バッテリー規制の導入可能性にも要注目。
米国EVシフト政策は、従来は排ガス抑制を目的とした環境対策の一環だったが、昨今は再エネの調整力や分散共有機能を持つ車載電池の普及を狙ったエネルギー政策としての新しい意味が加わった。ウクライナ戦争勃発後は車載電池に含まれる重要鉱物を囲い込むため、欧州バッテリー規制のような電池部材のリサイクル強化を促すルール作成の議論もカリフォルニア州では加速している。かつてとは次元の違うスピードと深度でEVシフト政策が強化されており、日系メーカーのドル箱市場でのZEV規制は欧州のそれ以上に厳しい規制となる。
2022年8月26日 8:16 (2022年8月26日 8:31更新)
柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

あと12年少々でEVしか販売できない。今の現実から推察すれば、2030年ごろから内燃エンジン車の駆け込み需要は想像できないほど爆増するだろう。要するに、それまでに電池の革命が飛躍的に進歩しなければ、EVが完全に内燃エンジン車を凌駕できない。こういう政治パフォーマンスは何をもたらすのだろうか
2022年8月26日 7:55
福井健策のアバター
福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

柯隆さんのおっしゃる通り、EVは電池問題を解決できていませんので、もっとも適した用途は短・中距離の移動であり、あらゆる用途に向く移動手段ではありません。またこうした規制は新たな買い替え需要や廃棄物を生み、それ自体が別な環境問題を生じさせるリスクもあります。
何度も書きますが環境問題にそんなに便利な打ち出の小槌はありませんので、公共交通やロード・プライシングも活用したモーダル・シフト全体の中で、位置づけるべきものでしょう。
2022年8月26日 8:43
村上芽のアバター
村上芽
日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト
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ひとこと解説

カリフォルニア州が独自の環境規制を認められているという末尾の段落の点、トランプ政権下では取り下げられ、バイデン政権になって戻り、その後も「平等」を巡って訴訟になっていました。そうした経緯からも一筋縄ではいかない話であるとはいえ、現地で生活する人たちの山火事や熱波への恐怖を想像すると、足並みをそろえないことに現実味があります。
2022年8月26日 8:32
蛯原健のアバター
蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
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分析・考察

今回除外対象外の50マイル/80キロ以上電気走行可能PEVは現行でも結構ある故、ハイブリッドが禁止というのはミスリーディングだろう。ただし日本勢は現行エネルギーミクスを前提にした最適化を考慮し電気走行距離は抑えており80キロには至っていない。が大きな戦略シフトとまで行かずとも対応は可能な範囲ではなかろうか。先月ベイエリアをテスラで走り回ったがハイウェイは当たり前だがまだまだガソリン車、古いピックアップトラックだらけであった。サンフランシスコ市内はホームレスだらけ、その超格差地域においてこの方向に突き進む事は、就労形態の変化や中国製EVの台頭など良きにつけ悪きにつけ大きな社会変容を産むだろう。
2022年8月26日 8:30
高橋徹のアバター
高橋徹
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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ひとこと解説

米国の人口の1割を占めるカリフォルニア州は「全米のトレンド・セッティング・ステート」と呼ばれてきました。1990年に最初にZEV販売義務付け規制を出したときも世界に衝撃を与えました。当時は「技術革新を法律で縛る」と批判もされましたが、いまにつながるEVの開発競争の揺り籠となったのは間違いありません。今回の決定は面目躍如といえるでしょう。ただ、かつてのZEV規制も、達成年限の先送りやHVの算入、他社からのクレジット購入など現実に即した「規制緩和」を取り入れてきました。今回はどうでしょうか。
2022年8月26日 7:18 』

ジャクソンホール会議開幕 「経済・政策の制約」を議論

ジャクソンホール会議開幕 「経済・政策の制約」を議論
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25DWY0V20C22A8000000/

『【ジャクソンホール(米ワイオミング州)=斉藤雄太】世界の中央銀行関係者や経済学者らが集う経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が25日夜に開幕した。会議全体のテーマは「経済と政策の制約の再評価」。新型コロナウイルス禍を経て変容した経済・物価環境に政策当局がどのように対処すべきかを討議する。

開催期間は25~27日の3日間。昨年までコロナの感染対策でオンライン形式だったが、今年は3年ぶりに対面型の開催になる。会場はロッキー山脈の麓の山荘だ。

会議を主催する米カンザスシティー連銀が公表したプログラムによると、25日夜の開幕レセプションを経て、26日午前8時(日本時間午後11時)に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演する。今後の利上げペースなど金融政策の先行きにどこまで踏み込んだ発言をするかが最大の注目点になる。

26日はパウエル議長講演に続き、独ゲーテ大のニコラ・フクス・シュンデルン教授が「最大雇用」、仏ビジネススクールINSEAD(欧州経営大学院)のジョン・フェルナルド教授が「潜在国内総生産(GDP)」に関する論文を公表し、対談者と議論する。

国際通貨基金(IMF)のギータ・ゴピナート筆頭副専務理事やオバマ政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたジェイソン・ファーマン米ハーバード大教授らは「コロナ禍以前のトレンドは終わったか、あるいは一時的な中断にすぎないのか」についてパネル討論会に臨む。国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人も講演する。

27日は米ジョンズ・ホプキンス大のフランチェスコ・ビアンチ教授が「財政制約」、ニューヨーク大のヴィラル・アチャリャ教授が「中銀のバランスシート」について論文を公表する。欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事や韓国銀行(中銀)の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁らによる「コロナ後の政策見通し」の議論などを経て、閉幕する。

【関連記事】

・25日からジャクソンホール会議 「タカ派」発言に注目
・FRB議長が講演へ 市場、インフレ退治の強硬姿勢見極め 』