ゼレンスキー氏、安保理で「駅攻撃」を非難 22人が死亡

ゼレンスキー氏、安保理で「駅攻撃」を非難 22人が死亡
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24DP50U2A820C2000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会は24日、ロシアのウクライナ侵攻から半年がたったことを受けて会合を開き、同国のゼレンスキー大統領が参加した。同氏はオンラインで参加し「この演説を準備している間にドニエプロペトロフスク州の鉄道の駅が攻撃されたと伝えられた。これが我々の日常だ」とロシアを非難した。

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駅に対する攻撃についてゼレンスキー氏は「現時点で少なくとも15人が死亡、50人のけがが確認されている。残念ながら死者数は増える可能性がある」と指摘した。その後に出した声明で死者数が22人に増えたと明らかにした。

周辺で爆発が続くザポロジエ原発について「ロシアの行為で世界は放射能災害の瀬戸際にある」と述べるとともに、即時に国際原子力機関(IAEA)の管理下に置く必要があると強調した。「ロシアにはウクライナに対する侵略の罪の責任を負う必要があり、国連総会の決議案を今後提出する」と明らかにした。

ウクライナからの穀物輸出が滞っていることについては「ロシアによる狂気じみた侵略によって人工的に飢餓が引き起こされ、世界各国で数千万人もの人を救う必要が出た」と批判した。高騰する天然ガスなどの燃料価格についても「ロシアが意図的に価格を引き上げ、数千万人の人に(電力などが届かなくなる)エネルギー貧困を押しつけているのは事実だ」と強調した。
日本を含む57カ国とEUは共同声明でウクライナ市民への連帯を表明し、ロシア軍の撤退を求めた(24日、ニューヨークの国連本部)

ロシアのネベンジャ国連大使は「ウクライナ人が困難な状況にあることは誰も否定しないが、この実態を招いたのはウクライナ政府だ」と主張した。「きょうの会合は現場の状況に全く関係なく、ただ西側諸国がウクライナに対して支持を示すためだけのものだ」と会合開催を批判した。

会合後には日本を含む57カ国と欧州連合(EU)がロシアのウクライナ侵攻を非難する共同声明を発表した。声明ではロシアに対して「ウクライナに対する攻撃を即時に停止し、ウクライナから無条件で完全な軍の撤退と軍装備品の引き揚げを求める」と訴えた。同時に「住宅地や民間施設に繰り返し当たったロシア軍によるミサイル攻撃を最も強い言葉で非難する」と述べた。

安保理はウクライナ侵攻が始まってから70日以上が経過した5月に議長声明を初めて出した。だが、それ以来一致した対応をとれていない。安保理はロシアによる拒否権の行使で非難決議などの対応がとれず、機能不全に陥っていると批判されている。

ウクライナ訪問を19日に終えた国連のグテレス事務総長は「(穀物輸出の再開など)人道面での進展があったが、戦闘が終わる気配はなく、新たな危険も出てきている」と述べた。周辺で爆発が起きるなど事故のリスクが高まっているザポロジエ原発の問題や、ドネツク州のウクライナ人捕虜収容所で起きた爆発について懸念を表明した。

グテレス氏はIAEAによるザポロジエ原発の査察について、「ロシアとウクライナが合意できれば国連はIAEAの調査団を支援できる」と指摘した。捕虜収容所の爆発をめぐっては「最近設立された調査団の派遣に向けた取り組みが進んでいる」と述べた。「捕虜は国際人道法で保護されており、赤十字国際委員会(ICRC)がいつでもアクセスできなければいけない」と訴えた。』