プーチン氏の盟友・ドゥーギン氏暗殺未遂事件

プーチン氏の盟友・ドゥーギン氏暗殺未遂事件
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29490407.html

『ロシア国内で、またまた、きな臭い事件が起きました。プーチン氏の思想的なブレーンと言われている、国粋主義者の筆頭であるアクレサンドル・ドゥーギン氏の搭乗する車に爆発物が仕掛けられ、娘のダリアさんが爆死しました。恐らく、標的になったと思われるドゥーギン氏は、同じ車に搭乗する予定でしたが、直前に予定を変えて、死亡したのはダリアさんだけです。

このドゥーギン氏ですが、戦争推進派の筆頭であり、大ロシア主義を唱える思想家で、「現代のラスプーチン」と呼ばれる人物です。もともと、改革派だったのですが、ソ連崩壊と、その後のロシア社会の没落を目にして、ガチガチの右派に転向したという経歴の持ち主です。この日も、主催する戦意高揚の為の決起集会に参加して、帰宅する途中の出来事でした。

ラスプーチンについては、ここで説明するまでも無いですが、ロシア帝国時代に、ロシア皇帝一家に取り入って、たくみに処世術を駆使して、ロシア帝国の内政に大きな影響を与えた「怪僧」と呼ばれる僧侶です。もともと、医者が匙を投げた皇太子の病気を、祈祷で回復させた事で、ロシア皇帝一家の信任を得て、物凄い権力を得て、最終的には国政壟断を憂いた政府内部の勢力に暗殺された人物です。

この爆殺事件ですが、ロシアはウクライナが、やったと言っているのですが、どう考えても無理があります。そもそも、反転攻勢の気運が出ている時期に、ロシア国内の深部に人を派遣して、爆殺という手の込んだ暗殺を仕掛ける意味が不明ですし、余力も無いと思われます。それに、こうした工作は、KGBの後継組織であるFSBが、いかにもやりそうな事です。

このドゥーギン父娘ですが、いわゆるアジテーションが得意な交戦派で、やたら威勢が良いのですが、もちろん従軍経験はありませんし、戦争をデータだけで知っている典型的な煽り屋です。実は、軍のトップというのは、命令されれば戦争を始めますが、実戦の悲惨さを理解しているので、政治交渉で解決な可能な問題であれば、政治力で解決する事を望みます。立場上、日和るわけにはいかないので、言葉は強いのですが、軍人は合理主義者なので、特にロシア政府のように、ハッタリや駆け引きを軍事に持ち込まれる事を嫌います。

その為、無責任に国民を煽り過ぎる存在というのは、政府からしても、軍からしても迷惑だったりします。主戦論を唱える過激派が国民に増えると、それに見合う戦果を上げなくてはならなくなり、世論が交戦論で沸騰するのは、必ずしも歓迎すべき事ではありません。戦争の目的が、国の要求を認めさせる事にある以上、相手に対して憎しみのままに、虐殺やNATOやアメリカにまで喧嘩を売るような論を展開されると、戦争自体の意義が崩れてしまいます。

その為、恐らく、がなり立てるスピーカーが邪魔になった、プーチン氏が切ったのじゃないかと思います。娘のダリアさんも、わざわざ陥落したウクライナのマリウポリまで行って、自撮りした画像をSNSに投稿するぐらい国粋思想のインフルエンサーです。「ウクライナ人は、人間じゃないから、殺してもかまわない」と公言するタイプの人間ですので、もし暗殺の目的が、過激な主戦論者に口を閉じろというメッセージであるなら、どちらが死んでも仕掛けた側からすると、目的は達したと言えます。

昨日、中国の自称・国士である反米インフルエンサーが、実はアメリカに不動産を持っていて、家族もアメリカ住みしていたのがバレて、SNSからアカウント・バンされた話を書きましたが、がなり立てる扇動屋というのは、味方から見ても「無能な働き者」に見える時があり、おうおうにして、その無駄に高い扇動能力が、邪魔になってきます。少なくても、ヤクザ者が政府を運営しているので無い限り、戦争には目的があり、単に相手の領土を蹂躙すれば良いというものではありません。また、手打ちをするタイミングを計りながら、最終的には国家の利益の為にやっています。感情的に煽って、行き過ぎた戦果を期待させる扇動屋というのは、実に迷惑な存在なのです。

その為、暗殺の手段や、標的の選定からして、恐らくはFSBが過激な主戦派を黙らせる為に、見せしめとして、やった可能性があります。もしかすると、娘だけ殺して、まだ利用価値のあるドゥーギン氏に警告をしたのかも知れません。すると、同乗する予定だった帰りの車から、ドゥーギン氏だけ予定変更したのは、そう仕向けた可能性もあります。ロシア政府は、伝統的に、その程度の事は、普通にやりますので、政治に関する考え方が、西側諸国とは違います。反体制派のジャーナリストなんかは、クリムリン宮殿の見えるストリートで、普通に狙撃されて暗殺されています。そうした人は、年間で何人という単位で出ています。』