ドゥーギン氏暗殺未遂に関してFSBが声明を出す。

ドゥーギン氏暗殺未遂に関してFSBが声明を出す。
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29499481.html

『 娘さんが爆殺されたロシアの国粋主義者ドゥーギン氏について、FSB(KGBの後継組織)が声明を出しましたね。犯人は、ナターリア・ボフクというウクライナ人の工作員と、特定できたとしています。しかし、これは、実に怪しい。というのは、彼女の入国と、国内潜伏場所までFSBが把握していたにもかかわらず、犯行を阻止できずに許してしまったという事になるからです。さらに、この女性は、既に国外退去をしているとされています。これ、本当だったら、相当にFSBが無能という話になります。実際、ロシア国内でも、FSBを非難する声が圧倒的に出ています。

これは、FSBが自分をピエロにしてでも、隠したい真実があるパターンに見えます。真犯人をウクライナ人とするのは、予定通りとして、これだけ詳細に動向を把握していながら、何もできなかったとなると、組織に対する信頼が無くなります。これが許されるのは、上司であるプーチン大統領を含めて、某かの示し合わせができていて、失態の責任を誰も取らされない事が判っている場合のみです。なので、これは、FSBの作り話と思われます。それに、謀殺事件で、こんなに早く犯人が割れるのも、どう考えても、おかしいです。
状況から見ると、動機はともかくとして、FSBが実行したのは、手口から間違いないように見えます。こうした、偽装爆弾テロ事件は、何かしらの罪を特定の対象に着せる為に、FSBが良く使う手です。未だ、疑惑で処理されていますが、チェチェンと戦争を始める時も、ロシア国内の団地に大量の爆弾を仕込んで、300人以上の犠牲者が出る爆破テロがあり、これをFSBがやったという有力な説があります。目的は、「チェチェン共和国がテロをロシアに仕掛けた」として、戦争を始める口実を、当時首相だったプーチン氏が得る為です。プーチン氏は、FSBの長官でもありましたからね。この事の真実は、未だに闇の中ですが、単なる陰謀論で済ませられない証拠が出ている話です。この事からも、一国が戦争を決意した時、その原因なんていうのは、捏造してでも作られるものだというのが判ります。信義を守っていれば、戦争が起きないという事は、ありません。

そして、もう一つ出てきた説が、ロシア国内のロシア人反体制武闘派組織による犯行というものです。ロシアに生活拠点を持つ人々の中には、親戚がウクライナ人だったりする人も多く、それなりに、今回の戦争に対して批判的な人はいます。そして、単に批判するだけでなく、武力闘争も辞さない人々も存在しています。実際に、国籍がロシア人で結成されたウクライナ義勇軍で、自由ロシア軍という部隊もあります。これは、戦争にあたって、自国のロシアではなく、ウクライナ支援に回った義勇兵の部隊です。ただし、ロシア国外ならともかく、統制の厳しいロシア国内で、テロ行為を起こせる程の組織化が進んでいないと見る向きが大勢で、この可能性が皆無ではないものの、かなり低いと見られています。

最後に、直前になって、暗殺対象者とみられるドゥーギン氏が、娘さんと同乗して帰宅する車に乗るのを止めた(別の車で同じ道を帰っています。なので、爆破事件が起きた時、現場に本人が立ち会っています)という、かなり不自然な行動から、ドゥーギン氏本人がFSBに依頼して、娘を爆殺した疑いも出ています。

この理由は、自身が唱える過激思想に、世論の同調を集める為、極右インフルエンサーとして、有名だった娘をテロを装って爆殺する事で、ウクライナに対する憎しみを煽るというものです。ちょっと考えると、まるで中世の陰謀物語みたいで、突飛に見えますが、思想に傾倒した人間というのは、おうおうにして、この程度の事はやります。私が、常々、思想家と宗教は双子のように似ていると言う根拠なのですが、特定の価値観の為に、全てを、それより下に見て、犠牲する事を厭わないという習性があるのです。まぁ、良く左翼のバカが「戦争を仕掛けられたら無抵抗で滅びればいいんですよ。世界は命がけで、平和を貫いた偉大な国として記憶してくれます。なので、武力で対抗してはいけません」なんて、言うのと同じですね。

無抵抗で滅びたら、「史上最も愚かな選択をした国」として、各国の教科書で笑われておしまいです。ただし、言っている本人は、思想的に傾倒しているので、割りと本気で言っていたりします。つまり、近親者や自国民であっても、思想の為に死ぬのは、気高い行為であり、かまわないと本気で考えていたりします。なので、大ロシア主義、ロシアによる世界帝国の構築という、かなりイカレタ自身の主張を通す為に、娘の犠牲というストーリーで、ウクライナに対する憎しみを煽るという事は、十分に考えられます。残念ながら、そういう思考の人は、確実に存在します。

日本の共産党でも、「思想の伝播や、資金の調達の為ならば、法律は破っても構わない」と考える輩は、普通にいて、集会や勧誘が禁止されている場所で、わざわざビラを配ったり、「資本家から革命資金という浄財を奪う為には、犯罪行為をして良い」と考える輩は、実際にいました。むしろ、自分達が支配していない社会の法律を破る事を、殉教者のように誇りにしていたりします。これが、実に宗教的なんですよね。そして、価値観を共有できない相手に対して、物凄く攻撃的になるのも似ています。

反戦平和とか言ってますが、終戦直後に国防軍が必要(共産体制を守る為に)と言っていたのは、日本共産党です。その後、アメリカと安全保障条約を結ぶにあたって、それにぶつける理由付けとして、反戦平和を持ち出しただけで、仮に共産思想の社会を作る為なら、普通に武力蜂起するというのが、もともとの思想です。後に抹消しましたが、初期の共産党の党是には、「武力蜂起による暴力革命」は、選択肢として認められていました。思想という尊い価値の為には、人が死ぬのは仕方がないという考え方は、特別珍しくないのです。

それと、最後に、私が昨日の記事で書いた、プーチン氏が、行き過ぎた過激思想で、市民を煽るドゥーギン氏を、政治的な判断で切ったという説ですね。戦争というのは、国民の支持が無いと継続できないので、その意味で「国士様」が増えるのは有り難いのですが、昨日の記事でも書いたように、国家間の戦争には目的があって、単に相手を蹂躙するような憎しみにまみれたものでは、そもそも仕掛ける意味が無いのです。政治家であるプーチン氏は、そのあたりはわきまえていますが、思想的指導者というのは、前項で書いたように、思想に溺れる傾向があり、非現実的な事を言い出す事があります。あるべき社会を見ているからで、時にプーチン氏さえ、「弱腰だ」と批判の矢を放ったりします。つまり、決して、有り難いだけの人物ではないという事ですね。

まぁ、この中では、「ウクライナの工作員が起こしたテロ」が、一番ありえないですかね。実際、ウクライナにとって、この行動で得るものが少なすぎます。先に攻め込まれているとはいえ、テロという犯罪認定される攻撃を仕掛けた場合、ウクライナの立場が悪くなりますし、国粋主義者に人気のある指導者を暗殺したら、社会が萎縮するより、ロシア市民の反発の動きのほうが大きくなるのは、予想がつきます。つまり、これで、ウクライナが得する事はなく、単なる私怨を晴らすみたいな効果しか無いという事です。』