富士通、国産量子計算機を初の実用化へ 理研と共同

富士通、国産量子計算機を初の実用化へ 理研と共同
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC122B90S2A810C2000000/

 ※ 『量子コンピューターは計算の基本単位となる「量子ビット」の数が進化の目安で、富士通が23年度に開発する計算機は64量子ビットにのぼる。グーグルが量子超越を達成した際の53量子ビットを上回る。IBMが21年に開発した127量子ビットなどに次ぎ、現状では世界でも競争力の高い性能になる。富士通は26年度以降に1000量子ビット超も実現する見通しだ。』、と言っているんで、「量子ゲート方式(汎用的なもの)」なんだろう…。


『富士通は理化学研究所と共同で次世代の高速計算機である量子コンピューターの実用化に向け、2023年度に企業への提供を始める。金融市場の予測、新素材や薬の開発への活用を見込む。米グーグルなど海外勢が開発を主導しており、幅広い分野の計算ができる汎用型を国内企業が手掛けるのは初めてになる。産業競争力や安全保障を左右する次世代技術開発の起爆剤になる可能性がある。

富士通は21年4月に埼玉県和光市に理研との連携センターを設置し、約20人の研究者が参加して量子コンピューターを開発してきた。23年度に実機をつくり、企業に公開して研究に生かしてもらう。

量子コンピューターはスーパーコンピューターに比べて計算速度が飛躍的に速い。素材開発などに革新をもたらす可能性を秘めており、化学や製薬、自動車、金融など幅広い産業の競争力を左右する見通しだ。富士通は4月から富士フイルムと材料設計に関する共同研究を始めた。連携先を広げ、協力して将来の活用に向けた知見を蓄える。

国内では21年に米IBMが自社開発の量子コンピューターを川崎市に設置した事例があるものの、海外勢に比べ日本としての開発は遅れていた。富士通は理研から技術やノウハウの提供を受けて日本企業として初の実機をつくる。グーグルやIBMと同様、極低温に冷やして電気抵抗をなくす「超電導」の回路で計算する方式を採用する。

量子コンピューターの製造には高度な技術が必要だ。世界の開発競争はこれまで米テック企業が主導してきた。グーグルは19年にスパコンで1万年かかる問題を約3分で解き「量子超越」と呼ぶ成果をあげた。近年は中国勢の技術も向上し、新興企業の台頭も目立つ。

一方で現在の量子コンピューターは開発途上で、解ける問題は限られる。計算に伴うエラーの克服も難題だ。グーグルは創薬や新型電池の開発などへの応用を視野に29年の実用化を目指すが、今後の開発の壁は高い。最終的に誰が勝者になるかは見通せず、強みを持つ超電導の制御技術などを生かせば日本勢にも巻き返しの余地はある。

量子コンピューターは計算の基本単位となる「量子ビット」の数が進化の目安で、富士通が23年度に開発する計算機は64量子ビットにのぼる。グーグルが量子超越を達成した際の53量子ビットを上回る。IBMが21年に開発した127量子ビットなどに次ぎ、現状では世界でも競争力の高い性能になる。富士通は26年度以降に1000量子ビット超も実現する見通しだ。

量子コンピューターはスパコンで何億年もかかる計算を数分や数時間で実行する可能性を秘める。ボストン・コンサルティング・グループは40年ごろに新素材の開発などで最大8500億ドル(約110兆円)の経済効果を生むと予測している。

(AI量子エディター 生川暁、山田彩未)
イブニングスクープ
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時頃に配信します。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Technology/Fujitsu-to-offer-1st-Japan-made-quantum-computer?n_cid=DSBNNAR 

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 

【関連記事】

・量子コンピューターに第3の方式急浮上 日本も先頭集団
・量子コンピューター、半導体製造技術で巻き返す日本
・量子計算機、Google・IBMに挑む イオン方式で新興台頭

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

浅川直輝のアバター
浅川直輝
日経BP 「日経コンピュータ」編集長
コメントメニュー

ひとこと解説

理研は量子コンピュータ研究センター(RQC)の中村泰信センター長を中心にゲート型量子コンピューターの開発を進めており、2022年度中に64量子ビット機を稼働させる予定です。国内外の研究者などにもオンラインで公開する考えとのこと。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01158/061500037/

一方、富士通と理研は2021年4月に連携センターを設置し、1000量子ビット級の超電導量子コンピューターおよびソフトウエアの共同開発を進めています。富士通は量子の発想をデジタル回路に生かした「デジタルアニーラ」で顧客企業とPoC(概念実証)を進めており、富士通が産業界のニーズを吸い上げる形で理研の量子コンピューターの用途開拓に乗り出す可能性があります。
2022年8月22日 19:16

竹内薫のアバター
竹内薫
サイエンスライター
コメントメニュー

分析・考察

「量子コンピューターはスパコンで何億年もかかる計算を数分や数時間で実行する可能性を秘める。ボストン・コンサルティング・グループは40年ごろに新素材の開発などで最大8500億ドル(約110兆円)の経済効果を生むと予測している」。そんなに大きな経済規模になるのですか。たしかに、アルゴリズムが発見されていて、計算できるものは限られていますが、今後、新たなアルゴリズムも発見されるでしょうし、われわれには想像もつかないような超計算社会が出現するのだと思います。これまで、アメリカや中国に開発面で遅れを取ってきたイメージがありますが、日本の頭脳を結集して、巻き返しの第一弾となるでしょうか。期待が大きいです。
2022年8月22日 18:40』