入国前の現地コロナ検査免除、政府検討

入国前の現地コロナ検査免除、政府検討 水際対策見直し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA22A4R0S2A820C2000000/

『政府は日本への入国・帰国時に求めている海外での新型コロナウイルス検査について、条件付きで不要とする検討に入った。ワクチン接種済みなら免除するなど段階的に緩和する案がある。入国者数の上限引き上げも調整する。国内の新規感染者を全数把握する運用も見直す。感染状況を踏まえ、近く判断する。

岸田文雄首相は22日、新型コロナの対応について「保健所や医療機関のさらなる負担軽減策を一両日中に示すようにしたい」と述べた。首相公邸からオンラインで記者団の質問に答えた。

現状の水際対策では1日の入国者数の上限を2万人とし、出国前72時間以内の陰性証明書を求めている。主要7カ国で最も厳しく、検査体制が縮小する国では証明書の取得が難しくなっているとの指摘もある。日本から海外出張や旅行がしにくいほか、一部再開した訪日客受け入れの障害になっているとの批判があった。

新型コロナ感染者の全数を把握する運用を改める。医師が詳細を報告する対象者を高齢者ら重症化リスクの高い人に限定する方向だ。

新型コロナは感染症法上、新型インフルエンザ等感染症に分類され、診断した医師はすべての患者について保健所に届け出る義務がある。足元の感染急増で医療機関や保健所の業務負担が大きい。政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志も見直すよう提起していた。

新型コロナ特集ページへ https://www.nikkei.com/theme/?dw=20012202&n_cid=DSBNHE

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多様な観点からニュースを考える

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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授
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分析・考察

先月のフランス出張の際、この検査要請は様々な意味で負担でした。タイトなスケジュールの中、わざわざ検査を受けにいかねばならず(もっともこの要請が国際的にあまりにも有名になっていたお陰で、会議を抜け出して検査を受けに行くことの許可や理解はすんなり得られましたが)、また万が一感染した場合を憂慮する精神的な負担も大きかったです。加えて、コロナが共生の対象となる一方、サル痘など新たな脅威が出現する中、この検査要請が水際対策としてどのくらい効果的なのか疑問に感じていました。脅威は流動的です。変化する脅威を適切に見極め、ヘルスセキュリティと利便性を賢く両立させられる水際対策のあり方を目指して頂きたいです。
2022年8月23日 9:15 (2022年8月23日 9:23更新)

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加藤史子
WAmazing 代表取締役/CEO
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分析・考察

コロナ禍前の2019年、訪日外国人旅行者数は3188万人でした。これを365日で割ると1日8.7万人になります。3割を占めていた中国はゼロコロナ政策が続いているので、3割減にしても平均して1日6万人は入れないとコロナ禍前には戻れません。現在は2万人、かつ旅行目的の場合にはビザ申請必要、旅程提出必要、添乗員必要(究極1人旅行でも要件を満たせば入れるので団体とは限りませんが実質的には管理型団体旅行)ということで現在、自由旅行者は殆ど入国できていません。国内感染者が1日に20万人を超える日もある中で「水際対策とは何か」を再考する時期かと思われます。
2022年8月23日 6:03

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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
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ひとこと解説

リテール、飲食、観光宿泊等の訪日関連産業においては近々押し寄せる観光客需要への対応力準備を万端にすべきでしょう。欧米のみならずシンガポールもタイバンコクもかなり観光客が戻ってきています。日本も早晩そうなるはずにて。報道の内容についてはいずれももって改むるに憚る事なかれという類のものですが特に個人観光客の解放やビジネス入国におけるインビテーション等煩雑手続き廃止、1日上限数の解放などの優先度が高いでしょう。搭乗前PCR検査についてはもはや無意味な手間とコストが省ける事よりも万が一陽性が出るとしばらく足止めをくらい予定が全て狂うというリスクと恐怖の軽減効果でしょう。
2022年8月22日 23:52

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津川友介
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) 准教授・医師
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分析・考察

妥当な判断だと思いますが、いつも通り対応がワンテンポ遅いと思います。新型コロナは変異するごとに特性も状況も変わっているので、状況の変化に合わせてスピード感を持った迅速な対応の変更が重要です。日本は非常にリスク回避型になっている気がするのですが、制度変更のタイミングが遅くなることで生じる「機会損失」もきちんと計算すべきです。日本の方が感染者数が多い状況において、水際対策の必要性があるとは思えません。ワクチン接種証明書の提示だけで十分だと考えます。外国人の日本入国の制限の緩和もスピード感を持って行われることを期待します。
2022年8月23日 9:28

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小平龍四郎
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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貴重な体験談

6月下旬にロンドンに出張しましたが「出国72時間前PCR検査」は本当に精神的な重荷でした。セントポール寺院近くの検査所は日本人出張者がよく利用するところで、検査してくださる方々も手慣れたもの。出国時にプリントアウトして携えていった証明書も完備し、結果はPDFでスマホに送ってくれました。サインやスタンプがなくて本当に大丈夫か何度も念を押しても、先方は笑って「大丈夫、大丈夫。日本人は心配性だね」と取り合ってくれません。日本式ルールは相当に奇異の目で見られ、しかも運用が形骸化していると実感した次第です。「この程度のことはもったいぶらずに、とっととやっておいてほしい」というのが記事の率直な読後感です。
2022年8月23日 8:36 (2022年8月23日 9:21更新)

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楠木建
一橋大学 教授
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分析・考察

手段の目的化、ここに極まれり。感染対策ではなく、誰かに叱られないようにすることが目的になっています。ここまでくると、もはや滑稽です。
2022年8月23日 7:53

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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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貴重な体験談

まだどなたも指摘されていないことを。

個人的な体感でしかないことを最初にお断りしておきますが、私が直接見聞きした範囲では日本に入国する人に限らず海外でも、フライトに乗る前にPCR検査・抗原検査を受けて陰性でも、帰国後体調の不調を覚えて改めて検査すると陽性であることが判明する方が、フライト前の検査で陽性となる人とほぼ同じ数いる印象です。きっと潜伏期間などの関係で現地では出ないのでしょう。
2022年8月23日 6:04 (2022年8月23日 6:38更新)

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

入国前72時間のPCR検査は、多少の効果があるとはいえ、それによって失っている利得の方が圧倒的に大きいので、止めるというのは合理的な判断。しかし、外国からの旅行者を増やすためには、PCRだけでなく、ビザの取得や団体旅行限定という制約がなくならなければ意味がない。PCR検査免除は基本的にビザの取得が不要で、団体旅行を義務づけられない日本国籍保持者のみにとって恩恵となる。
2022年8月23日 3:06

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室橋祐貴
日本若者協議会 代表理事
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分析・考察

ちょうど来月海外渡航の予定が入っているのですが、明らかに過度に厳しいので現地でのコロナ検査、免除してもらいたいです。そもそも出国前72時間以内の陰性証明書提示にどこまで効果があるのか不明です。現状、日本から外国への短期渡航の場合は、日本で取得した検査証明書でも使えるようになっており(つまり、日本出国前に陰性証明を取得すれば、渡航先で仮に新型コロナウイルスに感染したとしても、日本への帰国便に搭乗できます)、形骸化しているのではないでしょうか。
2022年8月22日 22:53 』