ウクライナ侵攻24日で半年 見えぬ終戦、揺れる世界

ウクライナ侵攻24日で半年 見えぬ終戦、揺れる世界
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1079H0Q2A810C2000000/

 ※ もう半年経ったのか…。

 ※ ここで、「日本国憲法の前文」を、噛みしめておこう…。

『日本国憲法

前文(※ 区切りは、オレが勝手につけた)

日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。

われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。

われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。 』…。

 ※ とまあ、格調高い文章ではあるのだが…。

 ※ 「現実」は、ここで語られているような「姿(すがた)」には、なっていないのも事実だろう…。

 ※ 「国際社会」の現実は、「弱肉強食」の原理がまかり通る、「弱者は、喰われてしまう。」というジャングルの掟が支配する側面も有する…。「喰われてしまえば」、「恒久の平和」もへったくれも、あったモンじゃない…。

 ※ そういう「現実」を、オレらはこの半年間まざまざと見続けてきた…。

『ロシアがウクライナで戦端を開いてから24日で半年となる。軍事大国のロシアが圧倒的に有利とみられていたが、米欧の支援を受けたウクライナも徹底抗戦し、前線では激しい戦闘が続く。両国兵士の死傷者が増えているだけでなく、民間人の犠牲者も膨らんでいる。西側諸国は経済制裁でロシアを追い込む方針だが、エネルギー面では大きな試練に直面する。世界の安全保障や経済秩序を根底から揺るがす戦争の終結は見えない。

犠牲拡大、市民1万人超か

SNS(交流サイト)や衛星写真の普及で、ウクライナでの悲惨な状況がリアルタイムに近い形で世界を駆け巡った。

ロシアのプーチン大統領はウクライナ住民などの「解放」を掲げて軍部隊を進めているが、実態は大きく異なる。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、ロシアによるウクライナへの攻撃が始まった2月24日から8月14日までに同国内での民間人の死者数は5500人を超え、負傷者と合わせると1万3千人超にのぼる。これは国連が確認した範囲のみで、実態は死者だけで1万人以上とされる。

ロシアは戦果をアピールするが、多大な犠牲も払っている。米国防総省の高官は8月8日、ロシア兵の7万~8万人が死傷したとの見解を明らかにした。ウクライナ軍の被害はあまり情報がないが、死者だけで1万人を超えている可能性がある。

ロシア軍は当初、首都キーウ(キエフ)の制圧を目指した。侵攻初日の2月24日夜にはチェルノブイリ原子力発電所の立ち入り制限区域を確保すると、南進してキーウの包囲を試みた。この時点で交戦で民間人を含む多数の死傷者が出たとされる。

ウクライナ軍の攻勢で4月上旬にキーウ周辺の地域を奪還すると、ブチャなどで多数の遺体が発見された。埋葬場所からは両手を後ろで縛られたり、頭や足を銃で撃たれたりした民間人の遺体もあった。国際社会からは「ジェノサイド(大量虐殺)」との批判が高まっている。

キーウ攻略に失敗したロシア軍はウクライナ東部などに重点を置いた。特に南東部の港湾都市マリウポリを巡って激しい攻防が繰り広げられた。民間人が避難していた劇場が爆撃を受けて多数の死者が出たほか、アゾフスターリ製鉄所にはウクライナ兵や民間人が立てこもった。5月中旬から下旬にかけて抵抗を続けていたウクライナ兵が退避し、ロシアが同都市の完全制圧を宣言するに至った。

「ドンバス地方」と呼ばれる東部ドネツク州とルガンスク州も激戦地となった。ルガンスク州では要衝セベロドネツクや、最後までウクライナが抵抗したリシチャンスクで無差別攻撃が多発。民間人にも多数の被害が出たほか、多くの建物はがれきと化した。7月3日にロシアが州全域を制圧し、隣接するドネツク州では今も攻防が続く。

英国防省はロシア軍で近代兵器が減少し、対艦ミサイルなどを地上攻撃に使っていると分析する。目標を正確に攻撃できず巻き添え被害が増えている。

一方、ウクライナは南部などで反転攻勢を強めている。8月上旬以降はロシアが一方的に併合を宣言したクリミア半島で大規模な爆発が発生しており、ウクライナは自国軍の攻撃と示唆した。ゼレンスキー大統領はロシアとの戦争について「クリミアで終わらせなければならない」と語っている。

制裁・報復、G7にも影響

主要7カ国(G7)はロシアへの大規模な経済制裁に踏み切っている。米欧は「ロシアとの直接対決は第3次世界大戦になる」(バイデン米大統領)として軍派遣を否定するが、ウクライナへの武器供与は拡大している。ただ足元ではエネルギーをロシアに依存してきた欧州を中心に影響が色濃く出ている。

G7各国はウクライナに侵攻したロシアに代償を払わせるとの立場で対ロ制裁を段階的に強化している。制裁の内容はロシア産エネルギーの大幅な輸入制限、国際資金決済網の「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からの排除、ハイテク製品やぜいたく品の輸出禁止など広範囲に及ぶ。

スウェーデンとフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を決断するなど西側諸国の政治や安全保障面での協力も強まっている。

ロシアは制裁への報復として、欧州への天然ガスの供給を絞り込み始めている。電気・ガス料金などの高騰は市民生活を直撃し、政権の屋台骨を揺るがしている。7月のユーロ圏の消費者物価指数は前年同月比で8.9%上昇して過去最高を記録した。

欧州連合(EU)主要国であるドイツとフランスでは物価上昇への対策が十分ではないとして有権者の不満が高まり、支持率が低下している。イタリアや英国では、首相が辞意を表明する要因の一つにもなった。

EUはロシア産ガスへの依存を減らす一方、代替の調達先を拡大し、再生可能エネルギーの普及を急ぐ。暖房などで需要の多い冬に必要なエネルギーを確保できなければ、市民の命にかかわりかねない。

米国も11月の中間選挙を控え、バイデン大統領の支持率が低位で推移している。西側諸国は世論の支持を保ちながら、ロシアに結束して対処し続けることが重要になってくる。

経済も軍も疲弊、プーチン氏強気

ロシアはウクライナへの軍事侵攻の長期化で経済的、軍事的に疲弊し始めている。4~6月の国内総生産(GDP)は前年同期比で4%減となった。1~3月の3.5%増から減少に転じ、国民生活の悪化が表面化し始めた。

ロシア中銀は2022年通年のGDPが前年比4~6%減になると予想している。インフレ率も足元で約15%に高まり、経済発展省は今年の実質可処分所得が前年比で2.8%減になるとの見通しを示した。米欧などの経済制裁で、ハイテク製品や自動車など一部の製品は品不足に陥っている。

軍事面では兵員不足が指摘され、7月に入り、ウクライナ東部、南部で占領地拡大への攻勢がほぼ止まった。ウクライナ国内にいるロシア軍の兵力は13万~15万人とみられる。死傷者の拡大で、兵力の大幅な入れ替えが必要だが、補充は容易ではない。

ロシア語の独立系メディア「重要な話題」は、主力部隊を送る民間軍事会社「ワグネル」が北西部の刑務所で、服役囚を高額の報酬で徴募していると伝えた。

英秘密情報部(MI6)も7月下旬、「ロシアは人員と物資の確保がますます困難になる」と指摘した。有力紙コメルサントは8日、地方都市で40以上の義勇兵部隊が組織されたと報じた。

ただ、プーチン政権は強気の姿勢を崩していない。経済の悪化は当初予想より小さく、軍事的にも後退はしていないためだ。政権は愛国心を鼓舞しており、各種世論調査で「特別軍事作戦」への支持は7割超、プーチン氏の支持率も約8割を維持している。

(福冨隼太郎、竹内康雄、武藤珠代、清水麻椰)

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