射程ミサイル、1000発規模の保有検討 政府

長射程ミサイル、1000発規模の保有検討 政府
対中国念頭に「反撃能力」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2117Y0R20C22A8000000/

『政府は開発中の長射程の巡航ミサイルについて保有数を1000発規模にする検討に入った。現時点で保有していない中国や北朝鮮に届く長射程のミサイルで、日本が攻撃を受けた場合の「反撃能力」を新たに確保する。軍事的圧力を強める中朝を念頭に整備する。

防衛省は2023年度予算案の防衛費の概算要求に、相手の攻撃圏外から撃ち込む長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」の装備を盛り込む。必要額を示さない「事項要求」にする。
同ミサイルを実現するため国産巡航ミサイル「12式地対艦誘導弾」の射程を伸ばす。現在の百数十キロメートルを1000キロメートル超にする予定だ。中国や北朝鮮にも届く。反撃能力の保有を明示するための国家安全保障戦略の改定も与党と協議する。

日本を攻撃すれば地上の拠点や艦船に反撃を受ける可能性があると分かれば、他国は日本への攻撃をためらう。長射程のミサイルを多く保有するのは攻撃を予防する抑止力になる。

遠距離に飛ばせる弾道ミサイルと比べ、巡航ミサイルは命中精度が高い。相手の艦艇やミサイル発射拠点、戦闘機の基地などをピンポイントで打撃できる。防衛省は地上発射型だけでなく艦艇や戦闘機に搭載するタイプもつくる。

地上発射型の配備は26年度からの前倒しをめざす。艦艇や戦闘機に搭載する機種も含めて20年代の後半以降に本格的な量産に入るよう製造企業と調整する。

スタンド・オフ・ミサイルの開発では「極超音速誘導弾」の研究も進める。通常より速度が速く、相手側が迎撃しにくい。

ロシアはウクライナ侵攻の当初1カ月で1000発を超えるミサイルを撃ったとの分析がある。

防衛省によると中国は地上発射型で射程500~5500キロメートルのミサイルを弾道で1900発程度、巡航で300発ほど保有する。

米国はこの射程の地上発射型ミサイルを持っていない。中国に東アジアで対抗するうえで安全保障上の穴になる。米国は19年に米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効するまで同ミサイルの保有が禁じられていた。

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