THAAD対立が再燃、中国との溝深まる韓国…「三つのノー」合意ではないと主張

THAAD対立が再燃、中国との溝深まる韓国…「三つのノー」合意ではないと主張
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7fc06c0c1ba1ace187fffac4f1b957498c3b982

『【ソウル=上杉洋司】韓国に配備された米軍のミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD=サード)」を巡り、中韓両国の溝が深まっている。韓国は米軍の運用に必要な配備地周辺の環境整備などを進めているのに対し、中国が反発しているためだ。

 韓国南部・星州のTHAAD配備地では、市民団体の妨害で米軍の物資搬入が滞っており、政府は搬入ルート確保などを進めている。正式配備に必要な環境影響評価を含め、8月末にもメドをつけたい考えだ。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は12日、「韓米同盟は、韓国外交の基礎だ」と記者団に述べ、方針に変更がないことをにじませた。

 THAADを巡っては、9日の中韓外相会談で「関係発展の障害になってはならない」との認識で一致した。韓国の朴振(パクチン)外相は10日、「『三つのノー』が、合意や約束でないと明確にした」と記者団に明かした。

 「三つのノー」とは、文在寅(ムンジェイン)前政権が表明した〈1〉THAADの追加配備〈2〉米国のミサイル防衛網参加〈3〉日米韓の軍事同盟化――をしないとする原則だ。尹政権は、安全保障の「主権の侵害だ」と問題視する。

 一方、中国外務省の報道官は10日、三つのノーに加え、配備済み施設の整備をしないことも含めて「以前、韓国が対外的に示した」と強調し、原則は有効だとくぎを刺した。
 中国はTHAADについて、レーダーの探知が国内に届くとして一貫して反発している。米韓同盟強化を図る尹政権が追加配備に動かないよう、けん制する狙いもあるとみられる。

 ◆THAAD=米国の移動式陸上配備型ミサイル防衛システム。約800キロ・メートルを探知可能なレーダーと6台のミサイル発射台で構成される。大気圏外から落下してくるミサイルを上空40~150キロ・メートルの高度で迎撃する。米軍は2017年、北朝鮮の短・中距離弾道ミサイルへの備えとして韓国に配備した。』