ガスプロム、欧州向けパイプラインを一時停止へ 3日間

ガスプロム、欧州向けパイプラインを一時停止へ 3日間
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『ロシアの国営天然ガス会社、ガスプロムは19日、8月31日から9月2日までの3日間、欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」での供給を一時停止すると発表した。ウクライナへの軍事侵攻を巡り対立する欧州への揺さぶりを強める構えで、欧州でガスの供給不安が一段と広がりそうだ。

ノルドストリームでのガス供給を一時停止する理由について、ガスプロムは「唯一稼働している送ガス設備(タービン)の技術サービスと計画的な保守作業を実施するためだ」と説明している。作業終了後には、供給量が現在の水準である日量3300万立方メートルに戻ると指摘した。

ガスプロムは6月中旬、カナダで修理中だったノルドストリームの独シーメンス製タービン1台の返却が対ロシア制裁で遅れていることを理由に、供給量を約4割に減らした。7月27日からは、6月中旬までの従来計画比で8割少ない日量3300万立方メートルに供給量を制限した。

修理を終えたタービンはドイツに運ばれたが、ガスプロムが書類の不備を理由に現在も受け取りを拒否している。他のタービンについても、修理などを理由に停止しており、現在は1台しか稼働していない状況だった。

ロシアの有力紙コメルサントによると、ノルドストリームでは全部で9台のタービンがあり、通常はこのうち6台が稼働状態にある。

ロシアからの天然ガス供給の急減に備え、欧州連合(EU)の欧州委員会は7月、緊急措置として8月から2023年3月までのガス消費量を過去5年間平均と比べ15%減らすよう提案。例外規定を設けたうえで加盟国間で合意した。

ノルドストリームはロシア北西部からバルト海海底を通ってドイツに至るガスパイプラインで、輸送能力は年間550億立方メートル。欧州各国では、ガスプロムが様々な口実をつくってガス供給の回復を拒み、厳しい対ロ制裁を科している欧州に揺さぶりをかけているとの懸念が広がっている。

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察

短期的にはロシアの揺さぶりはそれなりに欧州に効果があるかもしれませんが、このような行為を繰り返せば、冷戦下でも欧州へのガス供給は続けてきたロシアの信用は失われ、長期的には欧州市場のロシア離れは決定的となるはずです。将来の歴史が判断することになるでしょうが、短期的な戦術的としてはそれなりに効果があっても長期戦略としては失敗というケースになるかもしれません。ただ、いずれにしても欧州は気候変動対策として化石燃料からの脱却に動いていますから、ロシアはそれも見越して動いているのかもしれませんが・・・
2022年8月20日 7:40 』