[FT]「嘘は民主主義壊す」チェイニー氏、大統領選に意欲

[FT]「嘘は民主主義壊す」チェイニー氏、大統領選に意欲
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB190VF0Z10C22A8000000/

 ※ 諸般の事情により、今日は、こんなところで…。

 ※ こっちはこっちで、「分断」の力学が作用し、「統合」の方向には、さっぱり向かわない気配だ…。

『米中間選挙に向けた共和党の西部ワイオミング州予備選でトランプ前大統領の支援する候補に敗れたリズ・チェイニー下院議員は、2024年の大統領選出馬を検討する意向を表明した。

8月16日、父親のディック・チェイニー氏とワイオミング州共和党中間選挙予備選の投票所に現れたリズ・チェイニー氏=AP

ブッシュ(第43代)政権で副大統領を務めたディック・チェイニー氏の長女である同氏は、17年からワイオミング州選出の下院議員を務めてきた。だが保守色の強い同州の共和党員は、議会でトランプ氏批判の急先鋒(せんぽう)となったチェイニー氏に懲罰を与えた。

トランプ氏の弾劾決議の際、チェイニー氏は共和党の方針に反して賛成に回った。今年、21年1月6日の連邦議会占拠事件を調査する下院特別委員会の副委員長に就任したことで、再選の可能性は一段と遠のいていた。

大統領選立候補の可能性、数カ月で決断

チェイニー氏は24年の大統領選に立候補する可能性を検討すると表明した。17日にNBCテレビのインタビューで「検討している。数カ月のうちに決める」と語った。

16日の予備選で敗北した後、同氏は、(前回勝利した時のように)勝とうと思えば勝てたが、そのためには20年の大統領選についてトランプ氏が主張する(選挙結果が民主党に盗まれたという)陰謀論に同調する必要があったと述べた。「米合衆国は、全候補者が選挙結果を受け入れる善意の上に成り立っている」と語った。

チェイニー氏は、リンカーンが第16代大統領に選ばれる前に議会選で敗れた事例を挙げつつ、共和党の「主要な部分」が連邦議会占拠事件の犯人を支持していると批判した。米連邦捜査局(FBI)によるトランプ氏邸宅の家宅捜索について誤った主張が広まっていることも非難した。「悪質な嘘が自由な国家を壊す」と同氏は語り、「ここで自由が死してはならない。(自由は)死ねないし、死ぬことはない」と続けた。

11月の中間選挙に向けた予備選のなかで最も遅いタイミングで実施されるワイオミング州とアラスカ州の選挙が16日に終了した。南部フロリダ州にあるトランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」で家宅捜索が行われ、機密文書の扱いを巡る捜査が始まった後だけに、(捜索開始後)トランプ氏が共和党員に対してどれだけの影響力を維持しているかの試金石となった。

アラスカ州では、親トランプ派のサラ・ペイリン元副大統領候補が下院で同州に割り当てられた1議席を争うと同時に、穏健派とされる現職のリサ・マーカウスキー上院議員が11月の中間選挙で再選を目指すことになった。

アラスカ州選出のドン・ヤング下院議員の死去を受けた補欠選挙も併せて16日に行われ、やはりペイリン氏が立候補しているが、最終的な結果はまだ判明していない。投票者が候補者に順位を付ける投票方法が採用されており、集計が終わるまでに長ければ数週間かかる可能性がある。

トランプ氏を公然と批判する共和党の候補は軒並み、同党予備選で苦戦した。連邦議会占拠事件を受けてトランプ氏の弾劾決議で賛成票を投じた南部サウスカロライナ州のトム・ライス下院議員、西部ワシントン州ハイメ・ヘレラ・ボイトラー下院議員、中西部ミシガン州のピーター・マイヤー下院議員はいずれも、トランプ氏の後ろ盾を得た対立候補に敗れた。弾劾決議に賛成した他の共和党下院議員のうち、4人は再選を諦め、2人だけが予備選で勝ち残った。

ワイオミング州の予備選前に行われた世論調査の段階から、トランプ氏の支援を受けたハリエット・ヘイグマン氏がチェイニー氏の支持率に30ポイント近い大差をつけてリードしていた。チェイニー氏にとっては、そもそも勝利を想像することも難しい状況だった。

「闘いが始まる日」

チェイニー氏は自ら投票に出向いた16日、「今回の結果がどうなろうとも、今日はこれから続いていく闘いが始まる日であることに間違いない」とCBSテレビに語った。

「われわれは今、民主主義が攻撃され、深刻な脅威にさらされる時期に直面している。自由を信奉し、憲法とこの国の将来を大切に思う共和党員、民主党員、独立系陣営には、その大切な民主主義を党派より優先する義務がある」

チェイニー氏を破ったヘイグマン氏は、20年の大統領選結果が正しくなかったというトランプ氏の主張に同調し、前大統領を擁護してきた。マール・ア・ラーゴの家宅捜索も「政治的迫害」だとしている。

「FBIが前大統領をこのように扱えるならば、私たちのことは一体どう扱うだろうか、考えてみてほしい。エリート自身のためのものと、政敵のためのもの、2種類の司法制度が同時に存在している」とヘイグマン氏はツイートした。

チェイニー氏の敗北が確定する前から、トランプ氏とその支持者たちは楽観的だった。トランプ氏の広報担当者のテイラー・バドウィッチ氏は、トランプ氏が踊っている動画に「バイバイ、リズ・チェイニー」とコメントを付けてツイッターに投稿した。

ドン・キホーテのような訴え

チェイニー氏は「自党のメンバーがFBI捜査官の品位をおとしめているのは恥ずべきことだ」と話し、FBIを攻撃するコメントは「国を愛する公務員の生命を危険にさらす」と批判した。

最も注目すべきは、彼女がワイオミング州の共和党員への最後の訴えで、まるでドン・キホーテのように、20年の大統領選挙に関する親トランプ派の「大嘘」を否定すべきだと訴えたことだ。

チェイニー氏はツイッターに投稿した動画で「真実を放棄すれば米国は自由でいられない。20年の大統領選で不正が行われたという嘘は悪質だ。自分たちの国を愛する人々が犠牲になる」と訴えた。

24年の大統領選を目指すにせよ、チェイニー氏は、共和党の指名獲得争いで厳しい闘いを迫られるのは必至だ。指名を得るには、保守的な有権者がトランプ氏とトランプ主義に背を向ける必要があるためだ。

チェイニー氏はこれまでに、連邦議会占拠事件を調査する下院特別委員会の副委員長として、トランプ氏が同事件に関連して法に抵触したことを示す証拠が増えており、訴追すべき根拠が強まっていると発言している。

By James Politi

(2022年8月17日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

【関連記事】

・米共和党チェイニー氏、2024年大統領選出馬を検討
・米民主党に夏の追い風 「嫌トランプ」結集に潜むリスク
・米共和チェイニー氏、予備選大敗 反トランプ派苦境鮮明
・米議会占拠に「新証拠」 前政権の黙認疑惑深まる
・トランプ前大統領に扇動・妨害疑惑 特別委、起訴狙う

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

今村卓のアバター
今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
コメントメニュー

分析・考察

チェイニー氏の予備選での敗北に驚きは感じませんが、惨敗ぶりに共和党の変質を強く認識させられました。同党のエスタブリッシュメントの想定以上の弱体化です。
中間選挙では共和党が下院の多数派を奪還するでしょうが、同党議員の多くはトランプ派、20年大統領選の結果を否定し、民主主義や法の支配を必ずしも尊重しない「ミニ・トランプ」的な議員が増えると思います。
24年大統領選の共和党予備選もトランプ氏対チェイニー氏の構図になれば、権威主義と民主主義の戦いとなる可能性も否めません。その場合、米国だけでなく民主主義の価値観を共有する日本など同盟国にとっても深刻な問題になる恐れがあると思います。
2022年8月19日 20:26 』

金与正氏、韓国の支援「相手にせず」と談話

金与正氏、韓国の支援「相手にせず」と談話
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM192NF0Z10C22A8000000/

 ※ こういう南北の、「蜜月」「確執」のあり様(よう)も、5年周期で繰り返される…。

『【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮が韓国への対立姿勢を強めている。金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は19日、韓国の支援を「絶対に相手にしない」という内容の談話を北朝鮮メディアを通じ発表した。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による15日の演説を批判した。尹氏が演説で触れた「大胆な構想」は「愚かさの極致だ」と決めつけた。

尹氏は演説で、北朝鮮に向け「実質的な非核化に転換するなら、北朝鮮の経済を画期的に改善できる大胆な構想を提案する」と語った。具体的な支援項目として、食料、発送電インフラ、港湾、空港、農業、医療、金融をあげていた。

これに対し、金与正氏は談話で「荒唐無稽な言葉だ」と切り捨てた。尹氏が北朝鮮の非核化を支援の条件とした点は「誤った前提だ」と否定した。核を「我々の国体」と呼び「核を経済協力のようなものと換えるという発想が尹錫悦の夢であり構想ならば幼稚だ」と、こき下ろした。

「どうか、ちょっとお互いに意識しないでほしいというのが願いだ。我々は尹錫悦という人間自体が嫌いだ」と突き放した。

この金与正氏の談話について、韓国大統領府は19日「大変遺憾だ」とコメントした。

韓国統一研究院の洪珉(ホン・ミン)北朝鮮研究室長は「『大胆な構想』は北朝鮮が受け入れるかどうかが重要だ。金与正氏の談話には、この構想自体を無力化し、南北関係の主導権を握り、韓国をゆさぶろうとする意図がある」と指摘する。

韓国は22日から米国との合同軍事演習を控える。尹政権は北朝鮮に対話を呼びかける一方、米国との同盟強化は進める考えだ。北朝鮮との融和を重視し、米国と距離を置いた文在寅(ムン・ジェイン)前政権とは一線を画す。

金与正氏は談話で、17日に北朝鮮が黄海に向けて発射した巡航ミサイルにも言及した。発射地点は韓国が発表した北朝鮮の平安南道温泉一帯でなく、安州市の「クムソン橋」だったと主張したうえで、「なぜ(韓国側は)発射地点ひとつも、まともに明らかにできないか」とやゆした。

【関連記事】

・金与正氏「対決なら核使用」 韓国をまた威嚇
・金与正氏、韓国国防相に警告 「先制打撃発言」に反発 

ニューズレター
多様な観点からニュースを考える https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
コメントメニュー

分析・考察

おそらくユン大統領も、北朝鮮がまともに取り合うことはないという前提で喋っているのだろうから、この反応は驚くことではないが、どのような言葉を使って反応するのか、どういう点に反応するのかを見極めたいということなのだろう。しかし、金与正の「どうか、ちょっとお互いに意識しないでほしいというのが願いだ。我々は尹錫悦という人間自体が嫌いだ」というセリフは興味深い。個人的な好き嫌いの話を、女性である金与正に語らせている意図はどこにあるのだろうか。それとも本当に嫌いなだけなんだろうか。
2022年8月19日 19:09
峯岸博のアバター
峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
コメントメニュー

ひとこと解説

北朝鮮が支援の呼びかけを受け入れないのは尹錫悦政権には織り込み済みでしょう。韓国新政権の人事や政策をみても北朝鮮と真剣に歩み寄ろうという意思は感じられず、当面は対立しても構わないと割りきっているようにさえみえます。5月の就任演説に続いて北朝鮮支援に言及したのも、韓国国民の幅広い支持を得るための「国内向け」の色彩が強いとみるべきでしょう。一方の北朝鮮は絶対権力者の妹が韓国批判の最前線に立つのは文在寅政権時代から変わりません。革新派から保守派が政権を奪った李明博政権時代の2010年のように北朝鮮が局地的に紛争をしかけて朝鮮半島が緊迫するリスクが高まっています。
2022年8月19日 17:54 』

記者も狙われた、ロシアのスパイ120人が日本潜入 手口を徹底解説

記者も狙われた、ロシアのスパイ120人が日本潜入 手口を徹底解説
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00372/081800010/?n_cid=nbpds_top3

『吉野 次郎

日経ビジネス記者

警視庁は先ごろ、ロシアのスパイとみられる人物がハイテク企業周辺の路上で社員に声をかけているとして、各社に注意を促した。飲み友達になるなどして社員を手なずけ、最終的に社外秘の資料を持ち出させる。そんな巧みな人心掌握術を身につけるロシアのスパイらが日本各地で暗躍する。彼らを監視していた警視庁OBによると総勢約120人に上る精鋭たちである。

日本を舞台に太平洋戦争直前まで暗躍していたソ連の伝説的スパイ、リヒャルト・ゾルゲのいわば後輩たちだ。先輩から後輩へと受け継がれたたらし込みのテクニックを知ることが、身を守る第一歩となる。警察に逮捕され、「スパイの協力者」の汚名を着せられてからでは遅い。

実は記者もスパイから接触を受けていた。

 「あの人たちはのんびりしていて気持ちよさそうだね」

 東京・港区虎ノ門を歩いていた記者に、スーツ姿の見知らぬ白人男性が、英語で気さくに話しかけてきたのはある秋の日のことであった。

 ベンチで日なたぼっこする人々に視線を向けながら、季節についてとりとめもない話を振ってきた後、「申し遅れました。私はイワン・クラコフスキー(仮名)。『ワーニャ』と、愛称で呼んでほしい」と言って、旧共産国の駐在武官だと記された名刺を差し出した。
記者は路上で見知らぬ白人男性から話しかけられた。写真はイメージ(写真:アフロ)

 この旧共産国では、駐在武官のポストが軍諜報(ちょうほう)部門の「指定席」になっていることは知っていた。このためワーニャが軍所属のスパイであろうことは、すぐに察しがついた。

 そのころ記者は、サイバー防衛政策に影響力を持つ自民党の国防族などを取材していた。旧共産国のスパイが興味を持ちそうな内容の署名記事が多かっただけに、ワーニャが記者の身元を分かっていた上で、偶然を装って話しかけてきた可能性もあると感じた。

 そんな直感はおくびにも出さないまま記者も名刺を渡し、世間話に付き合ってみた。雑誌記者という職業に興味津々の、来日間もない駐在武官を演じるワーニャは、一通り話し終えてもまだ話し足りないそぶりで、再会を提案してきた。

銀座でスパイと腹の探り合い

 数日後、銀座の日本料理店で再会したワーニャは、会話の端々で記者の暮らしぶりについて探りを入れてきた。

 「あなたが今住んでいる家の家賃はいくらくらいですか?」「支払いに苦労していませんか?」

 ワーニャ自身は高級住宅に住んでおり、自由に使える資金が豊富にあるという。記者からカネで情報を買う意思があることを、それとなく伝えてきているようだった。

この記事の連載
吉野次郎の新ニホン論

ありきたりの正論や定説にとらわれていないか。慣れ親しんだバイアスを捨て去り、この国が抱える様々な…(※ 無料は、ここまで。)
WATCH』

ついに見えてきたロシアのウクライナ侵略失敗、本当の理由

ついに見えてきたロシアのウクライナ侵略失敗、本当の理由
非正規戦への過信で当初作戦に失敗、正規戦との連携が不発に
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71439

 ※ 中○人の「工作員」に言及しているが、別に「工作員」が潜り込んでいるのは、かの国だけの話しじゃないだろ…。

 ※ 日本国の周辺は、「反日国」ばかりだから、そういう全ての国家の「工作員」が入り込んでいるハズだ…。

 ※ 「顕在的な工作員」は、まだ分かりやすくて、対処がしやすい…。

 ※ ホントに恐ろしいのは、「顕在化」していない、「潜在的な工作員」の方だ…。

 ※ こればかりは、「いざという時」にならないと、判然としない…。

 ※ 別に、日本国だけの話しじゃ無い…。

 ※ 各国とも、そういう状況下で、どうにかこうにか「対処」していっているだけの話しだ…。

『連携成功なら短期間でウクライナ征服

 ロシアとウクライナの戦いでは、「ハイブリッド戦*1が機能しなかったのではないか」「最終的には、ミサイルや砲弾が飛び交う正規戦が勝負を決める」という印象を持ってしまいがちだ。

 それでは、ロシアはハイブリッド戦を大々的に仕掛けなかったのだろうか。

 それとも、ウクライナに作戦を見破られて機能しなかったからなのだろうか。

*1=「正面切った戦いに訴えない多次元のアプローチ」によって各種能力が運用される恐れを「ハイブリッド脅威」と定義し、「ハイブリッド戦争」という場合には、軍事と非軍事の両方の手段を活用した戦争である(松村五郎元陸上自衛隊東北方面総監)。

 ロシア軍の侵攻開始から約半年が過ぎ、ロシアが仕掛けていた見えない戦争(非正規戦)が少しずつ見えてきた。

 7月になって、ロシア軍による非正規戦の情報やサイバー戦に関する情報が、ウクライナ参謀部から報告されるようになってきたのだ。

 ロシアの非正規戦が実施されたことは、JBpress『ウクライナ侵略でロシアが行った非正規戦、その卑劣な実態』(2022.8.11、https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71338)で解説したとおりだ。

 今回は、その非正規戦について、さらに一歩踏み込んだ。

 非正規戦の内容は地上戦とつながっている。それが成功していた場合は、ウクライナ全域が占領された可能性があると思えるのだ。

 このため、非正規戦とロシア軍地上侵攻とつなげて、作戦の狙いを再検討してみる必要があると考えた。

 非正規戦と正規戦を重ね合わせて分析する。』

『 1.侵攻当初の計算違い

 ロシアは侵攻当初、不可解と思えるほどの全正面同時攻撃と無謀とも思えるような果敢な攻撃になぜ踏み切ったのか。

 ロシアの非正規戦と軍の正規戦(軍事侵攻)とを重ね合わせて分析すると、非正規戦がウクライナ国内で準備され、それが完了したと判断したところで、ロシア軍は国境を越えて侵攻したと考えられる。

 非正規戦等の効果に乗じた全正面侵攻作戦だ。

 ロシア軍は侵攻当初、ウクライナの北部・東部・南部から同時に攻め込んだ。各正面とも侵攻速度は速かった。

 しかし、約1か月後には、キーウ正面の北部侵攻部隊は撤退し、その他の正面もその後の戦果拡張はできなかった。

 後日判明した損害を読み取ると、侵攻の2週間から5週間に、大きな損害を受けていた。

ロシア軍兵員の週ごとの損害
出典:ウクライナ軍参謀部のデータに基づき、筆者が作成
ギャラリーページへ

ロシア軍軍用機の週ごとの損失
出典:ウクライナ軍参謀部のデータに基づき、筆者が作成
ギャラリーページへ

 ということは、全正面を全戦力で攻撃すれば、当初の2~5週間で作戦が上手くいく、北部ではキーウ占拠、東部・南部ではドニエプル川まで、あるいは、さらにうまくいけば、ポーランドとの国境まで攻め込めると想定していたからだろう。

 ロシア軍は、軍事作戦を実施する場合に、軍全体の図上研究(兵棋演習)を実施し、成功することを概ね確信し、その結果をウラジーミル・プーチン大統領に報告して承認を得ていたはずだ。

 このようなことは、米軍でも自衛隊でも行っている。

 ロシア軍は、図上研究から想定通りにいき、結果、成功すると読んでいたのだろう。2~5週間で、ウクライナの大部分を占領できると判断したと考えられる。

 ところが、その作戦は「無謀な戦いを仕掛けた」「ロシア軍は弱い」と判断されることになった。

 ロシア軍にとってみれば、作戦計画のどこかに「狂い」が生じたことになる。その「狂い」は何だったのか。

 侵攻当初には、ウクライナ軍が米国から得た情報を適時に使って戦えたこと、米欧から得た兵器などが効果的であったこと、ロシア軍の兵器が時代遅れで脆かったことが挙げられた。

 私は、これらのほかに非正規戦の失敗があったとみている。

 実際、非正規戦が思うようにいかなかったことが最近になって報告され始めている。

 ロシアには、2014年の侵攻の際に、非正規戦と正規戦(ハイブリッド戦)の成果によって、短期間にクリミア半島が占拠できた経験があった。

 したがって、航空作戦の支援を受けた地上戦が圧倒的に有利であり、侵攻前に仕込んだ非正規戦の成果が得られるという考えがあったのだ。』

『 2.非正規戦と地上戦の連携失敗

 非正規戦の実施は、侵攻開始直後あるいは侵攻初期に実施されたものがほとんどだ。

 ということは、ロシアは、ウクライナ国内に事前に潜入、あるいはウクライナ国内のロシア人を利用して準備させ、その後、地上戦と連携したと考えられる。

 キーウに侵攻した地上軍部隊の最前線は、侵攻から約1か月の間に、キーウの北部や北東部から挟み撃ちの形で攻撃し、キーウから25キロ圏に接近した。

 キーウが陥落するのも時間の問題かとウクライナや支援する欧米各国は不安視した。

 だが、実際にはロシア軍の数々の作戦は失敗し、急速な撤退となった。

 最近のウクライナからの報告によれば、侵攻開始前からロシアの非正規戦は準備されていたという。

 そして、以下のロシアの非正規戦と地上戦の連携は失敗したことが明らかになった。

 もし、以下の作戦が成功していれば、戦況は大きく変わったものになったであろう。

①ロシア特殊部隊によるウォロディミル・ゼレンスキー大統領の暗殺が、2週間で12回も阻止された。もし成功していれば、ウクライナ政権内部は大混乱していた。

②秘密工作員の誘導によるキーウ近郊の空挺・ヘリボーン作戦部隊が一時的に成功したものの、増援空挺部隊が空中機動中に撃墜されて、空挺・ヘリボーン部隊は全滅、攻撃は失敗した。

(次の③のことがなく、空挺部隊等と北からの地上部隊とが合流できていれば、空挺部隊は全滅せず、キーウ市内では市街戦となっただろう)

③キーウ北部の水門を事前に確保できなかったために、ウクライナに水門が破壊され、地域は水没した。

 そのため北からキーウを攻撃する部隊の行動が制限され、侵入経路を変更するなどの混乱が生じた。行動地域の機動が妨害されなければ、混乱せずにキーウに突入できていた。

④ウクライナ軍を装った兵士が、高射機関砲を搭載したトラックで、キーウ市内を銃撃したが、ウクライナ軍に殺害された。

 ロシア地上軍がキーウに突入できていれば、市内の襲撃と合わせ、市内は大混乱になっていたはずだ。

⑤ロシア軍の軍事作戦に協力する情報提供者(親ロシア住民)が逮捕された。

 逮捕されていなければ、ウクライナ軍の作戦司令部、情報機関、サイバーセンターなどは、効果的に破壊され、指揮機能は混乱していただろう。

 上記の①②③の非正規戦は、戦争の帰趨を大きく変える作戦の一つだ。

 もしも、一つでも正規の軍事作戦と連携して成功していたら、あるいは、いくつかがまとまって成功していたら、首都キーウは占拠されていたかもしれない。』

『 3.非正規戦に乗じた作戦の効果

 ロシア軍が侵攻当初の1か月間に、ほぼ全力を投入し、無謀とも考えられる全正面から、果敢に攻撃を実施した。

 これは前述したとおり、ウクライナの政府中枢と都市を混乱させる非正規戦に連携して、大々的な地上戦を実施すれば、ウクライナの完全制圧が可能であると考えていたと考えられる。

 もし、その通りにロシアが非正規戦によりウクライナの政府機能や軍事の指揮機能を喪失させ地上侵攻作戦と連携して戦果が拡大していったら、ウクライナは完全に占領されていた可能性がある。

 プーチン大統領が決めた大統領が現れ、独立国家としてのウクライナは消滅していたかもしれない。

 南部のへルソン州では、へルソン州付近を流れるドニエプル川にかかる橋梁を早期に爆破しなかったため、ロシア軍のへルソン州早期占領に貢献してしまった。

 大河川にかかる橋梁の爆破は、タイミングが重要だ。

 例えば、爆破が早ければ敵の進行を止められるが、反面、自国軍の撤収ができず、孤立して捕虜になってしまう危険性がある。

 逆に爆破が遅れれば、自国軍の撤収は十分に達成可能であるが、反面、敵の侵攻を速めてしまう。

 へルソン市にかかる橋梁の爆破が遅れたのは、親露派による非正規戦の成果だったのか、ウクライナ軍が早期に防御を放棄したのか不明である。

 親露派によるロシア軍への協力が功を奏した可能性も考えられる。現在のところ明らかにはなっていない。』

『 4.マイクロソフトチームの貢献

 マイクロソフトのリポート「サイバー戦争の初期の教訓」(2022年7月4日)によれば、マイクロソフトのチームは、ロシアの侵攻以前から、ウクライナの政府機関や重要インフラに対するサイバー攻撃から守れるように、24時間体制で支援したという。

 このチームは、ウクライナ政府やあらゆる種類の組織と密接に協力していた。

 ウクライナは、ロシアのサイバー攻撃の約70%以上を防ぐことができたのだ。

 ロシアのサイバー攻撃は以下のとおりだ。

 2月24日、ロシア軍が実際に侵攻し、ミサイル攻撃を始める数時間前、「Foxblade(狐の刃)」と呼ばれるサイバー兵器がウクライナのコンピューターに対して送られていた。

 システムファイルを消し去る破壊的な攻撃であった。

 ロシアは、ウクライナ政府のデータセンターを狙って、巡航ミサイル攻撃を行った。サイバー攻撃と連携した巡航ミサイル攻撃だった。

 これに対して、ウクライナは事前に、デジタルインフラを避難させていた。

 マイクロソフトは、ロシア軍がウクライナの48か所の機関や企業に対して、また、ウクライナ以外の42か国の128組織に破壊的サイバー攻撃を何度も実施していることを確認している。

 現在でも、ロシアのサイバー攻撃は終わることなく、執拗に継続して実施されている。
 ウクライナが前述のことを詳細に把握していたということは、マイクロソフトチームの協力によるところが大きい。』

『 5.ロシアを出し抜いたウクライナの防諜活動

 侵攻開始1か月後にキーウ占拠作戦が失敗し撤退を余儀なくされたことは、ロシアにとって大誤算であり失望であったに違いない。

 これは、ロシア軍から見れば、正規戦では全正面同時攻撃の失策、兵站問題、機甲戦力の機動制限の理由を挙げられる。

 ウクライナ軍から見れば、国民全員が何らかの形で戦ったこと、米欧から供与された兵器がロシア軍の攻撃を阻止できたことが挙げられる。

 だが、キーウでの見えない戦争である非正規戦やサイバー攻撃が早期に潰され、軍事作戦と連携できなかったことも、重要だったと私は見ている。

 戦闘の様相とその推移を見ると、成功した正面もあったが、不成功の正面もあった。

 不成功だったのは、キーウ正面だった。

 首都キーウの早期占拠を企図して、キーウに隣接する空港に空挺・ヘリボーン作戦を行った。

 だが、キーウ占拠まであと一歩というところで撤退した。

 成功したのは、ウクライナ南部のへルソン州やザポリージャ州への侵攻だった。大きな抵抗を受けることなく占拠した。

 ロシアの北部への侵攻作戦は撤退することになり、南部は上手くいったことについて、私は、不可解なこととして心に残っていた。

 そして、時間の経過とともに、ロシア軍の見えない仕掛けがウクライナ軍に解明され、潰されてきたことを知った。

 ゼレンスキー大統領の暗殺について、大統領府のミハイル・ポドリャク長官は侵攻から2週間で12回以上の暗殺未遂があったと発表した。

 また、「我々は非常に強力なインテリジェンスと防諜ネットワークを持っている」「ロシアの情報機関の連邦保安局内にも内通者がいて、その情報で未然に防ぐことができた」と語っていた。

 ウクライナは、ロシア軍の非正規戦を見破っていたのだ。』

『 6.侵攻作戦前の非正規戦は常態化

 非正規戦は、戦車・火砲・ミサイルを撃ち合うこととは異なり、表舞台には現れない。

 だが、ウクライナでの戦いを見ると、侵攻前に非正規戦を行い、軍の作戦を支援することが、侵攻を成功させる大きな要因であることが判明した。

 もしも、中国が我が国に侵攻するとしたら、そのときには非正規戦は必ず行われる。

 しかも侵攻する前に実施される。つまり、防衛出動や防衛出動待機命令の前に、密かに着々と準備され、実施されるということだ。

 我が国には、70万人以上の中国人が住んでいる。

 彼らは、有事には、「国防動員法」により、中国の指示に従わなければならないことになっている。

 また、中国人に協力する日本人もいるかもしれない。

 彼らが、ウクライナで行われているような非正規戦を、有事には行うと考えるべきだ。

 防衛出動等が発令される前に、非正規戦が準備され、密かに進められている時に、この行為を発見し、実施者を拘束・逮捕できるのだろうか。

 非正規戦そのものは、小さなことかもしれないが、これらと侵攻作戦が連携すれば、重大な影響を及ぼす。

 日本は、対応する準備ができているのだろうか。』

三井物産、サハリン2新会社に参画通知へ

三井物産、サハリン2新会社に参画通知へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2009Z0Q2A820C2000000/

 ※ あとは、三菱商事の出方だけか…。

 ※ 日本政府の意向もあって、三井物産に右ならえ…、となる可能性が高いか…。

『三井物産はロシア極東の資源開発事業「サハリン2」について、ロシア政府が新たに設立した運営会社に参画する意向を固めた。ロシア側はサハリン2の運営を新会社に移管し、三井物産と三菱商事に出資を続けるかどうかの判断を迫っていた。三井物産は現状では不利益につながる新たな条件変更はないとみて、ロシア側の動向を注視しつつ、月内にも意思決定して通知する見通しだ。

日本政府は両社に権益を維持したい旨を伝えている。三菱商事は検討を続けている。ロシア政府は日本側から通知を受けた後、3日以内に承諾するかどうかを判断する。実際にロシア側が承諾するかは未知数で、日本のエネルギー安全保障は綱渡りの状況が続く。

ロシア政府は5日に新会社をロシア国内に新設した。それまではロシア国営ガス会社ガスプロムが50%強、英シェルが27.5%弱、三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資する英領バミューダ登記の企業が運営していたが、新会社に権利や義務、従業員などを引き継いだ。

新会社にはガスプロムが50%強出資し、残りの3社は設立から1カ月以内に従来の出資比率に応じた株式取得に同意するかどうかを通知する必要がある。三井物産は今後、ロシア側から日本にとって目立って不利な条件が出てこないかどうか注視する。

三井物産は「関係者と協議中につき詳細は答えられない」とコメントしている。

サハリン2は年1000万トンの液化天然ガス(LNG)を生産し、うち600万トンを日本に輸出する。日本が輸入するLNGの1割弱を占める。広島ガスが調達分の約5割、九州電力と東邦ガスは約2割、東北電力と東京ガス、西部ガスホールディングス(HD)は約1割を依存している。

【関連記事】

・サハリン2新会社、JERAと東京ガスが契約更新
・サハリン2の新会社、同じ契約条件提示 一部電力会社に

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』

ウクライナ原発への調査団派遣 仏ロ首脳、重要性で一致

ウクライナ原発への調査団派遣 仏ロ首脳、重要性で一致
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19DAS0Z10C22A8000000/

 ※ 原発攻撃して、放射性物質をまき散らすとか、「狂気のさた」だろう…。

 ※ 今般のロシア・ウクライナ戦争は、「人間の愚かさ」の見本市みたいなものだな…。

『【パリ=白石透冴】フランスのマクロン大統領とロシアのプーチン大統領は19日、電話協議した。両首脳はウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所について、早期に国際原子力機関(IAEA)の調査団を派遣することが重要との認識で一致した。ただロシア軍は同原発を軍事拠点にしているとみられ、派遣実現は依然として不透明感が大きい。

ロシア大統領府によると、プーチン氏は現地調査に必要な支援を提供する用意があると表明した。ロシア側によると、電話協議は仏側が提案した。

ロシアが占拠するザポロジエ原発近辺では爆発が相次いでいる。仏大統領府によると、マクロン氏はプーチン氏に原発の安全性への懸念を表明したという。

ウクライナは同原発の非武装化を求めているが、ロシア側は応じていない。ロシア軍は反撃を受けにくい拠点とみて同原発に弾薬を運び込んでいるとの情報がある。

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日に公開した動画で、調査団の派遣に向けて詳細をIAEAや国連などと協議していると説明した。

【関連記事】

・国連総長ウクライナ入り ゼレンスキー氏と会談へ
・ウクライナの原発、安全なお不透明 国連仲裁も
・IAEA事務局長、ウクライナ原発への調査団派遣を協議 』

ガスプロム、欧州向けパイプラインを一時停止へ 3日間

ガスプロム、欧州向けパイプラインを一時停止へ 3日間
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19D7Y0Z10C22A8000000/

『ロシアの国営天然ガス会社、ガスプロムは19日、8月31日から9月2日までの3日間、欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」での供給を一時停止すると発表した。ウクライナへの軍事侵攻を巡り対立する欧州への揺さぶりを強める構えで、欧州でガスの供給不安が一段と広がりそうだ。

ノルドストリームでのガス供給を一時停止する理由について、ガスプロムは「唯一稼働している送ガス設備(タービン)の技術サービスと計画的な保守作業を実施するためだ」と説明している。作業終了後には、供給量が現在の水準である日量3300万立方メートルに戻ると指摘した。

ガスプロムは6月中旬、カナダで修理中だったノルドストリームの独シーメンス製タービン1台の返却が対ロシア制裁で遅れていることを理由に、供給量を約4割に減らした。7月27日からは、6月中旬までの従来計画比で8割少ない日量3300万立方メートルに供給量を制限した。

修理を終えたタービンはドイツに運ばれたが、ガスプロムが書類の不備を理由に現在も受け取りを拒否している。他のタービンについても、修理などを理由に停止しており、現在は1台しか稼働していない状況だった。

ロシアの有力紙コメルサントによると、ノルドストリームでは全部で9台のタービンがあり、通常はこのうち6台が稼働状態にある。

ロシアからの天然ガス供給の急減に備え、欧州連合(EU)の欧州委員会は7月、緊急措置として8月から2023年3月までのガス消費量を過去5年間平均と比べ15%減らすよう提案。例外規定を設けたうえで加盟国間で合意した。

ノルドストリームはロシア北西部からバルト海海底を通ってドイツに至るガスパイプラインで、輸送能力は年間550億立方メートル。欧州各国では、ガスプロムが様々な口実をつくってガス供給の回復を拒み、厳しい対ロ制裁を科している欧州に揺さぶりをかけているとの懸念が広がっている。

【関連記事】欧州ガス再び高騰、ロシア供給減に熱波・水不足追い打ち

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

渡部恒雄のアバター
渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
コメントメニュー

分析・考察

短期的にはロシアの揺さぶりはそれなりに欧州に効果があるかもしれませんが、このような行為を繰り返せば、冷戦下でも欧州へのガス供給は続けてきたロシアの信用は失われ、長期的には欧州市場のロシア離れは決定的となるはずです。将来の歴史が判断することになるでしょうが、短期的な戦術的としてはそれなりに効果があっても長期戦略としては失敗というケースになるかもしれません。ただ、いずれにしても欧州は気候変動対策として化石燃料からの脱却に動いていますから、ロシアはそれも見越して動いているのかもしれませんが・・・
2022年8月20日 7:40 』

ウクライナ東部ハリコフで攻撃激化 死者20人超に

ウクライナ東部ハリコフで攻撃激化 死者20人超に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19DDC0Z10C22A8000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】ウクライナ東部ハリコフ州でロシア軍による攻撃が激しくなっている。ここ数日間の住宅地などへの砲撃によって、19日までの死者は21人に達したと伝えられている。同州の知事はSNS(交流サイト)で同日早朝にも5回の砲撃があり、女性1人の死亡を確認したことを明らかにした。

ウクライナメディアによると、19日の砲撃では企業の建物や学校などが破壊された。これまでの負傷者は40人以上に上り、犠牲者が増加し続けている。

英国防省は19日「ロシア軍の前線から約15キロメートル離れたハリコフは大半の部隊の射程圏内にあり、複数のロケット砲と精度の低い兵器が多くの街に破滅的な被害をもたらした」と指摘した。ロシア側はウクライナ軍を東部の戦線にとどめることで、他の地域での同国軍の反撃を抑えようとしていると分析した。

【関連記事】

・欧州ガス再び高騰、ロシア供給減に熱波・水不足追い打ち
・中ロ首脳、9月に直接会談も 米紙報道 』

ソフトバンクG、繰り返す法人税ゼロ 税制見直し議論も

ソフトバンクG、繰り返す法人税ゼロ 税制見直し議論も
2007年3月以降の15年間で課税は4回
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC030BU0T00C22A1000000/

 ※ プラットフォーマーなんかの巨大IT企業にも、通じる話しだ…。

 ※ さんざん、通信インフラとか、電力とか、公共インフラとか利用しておいて、それを維持・保守するための「原資」には、ちーとも貢献しない…。

 ※ 大体、企業の利益獲得活動というものは、それの「原資」となっている「国民」の生活・活動あっての話しだ…。

 ※ そこに「貢献」しないのでは、「白い眼」向けられても仕方がない…。

 ※ 徐々に、「排除の力学」が作用していくだろう…。

『ソフトバンクグループ(SBG)に2007年3月期以降の15年間で、法人税が生じたのは4期だったことが日本経済新聞の取材で分かった。「法人税ゼロ」の年が繰り返されたのは、税法で非課税となる配当が多いためとみられる。合法な税務処理だが、税負担の軽さについて、現在の税制が妥当なのかなど議論を呼ぶ可能性もある。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(6月24日)=同社サイトより
税負担、利益の0.25%

関係者によると、直近15年でSBG単体に法人税が課されたのは10年3月期、12年3月期、13年3月期、17年3月期だった。法人税額は計約170億円で、この間のSBG単体の税引き前利益(計約6兆6千億円)の約0.25%だった計算となる。

連結純利益が日本企業で史上最高の約5兆円となった21年3月期も、単体の法人税はゼロだった。SBGは22年3月期は連結、単体とも大幅な赤字を計上するなど足元の業績は苦戦している。

SBGは有価証券報告書に法人税に関するデータも記載しているが、これは「会計上で税負担とみなす分」などを示したもので、税務上のSBG単体の法人税額とは異なる。SBGは傘下企業とは別に単体で税務処理し、法人税額などは開示されていない。

課税が少ない理由は、収益の大半が税法上は非課税となる傘下企業などからの配当だからとみられる。税法では一定条件を満たす国内子会社からの配当金は全額が、海外子会社からの配当金は95%が非課税となる。

一連の税務処理は合法だ。法人間の配当に課税しない制度も、欧米など海外でも一般的といえる。

ただ今回のように会計上の利益と実際の法人税額が極端に開いた例が明らかになるのは珍しい。一部の専門家は「税負担が軽すぎるとの不公平感から、税制や納税状況の説明が十分かという議論につながる可能性がある」と話す。

【関連記事】法人税ゼロは妥当か ソフトバンクGと税、識者の見方

欧州やオーストラリアでは、大企業の税負担が合法的に少ないことが問題視され、納税情報を透明化する制度作りが進んだ。
財務諸表にのぞく納税状況

各企業が支払っている法人税額は通常は外部にわからない。税務会計は決算短信などを作成する企業会計とは計算方法が異なるうえ、納税額などを記す確定申告書も公表義務がない。

上場企業が公表する決算短信は法人税に関する複数の項目を含むが、大半は会計上の税負担とみなされるもので実際の納税額とは違う。ただし損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」の項目は、数値の動き方が法人税の有無の目安となる。同じ数値が何年も続く場合は、資本金などの外形的な条件で決まる地方税分のみが反映され、業績で増減する法人税が生じていない可能性が高い。

SBGの場合、「法人税、住民税及び事業税」は過去15年のうち13の期間で同じ「500万円」だった。SBGの関係者は日本経済新聞による20年の取材時、この項目が500万円で固定されている場合について「法人税が生じていない」と認めていた。別の複数の関係者によると、修正申告などを経て課税された年もあり、最終的に税負担が生じたのは10年3月期など4回だった。

課税がわずかな理由は、収益の大半が子会社などからの配当金という、純粋持ち株会社として独特の収益構造の影響が大きいとみられる。21年3月期の開示資料によると、SBG単体の営業収益(約1兆6千億円)は、ほぼ全てが国内外の関係会社からの受取配当金だった。現行の日本の税法では原則、3分の1超の株式を持つ国内子会社からの配当金には税金がかからず、海外子会社からの配当金も95%が非課税となる。
税務と会計で2つの顔

SBGは非課税収入が多いだけでなく、税務上の赤字(欠損金)が積み上がっているのも特徴的だ。同社の資料などによると、20年3月末時点で約3兆4千億円(連結ベース)の繰越欠損金を保有し、その多くがSBGのものとされる。

この欠損金の多くは、16年に約3.3兆円で買収した英アーム・ホールディングス株を巡る取引などで生まれたとみられる。18年3月期に中核事業を担う同社子会社「アーム・リミテッド」株を配当として受け取り、価値が下がったアームHD株の大半を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)などに譲渡した。この取引で約2兆円の税務上の欠損金が生じた。

一連の取引を巡って国税当局は約4000億円の申告漏れを指摘し、SBGも修正申告した。だが税務上の欠損金が多かったため、追徴課税は発生しなかった。また税務と会計ではルールが違い、会計上の損失は計上されなかった。

こうした手法には「税制の抜け穴」との指摘も上がった。国税当局や財務省はその後、「ソフトバンク税制」と呼ばれるルール改正に着手。20年度税制改正で子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた節税策を封じた。

現在、税務上の繰越欠損金は10年間有効だ。SBGに今後、課税所得が発生しても当面は欠損金と相殺され、税額が圧縮される。SBGは過去に長らく会計上で多くの利益を計上してきたが、税務上は巨額の赤字会社という全く別の顔を持っている。
専門家から「違和感」

専門家の中には「もともと持ち株会社は非課税の収益が多い性質がある」(企業税務に詳しい税理士)や、「グローバル企業が最適な税負担を求めて様々な仕組みを検討するのは当然だ」(企業の税務戦略に詳しい山田典正税理士)などの声もある。

一方で、財務省で法人税制の改正に長く携わった朝長英樹税理士は「適法でも兆円単位の利益のある会社が何年も法人税額がゼロなのは違和感がある。制度に問題がないか検討すべきだ」とみる。

企業税務に詳しい弁護士も「SBGは日本に本社を置き、株式市場などの公共サービスを利用している。株主には配当を行い、自社株買いなども実施している」と指摘したうえで、「これほど法人税が少ないと、自社の株主には還元するが日本国には還元しないとも解釈でき、バランスが悪いと感じる」と話す。

こうした「違和感」や「不公平感」の声が高まれば、法人税の負担を巡るルール見直しの議論につながる可能性もある。

SBGの税負担を軽くしている要素のうち、賛否を呼びそうなのは海外子会社の配当金の95%を非課税とする制度だ。リーマン・ショック後、日本企業の海外資金を国内に戻しやすくする狙いなどで導入された。海外での納税の有無を問わないため「国内外で二重の非課税となる恐れもある」との指摘がある。現制度では海外子会社への課税の詳細について、日本の国税当局も直接の把握は難しい。

SBGは21年2月、英国子会社から40億ドル(当時のレートで約4200億円)の配当を受けたことを公表するなど、海外子会社からの配当利益も発生している。

投資会社を巡る税制の見直し議論に発展する可能性もある。国際税制に詳しい弁護士は「一般的に投資会社は積極的な節税策で税負担が軽い例が多いといわれる」と話す。米国が大企業への課税強化にかじを切るなど、海外でも法人税制の強化が目立つ。業種による税負担の不公平感の解消も課題となっている。
税制や透明性に議論も

納税情報の開示を巡る課題も浮かぶ。ESG(環境・社会・企業統治)重視を受け、納税額などを自主公表する企業が増えている。しかしSBGの手法はグループの一部のみの開示で「都合のいい部分のアピール」と指摘される可能性がある。

SBGの場合、会計上の利益が多い自社単体の納税情報はほぼ非公開とする一方、傘下で事業会社のソフトバンクや同社の関連30社分などはまとめて開示している。20年度の日本での税前利益は計8451億円で、法人税等支払い額は計3894億円だった。「納税が多い企業分だけ開示している」とみられる可能性もある。

企業税務に詳しい筑波大学の本田光宏教授は「大企業がなるべく多くの納税情報を明かすことは適切な納税を示す『税のガバナンス』の一貫といえる。公平な税制に向けた建設的な議論にもつながる」と話している。

SBGは課税回数や税額、税負担が軽い理由などの日本経済新聞の取材に「有価証券報告書に記載のSBG単体の法人税の欄以外に開示しているものはない。(日経の質問には)間違いが散見されるが、これ以上の回答は控える」と答えた。その後日経は課税回数などを再取材で確かめ、再びSBGに質問したが同社は「(前回以上の)回答はない」とした。国税庁は「個別企業の納税状況については回答できない」としている。

(企業税務エディター 川瀬智浄、宮川克也、鈴木亘)
この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/The-Big-Story/The-mystery-of-SoftBank-s-zero-tax-bill?n_cid=DSBNNAR
Nikkei Asia
ソフトバンクGに対する取材の経緯

日本経済新聞は2021年末にソフトバンクグループ(SBG)の法人税の納税などについて同社に取材を依頼した。質問要旨と回答は以下の通り。

(注)実際に日経がSBGに送った質問の一部には納税額など未確認の数字も含まれているため、質問は要旨のみ示します。

【質問1】SBGが税務上の所得が生じた期がいつかについての質問

【質問2】日本企業として過去最高の連結純利益(会計上の数値)となった21年3月期にも、SBGに税務上の所得、法人税が生じていないという事実確認を求める質問

【質問3】SBGに課税所得が発生したとみられる2010年3月期、12年3月期、13年3月期、17年3月期の法人税額(課税額)の合計についての質問

【質問4】上記4期間での、実際の法人税の納税額についての質問

【質問5】課税が少ない理由について、SBG単体は子会社や海外子会社からの配当が多いことが要因だという日経による分析に対する、SBGとしての見解を求める質問

【質問6】SBG単体に法人税負担が少ないことについての、会社としての考えを求める質問

【質問7】SBGは会計上と税務上の見え方が大きく異なることについての、会社としての意見を求める質問
SBGの回答

ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)の法人税については、有価証券報告書に記載のSBG単体の法人税の欄をご覧ください。この他に開示しているものはございませんので、いただいた個別のご質問に対する回答は控えさせていただきますが、間違いが散見されますので、ご留意いただければと思います。また、本件について、これ以上の回答は控えさせていただきます。

上記のやりとりを受け日本経済新聞は、SBG単体の法人税額などを追加取材で確認し、2022年2月にSBGに再び取材を依頼した。そのときの質問要旨と回答は以下の通り。

【質問1】2007年3月期以降でSBG単体に法人税負担が生じた(課税所得が発生した)期間は、10年3月期、12年3月期、13年3月期、17年3月期の4つの期だったということを確認する質問

【質問2】上記の4つの期の法人税の合計は約170億円だった(ただし税額控除などが行われる前の数字)ということを確認する質問

【質問3】法人税が課されていない(課税所得が発生していない)年が多い理由のひとつは、SBGの収益の多くが子会社からの配当など非課税(益金不算入)であるからということを確認する質問
SBGの回答

先日回答差し上げた以上の回答はございません。

日本経済新聞は、SBG単体の法人税額に関する質問とは別に、SBGに対して2022年2月、納税額の開示姿勢を巡っての見解も求めた。この点に関する日経側の質問要旨とSBGの回答は以下の通り。

【質問】SBG傘下のソフトバンクは、サステナビリティリポートで税務戦略を開示され納税額なども開示されている一方、SBG単体は納税情報に関する開示はない。子会社の税負担が生じている部分だけ開示し、実際に税負担が生じていない親会社は開示をしないのは、「都合の良い情報だけを発信している」とみられる可能性があると考えるが、その点についてSBGの見解をうかがいたい。
SBGの回答

当社は適切な開示を行っております。税務ポリシーについては 2〜3カ月以内に当社Webサイトで開示する方向で検討中です。なお、子会社の開示については、各社の判断で実施しているものです。

さらに日本経済新聞はSBGに対して7月26日、その後、税務ポリシーについて開示したのか質問した。するとSBGは7月29日、同社のホームページの中で、法令順守や適切な納税と税コストの適正化などについての方針を明示した「税務ポリシー」を開示し、同日より施行したと回答した。
国税庁への質問と回答(2022年2月)

質問:ソフトバンクグループ(SBG)について、15年間で4回しか法人税負担が生じていないと承知しております。連結会計で約5兆円の純利益を計上する企業に対して、このようなことが生じることに対して、どのようにお考えでしょうか。
回答:個別にわたる事柄は守秘義務が課されている関係上、お答えすることは差し控えさせていただきたい。一般論で申し上げれば、企業会計と税務会計では差異が生じることがあり、会計上で利益が生じていたとしても、必ずしも法人税が課されるとは限りません。いずれにしても国税当局としては個別の事実関係に基づいて、法令等に照らして適正に取り扱っていきたいと思います。

質問:税制などの問題点もあると思いますが、どうお考えでしょうか。
回答:国税当局としては、税務調査などにより、適正公平な課税に努めているところであり、個々の実態を見極めた上で、税制上の問題点を把握した場合には財務省主税局に対して、税制改正意見を申し入れるなどの対応を行っていきたいと考えています。

質問:過去にはソフトバンク税制とよばれる税制改正も行われました。何か具体的な対応などご検討されているようなことがあれば、教えてください。
回答:過去の改正により導入された税制については、法令に基づき的確に執行していきます。繰り返しになりますが、税制の問題点を把握した場合には、財務省主税局に対して、税制改正意見を申し入れるなどの対応を行っていきたいと考えています。
ビジネスセクション
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

蛯原健のアバター
蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
コメントメニュー

分析・考察

記事で言及される違和感とは主にPL上の巨大な損益とのバランスだがその点が同社の、と言うより会計制度上のミスリーディングな点、つまり持株評価額の短期の上下動がそのまま損益にヒットする故巨額となるがその殆どは未実現の帳簿上の損益に過ぎない点でしょう。無論実現益もあるがそれは法人税ではなくキャピタルゲイン課税がされているはず。同社は投資会社と持株会社の2つの性質を有するが前者ビジョンファンドにかかる税は主にキャピタルゲイン課税、但しファンド管理報酬が少なからずあるはずにてそれが最大の法人税源泉でしょう。一方後者ソフトバンクKKやTモバイル、アリババ、ARM等の保有においては法人税はほぼ発生し得ない。
2022年8月20日 9:06』

日韓関係はよくなるの? 尹政権、改善意欲は強く

日韓関係はよくなるの? 尹政権、改善意欲は強く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD150SG0V10C22A8000000/

 ※ こう支持率が低いんでは、「国内世論」に配慮せざるを得ないんで、ズルズルと「先例踏襲」「現状維持」を引き伸ばして、任期だけが過ぎて行く…、という感じだろうな…。

 ※ そして、何か「大変動」が生じて、右往左往する…、という感じか…。

 ※ どっかの国と、同じだな…。

 ※ あと、表には挙がっていないが、「トリチウムを含んだ処理水放出」の問題もある…。

 ※ それから、佐渡金山や軍艦島の「世界遺産」登録の問題もある…。

 ※ ああ、仏像問題もあったな…。

『「日本と韓国の間で政治や外交の対立が続いているね」「韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は日本との関係を重視しているようだけど、今度こそ修復に向かうのかな」

日韓関係についてバーチャルキャラクターの日比学くんと名瀬加奈さんが峯岸博編集委員に聞きました。

ニッキィの大疑問トップページ

日比くん 3月の尹大統領の当選から日韓関係にどんな変化がありましたか。

8月15日の大統領演説が韓国の変化を象徴しています。日本に不満や要求をぶつけず、日韓が未来志向で協力する重要性を説いたのです。

尹政権は自由や民主主義の価値を共有する日本、米国との連携を重視しています。当選後の各国との電話協議から米国のバイデン大統領、次に岸田文雄首相という順番にこだわりました。日本も尹氏が派遣した代表団の面会希望に全面的に応じました。

北朝鮮や中国への気遣いが目立った文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で、駐日大使が離任直前まで日本の外相と面会できなかったのとは対照的です。新政権となり雰囲気はずいぶん変わりました。

名瀬さん 中国や北朝鮮問題はどう作用しますか。

韓国の政権交代を機に、米国を交えた3カ国協議が急増しています。中朝は「日米韓」の枠組みに神経をとがらせ、文前政権も協議に消極的でした。尹政権は北朝鮮の核・ミサイル開発などに対抗し、日米との安全保障協力に積極的に取り組んでいるのです。

米韓同盟はもともと北朝鮮の脅威に対処するものです。しかし米国は中国やロシアと対立を深めており、米韓同盟の目的も「インド太平洋地域の平和と繁栄」まで広がりました。中ロの軍事協力にも警戒を強める米国が、同盟国の日韓に関係修復を強く働きかけている事情もあります。

懸念されるのは、2018年に韓国軍が自衛隊機にレーダーを照射した問題が尾を引いていることです。自衛隊と韓国軍の間には相互不信が残っています。近い将来、中朝ロが同時に日米韓をかく乱する行動に出る可能性もささやかれています。日韓の間で軍事機密を共有する協定(GSOMIA)を早期に正常化させる必要があります。

日比くん 日韓の最大の障壁である元徴用工訴訟問題もなかなか進展しません。

原告側の一部は一貫して日本企業との直接交渉や謝罪を求めているため、尹政権は意見集約に手間取っています。

韓国政府は韓国企業などが出資する基金や韓国政府が賠償を肩代わりする「代位弁済」を検討中です。ただこうした措置に必要な予算や法律が国会で成立するメドは立っていません。各種世論調査で大統領支持率が20~30%台に落ちているのも不安材料です。

この問題は1965年の協定によって国家間では解決済みです。大統領を先頭に韓国政府が原告を含む国民を説得し、日本がその動きを支援できるかがカギとなります。

名瀬さん 対立による経済への影響も心配です。

2019年に日本は韓国への半導体材料などの輸出管理を強化する措置をとり、韓国で日本製品の不買運動が起きました。最近は沈静化したものの、不買運動の間にシェアを奪われた日本製品もあります。1度失った顧客を取り戻すのは容易でないと企業の担当者は表情を曇らせます。

日韓両政府は6月から、新型コロナウイルス対策の入国制限を緩和しました。観光客の往来が戻るかは外交関係に影響される面もあります。

政権交代や安保環境の悪化を受け、韓国内の対日ムードがやわらいでいるのは間違いありません。ただ日本には政界を中心に韓国への厳しい空気が残っており、日韓関係が正常な軌道に戻るには時間がかかりそうです。経済や安保へのマイナスは大きく、まずは元徴用工問題の一刻も早い決着が望まれます。

ちょっとウンチク 対日で「視線」を意識

「ヌンチを見る」という言葉が韓国でよく使われる。日本語の「他人の視線を意識する」とほぼ同じ意味だ。競争社会を要領よく生き抜くスキルとして重視されているが、対日関係でも陰の主役である。

日本製品も日本旅行も大好きという韓国人は多い。しかし文在寅前政権下では「日本に負けるな!」と号令をかけられ、空気を読まざるを得なかった人もまた多かった。

私たちは集団主義だから、と韓国の知人は話す。そんな隣国のヌンチも、日本に友好的な新大統領の登場により、民間レベルでは大きく好転している。

(編集委員 峯岸博)
ニューズレターで注目テーマ深掘り メール登録はこちらNIKKEI Briefing
https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B002&n_cid=BREFT071 

THAAD対立が再燃、中国との溝深まる韓国…「三つのノー」合意ではないと主張

THAAD対立が再燃、中国との溝深まる韓国…「三つのノー」合意ではないと主張
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7fc06c0c1ba1ace187fffac4f1b957498c3b982

『【ソウル=上杉洋司】韓国に配備された米軍のミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD=サード)」を巡り、中韓両国の溝が深まっている。韓国は米軍の運用に必要な配備地周辺の環境整備などを進めているのに対し、中国が反発しているためだ。

 韓国南部・星州のTHAAD配備地では、市民団体の妨害で米軍の物資搬入が滞っており、政府は搬入ルート確保などを進めている。正式配備に必要な環境影響評価を含め、8月末にもメドをつけたい考えだ。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は12日、「韓米同盟は、韓国外交の基礎だ」と記者団に述べ、方針に変更がないことをにじませた。

 THAADを巡っては、9日の中韓外相会談で「関係発展の障害になってはならない」との認識で一致した。韓国の朴振(パクチン)外相は10日、「『三つのノー』が、合意や約束でないと明確にした」と記者団に明かした。

 「三つのノー」とは、文在寅(ムンジェイン)前政権が表明した〈1〉THAADの追加配備〈2〉米国のミサイル防衛網参加〈3〉日米韓の軍事同盟化――をしないとする原則だ。尹政権は、安全保障の「主権の侵害だ」と問題視する。

 一方、中国外務省の報道官は10日、三つのノーに加え、配備済み施設の整備をしないことも含めて「以前、韓国が対外的に示した」と強調し、原則は有効だとくぎを刺した。
 中国はTHAADについて、レーダーの探知が国内に届くとして一貫して反発している。米韓同盟強化を図る尹政権が追加配備に動かないよう、けん制する狙いもあるとみられる。

 ◆THAAD=米国の移動式陸上配備型ミサイル防衛システム。約800キロ・メートルを探知可能なレーダーと6台のミサイル発射台で構成される。大気圏外から落下してくるミサイルを上空40~150キロ・メートルの高度で迎撃する。米軍は2017年、北朝鮮の短・中距離弾道ミサイルへの備えとして韓国に配備した。』

韓国前政権、現場指揮官に自衛隊機へのレーダー照射権限

韓国前政権、現場指揮官に自衛隊機へのレーダー照射権限
尹政権、指針の破棄検討
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM194XB0Z10C22A8000000/

 ※ ヒデー話しだ…。

 ※ 「潜在敵国」どころか、「顕在敵国」扱いだな…。

 ※ 韓国前政権は、日本国を「顕在敵国」と見做していた(交戦状態となっても、かまわない…)ということだ…。

 ※ 北と「同盟関係」で、日本国と対峙する…、という雰囲気だったんだろう…。

 ※ かの国の「左派政権」は、こういうもの…ということだ…。

 ※ こういう「危険性」が、5年周期で繰り返される…。

 ※ そういう「前提」で、日本国の「安全保障」を、考えていく必要がある…。

 ※ むろん、米国も重々承知の話しだ…。

 ※ 米韓関係では、THAADの運用の問題、米韓合同軍事演習の問題を抱えている…。

 ※ そこに、中ロとの関係が、「変数」として加わってくる…。

 ※ 日本国の「安全保障」環境とは、そういうものだ…。

 ※ 『尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は同指針の破棄を検討する。』…。

 ※ 「検討」であって、「破棄した」わけでは無い…。

 ※ 大方、「カード」の一枚として使うつもりなんだろう…。

 ※ 「安全保障」の問題も、「経済関係」の問題(半導体材料の輸出管理の厳格化、通貨スワップなど)も、区別なく「ごちゃ混ぜ」なんで、困るよ…。

『【ソウル=甲原潤之介】韓国軍が艦艇上を低空飛行する自衛隊機向けに、現場の判断でレーダー照射できる権限を指揮官に与えていたことが分かった。文在寅(ムン・ジェイン)前政権時の2019年2月に指針を策定していた。日本側から反発が出ている。

与党「国民の力」の議員で元韓国軍合同参謀本部次長の申源湜(シン・ウォンシク)氏によると、軍当局が「日(本)哨戒機対応指針」の名称で海軍に通達した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は同指針の破棄を検討する。

レーダー照射は艦艇から相手機にミサイルなどを撃つ前に、標的の位置を測定し照準を合わせるための行動だ。攻撃の前段階の措置にあたり、武力衝突を誘発しかねない危険な行為といえる。

日本の防衛省によると日米中韓など21カ国が採択した「海上衝突回避規範(CUES)」で指揮官が回避すべき動作として規定されている。

申氏は自衛隊機が2回警告にこたえず近距離を飛んだ場合は「追跡レーダー」を照射すると規定されていると説明した。韓国紙の中央日報は政府消息筋の話として「青瓦台(旧大統領府)の国家安保室が主導し、軍の原案より強硬につくった」と伝えた。

18年に韓国海軍艦艇が自衛隊機にレーダーを照射する事件が発生し、日韓の防衛当局間の関係が悪化した。指針はこの2カ月後につくられたことになる。

韓国国防省の副報道官は18日の記者会見で「これまで内部指針を(報道機関に)説明したことはない」と述べた。

自民党の小野寺五典・元防衛相は19日、ツイッターに「政治が無責任に交戦一歩手前の危険行為を主導した証拠だ」と投稿し、韓国側に事実関係の確認と謝罪を求めた。』

三菱重工の再抗告巡る決定、19日は見送り…元徴用工問題で韓国最高裁

三菱重工の再抗告巡る決定、19日は見送り…元徴用工問題で韓国最高裁
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d290c2e9f93b547e5afa40e99f4ead79187f18a

 ※ そうやって、「一寸延ばし」にしたところで、いずれ「何らかの判断」を示さなければならないだろうに…。

 ※ 次の「山場」は、8月末日(水)か9月4日(日)か…。週末の金曜日は、9月2日だ…。最大限引っ張って、9月2日か…。

 ※ 日本政府は、とっくに「シミュレーション」済みで、どうなってもいいように「対策準備済み」のようだ…。

 ※ 事が「安全保障」絡みの話しになるんで、米政府とも協議済みだろう…。

『【ソウル=溝田拓士】日韓間の最大の懸案である元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題に絡み、聯合ニュースは19日、大法院(最高裁)が資産売却命令に関する三菱重工業の再抗告についての決定を19日午後6時までの業務時間内に出さなかったと報じた。

 上告審手続きに関する特例法によると大法院は、再抗告を受け付けてから4か月以内であれば理由を示さずに「審理不続行」との判断で棄却できる。「4か月」の期限にあたるのが19日で、大法院の判断が注目されていたが、棄却するかどうかの決定を見送った模様だ。

 聯合ニュースは、三菱重工業の訴訟を担当する大法院判事が9月4日に任期満了で退任予定だとして「遅くとも8月中に決定が出る見通し」とも伝えた。』